今回は番外編です。
文の構成とかめちゃくちゃだと思いますが読んでくだされば幸いです。
……文才欲しいなぁ……(ボソ)
私達と、ミカゲが出会ってから1年が立った。
私が森にいたミカゲを拾って、カラワーナとミッテルトと4人で暮らし始めて……。
最初は怖くて、震えていたミカゲ。でも徐々に私たちに心を開いてくれた。
私と話す際も、物陰からちらりと半分だけ顔を出して、震えた声で話しかけていたわね。
夜中に雷がなった時は、私やカラワーナ、ミッテルトの内の誰かの布団に潜り込んで、抱きしめながら慰めていたっけ……。
そこからよね。3人でローテーションを組んで、2人一緒でミカゲと寝たのは。
知ってる?あなたはその時、揺りかごで眠る赤ん坊のように気持ちよさそうに寝ていたのよ。
その寝顔を見て、何回癒されたことかわからないわ。
始めてのピクニックも、空気が美味しくて、無邪気な子どものようにちょうちょではしゃいでいたわ。
ーーーあのクソ野郎の襲撃で色々と台無しになって、ボロボロになったけど、私達を守ってくれた。
……でも、あの笑みは……私たちに見せてくれた可愛らしい笑顔じゃなくて……なんかこう……とても怖かった……。
その日からだった。私達が『弱い』と。現実を思い知らされた。
だから、特訓した。ミッテルト、カラワーナ、私の3人で。
武装の精度は上がって、多少実力が増した。
カラワーナだけが、新しい技を生み出していくのを見ると、何だかモヤモヤした気持ちが私の中から徐々に膨れ上がっていくのを感じた。
いつからだろう?私が『力』を求めたのは。
いつからだろう?私の『劣等感』が再び全面でたのは。
ーーー『至高の堕天使』。その目的は、ミカゲと暮らしていくうちに薄れていった。
『至高』といっても、色々と定義がある。種類がある。中身がある。
例えば、アザゼル様。彼は神器の研究という『頭脳』をお持ちだ。彼のおかげで、堕天使側の神器についての研究は他の陣営でも1歩先を行っていると確信を持てる。
例えば、二天龍。赤龍帝と白龍皇。三大種族の大戦の時、誰もが歯が立たなかった存在だ。
『至高』とは『最も優れている、最高の』と言った意味。
優れているとはなにか?頭脳か?力か?
ーーー正直、そう考えているのが馬鹿らしくなったきたくらいだ。
「レイナーレ姉さま〜準備出来たっスよ〜」
っと、思いに耽けている内にミッテルトが呼んでいるわ。
レイナーレはゆっくりと椅子から立ち上がり、キッチンへと向かった。
「ただいま……」
「おじゃまするよ〜」
中に入ったのは白髪、着物のショタ系男の娘、ミカゲ。それと箱型ロボットのマーモだ。
ミカゲはマーモの上でぐでーんと横になっている。
移動の際にガタガタと振動がくることを除けば速いものだ。
「……?暗い…」
「おやおや、こんな早い時間に寝てるのかい?ダーリン」
「……いつも……なら……10時から……12時の間に寝るはずだから……」
そう言って時計を指差すと時刻は7時半。その頃には外は暗くなっているが、それでも寝る時間ではない……ハズ……。
「まぁ、考えても仕方ないよね。早くキッチンに言って夕ご飯を作ろうよ」
マーモはピコピコとパネルを光らせてキッチンに向かう。
ギィ……と、扉が開くと……
パァン!!パァン!!パァン!!
「きゃっ……!!」
大きな音に驚くミカゲ。
明かりがつくと、見えたのはご馳走の数々。
マーモの顔型ステーキに、色とりどりの野菜たち。
色んな魚のお刺身と、崩れた形、きっちりとした形といったおにぎりの数々。
飲み物はオレンジジュース、りんごジュース、ぶどうジュース、お茶、カフェオレのパックがずらりと並んでいるようだ。
思わずヨダレが垂れそうだ。
「「「誕生日おめでとう(っス)!!ミカゲ!!」」」
視線の先にあったのは、笑顔で迎えてくれた3人の義姉達。
「いや、今日って私たち4人が出会った日じゃない?」
「お前の誕生日は分からないからな」
「だから勝手にその日ってウチらが決めたんス」
ーーーお姉ちゃん達はこんなに私の事を思っていたの……?
なんで……?
「マーモには助かったっス。なんたってあんなにたくさんの食材を送ってくれたっスからね」
「まぁ、私らはお前ほど料理は出来ないからな……大体は出来合いだが、そこは勘弁してくれ」
……わからない……。
私なんて、沢山迷惑をかけたのに……。
かつての事と、今の状態を比較して考えると……
「ミカゲ……あなた……泣いてるの……?」
「ちょっ……!!嫌だったっスか……?こういう時はどうすれば……」
「私にはわからんぞ」
お姉ちゃん達が慌てている。自分も、何故だか涙が止まらない。
……けど……不思議と『悲しい』とは思えない。
「ひぐっ……ちが……かなしくない……ひぐっ……のに……さむくない
の……あったかいの……」
……わかっていた。
『悲しみ』じゃなくて、『喜び』を感じているということを。
自分は、『愛されている』という事を知った瞬間だった。
たった1年。されど1年。決して長くはない年月。
それは、ミカゲが優しさを、愛を受け続けた日々。
「なんだ…」 「よかったっス〜」 「それは……嬉しいってことでいいのかしら?」
ほっとするお姉ちゃん達。
それから、私たち4人はいっぱい食べて、いっぱいお話をして、いっぱい笑った。
マーモは充電しながら、料理を楽しみながら自分の出ているテレビを見ている。
ーーーあっという間に1時間がすぎた。
楽しい日々は、残酷なほどに早く時間が過ぎていく。
「さ〜て、メインイベント開始っスよ〜」
ルトお姉ちゃんが指を指した方角には風呂敷に包まれている何かを、ミトンで持っているレイお姉ちゃんがいた。
「じゃ〜ん」
目の前に置いた後、風呂敷を開けるとそこにはパイがあった。
チーズケーキのような色合い。しかし表面は白みがかっている。
そしてーーーシナモンとバターの甘い香りが漂ってきた。
「私達3人で作ったんだ」
「でも、なんども失敗して、ようやく出せるレベルになって……」
「今に至るってわけ。コレだけはミカゲにも負けない自信があるわよ」
あの時はああだったなぁ……と、作っていた日々に思い耽る3人。
綺麗な正円を描いているパイの中心にはホワイトチョコの板があるようだ。
そしてそれにはチョコソースで『ミカゲ、お誕生日おめでとう!!』
と書かれている。
「おねぇちゃん……ありがとう……」
私は泣きながらお礼を言った。
自分のために……私のために、ここまでしてくれるとは思わなかった。
嬉しい。それだけが私を支配していた。
「礼を言うのは後っス!!まずは食べてみるっス!!」
「うん……!!」
丁寧に切り分けて、まずは1口食べてみた。
「おいしい……」
たった一言。それだけがこの場を支配した。
優しくて、甘い味。お姉ちゃんが作ってくれた、バターとシナモンのパイの風味が口いっぱいに広がっていく。
誕生日会は12時まで続いた。
4人(と1機)は最後まで楽しんだ。それまでの明かりと笑い声がその証拠となるだろう。
始めての感情。
始めての愛情。
始めての誕生日会。
嗚呼、私は今……幸せだよ……お姉ちゃん……。
今回のパイの表現が分からんかった……(´・ω・`)