俺が美優にプロポーズするまで   作:(TADA)

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また周介くんの誕生日の季節がやってきました


完全に趣味に走っている内容です


続 周介くんの誕生日

 「どうしよう……」

塩見美優(芸名:三船美優)はスマホを見ながらため息をついた。

現在、美優は新型コロナで撮影がストップしていた346プロ特別ドラマ『シンデレラ・スピード』の撮影に来ていた。その撮影の合間を縫って美優はとあるものを探していた。

 「美優ちゃん、どうかしたの?」

 「浮かない顔ですが」

そこにやって来たのは美優の夫である周介の店の常連であり、美優とも仲が良いアイドルの川島瑞樹と高垣楓であった。

346プロに所属する成年アイドルを全員出演させている『シンデレラ・スピード』なので瑞樹と楓も当然撮影現場に来ていた。

 「あら、美味しそうなお弁当」

 「あ、良かったらどうぞ。周介さんも皆さんにってことでいっぱい作ったどうなので」

瑞樹の言葉に美優は広げていたお弁当を二人に差し出す。それを二人は嬉しそうに食べ始めた。

 「美優さんはスマホで何か見ていたみたいですけど、何かありましたか?」

唐揚げを食べながらの楓の問いに美優は少し迷ったが、二人に相談することにする。

 「実は周介さんの誕生日プレゼントのことなです」

 「楓ちゃん、私たち、確か去年も似たようなこと聞かなかったかしら?」

 「あの時は周子ちゃんがどこからともなく現れて解決してくれましたね」

楓の言葉に三人の視線がとある場所に集中する。

そこには城ヶ崎美嘉の制止を振り切って高笑いしながら撮影用の車(GT-R)でドーナツターンを決める周子がいた。

満場一致で見なかったことにしてか会話を続ける。

 「でも店長のことだから欲しいものはいっぱいあるかと思ったわ」

瑞樹の言葉に美優は困ったような表情を浮かべる。

 「確かに普段から『あれも欲しい、これも欲しい、もっと欲しい、もっともっと欲しい』ってTHE BLUE HEARTSの歌詞みたいなこと言っていますけど、実際にはあまり物を欲しがらないんです」

 「瑞樹さん、なんか最近美優さんの口ぶりが店長や周子ちゃんに似て来たと思いませんか?」

 「わかるわ。確実に悪影響を与えているわね」

楓と瑞樹の言いがかりにワタワタと美優は慌てる。

 「そんな! 周介さんと周子ちゃんだったらここから脱線に脱線を重ねて最終的に映画のワンシーンを再現して終わりますよ!」

 「「やっぱりあの二人はおかしい」」

美優的に二人をフォローしたつもりだったのだが、完全に逆効果な現実にあれ? と首を傾げる。

そして瑞樹が一度咳払いをしてから話を変えるように口を開いた。

 「周子ちゃんにも聞いてみたら? 店長と周子ちゃん仲良いから普通に誕生日プレゼントあげ合うイメージがあるけど」

確かに兄妹仲が良く、頻繁に共食いしたりもするがお互いの誕生日にはプレゼントをあげあっている。なので美優も周子に聞いてみた。

 「周子ちゃんはMG ディープストライカーをあげるって言っていたんですよね……」

 「待って、それはなに」

 「最近、周介さんは三国創傑伝を全種類買って積みプラしているんでこれ以上増やさないで欲しいんですけど……」

 「……美優ちゃん、やっぱり塩見家に染まっているのね」

 「何故ですかね、瑞樹さん。美優さんが上手くいっていて嬉しい気持ちは当然あるんですけど、元の純朴な美優さんを返してって気持ちが湧くんですけど」

 「わかるわ」

どこか遠い目をしながら会話する瑞樹と楓に再び美優はあれ? と首を傾げる。

そして一度咳払いをしてから今度は楓が口を開いた。

 「それだったら周子ちゃんの恋人の仲野選手に聞いてみたらどうですか? 同性ですし、昔から仲が良いんですよね?」

 「あ、はい。なんでも年内に周子ちゃんと入籍するらしく、その報告に来た時に相談してみたんですけど」

 「「ちょっと待って」」

 「はい?」

美優の言葉に瑞樹と楓は頭痛を抑えるように美優の言葉を止める。それに美優は不思議そうに首を傾げる。

 「待って、これって私達が聞いていい情報かしら」

 「少なくともまだ公表されていませんよね」

そして小声でボソボソと会話する瑞樹と楓。そして話が纏まったのか瑞樹か真剣な表情で口を開いた。

 「周子ちゃんが入籍する話しを私達にしちゃって良かったの?」

 「………?」

瑞樹の言葉に美優は不思議そうに首を傾げる。

 「……あ!」

そして思い出したように声をあげた。そして美優は焦ったように二人に話しかける。

 「あ、あの今の話は」

 「わかってるわ」

 「秘密、ですね」

 「はい、まだプロデューサーにも報告していないらしいので……」

美優の言葉に瑞樹と楓は呆れたように空を見上げる。果たしてその呆れは秘密を秘密にできない美優に対してか、それとも入籍というアイドルにとってある意味で致命的な出来事をプロデューサーに言う前に兄夫婦に報告してしまう周子に対してか。

とりあえず気を取り直して瑞樹と楓は美優に向き直る。

 「それで? 仲野選手は何を送るって話だったの?」

 「あ、はい。なんでも山田太郎選手のバットに東京スーパースターズと四国アイアンドッグスの代表選手達のサインを入れてもらうそうです」

 「「ものすごく高値がつきそう……!!」」

思わず瑞樹と楓の声がハモる。あまり野球に詳しくない二人がそう思うのだ、野球アイドルとして有名な姫川家のゆっきが聞いたら『ころしてでも うばいとる』案件になってしまうだろう。

そしてひときわ大きな破裂音が聞こえたので、三人がそちらを見るとドーナツターンを決めていた二台の車(GT-Rとスカイライン)のうちGT-Rのタイヤがバーストして大変なことになっている。

だが、ドライバーの腕が良かったのか大きな事故にならずにすむ。それぞれに乗っていた周子と原田美世はハイタッチを決めてから、美世は再び車(スカイライン)に乗り込んでドーナツターンを決め始めた。

そして周子は陽気な表情で三人のところにやってきた。

 「いやぁ、久しぶりにドーナツターン決めましたけど、腕は鈍ってませんでした!!」

 「その前に周子ちゃん、撮影用の車のタイヤをバーストさせちゃダメじゃないですか」

お説教態勢に入ろうとした美優であったが、のらりくらりとかわされて流されてしまう。

 「美世ちゃんは車好きで有名ですけど、周子ちゃんはどこで運転を習ったんですか? だいぶうまかったですけど」

 「わかるわ。撮影の時もスタント不要だったの美世ちゃんと周子ちゃんだけだったわよね」

楓の問いに瑞樹も続ける。確かに周子のドライビングテクニックはスタントが不要なレベルだった。具体的に言うと200km近いカーチェイスを余裕でこなしていた。

席に座って美優が持ってきていた弁当をつまみつつ口を開いた周子。

 「まぁ、車の運転は中坊の頃に兄ちゃんに仕込まれたからなぁ」

 「「……中学生?」」

 「おおっと、なんでもありませんよ」

どう考えても法的にアウトな発言をした周子だが100%(胡散臭い)笑みで誤魔化す。

 「んでんで、美優さんは今年も兄ちゃんの誕生日プレゼントで悩み中ですか」

 「うぅ……義妹に完全に読まれています……」

美優の悩みはわかりやすいと言う言葉を瑞樹と楓は飲み込んだ。

そして周子はイイ表情を浮かべて口を開く。

 「私にいい考えがある」

 「それダメな時のセリフですよね」

 「楓ちゃん、今のネタわかった?」

 「私にはさっぱりです」

着実に塩見の血に染まりつつある美優を憐れみながら瑞樹と楓は義姉妹のやりとりを見守る。

 「いいですか美優さん、いや義姉さん。兄ちゃんは昔から中国の歴史書を読んでいます。正史三国志は当然として楊家将演義や水滸伝などを読んでいる兄ちゃんがまだ持っていない史書があります」

 「そ、それは……!!」

美優の言葉に周子はベンベンと机を叩きながら口を開いた。

 「司馬遷の史記……!! これが兄ちゃんへのプレゼントのパーフェクトアンサー……!!」

 「美優ちゃん的にあり?」

 「積みプラが増えるよりかはスペース取らないので有りですかね」

 

 

ちなみに美優のプレゼントは結局「包丁 三徳 170mm 越前打刃物 伝統工芸士 黒崎優」になった

 




塩見美優
旦那の誕生日プレゼントに毎年悩む。今年は結局高級包丁になった。連邦派

塩見周子
中坊時代に兄から運転技術は仕込まれた。ジオン派

塩見周介
出てこない主人公。連邦派

シンデレラ・スピード
346プロの特別ドラマ。カーアクションメインで爆発、暴力、友情があるアクション遊園地。当然元ネタはワイルド・スピードである。

積みプラ
別名・罪プラ。作者はMG EX-Sガンダム買ったらプレバンからR-ジャジャ(Twilight AXIS ver)とリーオー(フルウェポンセット)が着弾しました。



そんな感じで今年もやってきた周介くんの誕生日プレゼント回。周介くんがもらうプレゼントは作者が欲しいプレゼントと読み替えても大丈夫です。MG ディープストライカー欲しいわ。それとガンダム・センチネルのアニメ化はよ!! ちなみに作者はジオン派です

そして塩見の血に染まりつつある美優さん。その道はキチの道だぞ美優さん!!(塩見の沼に蹴落としながら

それと年内に周子ちゃんもスピード入籍します。本当はこの回で入籍させちゃおうかと思いましたが、ネタはとっておきましょう。
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