元ネタは……天獄篇やってる人なら分かるはず…!!
ミカゲがレイナーレ達と会って1ヶ月と半月が過ぎました。最初はレイナーレ達が離れると極寒の大地に置き去りにされたように激しく震えていたのです。
ミッテルトとカラワーナとコミュニケーションをとるようになるのに2週間もかかりましたが、今ではお姉ちゃんと呼ばれ、甘え甘えられる仲になりました。
ミッテルトがグイグイきてレイナーレが来て口論になり、カラワーナが2人を窘めるのがいつもの流れになりつつあります。これでいいのか長女(ポジ)……
「そうだわ!!今日はみんなでお出かけしましょ!!」
パンッ!!と両手を叩いて「いいこと思いついた」と言わんばかりの目で3人を見るレイナーレ。ミッテルトは「いいっすね^~」と言い、カラワーナは「いいんじゃないかな?」と発言しますが、ミカゲは不安そうにカラワーナを見あげます。目が若干潤んでいる幼女にしか見えない男の娘の上目遣いを見たカラワーナの鼻から愛が溢れてしまいます。
ちなみに今日はミカゲを抱く係(お世話係?)はカラワーナです。ミカゲを自身の膝の上に座らせて後ろから抱きしめる形をとっています。
「で、どこに出かける?この子に人の多いところは早いだろう」
「そうっスねぇ……直ぐに泣き出すのが目に見えるっス」
ミカゲを抱きながら発言するカラワーナとお菓子を食べながら談笑するミッテルト。カラワーナはキリッとした顔ですが鼻血のせいで色々と台無しになっています。
ミッテルトが食べているのはスナック菓子。それを箸で一つ一つつまんで食べています。さすがにギトギトの手は避けたいのでしょうか。時折ミカゲにあーんしている様子がありますが距離があるため全然届いていません。
「だからミカゲちゃんでも安心してなおかつ私たちが楽しめるようなイベント見つけたわよ……!!それは……!!」
レイナーレがマジックペンの蓋を取ってホワイトボードに書きます。キュッキュッとペンの音がする中、ミカゲはじっとホワイトボードを見ます。
レイナーレの手が止まると3人の方向へ振り向いてホワイトボードを叩きます。
「4人が楽しめるイベント……それは……ピクニックよ!!」
バァァァァァァン!!と効果音がなったような錯覚を覚えますが、デカデカと【裏山でピクニック!!】と書かれたホワイトボードを叩いて3人に見せます。
「なるほど……確かにそれならいけるな!!」
「流石レイナーレ姉様っスね!!」
納得し、頷く2人ですが、ミカゲは頭に「?」を思い浮かべます。過去では鍛錬と痛い思いをした思い出くらいしかありません。楽しいこともここに来てから知った位なのですから。
「私たちの友達も呼んで盛大に楽しみましょう!!」
レイナーレがハイテンションになってはしゃぎます。もはやキャラ崩壊は免れません。
「パイとか、ホットドッグとか食べてさ……あと……」
ミッテルトがピクニックに行った様子を想像します。……あれ?
「いや、待てよ?……肝心なことを忘れていたっス」
「私らには友達なんていない」
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!?」
冷静に指摘、訂正する2人です。元々彼女らに友達なんていたのかどうか怪しいくらいです。下級堕天使の中でも内部争いのようなものがあってもおかしくありません。聞きたくない事実に絶叫するレイナーレ。大丈夫かこの人……
「ミ……ミカゲちゃんはどう?」
口にほんのりと赤い液体が垂れているのを気にせずにニッコリと聞くレイナーレのメンタルは強いのでしょうか?
「……私は……お姉ちゃんと一緒なら……なんでもいい……から……」
顔を赤らめて恥ずかしそうに言うミカゲ。これまでは外出はしたことはありません。せいぜい周辺で遊んでいた位です。
遠くにお出かけ。これが初めての経験なのです。
「準備するわよ〜!!」
せっせと準備する4人。お弁当の担当はミカゲです。この中で1番美味しく作れます。他3人は加減をミスって焦げたり灰になったりする事が多いのでミカゲは料理担当になりました。
ちなみに順番的にはカラワーナ→ミッテルト→レイナーレです。
〜次の日〜
4人は裏山の頂上に着きました。涼しく、心地よい風が4人を迎えてくれました。天気も晴天。小鳥が囀り、森は静かに音を立て、ここからは遠いですが花が咲き乱れているのが見えます。
「ん〜!!気持ちいいっス〜!!」
ぐい〜っと背伸びをするミッテルト。今回はいつものゴスロリ+黒のソフトハットという組み合わせ。もう少し成長すれば立派な貴婦人のようなファッションです。
「そんなんだから子供扱いされるのにな……」
ミッテルトを見てボソリと呟いた後に缶コーヒーを飲むカラワーナ。味は微糖です。ストックは他にも無糖、カフェオレ、コーヒー牛乳、MAXコーヒーなどがあります。なんでも、最近コーヒーにハマり始め、飲み比べをしているとか。いずれオリジナルブレンドを作るそうですが、カフェイン中毒にならなければ良いのですが……。
そんなカラワーナはというと、いつものボディコンスーツではなく、白のワンピースに赤のソフトハットという組み合わせ。お忍びで外出する妃のような印象があります。
「まぁそう言わないの。ミカゲだってほら」
カラワーナの肩に手を置いてミカゲの方を指さすレイナーレ。彼女の衣装はミカゲと同じデザインの着物。しかし、ミカゲが紫がメインで緑と白がサブなのに対し、レイナーレは緑がメインで紫と白がサブなのです。
「……」
そんなミカゲはというと飛んでいる蝶を追いかけています。ふわふわと飛んでいる蝶に対してウサギのようにぴょんぴょんジャンプしながら両手を叩くように捕まえようとします。それだと潰れそう……
「……見ていて微笑ましいな」 「そうでしょ?」
ミカゲを見てホッコリする2人。特にレイナーレは我が子を自慢するようにカラワーナに言います。
「やっぱりミカゲちゃんはかわいいっスねぇ」
いつの間にかレイナーレの肩におんぶするように飛び込んだ後に顔を覗かせるミッテルト。もしカラワーナにやっていればコーヒーがぶちまけられるのは想像にかたくありません。
3人がホッコリしている最中に背後から殺気を感じ、振り向いてみると大剣が暴走車のようにこちらに突っ込んできます。レイナーレは横に飛んで、カラワーナは後ろに飛んで避けます。
「ミッテルト!!なんでくっついたままなの!?」
「この状況じゃ仕方ないっス〜」
「一体誰だ?」
図らずも背負うとなったレイナーレはミッテルトに怒ります。ミッテルトを背負っているため、自分+ミッテルトという重さになっているからです。危うくバランスを崩しそうになったレイナーレですが何とかギリギリで避けることが出来ました。ミッテルトは負い目を感じているのか反応出来なかったのか泣くようにレイナーレに言います。
「……!?」
蝶を追いかけていたミカゲも音のした方向に視線を向けます。大剣が地面に突き刺さる時、高いところから硬いものを叩きつけたような大きな音が聞こえましたから。
ーーーあそこはお姉ちゃんがいた場所!!
ミカゲは急いでレイナーレ達の元に向かいます。瞳孔は大きく開き、震えながらも向かいます。
ーーーお姉ちゃんが死んだら、私は何をすれば……?
考えたくない事、想像したくない事態を考えると異常なほど不安、恐怖がミカゲを包み込みます。
「あ〜あ、避けられた」
煙が晴れるとそこには黒のマントに身を包んだ男がいます。
男はつまらなそうにレイナーレ達を見すえ、耳くそをほじりはじめました。
「……あんた、何者っスか?」
ミッテルトが男を親の仇を見るような目で睨み付けます。彼女だけではなく、ほか2人も怒り心頭です。
「やっぱ下級堕天使だねぇ……下級ってバカしかいないのかな?」
「なんだと!!」
男の発言にブチ切れたカラワーナは両刀を出現させて思いっきりぶん投げます。
両刀は大砲を撃ったように煙を撒き散らしながら男の方に吸い込まれるように向かいます。
「だってそうじゃん?そう聞いてベラベラしゃべって全て明かすと思う?」
両刀をものともせずへらへらした顔で避ける。カラワーナは舌打ちをした後に両刀が突き刺さる前に解除する。両刀は光の粒子に包み込まれ、下から徐々に消滅した。
「まっ、俺の目的は最高傑作の調査なんだよねぇ、で、もしも大切なものがあれば壊して壊してソイツの心を崩壊させる様子を記録するんだ」
前言撤回するように自身の目的を話す男。ミッテルトに至っては「あれ?コイツ、言ってること真逆じゃね?」と思う始末。
「あぁ、もちろんお前らが思ってる事は分かるよ。でも大丈夫、消してあげるから」
そう言って男は鎌を取り出して切りかかる。
レイナーレ達は構えるが、眼前に白の背景が写った。
ーーーミカゲである。ミカゲはカラスのような黒い翅を出現させて大きく手足を広げて守ろうとしたのである。
「「「……ミカゲ!?」」」
3人は驚きのあまり回避行動を中断してしまいました。何故ミカゲがこのような行動をとるのか、3人には分からなかったからです。
そして鎌はミカゲに迫り
ーーー斜めに切り裂かれてしまいます。
鮮血が3人に飛び散り、顔や服、手などにミカゲの血がつきました。
あまりの出来事に言葉も出せない3人。1秒が何時間にも感じられるような錯覚。弟を失った虚無感や絶望。さながら世界の破滅を目の前にしたような人間のようです。
「え?これが情報にあった最高傑作?うっわ、期待外れじゃん」
ーーーこの男はなんと言った?
人の弟を殺しておきながら期待外れと言うその神経。3人の瞳は憎悪に染まり、辺りに黒いオーラが滲み出ています。
「ん?どうしてお前らが怒るの?バカじゃね?下級のクセさ。ウッザ。大人しく死んどけよ」
男は3人を見てハナクソをほじりながら言います。
レイナーレは槍を、ミッテルトは双剣を、カラワーナは両刀を出現させて構えます。
「……いま、なんて言った?」
声に反応するレイナーレ達。後ろには右半身が無いミカゲが炎に包まれながらドスの効いた声で言いました。
(……!?これは、フェニックスの炎!?)
男はミカゲを見て資料にあった情報を思い出します。
再生を司る不死身の悪魔、フェニックスの炎がミカゲの身体を造ります。
そして元に戻ったミカゲは瞳孔を開きながらゆっくりと近づきます。
「ーーー死んどけ?オマエラ……ドコマデワタシカラウバイツクスツモリダ……?」
ミカゲを毒のような禍々しいオーラが包んでいるように、背後に巨大なサソリがいるような錯覚を感じ、男は思わず後ずさります。
自分では敵わないという、勝てないという事を本能が感じたからです。
(へぇ、最高傑作って呼ばれるだけのことはあるじゃん?)
しかし、虚栄心や強がりからか、はたまた手柄を上げられるからか。冷や汗をかきながらも舌なめずりをしてミカゲを見る男。
「……ジゴクデモエテシマエバイイ……」
ミカゲがそう言った後、禍々しい球体に包まれます。毒霧のようなものが辺りを覆い尽くし、レイナーレ達と男の視界がそれだけになります。
「ミカゲーーーーー!!」
レイナーレはミカゲに向かって叫びます。声は震え、若干涙目になっています。
あんなミカゲは見たことがない……それ以前に、ミカゲの再生がなければーーー
自身が、殺していたようなものだ。
失いたくない。いまやミカゲは3人の心の支えとなりつつあった。あの子がいたから今までよりも楽しく過ごせた。ご飯も美味しく食べられたし、なによりもレイナーレ達か愛をそそげるようになったからです。
ーーー霧が晴れ、球体がガラス細工のように割れると、そこには異形がいました。
血のように紅い鎧。それの手足の関節部には継ぎ接ぎ部分や傷跡を隠すように包帯が巻かれている。
死んだような虚ろな目で男を見るミカゲ。出会った時よりもより深く、暗い。
そして背後にあるダンゴムシ状の異形なもの。生物なのか、不気味に蠢いています。
「……シネヨ……」
ミカゲは手に刃の2つつき、曲線を描いたナイフを手に取り、男に宣告しました。
1週間書かなかっただけでこんなに落ちるもん?それとも元々?
(´・ω・`)たすけて
後半とか雑だし無理矢理感が半端ないの……日本語ぉ……(´・ω・`)
まぁミカゲはというと依存しちゃってるからなんですけどね。原作のくだりどうしよ