オトハが地に伏した。重症の域には至っていないものの、放置しておけば出血多量で死んでしまうことは簡単に想像出来た。
(ミカゲ……オトハの弟……危険だわ)
リアスはそんな事を思ってしまう。
例えるなら、彼は平和の地にある不発弾だ。いつ爆発するのか、その規模はどこからどこまでなのか、爆発した時には何が出るのか?
今回の1件は、恐らくオトハと何か過去にあった事なのか?それともここにいる3人の堕天使の事を何か言われたからなのか?されたからなのか?
グレモリーは眷属愛が激しい、悪魔では珍しい考え方である。一部例外はあるが、基本悪魔は
「こいつ強い!!おいお前、俺の眷属になれよ」とか、
「眷属は奴隷だから何してもいい」
「ちくわ大明神」
「妹を助けたけりゃ俺の眷属(奴隷)になれ!!」
だとか言う悪魔がほとんどだ。そういう悪魔に限って反逆され、はぐれ悪魔が出ているひとつの要因となっており、魔王様方はその事について頭を悩ませていることだろう。
(でも今回はオトハの独断行動がきっかけ……あの堕天使達がなにか問題を起こしていれば遠慮はいらないのだけど……)
と言っても、レイナーレはイッセーとデートをした後に殺そうとしたものの、殺してはいない。フリードの1件も、「アイツ、レイナーレ姉様とミカゲとなんか知らんやつが懲らしめたら勝手についてきたっス」って言ってたから監督不届き……という訳では無いようだ。フリード?逃げたよアイツは。お(か)しいやつをなくした……
(あれ?アイツ、仕事したんスかね……?)
……と、ミッテルトの疑問はさておき
「……オトハを連れて帰るわ。悪かったわね……ごめんなさい」
と、一言謝罪をしてオトハの元に向かった。
衰退したソロモン72柱家の貴族の1人、オトハ・フールフール。素質を育てるためにオトハの親がグレモリーに頼んだ。言わば後輩といえるべき者だ。
その後輩の尻拭い……リアスの頭を悩ませる一つの要因なるだろう。
(はぁ……帰ったらお仕置ね)
内心少しイラつきながらも、倒れているオトハを担いでその場を去った。
他の眷属達もそれについて行くように去り、一誠は倒れているレイナーレ……では無く、オトハをボロボロにしたミカゲを憎々しげに睨みつけ、直ぐに振り向いた後に駆け足で去っていった。
「……なんなの?アイツ……」
一誠が睨みつける理由が分からない。グレモリーは仲間意識が強いというが、それが理由なのか、はたまた別の理由なのか分からない。
一瞬背中の闇黒のソーラーウイングを展開するが、ふるふると首を横に振ったあとに直ぐにミッテルトに駆け寄った。
「あっ、ミカゲ、大丈夫ッスか?痛いところはないっスか?」
肩を掴んでブンブンとパンチマシーンのようにゆっさゆっさ揺らしていく。
最愛の弟が『電撃姫』と戦って無事であることが嬉しかった。
彼女は電撃を操る悪魔であり、その力のせいかどの悪魔よりも光力が効きづらい。悪魔の中で堕天使の最も天敵となるフールフール。
実力でもかなわない、弱点もつくことが出来ない。もはやお手上げ状態。もはや無理ゲー。
(でも、ウチら、ミカゲよりも弱いんスね……はぁ……)
本来なら守るべき弟のはずなのに、実力の差は歴然。カエルとトラを比べるかのように、ミッテルト達とミカゲの差は大きかった。
「ミカゲ、一旦この場を離れるッスよ」 「……」
ミッテルトの一言に、ミカゲはコクリと頷いた後に倒れているレイナーレをお姫様抱っこの要領で抱え、ミッテルトはカラワーナを抱えてその場を去った。
その場には、堕天使の羽1つがヒラヒラと落ち葉のように舞い降りた後、小さな泉の上に浮いていくのだった。
ちょっと急ぎました(´・ω・`)
漸くここまで行けたや(´・ω・`)