主に765プロに対してのテロ予告が行われているくらいなので大きな問題はありませんね!!
「お~い、美優、そろそろ元気だせって」
「駄目です、周介さん……このショックはしばらくひきずりそうです……」
緊急事態宣言があけて新装開店した我が店。だが、相変わらずの夜は閑古鳥であった。
いつもやってきてどんちゃん騒ぎする飲兵衛お姉さま集団もみんな仕事らしく、お店は本当に空っぽです。
「ほれ、高橋さんと柊さんのラジオがお酒入っていい具合に何言っているかわからなくなってきたから」
「うぅ……」
俺の言葉にも女将姿でカウンターに突っ伏す我が妻である美優。その姿もとても愛らしいのだが、ショックを受けている内容が内容なのでなんとも言えない。
「まいど~」
「お~、周子……って、貴音も一緒か。久しぶりだな」
「ええ、今日は周子と仕事が一緒だったので」
「貴音と周子が一緒とかその仕事大丈夫かよ」
「ええ、律子が吐血しましたがたいした問題ではないでしょう」
養子にいった我が妹も相変わらずいい性格をしている。
「お、兄ちゃん。美優さんが超へこんでいて可愛いんやけど、なにかあったん?」
「聞いてください周子ちゃん!!」
周子の言葉に美優はがばりと起き上がって周子にすがりつく。その姿を隠し撮りしながら周子は優しい笑顔を浮かべる。
「どうしたんや義姉さん」
「我が妹ながら何故笑顔があんなに胡散臭いのでしょう」
「それな」
「シャラップ、兄ちゃん、姉ちゃん」
貴音の言葉に俺が力強く頷くと周子が黙るように言ってきた。
そして美優が先ほどまでへこんでいた理由を絞り出すように口を開く。
「戦艦・土佐ガチャが終わってしまったんです……!!」
「……んん? アズレン?」
「何を言っているんですか、周子ちゃん。アズレンはちゃんと全員コンプしていますし衣装も全部買っています!!」
「兄よ、義姉がアズレンの廃課金者だと知った義妹はどういう反応をとれば正解でしょう?」
「お前も廃課金者だからな」
「何故FGOには天井がない……!!」
俺の返しに貴音は悔しそうにカウンター席を叩く。
そして美優と周子の会話が続く。
「蒼焔の艦隊に決まってるじゃないですか」
「あかん、聞いたことないソシャゲが出てきた。兄ちゃん、説明」
「擬人化していないガチの戦艦ソシャゲ」
「把握」
周子の言葉に美優の嘆きが終わらない。
「うぅ……お仕事が忙しくて引くのをすっかり忘れていました……」
そして床に潰れて嗚咽する美優。
その姿を見て納得した様子を見せる貴音。
「なるほど。塩見に相応しい奥方ですね」
「まだまだ塩見レベル低いけどな」
「だが、それがいい」
貴音の言葉にまったく同意見だったので貴音とガッチリ硬い握手。そして美優も周子に起こされてカウンターへと戻ってきた。
周子もカウンターに座ったので『塩見家専用大盛りメニュー』を作り始める。カロリーを無視したカロリーの暴力。これを平然と平らげるあたりに我が妹’sのアイドル意識の低さが垣間見れる。
「そういえば、兄ちゃん」
「なんだ」
「346どうでしょうで各方面の調整とか無視してやりたくてやった『うまぴょい伝説』の動画なんやけど」
「ああ、センターに美優にその両側に周子と貴音。ほかのダンサーも飲兵衛お姉さま集団とか三峰ェ!のグループとか使ったやつか?」
「それや」
つい先日リリースされた競走馬を擬人化したソシャゲ『ウマ娘』。当然のように流行はとりあえずやってみる我ら塩見三兄妹。配信初日に手を出した。
そして貴音が見てしまった『うまぴょい伝説』
そっからは早かった。速攻で会場とダンサーのアイドルを集めると俺の友人達にも手伝わせて『うまぴょい伝説(アイドルversion)』を撮影、公開した。
「いやぁ、反応がやばすぎて良くてなぁ。他のアイドルのチュー顔がみたいっていう問い合わせがやばくて346プロの問い合わせフォームがパンクしたんよ」
「それはやばいな」
だが気持ちがわかる。美優のチュー顔を見て慣れているはずの俺も思わず発狂して一緒にいた友人にフランケンシュタイナーで正気に戻されたのだ。
「美優が少し顔を赤らめているのもポイント高い」
「「わかりみが深い」」
まったく同意の妹’s。そしてその会話を聞いて思い出したのか再び顔を赤らめる美優。
俺は黙って三膳の白飯を用意して周子と貴音の前に置く。わかっているのか周子と貴音も白飯を持つ。
「「「(美優/義姉/美優さん)のテレ顔で飯がうまい!!」」」
「三人とも!!!」
怒られたがある意味本望である。
とりあえず美優のテレ顔で白飯を食べ終わってから会話を進める。
「だけどあれやったあとめっちゃ怒られたじゃん。いや、283プロのPだけは『次は本能スピードとかどうだろう』って乗り気だったけどさ」
「うちの律子なんて『勝手に動画にでるな!』とつまらないことで怒り狂ったというのに……」
「いえ、加担した私が言えたことじゃないですけど、プロダクションに無断で勝手に他所の動画……しかも番組に出るのはまずいと思います」
「「ははは、面白いことを」」
「まったく気にしていませんね……!?」
周子と貴音の言葉に驚愕顔を浮かべる美優。
そして貴音は何か思い出したように口を開く。
「そういえばうちのPからの依頼で346どうでしょうで765プロを出させてくれないかと言っていましたね」
「「ほう」」
ギュピーンと光る俺と周子の眼。
「貴音」
「この日だったら律子も含めて全員が油断しているでしょう」
「ふぅ!! 流石は姉ちゃん!! 話が速い!!」
俺の言葉に速攻で『765プロ所属アイドルがなるべく集まっていて且油断している日付』を教えてくれる貴音。
「問題は何をやるかだな」
「とりあえず襲撃であとは流れに身を任せてもいいのでは?」
「もしもの時のために幸子ちゃん……あ、ダメや。その日は幸子ちゃんアラスカに熊と戦いにいっとる。しゃ~ない、りあむちゃん拉致るか」
速攻で組み立てられる犯行計画。それを苦笑しながら見ている美優。
「みなさん、やりすぎないようにしてくださいね?」
「塩見家的にやりすぎないから大丈夫」
「四条家的にもセーフだから問題ありませんね」
「つまり私らのやることは全面オッケーってことやな……!!」
「三人とも!! そういうところですよ!!」
美優に怒られてしまったが、我々にとって美優のお説教はご褒美(貴音も速攻で懐いた)のでなんの問題もないな!!
とりあえず346どうでしょうによる765プロ襲撃計画(内通者あり)をたててから会話を戻す。
「それで? うまぴょい伝説動画だったか?」
「そうやねん。『推しアイドルでやってくれ』って要望がめっちゃきててなぁ。あと何故か美波ちゃんもやってみたいって言っていてなぁ」
「それどう考えても弟くんに送るだろ」
「何か問題あるか?」
「俺達に被害がない時点で何の問題もないな」
「二人とも!!」
俺と周子のハイタッチに美優が怒鳴ってくるが我々にとってry
そして貴音がおもむろに口を開く。
「作麼生」
「「説破」」
「そもそも『うまぴょい伝説』は何の時に歌われるか?」
「「その時衝撃走る……!!」」
貴音の言葉はもっともである。
「つまり中山競馬場で『アイドルレース!!』を開催してその優勝者が歌うってことだな!!」
「ええ、それだったら他のプロダクションも巻き込めるし、ファンも納得するでしょう」
「最高のアイディアやないか!! 流石は姉ちゃん!!」
「あの……ちょっといいですか……?」
いかれた会話を止めるのはこの中で唯一正気の美優。
「そもそも中山競馬場が借りられるとか、ライブ会場はどうするんだって話が……」
「兄ちゃん」
「安心しろ、すでに社長に話は通した。絶対に金になるからヤツは乗ってくる」
「社長さん……!!」
美優の心配など社長の財力を使えば簡単に解決できるのだ!! やっぱり友人って大事だな!! 何故か基本的に鬼畜かクソか外道みたいなキチガイしかいないけど!!
「そういえば周子。美優と相談したんだけどさ」
「兄、食料はやく」
話の腰を速攻で折ってきた貴音に特別メニューを出しつつ会話を続ける。
「これ以上伸ばしても仕方ないから結婚式を12月に挙げようと相談していたんだけど」
そう、相談内容は結婚式である。コロナのせいでずっと伸ばしていたが、俺の友人の博士が『コロナ絶対破壊する空気清浄機』を開発したので、12月にあげようと思ったのだ。それで、前から『一緒に結婚式やろうぜ!!』と言っていた周子にも声をかけたのである。
「兄、周子。少しいいですか?」
「? どうした貴音」
そして手をあがて意見を求めてくる貴音。
「その時期だったら私も許嫁と籍を入れている予定なので一緒にいいですか?」
「ええで!!」
「お、ようやくお前も結婚か。だいぶ遅かったな」
「いえいえ!!! 爆弾発言ですからね!!」
塩見周介
初うまぴょいがアグネスタキオンで複雑な気分になった
塩見美優
引きたかったガチャを仕事で忙しくて忘れるという大ミス。ちなみに艦これもやっている
仲野周子
新婚生活を楽しんでいるし芸能生活も多いに楽しんでいる
四条貴音
765プロ所属のアイドルで周介くんの実妹で周子ちゃんの実姉。当然のように普通じゃない。許嫁の存在もプロデューサーにはいっていない。
つまりテロ婚
うまぴょい伝説(アイドルversion)
作者がみたいんだよ!! やってくれ公式!!
そんな感じで更新です。
今回から実妹が発覚した貴音ちゃんも本格参戦。そしてプロデューサーに無断で速攻で結婚宣言をするあたり完全に塩見の血族。これには律子さんもぶち切れ案件。
そして12月に結婚式をやることにしました。結婚式が最終回なので終わりのカウントダウンが入ります。
残り短い間ですがよろしくお願いいたします。