とりあえず独自設定があります。
いつものお店、いつもの客が周子しかいない俺のお店収入0タイム。
そんないつもの雰囲気の中、俺は死んでいた。
「お〜い、兄ちゃん。生きとるか?」
俺が用意した晩飯(トンカツ、カキフライ、エビフライのミックス定食)を食い終わった周子が俺に話しかけてくる。
俺のいる場所もいつものカウンター内ではなく、カウンターである。
俺はカウンターに潰れながら周子を見る。
「周子、俺はもう駄目だ」
「うん、そりゃ見ればわかるわ。何かあったん?」
「あったさ!!」
周子の言葉に俺は力強く机を叩く。そしてスピリタスの瓶を握りしめながら言い放った。
「美優が長期ロケに行ってしまった」
「解散」
「まぁ、ちょっと待て」
聞いて損したといわんばかりに席かた立ち上がろうとした周子を俺は止める。
「というか兄ちゃん。長期ロケって言ったって半年とか行く奴やないやろ?」
「バッカ!! お前バッカじゃねぇの!!」
「Oh、バカにバカって言われるのはこんなに腹たつものなんやな」
周子の超絶失礼発言は俺の都合の良い耳はシャットダウン。
「いいか、周子。美優が行ったのは一ヶ月近くの長期ロケだ。それ即ち次に会えるのはクリスマス……!! 俺はクリスマスに美優とデートをして、そこでプロポーズを決めようと思っていたんだ……!!」
俺の言葉にとても可哀想なものを見るような目になる周子。なんだ? 何かあるのか?
「兄ちゃん、実はその日な」
「ああ」
「346プロの特別ライブの日や」
「なん……だと……」
マジ驚愕顔になる俺。
「いやいやいやいや、待て待て待て待て。実はそこには美優は呼ばれていないっていう周介くんハイパーヴィクトリーな展開が……」
「美優さんLast Kissと命燃やして恋せよ乙女、エチュードは1曲だけを歌う予定やで」
「現実は非情であった」
絶望……圧倒的絶望……!! またもプロポーズ空振り……!!
「周子」
「なんや」
「奧でちょっと自殺してくるわ。ルビンスキーみたいに」
「火祭りは禁止や!!」
とりあえず持っていたスピリタスを頭からかけられて物理的に頭を冷やされる。
「と、言うか兄ちゃんライブの情報、美優さんから聞いてなかったんか」
「美優の奴今でも俺がライブ見に行くの恥ずかしがるんだよなぁ」
「そりゃあ最前列でガッチガチの美優さん応援セット装備してコールまで完璧な彼氏に来られるのは嫌やろ」
「なんだと」
衝撃の真実である。これでも美優の出るライブにはできる限り行って最強装備で完璧な応援をしていたのは逆効果だったのか。
「まぁ、それで346プロだけじゃなくてファンの間でも兄ちゃんは『やばいくらいの三船美優ファン』って認識されとるけどな」
「ファンクラブ会員一番も狙ったんだけどなぁ。アイドルオタの美城とかいう奴に一番取られたんだよなぁ」
なんかあいつ他のアイドルのファンクラブでも会員番号一番らしいので不正を疑っている。
「ヤッホー♩ 久しぶりに遊びに来てやったぞ☆」
「「佐藤」」
「しゅがーはぁとって呼べよ☆」
店の入り口を開いてやってきたのは美優の大学時代からの友人であり、現在は一緒にアイドルをやっている佐藤心であった。
美優の友人は大体俺とも面識あるために、たまにこうやって晩飯をタカリに来るのである。
「お♩ 塩見はどうした? なんで濡れてるんだ?」
「ちょっとスピリタスを頭からかぶってな」
「いつも通りに頭がおかしくて安心したぞ☆」
なんとも失礼な奴である。
とりあえず佐藤をカウンターに座らせ、俺はカウンター内に戻る。
「う〜ん、とりあえず今日のオススメを頼むぞ☆」
「わかった」
「いや、わかってねぇだろ。なんで目の前にウィスキーのボトルが置かれるんだ」
「佐藤!! 口調口調!!」
「おっと♩ も〜、周子ちゃんも私のことはしゅがーはぁとって呼べよな☆」
「ああ、お通しが必要だったな」
「どこの世界にスピリタスをお通しで出す店があるんだ」
とりあえず佐藤が来た時は強い酒を出すと言う暗黙協定があるので出したのだが、佐藤はこの扱いが酷く不満らしい。
「で・も♩ 出されたものは飲まなきゃ勿体無いから飲むぞ☆」
「「ヒュ〜!! しゅがはさんかっこいい!!」」
「しゅがはさんはかっこいいんじゃなくて可愛いんだぞ☆」
いや、ウィスキーのボトルとスピリタスを一気飲みする奴を可愛いと形容することはできない。
「それで♩ 塩見はいったいどうしたんだぞ☆」
「聞いてくれ佐藤!! 周子の奴が周介くんハイパーヴィクトリー展開はないって言うんだ!!」
「割と大学時代から美優ちゃんに対してヘタれてた奴のヴィクトリー展開なんてないんだぞ☆」
付き合いが長いのでこいつも割と辛辣である。
「佐藤、兄ちゃん346のクリスマスライブのこと美優さんから聞いてなかったらしいんよ」
「おっと♩ そいつは朗報だ☆ こいつのウザいヲタ芸を見なくて済むな☆」
「ぶっ飛ばすぞ佐藤」
「しゅがーはぁとって呼べよ☆」
「「ハート様」」
「誰がひでぶだぶっ殺すぞ」
佐藤は俺たち兄妹を前にするとキャラ設定を度々忘れることがあるから困る。
「でもでも☆ 優しいしゅがーはぁとはそんな塩見にこれをプレゼントだぞ」
「? なんだこれ」
佐藤が取り出したのは一枚の紙切れ。
「今はもうプレミアがついている346プロのクリスマスライブチケットだZO」
「全くこの程度のもので俺が買収されとでも思ったのか食事は何を用意したらいい今日は俺が奢ってやろう」
「めっちゃ普通に買収されとる件について」
「知らんな」
周子のツッコミは華麗にスルーする俺。そして佐藤から受けた注文を作るために俺は厨房へ行くのであった。
「こんな感じで大丈夫だったか☆」
「完璧ですわ、佐藤」
「しゅがーはぁとって呼べよ☆ でもチケットだったら周子ちゃんから渡せばよかったんじゃないの☆」
「兄ちゃんは私からのプレゼントだと警戒しますからね。佐藤くらいからの付き合いの人からだったら大丈夫のはずです」
「う〜ん♩ 周子ちゃんの悪い顔☆ まぁ、私も一枚噛んでるから何も言わないけどね☆」
塩見周介
三船美優のファンの間でも知られるくらいの『美優さんファンのヤベー奴』
三船美優
長期ロケのため不在
佐藤心
美優さんとは大学時代からの友人。その繋がりで周介くんとも友人
塩見周子
着実に何やら暗躍している模様。
アイドルオタの美城
とある芸能プロダクションの常務と言う噂もあるが果たして……
そんな感じで美優さん不在回です。美優さんの昔からの友人としてしゅがはさんを出したけど、こいつ口調が超めんどくさいぞ☆
ちなみにアイドルオタの美城の設定は朝霞リョウマさんの『アイドルの世界に転生したようです』のミッシーが好きだったので無断でパクリました。朝霞さん許して。