「神器だと……!?」 「有り得ねぇ……こんなガキが……!?」
集団の神父に動揺が走る。見た目が小学校低学年の子供が目の前で神器を纏ったのだから。
純白の鎧に胸元には鈍い光を放つ宝玉。肩にある王様を思わせるようなマントに、その後ろにはミカゲの身の丈よりも大きな王冠が浮かんでいる。
ミカゲの手にある剣は斬ると言うよりも押しつぶすようなイメージを持たせるほどの丸く、巨大なものだ。
『おやおや〜?まさかビビっちゃってる?』
マーモがロボットアームをクネクネさせて挑発する。動かすタイヤを動かし、横にスライドするのも忘れない。まさに「ねぇねぇ、今どんな気持ち?」とでも伝えたいように煽っている。
「なめんな!!」
エクソシストのひとりがマーモに向かって剣を振り下ろす。
両手で持ち、力をめいっぱい込めて叩き潰すように。
直線的な唐竹割り。避けることもカウンターを放つ事も簡単なその攻撃をマーモは鋼鉄のボディを見せつけるかのように仁王立ちした。
パギィン
マーモに当たった刃が折れた。
剣は金槌で石を一撃で砕いたような剣の欠片が散らばり、切っ先もくるくると螺旋を描いて近くの木にグサリと刺さる。
『あ〜らら、折れちゃった』
ピコピコと黄色のパネルを光らせて言うマーモ。耳障りな電子音をわざと出して目の前にいるエクソシストを煽る。
剣が折れたことにより呆然とするエクソシスト。彼らの持つ剣は正規のーーーしかも自分たちよりも上位のエクソシストから奪った剣だから。
ーーーそんな……こんなガラクタにこの剣が……!!
更に身体を震わせるエクソシストにマーモは腹パンを御見舞する。
ロボットアームはぐんぐんと餅のように伸びていく。その手は大木に向かっていき、腹パンを受けたエクソシストの身体はくの字に曲がって思いっきり背中を打ち付けた。
「ぎっ!!」と短い悲鳴をあげて白目を向き、口からは胃液と唾液の入り交じった液体が吐き出されて気絶する。
「畜生!!ならこのガキだ!!さっさとやっちまえ!!」
マーモの身体に通じないのならと標的をミカゲに変更した。
白の神器は目覚めて間もない。ましてや自分よりも遥かに小さい子供だ。自分たちならば直ぐに殺せるだろう。
ーーーそうだ、先程のバリアは見せかけだ。俺達があんなガキに負けるはずがない。
「死ねやああああああああぁぁぁ!!」
ミカゲを囲み、一斉に襲いかかるエクソシスト達。
1人が相手ならば、退路を断ち、一気に殲滅する。戦術的には正しい判断だ。
しかし……
「義弟はやらせないわ!!」
この場には1人ではなく3人いるのだ。
義姉であるレイナーレはミカゲの前に瞬時に移動し、槍を三本作り出して投げる。
「ぎゃっ!!」 「ぐあっ!!」 「ぐえっ!!」
槍はエクソシストたちの肩に深々と突き刺さり、そのまま膝をついて倒れた。
この戦いに圧倒された立っているエクソシストたちは一目散にその場から逃げ出し、エクソシスト側にはフリードのみが残される。
「あぁもう、使えないやーつら」
フリードは飽きたオモチャを投げ捨てるような声音で言う。
しかも耳くそをほじった後にふっ……と小指に息を吹きかけた。
「どこまでもふざけた……!!」
レイナーレが即席で作った剣を持ってフリードに向かって振り下ろす。
「遅いんだよね」
フリードは目を瞑りながらスッ……と身体を横にずらして避けてみせた。
「このっ!!」
レイナーレは負けじと剣を振る。
しかし、闇雲に振り回しているだけの彼女の攻撃がフリードに当たるわけもない。
実力差は明らかだ。オモチャを振り回して抵抗する子どもと、それを笑いながら弄ぶ大人。それほどの差があった。
「じゃ、さっさと死んじゃってよ」 「……!!」
顔に狂気の笑みを浮かべながらレイナーレの剣を砕き、それが彼女に突き刺さろうとした時
ガキィン!!
「チッ……またかよ……」
レイナーレを巨大な王冠が守ることでフリードは舌打ちをしてミカゲを睨む。
そしてミカゲがフリードの目の前に剣を突き立てて
「……まだ、する……?」
ハイライトが消えた目で、闇のように暗い目で、フリードを見下ろした。
ーーー彼は怒っている。そう悟ったフリードは
「あ〜あ、降参でござんすよ。じゃ、約束通り【傭兵】という形でそっちに下るりまするよん」
両手を上にあげてバカにしたように言うフリード。顔には若干の笑みを浮かべた。
ミカゲが剣を下ろすと、後ろへと飛び上がり、木の枝から木の枝へと蔦って逃げるように去っていったのだった。
バトルシーンはムズすぎてワロエナイ(´・ω・`)