悪魔の名を持つ機械人形の記録を持つ者   作:コレクトマン

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聖剣破壊と47番目

 

 

エクスカリバーを破壊する為に俺たちはグレモリー先輩達に内緒(主に一誠の独断だけど)で行動していた。その為にもまだこの町いるかもしれないイリナ達を探していた。そしてイリナ達を目視で発見すると、そこには異様な光景があった。

 

 

「私は言いましたよね!?町中で騒ぎを起こさず行動すると!…なのに何でこうなったんですか!?」

 

「あー……ご、ごめんねアイン君……」

 

「す…すまない……」

 

 

アインがイリナ達に説教している光景であった。これを見た一誠とスプーンの人はなんて声をかければいいのか分からなかった。

 

 

(……一体、何がどうなんだ?イッセー?)

 

(いや、そんな事は俺が聞きたいくらいだ。なんか逆に声を掛けにくくなったのは確かだけど……)

 

「……こんな所で何してるの?」

 

 

いくら待っても終わらなさそうな感じがしたので俺はアイン達に声をかけた。その後にアインから聞いた話によるとアインが情報収集中の間にイリナが怪しい商人から如何にも胡散臭い絵画を聖ペトロと思い込み、教会から渡された資金を全額で購入してしてしまい、資金難に陥ってしまった。無論ゼノヴィアは勝手に資金を詐欺まがいの絵画の為に全額支払ってしまったことに怒り、口喧嘩をするがそういう場合ではないと冷静になり、路銀を稼ぐ為に大道芸で何とかしようとイリナが買って来た絵画をゼノヴィアが叩き斬ろうとするがここでもまた口喧嘩になってことが進まない時にアインが戻って来たのだ。それもかなり怒った顔をしながらだ。例えると顔は笑顔なんだけど、内心はかなり激怒していたような感じだった。

 

その結果二人は正座させられ、アインの説教を受ける羽目になって今現在に至るそうだ。……イリナって以外と財布の紐が緩いタイプなのかな?とりあえず三人を見つけた俺達はちょうどお昼頃だったので昼食を兼ねて話し合いをする為に携帯で木場を呼び出して近くのファミレスで食事をするのであった。

 

 

涼夜Side out

 

 

 

イリナ達を見つけた俺達はミカが携帯で呼んだ木場と合流して近くのファミレスで昼食をとることにした。資金難でよほどのことなのかかなり腹を空かせていたのか、よく食べていた。昼食を終えた後にゼノヴィアが今回俺達が接触して来た理由を聞き出して来た。

 

 

「……それで、今回私たちに接触した理由は?彼がいるということはやはり?」

 

「あぁ、こっちもこっちでアレだからな。単刀直入に言うと……聖剣(エクスカリバー)の破壊に協力したい」

 

 

エクスカリバーの破壊に協力したい。その言葉だけでもアインを除く二人は驚いた様子であった。しかしゼノヴィアは冷静に考え、俺達の案を了承した。

 

 

「……そうだな、一本ぐらい任せても構わないだろう。破壊出来るのであればだが……ただし」

 

「分かっている。俺達()()がそちらに協力していると悟らせない様に行動すればいいんだろ?」

 

 

流石の俺でも教会と悪魔が手を取り合ってエクスカリバーを破壊しようとしていると部長達にバレると面倒なのは明白だ。無論ゼノヴィア達も同様、教会の上層部にバレるのは避けたいくらいだ。その時にイリナが反対の意を示した。

 

 

「ちょっとゼノヴィアいいの!?いくら相手はイッセーくんとはいえ悪魔なのよ?」

 

「……じゃあ俺は?」

 

「え……っ?えっと……三日月くんはその、民間人?だから……?」

 

 

イリナは三日月は悪魔ではなく人間であることを告げられてちょっと混乱はしたがとりあえず疑問系だけどそれらしい理由?で答えた。しかし、アインとゼノヴィアの場合は違った。

 

 

「いえ、イリナさん。今回の任務は私が組み込まれているとはいえ三人だけでは任務的に辛いのは明白です」

 

「それは分かっているわ。でも…!」

 

「そうだな、私たちは最低でも三本のエクスカリバーを破壊して逃げ帰ってくればいい。私たちの聖剣も奪われるぐらいなら自らの手で壊せばいいだろう。私やアインの()()()を使ったとしても無事帰還出来る確率は三、四割だ。自己犠牲に等しい」

 

 

ゼノヴィアの言う奥の手というのに少し気になったが、アインの奥の手って確かあの黒い機械人形のことだよな?だとしてもそれで三、四割の確率なんて堕天使組織グリゴリの幹部コカビエルってそこまでに強いのか? 

 

 

「……でも、それを承知で来たのよ?それこそ私たち信徒の本懐じゃないの」

 

「イリナさん、前にも言いましたが二人は私が命をかけて守ると…」

 

「アインの言うことも分かる。任務を遂行し、無事帰る事こそが本当の信仰だと信じる。イリナも薄々はそう考えているのだろう」

 

「……それはそうなんだけど、間違っていないわ。けど……」

 

「何、私たちは悪魔の力を借りない。代わりにドラゴンの力を借りる」

 

 

そうゼノヴィアがいった言葉に耳を疑ったイリナはゼノヴィアの強引な屁理屈に反対であったが、任務が困難なのは事実であったため納得は出来なかったものの渋々了承した。そして今まで黙っていた木場が口を開く。

 

 

「……話が纏まったようだね」

 

「キミの事はアインから聞いている。あの聖剣計画の生き残りであることを。教会でもあの計画には最大級に嫌悪されたものだ」

 

 

教会の方でも聖剣計画は嫌悪されている様だ。するとアインが木場にある情報を伝える。

 

 

「…貴方にはもう一つ知る事が有ります。その計画の責任者は異端とされ追放。今では堕天使側に属しています」

 

「堕天使側に?その者の名は?」

 

「“バルパー・ガリレイ”。教会では“皆殺しの大司教”と呼ばれた薄汚れた罪深き輩です」

 

 

アインから聖剣計画の責任者の名を聞いたその後は無事に交渉は成立し、俺たちはエクスカリバーを破壊するために準備を進めるのであった。因みに木場に付いていたアスタロトが俺達が部長に内緒で聖剣を破壊する計画をアーシアに知られている可能性があると告げられた。元々アスタロトはアーシアと擬似阿頼耶識で契約している為に情報が漏れていた様だ。どのみちここまで来たらやるしかないと決めた俺は怒られる覚悟でいつも通りに準備を進めた。

 

 

一誠Side out

 

 

 

一方のエクスカリバーを奪った堕天使達のとある隠れ家にてある機械人形が自身の武器の手入れをしていた。その武器はハンマーの円形状の先切り金づちのような形をし、ヘッド部分に採掘用のドリルが組み込まれていた。その武器の手入れをしながらもはぐれ神父であり、天閃の聖剣を奪ったフリードが戻ってきた。

 

 

「…ダァー!クッソ!?はぐれ悪魔でも狩って来たってのに俺っちの怒りが中々収まらねえ!……あんの黒いクソ人形の野郎、今度あったら絶対ぶっ殺す!!」

 

〔……相変わらず神父か悪魔狩りでもしていたようだな?よく飽きないものだな〕

 

「うっせ!テメェにだけには言われたくねえよ!それにな、テメェを見ていると俺っちをぶん殴ったあのクソ人形のことを思い出すじゃねえかよ。いっそのことテメェからぶっ殺してやろうか?」

 

〔ほぉ…?そいつはどんな奴なのか気になるが、俺を殺すのに聖剣(そいつ)がなきゃ何もできないお前さんじゃ俺には勝てんよ〕

 

「あぁん!?テメェ、何処までもムカつく野郎だな!!」

 

 

一触即発でどちらか仕掛けてもおかしくない状況に一人の堕天使の老人が止めに入る。

 

 

「よさないか、お前たち。くだらぬことでことを荒立てるな」

 

「あぁ?バルパーのじいさんじゃねえか」

 

〔バルパーか。お前さんが来たってことは4本目と5本目が見つかったってことか?〕

 

「……察しが早いようだな。お前たちにはその4本目と5本目となるエクスカリバーを回収してほしい」

 

 

この堕天使バルパー・ガリレイは教会が忌み嫌っている聖剣計画の責任者でもあり、俺を雇ったクライアントからの依頼で護衛対象でもあり、口封じの対象でもある。当の本人はそんな事に気づいてはいないようだがそんな事は俺にとってはどうでもいい事だ。俺を雇ったクライアントとは堕天使の幹部であるコカビエルだ。……まさか天使というMA(化け物)を狩るために造られた悪魔が堕ちた天使に雇われるとはな。300年以上長生きしてみるもんだな。

 

 

〔…分かった。残りのエクスカリバーの回収なんだが、おまえさんが持っている夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)、一時的に借りるぞ。試しておきたい事が有るんでな〕

 

「良いだろう。ただし、万が一破壊されたとしてもコアは持って帰ってくるんだぞ」

 

〔分かってる。そっちも報酬のことを忘れるなよ?〕

 

「金の事か?分かっとる、儂の目的はエクスカリバーを完全な物にするのが目的だからの。目的を達せられた暁には欲しいだけ金をくれてやろう」

 

〔まぁ、俺に取っちゃエクスカリバーだろうが何だろうがどうでもいい事だな。……だが、欲しいだけもらえるってのは悪くはないな〕

 

「期待しているぞ。序列47番目の悪魔の名を持つ機械人形……()()()()よ」

 

 

バルパーは俺に期待している様だが、正直エクスカリバーなんざどうでもいいのだが。……ただ一つ気になる事がある。それは俺以外のガンダム・フレームの存在だ。もしや、お前もこの世界にいるのか?()()()()()……

 

 

ウヴァルSide out

 

 

あの交渉の後、一誠が作戦として天閃の聖剣を持つフリードを誘き寄せる為に神父とシスターの格好をして捜索した。探索を始めて1時間が経過し、今いる場所は人気のない裏路地を捜索していた。

 

 

「ここでも収穫無しか……」

 

「神父のふりをしていればそのうちアイツと出会うと踏んでいたんだが……」

 

「いや……存外にイッセーの作戦通り何か気配を感じる」

 

「…三日月先輩?」

 

〔どうやら三日月の言う通り、何かが近づいている様だ。警戒しろ(……だが、もう一つの気配なんだ?)〕

 

 

バルバトスに言われた通り警戒をしていると木場はその気配を感じ取って上を見上げた。

 

 

「……上か!」

 

「ヒャッハーーッ!!神父御一行様天国へご案内ってね!」

 

 

突如上空からフリードが降って来て天閃の聖剣で俺に斬り掛かろうとする。俺は咄嗟にレンチメイスを展開してフリードの攻撃を防ぐ。俺はフリードを見て何処かで見たような感じがした。

 

 

「こいつ……確かアーシアを助ける時に」

 

〔あぁ。どうやら三日月がぶん殴ったはぐれ神父だな〕

 

「おやおや、おひさしぶりですねぇ!!俺っちはおまえさんをぶっ殺すときを待っていたんですよ?あん時にぶん殴ってくれた礼はおまえさんの命でつぐなってもらうぜっ!!!」

 

「……うるさいな」

 

「ミカ、援護するぜ!伸びろ、ラインよ!」

 

 

するとスプーンの人が神器を展開してカメレオンのベロのような長い鞭をフリードの足に絡み付いた。フリードはそれを切り裂こうとするが鞭が予想以上に固かったのか切れなかった。

 

 

「何じゃこりゃ?うぜぇっス!」

 

「そいつはちょっとやそっとじゃ斬れないぜ!木場、今のうちにやっちまえ!」

 

「ありがたい!」

 

「チッ!だが、俺っちのエクスカリバーちゃんはおまえさんの創る魔剣くんでは、相手になりはしませんぜ!」

 

 

フリードは天閃の聖剣で木場が創りし魔剣を叩き折り、木場に斬り掛かろうとする。

 

 

「……くっ!」

 

〔…だったら、こいつならどうだ!〕

 

「あん?……って、うぉ?!」

 

〔押し切るっ!〕

 

 

その木場の背後からアスタロトがデモリッションナイフを展開してフリードに斬り掛かるも大振りであったが故にフリード後方へバックステップしてアスタロトの攻撃を躱す。

 

 

「ダァーッうざったりぃ!!」

 

「そんでもって駄目押しだ!黒い龍脈(アブソーブション・ライン)!!」

 

「あ?……!?これは!」

 

 

するとフリードはスプーンの人の神器によって力が吸い取られるような感覚を覚えた。

 

 

「どんなもんだ!これが俺の神器だ!俺は兵藤やミカの様にガンダム・フレームっつう機械人形がなくてもこれぐらいは出来るぜ!このままお前がぶっ倒れるまで力を吸い取ってやるぜ!」

 

「おいおいっ!?力を吸い取る神器ってマジか……!」

 

「ウガーッ!?ドラゴン系神器が忌々しい!斬れねえ分、うざったい!」

 

「今だ木場!お前が自力でケリをつけたいのは分かるがこいつはマジで危険だ!俺が弱らせるから一気に〔悪いが、それはこっちとしては逆に困るんでな〕……!誰だ!?」

 

 

木場に好機を伝えようとしたその時に突如とフリードとは違う渋い声の主が裏路地に響いた。しかしアスタロトはその声に聞き覚えがあった。

 

 

〔(この渋い老人のような声……まさか……!)…匙、直ぐにそこから離れろ!〕

 

「えっ?」

 

 

その時に匙の真上から人みたいな何かが降りて来て、そのままハンマーの様な鈍器を匙に向けて振り下ろそうとする。しかしアスタロトが匙を割り込む形で庇い、デモリッションナイフで襲撃して来た奴のハンマーの柄部に当てる様に受け止める。そのハンマーはヘッド部分が採掘用のドリルになっており、生身の人間がこれをくらえば肉が抉られるどころではない。それ以前に、相手はバルバトスやグシオン、アスタロトと同じ機械人形でもあり、ガンダム・フレームであった。その襲撃して来たガンダム・フレームの正体をアスタロトは知っていた。

 

 

〔……薄々思っていたが、やはりこの世界に来ていたのかよ!!()()()()!〕

 

〔やはりお前だったか、アスタロト。それにバルバトスとグシオンもいるとはな!〕

 

 

そういってウヴァルはアスタロトから距離を取ってフリードに近づく。どうやらあのウヴァルという奴は敵の様だ。

 

 

〔全く、先陣きっておいてこのザマとはな。どのみち、今のお前さんじゃアスタロトやバルバトス、グシオンには勝てんよ〕

 

「うっせぇ!!こんのトカゲくんのベロさえなけれりゃ俺っちの天閃の聖剣で悪魔共をぶっ殺せたっつうの!」

 

「それは聖剣の使い方が未熟なだけだ、フリードよ」

 

 

すると他にも別の声が聞こえた。その声が聞こえた方向に向くと裏路地の建物の屋上でこの戦いを見ている老人がいた。

 

 

「バルパーのじいさんか!」

 

「バルパー……ガリレイッ!」

 

「バルパー・ガリレイ?……ガリガリ?」

 

 

さっきの老人はどうやらバルパー・ガリレイという奴らしい。というより、何か名前がガリガリって感じな名前だと思ったのは俺だけであろうか?そんな事を気にせずバルパーは木場の魔剣を見て懐かしく感じていた。

 

 

「ほう……魔剣創造か。随分と懐かしい物(神器)だな。それよりもだフリード、お前に授けた“聖なる因子”を刀身に込めろ」

 

「ヘイヘイ、こうか?」

 

 

フリードはバルパーの言われた通りに刀身に何かしらの力を込めると刀身から聖なる輝きが起こりだす。

 

 

「へっ……あらよ!」

 

「なっ!?斬られた!?」

 

 

その刀身でフリードの足に絡み付いていたスプーンの人の神器の鞭を斬り裂いた。そして距離を取った後にウヴァルと共にバルパーがいる所に移動した。

 

 

「フリード、ウヴァルよ。そろそろそのくらいにしておけ。これからコカビエルの元へゆくぞ」

 

「チッ、分かったよじいさん」

 

〔そうしたいところ悪いが、どうやら奴さんは俺たちを逃がすつもりはない様だ。殿は勤めておく、お前さん達は先に行きな。それとだな、4本目と5本目がようやくお出ましの様だ〕

 

「何?《見つけたぞ!罪深き神父フリード・セルゼンにバルパー・ガリレイ!!》……!」

 

 

すると隣の建物の屋上でイリナ達がそれぞれのエクスカリバーを持ってやって来たのだ。

 

「やっほー、イッセーくん!」

 

〔エクスカリバー使いに黒いグレイズか。さしずめアレ等が教会の切り札か。(……だが、あの黒いグレイズは些かサイズが異なるな。用心に越した事はないか)〕

 

「反逆の徒め!神の名のもと貴様を断罪してくれる!」

 

「ハッ!吐かせ腐れビッチが!!」

 

 

その時にフリードは閃光手榴弾閃光手榴弾っぽいものを取り出してそれを地面に投げ捨てると、そこから眩い閃光が俺達を包み込んだ。そして閃光が収まるとウヴァルを除くフリード達が姿形を消していた。しかし、そのパターンを知っているアインは直ぐにフリード達の後を追う。

 

 

〔同じ手を何度も……!〕

 

 

しかし、この場に残ったウヴァルはアイン達の行く手を妨げ、挑発する様に声をかける。

 

 

〔悪いが、ここから先は行かせんよ。それに……お前さん達は聖剣(こいつ)に用があるんだろ?〕

 

 

そういってウヴァルが見せびらかしたのは一つの剣だった。だけどイリナ達はその剣を知っていた。

 

 

「…それって、夢幻の聖剣!?」

 

〔そういう事だ。お前さん達が奴らよりこいつが目当てなんだろう?ならば、こちらに着いてくんだな〕

 

 

そういってウヴァルはイリナ達が探していたエクスカリバーの一本である夢幻の聖剣を持ってフリード達とは逆の方向に逃走した。

 

 

「逃がさん!追うぞイリナ、アイン!」

 

「うん!」

 

〔分かっています!〕

 

 

イリナ達もウヴァルの後を追う様に向かって行った。そして木場もまたエクスカリバーに復讐を果たす為にウヴァルの後を追った。

 

 

「僕も追わせてもらおう!」

 

〔あのバカ…!目先の事を考えずに行きやがって!……だが、俺もウヴァルの事も気になるからな。俺も行くぞ!!〕

 

〔三日月、俺達も追うぞ。何やら嫌な予感がする〕

 

「バルバトス?……分かった。じゃあイッセー、グレモリー先輩に適当に言っといて」

 

「ちょ……おまっ!?待てミカ、お前勝手に……!」

 

 

そう一誠に伝えた後に俺は木場とアスタロトと共にウヴァルとイリナ達の後を追うのであった。取り残された一誠達はグレモリー先輩達に見つかってお仕置きを受ける羽目になってしまうのは別の話だった。

 

 

涼夜Side out

 

 

 

アスタロトを含めバルバトス、黒いグレイズにエクスカリバー使い。その者等を人気のない空き地に誘い込んだ俺は全員がそろうまで待った。そして数分が立った頃には教会からのエクスカリバー使いと黒いグレイズ。そして悪魔陣営のガンダム・フレーム、バルバトスにアスタロト。最後に転生悪魔であり魔剣創造という神器を持つ悪魔が此処に集った。

 

 

「もう逃げられんぞ!黒い機械人形よ、その夢幻の聖剣をこちらに返してもらうぞ!」

 

〔ほう、俺を追い詰めた事で勝ったつもりでいるのか?だとしたら拍子抜けもいいところだ〕

 

「…何だと!?」

 

〔ウヴァル、戦う前に一つ聞かせろ!俺たちやお前以外にもガンダム・フレームが存在するのか!?〕

 

 

どうやらアスタロトの方は薄々と俺達ガンダム・フレームがこの世界に集って来ている事に感ずいている様だ。

 

 

〔そこらへんはお前の想像に任せる。俺にとっちゃそんなことはどうでもいいんでな〕

 

「……そうだね、キミの言う通りそんな事はどうでもいい。エクスカリバーは僕の手で破壊させてもらう!」

 

〔お前さんは魔剣の小僧か。中々面白い神器を持っている様だが……貴様では、このウヴァルには勝てんよ!〕

 

「それはやってみなければ分からないよ!僕は同志達の為にもエクスカリバーを超えるんだ!」

 

 

魔剣の小僧は新たな魔剣を創造し、俺に斬り掛かろうとする。

 

 

〔勝ち目がないというのに勝つつもりでいるとは!その鼻っ柱をへし折ってやらねば何も分からぬか!!〕

 

 

俺は手持ちのマイニングハンマーで斬り掛かってくる魔剣の小僧が創った魔剣を叩き折り、そのまま小僧を蹴り飛ばす。

 

 

「ガハァッ……!?」

 

「木場っ!?」

 

〔木場っ!……ウヴァル、テメェ!〕

 

 

アスタロトはデモリッションナイフを展開して俺に向け、教会の連中とバルバトスも己が持つ武器を構える。

 

 

「アインとは違う機械人形とはいえ、夢幻の聖剣は取り返させてもらうぞ!」

 

「神の名のもとにアナタを断罪するわ!」

 

「お前………」

 

〔ガンダム・フレーム、ウヴァル!……貴様の罪は、貴様の死を持って罪を払う!!〕

 

〔俺とて無駄な時間を過ごすのは嫌いでね………!4本目か5本目のエクスカリバーのどちらか貰い受けるぞ!〕

 

 

俺は再びマイニングハンマーを構え、一対六と不利な状況でも余裕の姿勢を崩さなかった。それに、俺には切り札である夢幻の聖剣がある。一段のエクスカリバー使いよりかは使いこなしてみせよう!そうして俺は二機のガンダム・フレームと魔剣の小僧、そして教会の連中の相手をするのであった。

 

 

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続く

 

 

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