そして話にだけ出てくる新キャラ。フルネームは出してないからわかるかなぁ! アイマスキャラなんだけどなぁ!
「う〜っす、兄ちゃんと美優さんおる?」
珍しく飲兵衛お姉様方がいないので本格的に閑古鳥な俺の店に疲れ切った表情を浮かべた周子がやってきた。
女将の格好をした美優は慌てた様子で周子を出迎える。
「しゅ、周子ちゃん! この記事!!」
美優が掲げて見せたスマホの記事には速報で『仲野光輝と塩見周子! 電撃入籍!』とあった。
それを確認すると周子は疲れ切った表情を見せる。
「それなぁ、今日の朝一で役所に届けだしに行ってツイートしたらめっちゃバズったんよ」
「いや、それはそうだろ」
こいつは芸能人の意識がないのだろうか。
美優は嬉しそうな表情をしながら周子の手をブンブンと振る。
「周子ちゃん! おめでとうございます!!」
「あかん……嬉しそうな美優さんかわいい。兄ちゃん、光輝とトレードせん?」
「え!?」
「周子、結婚一日も経たずに離婚ってどうなんだ」
「それもそうや」
俺の言葉に納得した表情を見せるといつものようにカウンターに座る周子。
そしてそのまま突っ伏した。
「つ〜か〜れ〜た〜!!!」
「そりゃそうだろ」
「どこに行っても『おめでとうおめでとうおめでとう』と!! この世界はいつからエヴァの最終話になったんや!!」
「お前は結婚した時にどんな反応を期待していたんだ」
「記者の人達も一人くらい『え? 結婚ですか!? それは人生の墓場ですね!! ザマアミロ!!』くらい言ってくれてもええやん!!」
「いえ、それは流石にないと思います」
「え? でも私の友達は大なり小なりこっちの反応やったで」
「周介さんも周子ちゃんもなんでそんな特殊な友達ばっかりなんですか……!!」
美優の嘆きに俺と周子は首を傾げることしかできない。自分達の友人が世間一般的にキチガイと分類される人種だというのは理解しているが、どうしてそれが集まってしまったのか謎である。
「そういや、お前なんでそんな疲れ切ってんの? 取材だけのせいじゃないだろ」
「お、兄ちゃん鋭いやん」
そう言うと周子は真面目な表情で口を開いた。
「プロデューサーと美城常務にガチ叱られした」
「お前なにやってんの?」
「と言うか常務にも直接怒られたんですか!?」
周子が叱られるとかもはや普通すぎるのだが、その怒ってくる相手が常務とかマジでなにをやらかしたんだ。あの美人だけとキツめの常務は346どうでしょうで色々やらかしても顔を顰めながら許してくれる人だろ。
「いやいや、私はなにもしてへん」
「いえ、周介さんと周子ちゃんのなにもしていないは信用できません」
「周子のせいで流れ弾をもらったんだが」
「割と自業自得だよね、兄ちゃん」
美優の俺と周子に対する信頼は厚い。
「いや、でも本当になにもしてへんのやで?」
「本当ですか?」
「本当やって。だって私はプロデューサーが『いいか? まだ絶対に届けは出すなよ? まだだからな!!』ってフリに全力で答えるために婚姻届を出しただけやで」
「なるほど、それは仕方ないな」
「周介さんも周子ちゃんもそう言うところですよ!!」
俺と周子は黙って床に正座して美優のお説教を受ける。頑張ってお説教をする美優を見て感じることは一つ。
「「頑張って説教している(美優/美優さん)可愛い」」
声がハモった俺と周子はがっちりと固い握手を交わす。それを見て美優は顔を真っ赤にして机に突っ伏してしまった。
とりあえずお説教は終わったと判断した俺と周子はいつもの位置に戻る。
「そういや兄ちゃん、友達の話で思い出した……と言うか今回連絡来たんやけど、三峰ェ!って覚えとる?」
「ああ、覚えてる覚えてる。あの小学生のときお前と仲良かった三峰ェ!だよな。あの頃から素養があったけどバッチリアイドルクソオタクになったって周子が言ってたよな」
「そうそう。その三峰ェ!な、普通なら事務所から喜ばれる追っかけのはずなのにマジでどこまでも追っかけてアイドルにガチで怯えられて出禁になったんよ」
「マジかよ、やるなぁ三峰ェ!」
流石はあの土地の出身者である。やることが一味違う。
「んでんで三峰ェ!も『どうやったら合法的にアイドルを追っかけできるか』って悩んだ末に」
そこまで言って周子は真剣な表情で口を開いた。
「『そうだ! 私がアイドルになればいいんだ!』って結論出したらしいで」
「そう言う発想嫌いじゃない」
「私もや」
頷きあう俺と周子。そこに美優がおずおずと手を挙げてきた。
「あの、お二人の言う三峰さんて「「違う!!」」え?」
俺と周子は頷きあうと美優に言い聞かせるように話しかける。
「いいか、美優、三峰ェ!は三峰ェ!だ」
「せやで美優さん。三峰ェ!は三峰ェ!や」
「どういうことですか……!?」
マジ驚愕顔を浮かべる美優。まだこの辺りは塩見の血に染まっていないらしい。
気を取り直して一度軽く咳払いをすると美優は口を開く。
「その三峰ぇ!さんって283プロダクションの三峰さんですか?」
美優の言葉に俺が周子を見ると周子は難しい表情を浮かべていた。
「三峰ェ!の分際で私には『所属プロ? 秘密だよ!』とかほざいたんよなぁ。イラッとしたからBL画像を大量に送りつけてやったら向こうから百合画像が大量に飛んでくる反撃にあってなぁ」
「なにをしているんですか……!?」
「最終的にお互いの所属しているプロダクションの一番の巨乳を送りあって決着することになったんやけど、あいつはドンピシャで当てたのにこっちは不明のままや」
「いや本当になにをやってるんですか周子ちゃん……!?」
義妹の奇行にガクンガクンと周子の肩を揺する美優。
「まぁ、その283プロの三峰ェ!は何か特徴あったりしますか?」
「あ、はい。髪型はツインテールでメガネをかけています」
「周子、判定は?」
「あいつコロコロ髪型とか変えるからなんとも言えへんね」
判定はグレーである。
「あ、あと本人がドン引きするくらいアイドルの情報に詳しいです」
「三峰ェ!やな」
「え!? いえ、言った私が言うのもどうかと思いますけど今ので断定していいんですか!?」
「ストーカーレベルの追っかけ……!! 三峰ェ!以外にありえへん……!!」
そう言うと周子はスマホでなにやら連絡を取り始めた。
「なにしてんだ?」
「いや、三峰ェ!に試しに283プロのアイドル情報聞いたらスリーサイズは当然として通っている学校や元職業。好きな色からほくろの数、果ては風呂でどこから洗うかから誰を使ってオナニーをするかの情報まで飛んできたんやけど」
「相変わらずだな」
「いえ、普通に気持ち悪いですよ!?」
俺と周子にとっては通常運行の三峰ェ!だったのだが、一般人的感性を持つ美優には気持ち悪かったらしい。
「ちなみにオナニーで大人気なのはプロデューサーらしいで。三峰ェ!曰く『P氏はきっとエロゲーの主人公』と言い切っている」
「その情報いりません……!!」
これに関しては美優に同意である。俺達にその情報を渡してどうするつもりなだろうかあのクソオタク。
「そう、三峰ェ!の話で思い出したんやけど」
「どうした?」
俺の言葉に周子は真剣な表情で口を開く。
「例えばや兄ちゃん。何も知らない状態で私の友人’sを見たら兄ちゃんはどうする?」
「ポリス案件だな」
そう言いながら俺は納得する。
「なるほど、お前も結婚式の招待客に困る口か」
「そうなんよぉ!!」
周子は頭を抱えながら机に突っ伏す。
「いや、悪い奴……いや基本的に悪い奴ばっかりなんやけど悪人ではないん連中ばっかりなんやけど、ちょっと本能に忠実な奴が揃っているから危険なんよ」
義妹の悩んでいる姿に美優は苦笑しながら口を開く。
「周子ちゃんが周介さんと全く同じ悩みを抱えているんですね」
「いや、私の友人’sは法律を守っている……うん、守っているから。法律ぶっちぎっている兄ちゃんの友人’sとは違うから」
「いや、俺の友人達も法律はギリギリ守っているぞ。常にグレーゾーンを突っ走っているだけで」
「いえ、私からしてみたらお二人の友人達は多分アウトです」
「「なんだって」」
おかしい。少なくとも捕まるようなことをしている奴は……あ、ダメだ、結構いる。
横目で周子を見ると周子も同じ結論に至ったらしい。
なので話を変えることにする。
「そこで兄ちゃんと美優さんに提案です!!」
「聞こうか」
「一緒に結婚式と披露宴しようぜ!!」
俺と美優は顔を見合わせる。美優の表情に拒否が浮かんでいなかったので周子に話を続けさせる。
「今回のコロナ騒動で兄ちゃんと美優さんの式が延期になったな。そこで妹夫婦も一緒に式を挙げることで塩見家と仲野家はめっちゃ仲が良いと世間にアピール!! 私と美優さん二人での仕事にも繋がる!!」
「なるほどなるほど」
「一緒に式を挙げるのは楽しいかもしれませんね」
美優が楽しそうに頷くのを確認してから俺は口を開く。
「それで本音は?」
「兄ちゃんのキチガイ達に私のキチガイ達をぶつけて普通にしようぜ!!」
「それ絶対に大事故になる奴です……!!」
塩見周介
飲兵衛お姉様方がいないとお店は閑古鳥
塩見美優
最近は女将の格好も慣れてきた
仲野周子
プロデューサーのフリを受けて電撃入籍した塩見さん家の周子ちゃん。当然のようにプロデューサーと美城常務からガチ説教を食らった
三峰ェ!
周子ちゃんの友達で283プロダクションでアイドルをやっている模様
そんな感じで八月編、ついに周子ちゃんも入籍です。
ですが結婚式はコロナ騒動があるので延期中。そして動き出す塩見の悪癖。キチガイにキチガイをぶつけて普通にするという発想。
その所業がもはやキチガイ。
そして三峰ェ!はアイマスキャラです。シンデレラガールズじゃないけどわかる人いるかなぁ! いやぁ、難しいかなぁ!!