ヨルムンガンドががっつりクロスしてきます
「兄ちゃん、来たでぇ」
「急に呼び出しとはなんですか兄」
家のリビングに入ってきたのは周子と、つい最近テロ入籍を果たした貴音(なお、765のプロデューサーである秋月律子さんはマジ切れしたらしい)
そしてリビングに入ってきた周子は何かに気づく。
「あれ? 兄ちゃん。美優さんと詩音さんは?」
「二人でデートだ」
「「詳しく」」
俺の言葉に身を乗り出してくる周子と貴音。
俺はそんな二人を落ち着かせながら口を開く。
「二人の情報が欲しければ俺の質問に嘘偽りなく答えろ」
「「塩見の血に誓って」」
「俺達の披露宴にココを呼んだのはどっちだ?」
俺の言葉に速攻で顔を逸らす周子。
俺はその頭をがっちり掴む。
「いたたたたたたた!! 兄ちゃん!! 痛いって!! ダメダメ!!」
「痛くしているから当然だなぁ!!」
ココ・ヘクマティアルというのは俺の友人である。海運の大会社HCLIの御令嬢で中学時代に俺達の中学に社会勉強という理由でやってきて染まってしまった人物である。
そんなココの何が問題か。
まず一つ目に彼女の職業にある。彼女の所属するHCLIは世界でも有数の海運会社であるが、その実態は武器の売買をメインで扱う武器商人であり、彼女のいくところは銃撃戦に彩られる。
そして貴音が不思議そうに首を傾げる。
「しかし兄。今更銃撃戦くらいどうでもないでしょう?」
「いいか、貴音」
俺は周子の頭を握りながらもう一人の妹に言い聞かせる。
「今回の結婚式には社長も出席する」
「いけませんね。ビルの爆破は確実ですか」
そう、問題なのは俺の友人である社長の存在である。様々な商品を手広く扱っている社長はことあるごとにココと商売でぶつかることが多い。そのために二人は友人関係でありながら『機会があったら殺したいリスト』にお互い上位にいる。
そんな二人が揃ったらどうなるか?
互いの護衛の銃撃戦は当然として披露宴会場の爆破も視野に入ってくる。
「で、でもな兄ちゃん。ココさんと社長さんだけやったら空気を読んで大人しくしてくれる可能性があるやろ」
「いいか愚妹、よく聞け」
周子の抗弁を聞き流しながら俺は説明を続ける。
「ココと社長が出席すると聞いたのかヘックスさんから何故か結婚式に出席する旨の手紙がきた」
「「東京がピンチ……!!」」
ヘックスさんというのはアメリカはCIAの準軍事工作担当官・パラミリ……ようはテロリストに対する武力行使集団のお人である。本人はグラマーな美人なのだが、テロリストに対する殺意が高く、その殺意は武器商人であるココや、グレーゾーンを突っ走っている社長に対しても向けられており、世界各地で殺し合いをしているそうである。
「いやいやいや、ヘックスさんはやばいやん。結婚披露宴がマジで血と硝煙の宴になるで」
「せっかくの晴れ舞台ですので血なまぐさいのはNGなんですが。兄よ、断れないのですか?」
「断ったら披露宴を爆破すると言われた」
「「ガチテロ!!」」
ヘックスさんの何が厄介ってやると言ったらマジでやるところだと思う。
すると周子が何か思いついた表情になる。
「せや!! だったらヘックスさんの上司のブックマンさんを呼ぼうや!!」
「ブックマンだったら塩見三兄妹の結婚披露宴と言ったら『あ、僕は用事があっていけないや。変わりにスケアクロウくんとショコラーデくんに出席してもらうから』って言って電話切られたよ」
「「悪化している件について」」
ブックマンというのはCIAの偉い人でヘックスさんの上司。そしてスケアクロウはココと社長を目の敵にしているCIAの工作担当官である。
どう足掻いても銃撃戦の未来しかみえない。
「え、兄よ。マジでどうするんですか?」
「とりあえず武器の持ち込みは禁止にするよなぁ」
「それ素直にいうこと聞く人達ちゃうやん」
「それなんだよなぁ」
ココは『武器商人なんだから武器を持ち込めるのは当然』とか謎理論の持ち主だし、そうなると社長も絶対に持ち込む。ヘックスさんなんか個人の戦闘力がガチ高めだから暴れだしたら俺の戦闘系友人達を使って強制鎮圧するしかない。
「だったらPMCを連れてくるの禁止にしたらどうです?」
貴音の言葉に俺は首をふる。
「それをやると社長のことだからウェイターとかに紛れ込ませてくる。そしてそうなるとココもやるし下手したらヘックスさんも私兵でやる可能性がある」
「やばい、絶望しかないやん」
「全部はお前がココに招待状出したからだからな?」
ある意味で対岸の火事を決め込んでいる周子に釘を刺す。
「いやいや、兄ちゃん。よく聞いてや」
そして真剣な表情で周子は口を開く。
「ウェディングドレス姿の美優さんを見せびらかしたいやろ」
「その通りだクソ!!」
俺だってウェディングドレス姿をばっちり決めている美優の姿をできる限り色々な友人に自慢したい!!
「ココさんも『美優さん大好きクラブ』の会員やからな。ウェディングドレス姿なんて超絶レア姿だったら文字通り命を賭けるやろ」
「問題はその賭けている命がココだけじゃないんだよなぁ」
下手したら東京が日本地図からなくなりかねない。それほどの狂暴性がココと社長とヘックスさんにはある。
スケアクロウ? 頼りにならねぇよ。
そして今度は貴音が口を開く。
「そうなると座席も問題ですか。兄には何かアイディアが?」
「当然だ」
貴音の言葉に俺は頷く。
「とりあえずココと社長とヘックスさんとスケアクロウは同じ机にしようと思う」
「毒を持って毒を制するやな」
「ココさんと社長さんのクソ煽りでスケアクロウの胃がマッハですね」
塩見周介
組み合わせがやばいので片方に結婚式の招待状をださなかったら披露宴がテロ会場になってしまった
仲野周子
全ての元凶。ウェディングドレス姿の美優さんを見せびらかしたいが故に起きた悲劇
四条貴音
結婚相手が決まっていないので苗字はまだ四条のままです。血なまぐさいことは珍しくないとか言っちゃう魔境出身
ココ・ヘクマティアル
漫画・ヨルムンガンドの主人公の武器商人。中学生の時期に周介くんの学校に社会見学として転校してきた模様。普通ではない
社長
この作品でたびたび登場する周介くんの友人(名前未定)。グレーゾーンな商売も金になるならやる主義
ヘックス
ヨルムンガンドの登場人物。原作ではココと殺し合いをしていたが、こちらの世界では社長ともしている模様。一人戦術兵器
塩見美優
ココと社長は貿易会社の偉い人って認識だし、ヘックスに至っては面倒見のいいお姉さんという認識の純粋培養
双海詩音
周介くんからココと社長とヘックスが揃うと聞いて戦慄した。とりあえず塩見三兄妹会議のために美優さんを連れ出す
美優さん大好きクラブ
会長・周介くん。副会長・周子ちゃん。加盟者は周介くんや周子ちゃんの関係者がいっぱい。美優さんがその気になったら世界制服もできちゃう集団。当然のようにCIAからマークされている
そんな感じで今月更新分です。
最初は結婚式に向けて招待者ネタやらないとなぁ、と思っている時にヨルムンガンドのブルーレイを流していたのが運の尽き。なんということでしょう。披露宴会場が爆破される可能性がでてまいりました。
ストッパーキャラもださなきゃやばい
そして本人の関係ないところでアメリカから要注意人物扱いされる美優さん。夫や友人が悪いよ。