俺が美優にプロポーズするまで   作:(TADA)

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美優さんとイチャイチャしたかった……そんな小説です。以下注意事項


キャラ同士の呼び方の間違い多し・居酒屋『しんでれら』にオリ店主・料理描写絶無・『愉悦部周子』


以上が大丈夫な方はスクロールをどうぞ


俺が美優にプロポーズするまで
1話


居酒屋『しんでれら』。346プロダクション近くにある小さな居酒屋は料理が美味しいと評判である。その美味しさは居酒屋であるのに売り上げの八割をランチタイムでとってしまい、本業である夜の居酒屋では閑古鳥が鳴いている有様である。その状況に料理を作っている店主は頭を抱え、店主の妹は指をさして嘲笑った。

しかし、その状況が好ましく感じる人々もいる。346プロに所属する成人(飲酒)アイドルの面々である。彼女達は料理が美味しくお酒の種類も地味に豊富な居酒屋『しんでれら』を行きつけのお店として頻繁に通うのであった。

 

 

 

 「兄ちゃんはいつ美優さんにプロポーズするん?」

妹の唐突な問いに俺は手元が狂って自分の手を切りそうになる。

 「と、突然何を言い出すんだ、周子」

京都の実家から追い出されてアイドルになった妹に俺は問ひ返す。妹は定位置である俺の正面のカウンターに座り、俺に命令して特別に作らされた『ジャンボエビフライトンカツ定食(大盛り)』という「お前、アイドルの自覚ある?」と質問したくなるような代物を食べながら再び口を開く。

 「せやからプロポーズやで、プロポーズ。兄ちゃん達は中学2年の時から付き合っとるやん。美優さんのお父さんが転勤族で引っ越し多くても遠距離恋愛続けて、兄ちゃんが東京の料理専門学校に進学して、美優さんが東京の大学に入学した時は半同棲状態やったやん。むしろなんでまだなん?」

 「いや、周子。それには深い理由があってだな……」

周子は皆まで言うなとばかりに俺の発言を止めると、再び口を開く。

 「兄ちゃんがヘタレなのは妹である周子ちゃんが一番よく知っとる」

 「おい」

 「そんなヘタレでチキンで超ネガティブな兄ちゃんが美優さんから仕事を辞める相談を受けた時にプロポーズしようとしたことも知っとる」

 「待て、何故知っている」

あれは誰にも相談していなかったはずだぞ。俺の発言を華麗に無視して愚妹は言葉を続ける。

 「その直後に兄ちゃんが当時勤めていた二つ星レストランのシェフと喧嘩してクビになったと聞いた時の美優さんの心境はわかるか、兄ちゃん」

 「いや、あれは俺も申し訳なかったなぁ……と」

俺の発言にやれやれだぜと首を振る周子。

 「これだから兄ちゃんは兄ちゃんなんや」

 「お前いい加減ぶっ飛ばすぞ!?」

 「どうせできないことを言うのは辞めた方がええで、兄ちゃん」

世の中の妹はこんな風に流れるように兄を罵倒してくるものなのだろうか。生まれてこのかた周子しか妹がいない俺にはわからん。

そこにクスクスと楽しそうな笑い声が聞こえてくる。

 「あ、すいません川島さん。うるさかったですね」

 「全然いいわよ。むしろ楽しませてもらってるわ」

最近になってうちの店の常連になった周子と同じ346プロに所属する川島瑞樹さんである。

 「面白し生物やもんなぁ、兄ちゃんは」

 「お前は何を他人面してるの? 川島さんはお前のことも笑ってるから」

 「嘲笑(わら)われることは兄ちゃん慣れてるやろ?」

 「お前今、嘲笑されることに慣れてるって言わなかったか?」

 「事実を述べただけやで?」

 「お前本当に失礼だな!!」

とりあえず報復に用意していた特製タルタルソースは没収である。

最初は文句を言っていた周子だったが、すぐに話を元に戻す。

 「それで、や。シェフと喧嘩して仕事を失った兄ちゃんは『こうなったら店持ってやるわボケェ!!』って感じでお店の開店準備を始めて、美優さんもそれに気を使った結果、結婚話は話題になることもなくお流れ」

 「コフ」

美優に気を使われた事実ももちろんだし、何より話していなかったはずの妹がそれを知っている事実にダメージがでかい。

 「んでんで、今度は兄ちゃんのお店の方が軌道に乗ったから改めてプロポーズの機会を待っていたら美優さんまさかのアイドルデビュー。今度は兄ちゃんがスキャンダルを気にして連絡が取りにくくなっとる状況やもんね」

 「全部知っているなぁ!! 周子ちゃんは!!」

 「全部は知らんよ。兄ちゃんの弱みになりそうなことだけや」

 「最悪すぎるわ!!」

世の中の兄とはこうも妹に虐げられる存在なのだろうか。

 「そこで瑞樹さんに質問や。今の美優さんの気持ちはわかりますか?」

 「………わかるわ!!」

 「わかっちゃいますかぁ」

周子の問いに力強く答える川島さん。俺も連絡を取りたいのは当然なんだが、デビューしたばっかりの人間にスキャンダルが起きたら問題だろうと思って連絡できていないのだ。

 (スキャンダル起きたら『責任をとるから俺と結婚してくれ』で済む話なんやけどなぁ)

 「なんだよ周子。その可哀想な物を見るような眼は?」

 「兄ちゃんは良い人やけど残念な人やねぇ……」

 「お前は兄に対する敬意とかないの?」

この妹にそれを期待するだけ無駄だとわかっているけども。

 「あら?」

そんな兄妹の心暖まる会話をしていると何かに気づいた川島さんが店の入り口に向かう。そして扉のところに誰かいたのか外にいる人物に話しかけていた。

 「外から高垣さんの声がすると思ったら! 美優ちゃんも一緒なのね!」

 「ゴホッ!!」

川島さんの言葉に俺は飲んでいた水でむせ、周子は嫌な笑みを浮かべた。

 「ほらほら、寒いんだから早く入って入って!!」

そう言いながら川島さんは外にいた人たちを招き入れる。

入店して来たのはここの常連アイドルの一人である高垣楓と、困った笑顔を浮かべた俺の恋人である三船美優であった。

 「え、と。まだお客さんがいないんですね……」

 「いや!! 違うんだ美優!! 売り上げの八割はランチタイムで稼ぎ終わっていて、夜の居酒屋はいつもこんな感じなんだ!! 売り上げは大丈夫だから安心してくれ!!」

 「兄ちゃん焦りすぎで超笑える」

 「ウルセェぞ周子!!」

心配した表情をしていた美優を安心させるつもりが周子に笑われてしまった。

 「まぁ、こんな状況だから私たちアイドルも変装しないですむしね」

 「店長さんも趣味でやっているかもしれませんね」

 「趣味じゃないですけど!?」

 「あはは。やたらお酒も充実しているしね」

 「お客さんのニーズに応えようと思った結果ですが!?」

常連からの酷い言葉である。

 「高垣さんと美優も座ってくれ。今、おしぼり出すから」

そう言ってカウンターから一旦離れる。周子は高垣さんと美優に挨拶をすると俺のところにニマニマしながら近寄ってくる。

 「兄ちゃん! 今がチャンスやで!!」

 「女心がわからない俺でもここじゃないってわかるぞ」

とりあえず注文された料理とお酒を出して俺は調理に戻る。しばらくすると美優が眠そうに船を漕ぎ始めた。

 「美優はそんなにお酒強くないからもう回ったのか」

 「疲れているのに空きっ腹にお酒入れちゃったからかしらね」

俺が用意したタオルケットを美優に被せる川島さん。その時に寝ぼけながら美優が口を開く。

 「お二人ともすごいです……プロ意識が高くて……私、アイドルに向いていないんでしょうか……」

アイドルに向いている向いていないで悩んでいる、か。

 「とりあえず二階の住居スペースで寝かせて来ます」

 「送り狼になったらあかんよ」

 「付き合ってるのに駄目なのか……?」

周子の言葉に首を傾げながら、俺は普段の住居に使用している二階の部屋に入る。そしてベッドに美優を寝かせる。

昔は可愛らしいと言った感じだったが、大人になった今は美しいと感じる女性になっている。

 「うん……周介さん……」

 「ああ、ここにいるよ」

寝ぼけて俺の名前を呼んだ美優の手を優しく握る。しかし、俺は別のことで頭がいっぱいだった。

 (ヌヲォォォォォ!! ますますプロポーズしづらくなったぁぁぁぁ!!!!)

 

 

 

 「あら? 周子ちゃんはここの店長さんの妹さんと聞いてましたけど、美優さんもお知り合いなんですか?」

 「兄ちゃんと美優さんは10年以上お付き合いしている恋人同士ですわ」

 「ここはアイドルだけじゃなく、二人の仲も応援したくなっちゃうわね!!」

 




塩見周介
居酒屋『しんでれら』店長。ランチタイムは激混みだが夜は閑古鳥が鳴く居酒屋店長。塩見周子の兄。恋人である三船美優とは15年近い関係。ヘタレ

三船美優
本作のメインヒロイン。なんか結婚していないのに未亡人の雰囲気を醸し出す美人女性。恋人のお店の状況を見て結婚話を切り出せないでいる。

高垣楓 川島瑞樹
オリ主の経営する居酒屋の常連客。

塩見周子
作者のアイマス小説に周子ちゃんが出ないなんて福神漬けのないカレーみたいなものだ! という作者の独断と偏見によって出演。最初からエンジンを吹かして兄を煽ってくれました。



美優さんとのイチャイチャ話を書きたいという欲望を具現化するために書き始めました。結果的に全くイチャイチャできていませんが。
ちなみに終わるのは周介くんが美優さんにプロポーズできたら。つまり次回で終わる可能性もありますし、こち亀並みの長期連載になる可能性も含んでます。

投稿するタイミングは毎月最終週のどこかの予定。来月は美優さんの誕生日だからチャンスだぞ、周介くん!!
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