俺が美優にプロポーズするまで   作:(TADA)

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新型コロナに負けず、今日も塩見家は愉快です。


外出自粛

さて、俺の店『しんでれら』は飲食店である。飲食店であるということは新型コロナウィルスの影響ででた緊急事態宣言によって休業要請を食らった。

するとどうなるか?

 「くそ、また5Vか」

当然のように俺の店は営業自粛である。

 「たっだいまぁ!」

 「ただいま戻りました」

 「お〜、おかえり」

そして密を避けながらの仕事があると言って出かけていた俺の妹(周子)と嫁(美優)が帰ってきた。

リビングの扉を開けながら周子はつけていたマスクを投げ捨てる。

 「兄ちゃん! 飯!」

 「待て、周子。お前はドリフの加藤茶の教えを忘れたか?」

俺の言葉にハッした表情になる周子。

 「「顔洗えよ、手洗えよ、うがいしたか?」」

俺のサムズアップに周子も笑顔でサムズアップ。そしてそのまま洗面台に向かった。

俺と周子が漫才をしている間に手洗い、うがい、顔も洗った美優が苦笑しながらリビングに入ってくる。

 「たまに思うんですけど、絶対に周介さんと周子ちゃんって年齢詐称してますよね」

 「失礼だな美優。俺と周子は346プロの某アイドルみたいに永遠の17歳なんかじゃないぞ」

ちなみにその永遠の17歳は高垣さんや片桐さんに連行されてこのお店に来るようになり、焼き鳥片手にビールをかっ食らう姿がみれるようになった。

 「兄ちゃん! 加藤ちゃんの教えはちゃんとやってきたで! メシ!!」

 「はいよ」

周子の言葉に俺はやっていたポケモンを放置して台所へと向かう。もう準備はしてあるのであとは温めるだけだ。

すると周子がニンテンドースイッチのコントローラーを持って操作始めた。

 「なんや、兄ちゃん。ヒトモシの厳選中かいな」

 「オンライン対戦メンバー作成中だ」

 「美優さんはやっとらんの?」

 「え、と」

周子の言葉にものすごく困った表情をする美優。美優が言いにくいなら代わりに答えてやるのがいい夫ってものだろう。

 「美優がポケモンやったらすごいぞ」

 「ほう、詳しく聞こう」

 「まず草むらを一歩歩くたびにポケモンが出てくる。そしてモンスターボールを投げると捕まえられる確率は100%だ。システム上捕まえられないはずのザシアンやザマゼンタも捕まえられた」

 「流石は美優さん。天然の甘い香りやな」

 「やめてください! 私も不思議なんです!」

最初はバグかと思ったが、俺がコントローラーを持つとなくなり、美優が持つと始まるので、完全に美優の特性であろう。

 「ほれ、晩飯できたぞ」

 「わぁい!」

 「いつもありがとうございます」

俺の言葉に子供のように机に来る周子と、申し訳なさそうな表情を隠さない美優。夫婦になっても相手のことを思いやる気持ちを忘れない。

 「俺の美優が優しすぎて尊い……」

 「急になんですか!?」

 「いつもの発作やろ」

なんとも失礼なことを言われている気がしたが確かにいつものことである。

 「そういや、兄ちゃん、ニュースで個人営業の飲食店がやばいって言っとったけど、兄ちゃんの店は大丈夫なん?」

おかずを食べながら問いかけてきた周子に、俺はフッ笑う。

 「大丈夫じゃない、問題だ」

 「ダメやん」

 「いや、マジでやばくてな。お昼は弁当を販売してなんとか収益出しているけど、それでもやっぱりお店をやれない影響でかくてな。ぶっちゃけ経営の危機」

 「Oh……」

割と死活問題なのだ。

 「で、店の今後について美優と相談しててな、それを美優がうち常連の飲兵衛お姉様集団に相談したらしいんだよ」

 「お、なんか解決策が出たんか?」

周子の言葉に俺は力強く頷く。

 「お金を寄付された」

 「お店を宣伝するとかじゃなくてまさかの現生投入ということに流石の周子ちゃんもドン引きです」

美優もお店の宣伝してもらうために相談したら、まさかの予想斜め上の解決方法をされて唖然としていた。

 「まぁ、そのせいであの人達には一生半額で食事提供ってことになったけどな」

 「酒じゃないん?」

 「あの、周子ちゃん……楓さん達のお酒を半額にしたらお店が潰れちゃいます……」

美優の言葉に納得する表情を見せる周子。あの飲兵衛集団に対してお酒を半額にしたら店が潰されてしまう。

 「そういや、兄ちゃん。今日の撮影で美優さんのええ写真が撮れたんやけど」

 「周子ちゃん!?」

 「詳しく聞こうか」

 「周介さん!?」

驚愕している美優をよそにゲンドウポーズをとって真剣な表情を浮かべる俺と周子。そして周子がゆっくりと口を開いた。

 「美優さんのギャル姿や」

 「その時俺に電流走る……!」

周子の言葉に愕然としてしまう。

 「そんな……! 学生時代も制服を着崩すことのなかった美優のギャル姿だって……!!」

 「そうや」

なんということだ。俺はその事実に机を力強く叩いた。

 「俺も見たかった!! 『机に座ったのはいいけど普段座ったことがないから落ち着かずに足をプラプラさせている』美優の姿が見たかった!!」

 「周介さん、なんで決めつけるんですか!!」

 「美優さん、否定できるんか?」

周子の言葉に顔を真っ赤にして俯いてしまう美優。そんな可愛らしい美優の姿を見て力強く握手をする俺と周子。

 「それで周子。写真は?」

俺の言葉に無言でスマホを操作する周子。すると俺のスマホに着信を知らせる音がなる。

それを開くと恥ずかしそうにギャルの格好をした美優の姿が!!

 「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 「周介さん!?」

 「わかるで兄ちゃん……!! 最初は私も『ギャル船美優は解釈違いや』って思ったけど、想像以上に可愛らしくて発狂してもうたんや……!!」

 「ギャル船美優ってなんですか……!?」

驚愕している美優を他所に、俺はとりあえず友人達のグループラインに『こいつを見てくれ。この可愛い人俺の奥さんなんだぜ?』という言葉と一緒に送っておく。

 「さぁ、周子。何が食いたい? 特別にお兄様が作ってやろう」

 「食後のデザートやな」

 「よしきた」

 「それより周介さん、何を送ったんですか!? 同人作家さんから『ギャルをやるならもっと胸元を開いていくべき。できればブラがチラっと見えるくらいで。ネタにするから写真を送りなさい』って来たんですけど……!!」

 「「それだ!!」」

 「それじゃないです……!!」

新型コロナで外出自粛でも愉快な塩見家になっております。

 




塩見周介
新型コロナの影響で店の危機になったが常連達の暖かい支援(現金)によって解決された。

塩見美優
芸名:三船美優。仕事でまさかのギャルの格好をさせられた。

塩見周子
外出自粛なので兄夫婦の家に転がり込んだ。玩具な兄と大好きな義姉との生活を楽しんでいる。




そんな感じで新型コロナのお話でした。コロナなど関係なく愉快な塩見一家。

そういえば作者はほとんどの作品で周子ちゃんのお世話になっているので、周子ちゃんヒロインの小説でも書こうと思ったんですよ。そうしたら問題が発生しました。

うちの周子ちゃんが恋愛している姿が浮かばない……!!

どうしてこうなった。
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