アーマード勇者育成記 チート?いいえ。ロストテクノロジーですが、何か?オレ流勇者&パーティ好き勝手にビルドうp   作:snyp_0

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第62話 俺、城にカチコミをかける

「お前らなんで城の前でたむろってんの?」

「おお! ゲイン殿! 実は――」

 

 俺はアンドリューから事の顛末を聞く。

 

「ほーん。で、どうにも出来んからここで突っ立ってたわけか? 砕けばいいだけだろこんなもの。バリアブレイク属性のアイテム使ってもいいし、割れるまで殴り続けるのも手だ」

 

 バリアの前に立っていたギヌルベルが俺に近づいてくる。

 

「待って下され! これはアタックリフレクトバリアという魔障防壁で――」

「殴れば殴るほど硬くなるんだろ? 知ってるよ。でもな? こいつはバリアの中じゃ下の上位のバリアーで、ある一定量のダメージ食らわせると普通に割れるぞ? あと、バリアブレイク属性の前には無力だ」

 

 俺はインベントリから銀に塗装されたデリンジャーを一丁取り出す。

 

「はい、どいてどいて。あぶねぇから」

 

 俺はわざとらしく両手を左右に振り催促し、バリアの前に立ちデリンジャーの引き金を引く。

 けたたましい音と共に銃弾が射出されバリアに当たった瞬間、バリアの壁に大きくヒビが入ると同時にガラスが割れた様な音が響き、城を覆い尽くしていたバリアは跡形もなく消え去る。

 

「よし、バリアは消えたぞ。ってうお!?」

 

 後ろを向くとギヌルベルが目の前にいたため、俺は後ずさりする。

 

「なんという事か! その面妖な形! 本に載っていた武器とそっくりじゃ! 機甲騎士殿! もし、よろしければ手にとって見てみても?」

「え? あ、うん。どうぞ」

 

 俺がデリンジャーを手渡すと、ギヌルベルはしげしげと観察し始めた。

 

「形……大きさこそ違うが……なるほど。文献で見た通り、やりようによっては様々な種類の……なんという汎用性か」

「あ、あの、それやるからさ、そろそろ城の中入って王女様助けなきゃ」

 

 俺がそう言った瞬間、ギヌルベルの目が血走り、シワだらけの顔を俺に向けてくる。

 

「このような貴重な物を頂けるのですか!? この武器を解明し必ずや魔術師の地位向上に役立てたいと思います!」

 

 ギヌルベルハはデリンジャーをローブの中にしまうと早歩きで去っていった。

 

「行っちゃったよ。まぁ、良いか。よし、城の中へ行くぞ! カチコミだ!」

 

 俺達が中へ入ると一切の静寂が城内を支配していた。

 玄関前の大きなロビーには人っ子一人おらず、俺は不気味な空気を感じた。

 

「うむ、おかしいのである。静かすぎる」

「何処かに皆、囚われているのではないか?」

「う~む」

 

 アンドリューとエスカが会話をしているのを尻目で見ていると、ファースが走りながら二人の元へ近づいてきた。

 

「大変です! こちらへ来て下さい!」

 

 俺達がファースの後へ付いて行くと静寂の原因が判明した。皆石化により、モノ言わぬ石像と化していたからだ。

 

「こいつ等は……完全に石化してやがる。おい、ちょっと聞きたい事がある。お前らの話によると反逆者はロンメル一人だと言っていたな? それは本当なのか?」

「僕が察知した気配、そして嗅いだ匂いは王女様とロンメルさんの二人だけでした! 間違いありません!」

 

 今俺達がいるのは城内の東側の長廊下だ。幾人もの女中や兵士が石にされていた。

 これは一人でやるには広範囲型の石化魔法を使用する必要があるのは明白だった。

 俺達は石像と化した人々を尻目に見ながら慎重に慎重を重ね、ゆっくりと長廊下を歩く。

 

「この世界の魔術師にそんな事が可能なのか? まさかロンメルはハガセンプレイヤーである可能性が? 仮にそうだったとして何のメリットがある?」

 

 俺はロンメルがハガセンプレイヤーである仮説を立てたが、すぐに頭から消去する。

 

「いや、違うな。そんなことをするメリットが一切ない。この現象は恐らくアクセサリーか装備によるパッシブスキルの影響だろう。やっぱ、協力者かバックボーンが居ると思った方が良さそうだな」

「お兄様、失礼ながらその可能性は低いと思われます」

 

 俺が独り言を喋っているとエスカが口を挟んできた。

 

「ん? なんで?」

「ロンメルはプライドの高さ故に一匹狼を貫いていました。その為、同じ城に常駐している宮廷魔道士や兵士達を使うのすら躊躇っていたくらいで――あれはッ!」

 

 エスカが俺との会話を途中で打ち切ったかと思うと、一人の女中へ近づいていく。

 

「間違いない! ネア! お兄様! なんとか出来ませんか!?」

「落ち着けエスカ。石化された人間はすぐ死んだりしねぇよ」

「で、ですが! お願いします! 大切な友人なんです!」

 

 俺に懇願するエスカを見ると目に涙を貯めているのが目に入った。

 

「うッ……わかった。わかりました」

 

 俺はエスカの友人だというネアに向かってエクストラヒールを唱える。

 すると、石像はあっという間に一人の綺麗な女性へと変わる。

 鈍色の髪にツインテールが似合う。黄色の目をした女性だ。

 

「こ、ここは?」

「ネア! 怪我はないか!?」

 

 エスカはネアの肩を掴みながら確認しているようだ。

 

「エスカ様。怪我……でございますか? いいえ、私は大丈夫です」

「そうか! よかった」

「あの~、悪いんだけど君が覚えてる最後の記憶教えてくれるかな?」

「――思い出しました! ロンメル様が私達の後ろを横切って行く瞬間、影が広がったんです! 黒い布のように! そこから……覚えていません」

「黒い……布? なんだそりゃ?」

 

 エスカの友人ネアの予想外すぎる返答に俺は混乱した。

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