シスターことアーシアを教会に送り届けてから二日後……。今日一誠が何やら体調を崩して学校を休んだそうだ。一誠はここ最近何かと体調が崩れやすかったのかと思っているとバルバトスからこの世界の悪魔について説明してくれた。何でも悪魔は聖なる祈りや聖水、十字架や光属性が弱点だそうだ。……でも、そうなるとバルバトスはどうなんだろうか?
〔俺はこの世界の悪魔じゃないし、それ以前に俺は元いた世界の人間たちによって作られた悪魔であることをお前忘れているだろう?〕
「あっ……そうだった。バルバトスって確かガンダム・フレームって奴の?」
〔あぁ……俺が元いた世界は厄祭戦という最悪な戦争の中で作られた。人類を絶滅の窮地に追いやったモビルアーマーに対抗するため………いやっ、正確には殺すために作られた存在。それが俺たちガンダム・フレームだ〕
俺はバルバトスが体験……もとい、記録した情報によるとガンダム・フレームは72機も作られたそうだ。バルバトスはそのガンダム・フレームの八番目、ASW-G-08“ガンダム・バルバトス”というのが正式名称だといった。だけどバルバトスは名を短く“バルバトス”でいいといった。個人的にそっちの方が呼びやすいや。それと、バルバトスと契約してから俺の学校での生活は大きく変わった。先ず俺の身体能力が異常なほどに上がっていた。因みに普段の俺は自分の身体をこまめに鍛えていた。その結果、細マッチョ系男子と一部の女子が言っていた。まぁ、身体能力が上がったといってもあまり気にしない方なんだけど……。
そうこう考えていたら既に下校時間となり、外は夕暮れになっていた。俺はちょっと公園に寄りたい気分だったので公園に向かい、そして到着すると一誠と一昨日教会に案内したシスターのアーシアがいた。そしてもう一人、俺の知る奴がいた。
一誠を殺した奴だ
最初は頭の中で怒りが回ったが、すぐに冷静になって俺はすぐ近くの茂みに隠れて様子を伺った。距離が遠い分一誠たちやそいつが何をいっているのか断片的に聞こえづらかったが、そいつはどうやらアーシアが目的で来たそうだ。その時に一誠がアーシアを連れて逃げようとした時に彼奴は光の槍を出して投擲して一誠の腹を貫いた。その時にアーシアは治癒の力で一誠の貫かれた腹を直した。その時に俺は更に怒りが加速した。
「………!」
〔待て。今、お前が行けば状況が悪化するだけだ〕
「駄目だ……すぐに彼奴を殺さないと……」
〔怒りで周りが見えなくなってしまったらそれこそ元も子もない。言い方が悪いが、あの堕天使はあの小娘が狙いだ。ここはあえて見逃してその堕天使を追い、その堕天使が拠点としている場所に殴り込み、その小娘を救うしかない〕
バルバトスと会話していると彼奴はアーシアに何かを話しかけ、一誠が怒っていた。そしてアーシアは一誠を救うためなのか彼奴のそばに着いた。そして涙を流しながらも一誠に言葉を告げる。そして遠くで見ていた俺はアーシアの口許の動きを見てこう言っているように聞こえた。
さようなら
そして彼奴はアーシアを連れて魔法陣みたいなものを上空に展開し、それを通ってその場から消えた。その時の俺の行動は早かった。俺はバルバトスに彼奴が何処に行ったのか聞き出した。
「バルバトス、彼奴が何処に行ったか判る?」
〔あぁ……あの堕天使の魔力の波は記録済みだ。奴とあの小娘の場所は一昨日、お前が小娘を道案内して送り出したあの教会だ〕
「そこに奴が……アーシアがいるのか?」
〔無論だ。それと、急がなければあの小娘は死ぬぞ?〕
「アーシアが、死ぬ?………どういう意味?」
バルバトスが言うにアーシアが持つ治癒の力はこの世界の人間に宿る力である神器の一つ“聖母の微笑”が彼奴の狙いで、儀式を通して人間から神器を抜こうとしていたのだ。人間から神器を強制的に抜かされると……
その信じられない事実を突き出された俺はある感情に支配されていた。それは怒り。唯の怒りではない。彼奴に対する殺意と怒りが混ざり合って“怒りの殺意”というものが今の俺の身体の中で渦巻いていた。そして俺はその教会に向かうべく行くのであった。その時に俺は気づけなかった。俺が教会に向かう姿を見た一誠の存在を………。
涼夜Side out
俺はアーシアを守ることが出来ず、夕麻ちゃんことレイナーレはアーシアを連れて魔法陣で教会の方に戻って行った。その時に俺はリアス先輩こと部長と相談しようとオカルト研究部の部室こと旧校舎に向かおうとした時にある姿を目撃した。それは怒りに囚われたミカの姿だった。ミカの目は何処か獣のような目つきをして教会の方に向かって行った。
「ミカ?!何でミカがここに?…………まさか!?」
俺は嫌な予感をして直ぐに旧校舎へ走って行った。そして部長に相談したものの敵対関係である堕天使とは戦争を避けるべくアーシアのことを諦めるように告げて来た。しかし俺は諦めきれず部長に儀式のことを告げると“大事な用ができた”といい、俺にチェスの
そして俺たちはアーシアが囚われている教会の入り口付近に足を踏み入れると、そこには大量の血痕が地面にばらまかれ、多数の黒い羽があった。これを見た木場たちは困惑した。
「これは……いったい?」
「この羽………堕天使の羽です」
「何だって?僕たち以外にこの教会に乗り込んでいるのか?」
この酷い状況の中、俺は一つ思い当たる節があった。
「まさか………ミカか?」
俺の友達であるミカがこの教会に乗り込んでいる可能性を考えながらも俺たちは教会に乗り込むのであった。
一誠Side out
一誠たちが教会に着く三十分前……
アーシアが囚われていると思われる教会に着いた時に黒い翼を生やした二人の堕天使………もう面倒だからカラスでいいか。そのカラスが俺の前に立ちふさがった。
「……貴様か、ドーナシークを殺した悪魔の仲間は!」
「あんたら誰?あのカラス女の仲間?……ていうか、ドーナ……何?ドナドナ?」
「黙れ!悪魔風情が!!貴様がドーナシークの油断をついたに決まってる!!」
「そうそう!えっ~と確かシスターのアーシアって子を守ろうとした兵藤一誠だっけ?見かけ倒しで、守る守る行って結局守れないし弱いし?挙句ただ自己満足に浸ってるだけの偽善者だもん!きゃははは!!!」
その言葉を聞いた俺は更に怒りが加速した。なぜ一誠のことをそこまであざ笑う?そして俺は無意識のうちに前に一誠を助けようとした時と同じように敵を叩き潰し、敵をぶつ切りにできる武器をイメージした。すると俺の手に光が収縮し、光が消えるとそこにはレンチとメイスを合体させたような武器“レンチメイス”が俺の手元に現れる。
〔それは…俺が奴から受け取った補給品のやつの…!〕
「イッセーが弱い?偽善者?それを決めるのは彼奴でもあんたらでもないんだよ……」
「ふん、たかが悪魔の仲間の人間風情が私たち堕天使に適うとおも………」
俺は相手が何をいっていようと関係なく背中にスラスターを出現し、展開してそのまま一気に距離を詰めてそのカラス女その3の頭をレンチメイスで叩き飛ばした。
涼夜Side out
まだ喋っている途中で突然声が途切れた堕天使こと“カラワーナ”。その原因はあの人間の持つレンチのような巨大な鈍器でカラワーナの頭を叩き飛ばした。その結果あのカラワーナの頭部は遠く飛んで地面に“ペチャッ”と落ち、そして残った胴体は無くなった首元から血が吹き出してそのまま倒れて光の粒子となって消えた。数枚の黒い羽を残して……。それを認知するのを送れていた私こと堕天使“ミッテルト”はカラワーナがいきなり死んだことに理解できなかった。その代わりに理解できたのは二つある。一つがあの人間がカラワーナを殺したということ。そしてもう一つが………
何の情もない機械のように殺しに来た
「ひっ……!?う……うわぁぁーーー!!?」
私は光の槍を人間に投擲した後に空高く羽ばたいて距離を取った………つもりだった。
「逃がすわけないだろ?」
その人間は背中から何かを出現させて光を噴き出したと思ったらそのまま空を飛んで私のいる高度まで飛び、そして人間が持つ巨大な鈍器によって私は叩き落とされた。そしてその人間は私の後をを追いかける様に降下した。
「ガァッ!?………うくっ………ぃひぃっ!?」
その時にその人間の顔は機械のような兜を被っていた。額部分に左右対称の角、そして目を守る役割をしている翠の眼光を光らせていた。その兜はまるで“鬼神”を連想させるように恐ろしく感じさせた。
「た……助け……」
そんな人間に慈悲の言葉を投げるもその人間は慈悲の言葉を聞かず足に光が纏い、その光が消えた時にはハイヒール状の機械の足になった。そしてその足を上げ、無慈悲に私の心臓に向けて踏み潰し、そこで私の意識はここで途切れた。
ミッテルトSide out
カラス女の仲間を潰した俺は教会に入る前にアーシアが何処にいるのか聞き出した。
「バルバトス、アーシアは?」
〔この教会の地下だ。そこにその小娘がいる〕
「……分かった」
場所を特定した後に俺は教会の扉をレンチメイスでぶち破り中に入る。アーシアがいると思われる地下へ続くルート向かっていると、頭部に何かが当たったのを感じた。
「……?何か当たった?」
〔今のは……拳銃サイズの弾丸のようだな?〕
「おやおや〜?悪魔達が来ると思って不意打ちしたと思ったんだけどね〜?まさか機械の様な奴がこの教会にくるとはねぇ?」
声がした方向に向けると、そこには拳銃を持った神父の様な男がいた。……何かその神父がぶつぶつと言っているけど正直どうでもいい。ただ思うことは一つだけ。
「……つーか何で死なねぇんだ?巫山戯んなよてめぇ、それじゃあ俺のポリシーが傷つくっつうの。……という訳で死ね!つーか死ねよ!死ねクズ悪魔の……「…邪魔」あっ?……ゴボッ!?」
俺はその神父の顔面に一発殴って黙らせた後にアーシアがいる地下の祭儀場に向かった。そして祭儀場の入り口に着いた俺は扉をぶち破る。するとそこにはアーシアの姿と数名の神父とあのカラス女の姿があった。
「!…アーシア!」
「ん……三日月…さん」
「あら……貴方あの悪魔のお友達じゃないの?それにアーシアと面識があったのは驚いたわ。感動の対面だけれども少し遅かったわね?」
ちょうどいま儀式が終わるところよ?
「…!いやぁぁぁぁああ!」
「っ!」
俺は直ぐにアーシアの下に向かおうとするが神父達が邪魔をする。
「邪魔はさせん、悪魔に味方する者め!滅ぼしてくれ……」
俺は真っ先に向かってくる神父を空いていた左手でその神父の心臓部分に突き刺して黙らせた。突き刺された神父は理解する時間も悲鳴をあげる暇も与えらず、理解できないまま絶命した。そして残った神父たちに俺は告げた。
「お前ら………消えろよ」
その後からは断片的でしか覚えていないが邪魔をする神父、逃げる神父を一人残らず殺し尽くした。ある者はレンチメイスで叩き潰したり。またある者は俺が物理的に心臓を引っこ抜いて握り潰したり。その時の俺の姿は神父たちを叩き潰した際に返り血を浴びており、より悪魔の印象を強めた。
その際にあのカラス女はアーシアの身体から小さな光の球を取り出してそいつの身体に取り込んだ。俺はそんなのを関係なくアーシアを近づいたが既に衰弱し、死にかけていた。俺はアーシアを抱えて教会の地下から外へ出るべく上空へと飛び出し、教会の屋根を突き破るのであった。
涼夜Side out
そして今現在……
俺はミカが先にアーシアを助けようとしているのかを考えたが、考える時間がないためにその考えを停止する。そして俺たちは教会に入ろうとしたその時に、教会の屋根から何かが突き破ってきた。
「な……何だ!?」
「あれは………人?」
「…血の匂い」
その物体が俺たちの前に降りてきた。そして月明かりがその物体の正体を現す。それは、アーシアを抱えた
「アーシア!?」
「イッセー君、待って。あの機械の様な何か……僕たちよりも遥かに強い…!」
「…この血の匂い、入り口にあった血だまりと同じ匂い」
小猫言葉で俺は理解した。あの機械人形が入り口にあった大量の血と黒い羽の正体を。あの機械人形がこの教会に殴り込み、アーシアを助け出したということを。その時にその機械人形が俺の方に向けると俺の友達の声で話しかけてきた。
「………イッセー?」
「……!?まさか……ミカ?お前なのか!?」
ミカが此処にいたことに驚いたが、ミカが抱えているアーシアのことを思い出してアーシアの安否をミカに聞きだす。
「ミカ、お前がアーシアを……?」
「……ごめんイッセー、アーシアは……もう」
その言葉を聞いた瞬間、俺は分かってしまった。ミカが言う言葉の意味を………。
「そんな……ミカ、頼むから嘘だと言ってくれ」
あら?その子が言っているのは本当よ?
俺が一時的な現実逃避していた時にミカが突き破ってきた教会の屋根の穴からレイナーレが出てきた。
「…!レイナーレ!!」
「アハハハ!腐ったクソガキが私の名を気安く呼ぶんじゃないわよ!」
俺がアーシアの神器を抜き出したレイナーレに対して怒りが湧いた。しかし……それ以上に怒りを抱いている者がいた。
「お前がそれを言うな……カラスが」
俺は声がした方に悪寒が走った。その正体はミカが俺以上に怒りを抱き、殺意を増していた。ミカが抱えいたアーシアを降ろした後に手からレンチの様な鈍器を出現させた。
「あら…怖い怖い。そんなにキレてんじゃないわよクソガキ。それに、むしろ感謝してるわ。貴方の存在がなければあの子の神器を抜く計画の修正がなかったのよ?」
するとレイナーレが魔法陣を展開して更にはぐれ悪魔祓いを呼び出した。それでもミカの表情は変わらない。
「……アーシアを奪ったお前に礼を言われる筋合いはないんだよ。そもそも、その力はアーシアの物だろ?だったら……」
「……殺してでも取り返す!」
「……はっ!粋がってんじゃないわよ!たかが人間風情が!!」
その掛け声が合図でミカが背中に付いているノズルからジェットエンジンの様に吹かし、空を飛んでレンチの様な鈍器でレイナーレに振るう。そしてレイナーレは光の槍でミカの鈍器を迎え撃つ。その時に木場が俺にアーシアを連れて行く様に言われた俺はアーシアの方に駆け寄り、アーシアを抱えて教会から離れた。
教会から離れて木の茂みに隠れた俺は抱えていたアーシアを降ろして声をかけた。
「アーシア、待ってろ。俺が……俺たちが絶対にすぐ取り戻してやるからな!」
俺は神器を出してミカの加勢に向かおうとしたが………。
「イッセー……さん…」
アーシアが弱々しく俺の手を掴んだ。自分の命が終わるのを分かっているかの様に俺に話しかけた。
「……私、少しの間だけでも……友達ができて幸せ…でした……」
「……何言ってんだよアーシア。まだ生きることを諦めるな!またこの間の写真を撮りに行こうぜ!だから……」
アーシアは最後の力を振り絞って俺の手を握り、喋り続けた。
「また……友達に…なってくれますか…?……また一緒に……遊んでくれますか?」
「あぁまた友達になってやる!また一緒に遊んでやる!!だから……アーシア、死ぬな!!」
それを聞いたそアーシアは涙を流しながら嬉しそうな表情をしていた。そして俺は涙を流していた。受け止めたくない事実を目の前にしながら。
「……よかった。…私の為に泣いてくれる………。……もう…何も……イッセー…さん………」
ありがとう
その言葉を残してアーシアは静かに俺の目の前で息を引き取った。俺はあまりにも残酷な現実を受け止めることが出来なかった。
「なんで……なんでだよ……?何でこの子が傷つかなきゃいけない……?何で死ななきゃならない……!?なぁ神様よ!いるんだろ!?見てるんだろ!?答えろよ!」
俺は空に向かって神様に叫ぶ。聞こえるはずもない。そしてこの行動に意味がない。そう思った………。
君は……いつまで喚いているつもりでいるんだい?
悪魔の様な声を聞くまでは………。
「…ッ!誰だ!?」
私が誰なのかどうでもいい。君はその子を助けたいのは変わりはないのだろう?
「……!アーシアを……?」
だったら君の神器を覚醒させるんだ。今の君ならできる筈だ
その悪魔の様な声は優しい声で俺に語りかけた。
「……俺にどうしろってんだ。俺はたった一人の女の子を……それも友達になったばかりの子ですら助けられなかったんだ」
……何れにせよ、彼女はここで死ぬ運命には変わりなかったであろう。だが、それを君は容易く容認し、諦めてしまうのか?
「諦めたくない!俺だって諦めたくないんだ!だけど、その子が死んでしまったら意味がない!!意味が…ないんだ……」
……ならば彼女が生き返る術があると言ったら君は動くというのかい?
「アーシアが……生き返る?」
悪魔の様な声がアーシアが生き返る方法を知っているかの様に俺に告げ、そのまま話を続けた。
これは君が何れ契約を結ぶ為の下準備に過ぎない。その対価がどの様なものかは私でも想像のつかないものだ
「だけど……それでアーシアが生き返る方法を教えてくれるんだな?」
あぁ……それには君の友人である三日月の力が必要不可欠だ
「え……三日月が?」
彼女の蘇生には三日月にあることをやってもらうことだ
「あること?それは一体……」
俺はその声の主に聞き出そうとしたが、その声の主がこの場からさることを俺に告げる。
……そろそろ私もこの場から失礼させてもらおう。最後に覚えておいてくれ。神器は人の思いに答え、力を与えてくれる。ならば、彼女を救う気持ちを神器に想いを込めさせることだ。思いが大きければその力も強くなる。……では、また会おう……十一番目を宿りし者よ
声の主はそう告げていこう一切声が聞こえなくなった。その時に俺は神器を見た。あの声が言っていたことが本当なら……。
「なぁ…俺の思いが伝わるんなら、俺に力を貸してくれ!
《BOOST!》
「まだだ!まだお前の力はこんなもんじゃないだろ!?あの子を……アーシアを救う力を!!!」
《Dragon Booster!》
俺の思いが伝わったのかは分からないが、これだけは言える。力が漲る!そして俺はミカたちの加勢に向かった。アーシア………絶対助けるからな!!
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