悪魔の名を持つ機械人形の記録を持つ者   作:コレクトマン

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旧校舎のディアボロス
少年は夢を見る


 

 

……俺は今の現世の記憶以外に別の記憶がある。………いやっ、正確にはある悪魔の名前を持っていそうな白い機械人形の記録とでもいうべきだろうか?その記録は毎度夢の中に出てくる。その夢の中で俺と大差ない年頃の少年が紅い荒野のような場所でその白い機械人形を自分の手足の様に扱い、少年が乗る機械人形を討たんとする翠の機械人形達を次々と倒していく。ある時は巨大なメイスを。またある時は機械人形に付けられし剣の尾を。その戦い方はまるで獣の様な動きでとても人間の動きではなかった。その時、空から高速で降り注ぎし針金の様な物が紅い大地を砕き、その衝撃の余波に巻き込まれた白い機械人形は左腕を失い、それを操る少年は機械人形内で重傷を負う。……それにも関わらず少年が機械人形を起こし、白い機械人形の本来の力を解放して最後まで戦いを止めることはなかった。そんな白い機械人形と少年に終わりを迎えた。少年は機械人形の本来の力を解放した代償としてその白い機械人形に魂を宿らせ、その白い機械人形は翠の機械人形に首を斬られ、晒し首として少年と機械人形の戦いを終わらせた。そして夢の終わりを告げるように二人の声が聞こえた。

 

 

 

 

……だろ?■■■……。

 

 

 

あぁ。そうだな……■■。

 

 

 

 

若干ノイズが混ざった声を聞き終えた時には朝が迎え、俺は夢から覚める。

 

 

「毎度思うが、何で俺がこんな夢を見るんだ?明らかに前世の俺でもあるまいし……」

 

 

そうぼやきながら俺こと、“三日月 涼夜”は学校へ行く支度をするのであった。

 

俺は幼い頃から無表情な奴と世間から見られている。今でも無表情な顔をしている。……これに関しては生まれつきだが、俺とて笑ったりとか怒ったりすることがあるんだが?そんなことを思いながらも俺は通っている駒王町の学校ことつい最近女子校から共学になった駒王学園に向かっていた。その通学時に通学路から二人の友人と会う。

 

 

「よっ!ミカ。何か元気なさそうだが?」

 

「先輩……おはようございます」

 

「イッセーに小猫……おはようさん」

 

 

俺の幼い頃からの友人の“兵藤 一誠”。俺が幼い頃に老人が何かおっぱいを語る所から一誠に出会った。その老人は俺が両親から渡された携帯用の防犯ブザーを鳴らしてその老人を追っ払った。その時の一誠は老人の話を真に受けていた為に俺が何度も注意して助平という悪影響がない普通の人間に戻すのに苦労したのは秘密であったりする。ちなみに余談だが、その老人は今は警察の豚小屋でお世話になっている。……だというにも関わらず懲りずにおっぱいを語っていたそうだ。

 

そしてもう一人は俺の後輩の“塔城 小猫”。この後輩との出会いは俺の趣味である料理で自分で焼いたクッキーを昼休みで食おうとした時に偶然小猫と会った。俺は何かと小猫がクッキーを欲しがってそうだったからか、もしくは小猫の名前の小猫だけに多数あるクッキーの七割を小猫にあげた。それ以降俺は小猫と友人になった。そんな二人に今日見た夢のことを話した。

 

 

「夢か………なんていうか、すげえ夢見たんだな?」

 

「機械人形……ですか。その少年は魂を乗っていた機械人形と同化してしまった…と?」

 

「あぁ……正直言って後味の悪い夢だったさ。何だって俺はそんな夢を何度も見るんだ?」

 

「さぁな?何か思い当たる節でもあるんじゃないか?」

 

「それが解ってれば苦労はないよ……」

 

 

そうぼやきながらも俺たちは駒王学園に着き、それぞれのクラスに入る。そしてこの学園のお約束がやって来た。

 

 

「「死ねよやぁーっ!イケメンがぁーっ!!」」

 

「「……はぁっ」」

 

 

メガネの元浜と禿頭の松田の二人掛かりのラリアットが俺たちに向かってくるが俺と一誠は呆れるくらいに軽々と避ける。からぶった二人は勢い余りすぎてそのままこける。

 

 

「……お前ら最近しつこいよ?イケメンだが何だがどうでもいいことを俺らにぶつけてくるな」

 

「「うるせぇっ!お前達が女子にモテて、女子にモテない俺たちの気持ちがわかるかぁー!!」」

 

「いやっ分かるわけないだろ?俺はお前じゃないし……」

 

 

元浜と松田の反論に一誠は正論を言う。この二人はこの学園の女子更衣室の覗き常習犯である。……よくよく思えばこの二人が退学されないのはある意味この学園の七不思議と思ったのは俺だけであろうか?そんなこんなで二人の口論に付き合うことなく授業の準備を行うのであった。

 

そういった感じの日常からある日のこと、他校と思われる一人の女子生徒が一誠に告白して来た。一誠に告白して来た女性は“天野 夕麻”という名前だそうだ。俺はその時に一誠から俺にデートの心得について教えて欲しいと頼まれた。あの……一誠、俺はデートの心得なんて初めて聞いたけどと思ったのはつい最近である。

 

そんな形で、俺は一誠にデートの心得とは違うけど、この街のスポットに誘うとか、カフェでランチ取ったりしてはどうだろうかと一誠に伝えた。この時、友人である一誠のデートが俺の日常の終わりを告げることを今の俺は知る由もない。

 

 

 

一誠と夕麻のデート 当日

 

 

 

一誠が夕麻とデートの日の夕暮れに俺は公園にある自販機で飲み物を買おうと公園に向かっていた。その時に俺はある違和感を覚えた。

 

 

「何だろう………いくら夕暮れ時で人気がないとはいえ、人が居ないのが逆に変だ。一誠達に何かあったのか?」

 

 

そう思った俺は急ぎ公園に向かった。そして時は夜中に突入する時間帯になり、公園に辿り着いて辺りを見渡すと、そこには黒い翼を羽ばたかせる彼奴(夕麻)の姿と、光る槍に刺されて倒れている一誠の姿があった。その時の俺は一瞬だけ理解出来なかった。……いやっ、したくなかったと言うべきだろうか。彼奴が一誠を……

 

 

 

殺したのだと………

 

 

 

「イッセー……?」

 

「あらっ?貴方は確かこの子の友達だった者ね?一応人払いの結界を貼っていたのだけれども、迷い込んだのかしら?なら残念ね、見られた以上生かして返さないわ」

 

 

この時に俺の感情はある一つの感情しか走ってこなかった。それは怒り。こいつは俺の友人の一誠を……一誠の初恋をこんな形で利用して殺した彼奴を許せなかった。そして俺は口からドスの効いた声で夕麻だった人外に語る。

 

 

「………おいっ」

 

「っ!?」

 

 

怒っている時の俺は周りが見えなくなり、より殺意が外に漏れ出す位に抱く。彼奴が何を考えていようと関係ないほどに………例えそれが、人外が相手であったとしても………。

 

 

「何やってんだ……お前……」

 

「(ば……馬鹿な!私が……たかが人間風情に怯えている!?)……くっ!!」

 

 

彼奴は一誠を殺したと思われる光る槍のような物を手から作り出し、俺に向けて構えをとった。その時に俺は彼奴の首を掴もうと一歩踏み出そうとした瞬間、何かが俺に呼んでいた。

 

 

呼べ………俺の名を………!

 

 

 

「…?……ぐっ!?」

 

 

空耳と思ったその時、俺の脳裏に何かが入ってくる。

 

 

 

()()()

 

 

 

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()()()()()()()()

 

 

 

それらの莫大な情報量が俺の脳裏を駆け巡り、処理速度が追いつかなかった。その時の俺は釣り上げられた魚のように動けず、鼻から血が垂れ、最終的の彼奴の前で気を失って倒れこむ。

 

 

涼夜Side out

 

 

 

私ことレイナーレは今起こっている状況を理解できなかった。最初は計画を進める為に少年が持つ神器(セイクリッド・ギア)が障害となる可能性を考慮してこのような暗殺を行なった。しかし予想外なことが起こった。暗殺対象の友人であろうもう一人の少年がやって来たのだ。人払いの結界を貼っているのにも関わらず。そしてその少年は私が殺した少年の方を見た瞬間、普通の人間が出すとは思えないほどの殺気を溢れ出て、その殺気が私の方に向けられた。殺気を当てられた私はその少年のことを恐怖した。この人間を始末しなければ私が殺されると思って槍を構えたその時、その人間は急に動かなくなって鼻から血が流れ、最終的にその人間はその場で倒れこんだ。

 

 

「……何なの、この呆気ない終わりは?」

 

 

何故あの人間が普通の人間が出せるレベルではないほどの殺気を放つことが出来るのか理解できなかった。私はその人間が如何に危険であるかを身を以て知り、止めを刺そうと槍をその人間に向けようとした時に別の魔力を感知した。どうやらこの領地を管理している悪魔が感づいたのだろう。計画の修正が必要があると思って私は槍を消し、その場から撤退するのであった。

 

 

レイナーレSide out

 

 

 

俺は……どうなった?あの訳の分からない情報が頭の中で駆け巡ってきたことは覚えている。その情報は聞き覚えのない言葉の筈なのに何故か俺は知っているような気がする。厄災戦、モビルアーマー、ガンダム・フレーム、阿頼耶識システム。その情報の中で気になったのはガンダム・フレームという言葉だ。俺の勝手な推測だが、恐らくは俺が見た夢の機械人形のどれかかもしれない。……だけどそんな事はどうでもいい。俺は目の前で友人の一誠が殺されたことが一番悔やまれる。俺は………無力だ。俺に……俺に力があれば………

 

 

 

 

力が……欲しい!

 

 

 

 

……その願い、叶えてあげる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は再び夢を見ていた。その夢は機械人形同士の戦いであった。白い機械人形が左腕を失いながらも翠の機械人形と戦っていた。そしてその機械人形から声がより明細に聞こえた。少年の声以外に女性の声が聞こえた。

 

 

 

 

何故だ!何故まだ抗う!!無駄な足掻きだ!!こんな無意味な戦いに、どんな大義があるというのだ!!!

 

 

 

大儀?なにそれ。無意味?…そうだな…

 

 

 

 

白い機械人形とそれを操る少年はボロボロになってでも少年は嗤う。その中で翠の機械人形を援護すべく、また違う翠の機械人形たちが迫り来る。

 

 

 

 

俺には意味なんてない。けど…

 

 

 

っは!?よせッ!!こいつに近づいては!!!

 

 

 

 

少年は彼女から狙いを変え、一番前に迫り来る機械人形に高速接近する。その機械人形はハルバードで攻撃するがそれを回避し、敵機械人形の上半身と下半身のつなぎ目を的確に破壊する。さらに横にいた敵機械人形の左腕を剣の尾で切断し、飛び掛かる。敵機械人形のコックピットらしき所を的確に貫き、機体ごと持ち上げ、後方にいた敵へ動かぬ機械人形と化した物を投げつける。そして白い機械人形の剣の尾で追い打ちをかけ、コックピットを貫く。

 

この一瞬で三人も仕留めた、その姿はまさに………

 

 

 

 

悪魔め……

 

 

 

けど…いまは…■■■がくれた意味がある…!何にも持っていなかった…俺のこの腕の中に……こんなにも多くのものがあふれてる…そうだ…

 

 

 

 

少年は彼女へ向かって歩き出そうとする

 

 

 

 

俺たちはもう、たどり着いていた

 

 

 

何なのです!あなたは!!果たすべき大義もなく、なぜ!!!

 

 

 

 

少年はスラスターを吹かせ、彼女へ接近し、剣の尾を放つ。

 

……が、それは彼女の足元に刺さる。銃撃を食らった剣の尾は壊れ、残った右腕も破壊されてしまう。しかし、少年はそれでも止まらない。彼の相棒が残した、最期の命令を果たすために。

 

彼女の攻撃により、コックピットを守る装甲が壊れ、少年の姿があらわになり、気付く。

 

 

 

 

もう…意識が…

 

 

 

俺たちの、本当の、居場所……

 

 

 

 

少年の白い機械人形が、彼女の翠の機械人形にもたれかかるように倒れる。そして、俺もまた夢から覚めるのであった。目が覚めた時に上を見て呟いた。

 

 

「……俺の知っている天井だ」

 

 

俺は身体を起こして昨日のことを思い出そうとした時にある事に気付く。

 

 

「あっ………そういえば、イッセーは?」

 

 

昨日俺はイッセーが殺されたところを目撃していたことを覚えていた。俺はただ、その光景が夢オチだったと祈りながらも学校に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

契約の日が近いな……。()()()()()()()()()

 

 

____________________________________________

 

 

続く

 

 

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