壁| ՞ةڼ )イーヒヒヒwwwwww
└(՞ةڼ◔)」はじまるよ
夜が明け、ミカゲの目が覚めます。
そこは見知らぬ場所。そこら中ホコリが見える部屋ですが、ベッドだけは綺麗に整頓され、とてもフカフカです。こんなベッドの感触は生まれて初めてです。
「……?」
状況がわからず、首を傾げるミカゲです。
彼は森にさまよっていたところをレイナーレに抱きしめられてすやすやと眠りました。
「……あんな感じ……はじめて……」
ミカゲは思わずそんな事を口にします。魔力を使って上手いこと隠していますが、今の彼の身体は文字通りボロボロなのです。
少しでも魔力制御を誤ると直ぐに傷だらけの身体が顕になってしまいます。
ところどころ殴られ、切られたような跡に捻れたような模様のヤケドの跡。こんなのを見せたら益々嫌われるでしょう。
「目覚めた?」
キィ……っと扉が開くと昨日あったレイナーレがいました。一瞬他人が入ったことにより「ひっ……」と小さな悲鳴をあげて布団にくるまりますが、レイナーレの姿を見ると少しだけほっとしました。もしも面識がないミッテルトやカラワーナであれば悲鳴を上げていたことは想像に固くありません。
恐る恐るゆっくりと、くるまっていた布団から出てビクビク震えながら歩きます。
「じゃあ行きましょうか」
怖がっている子供をあやすような優しい声音で話しかけるレイナーレ。迷子防止とミカゲを安心させるために抱きかかえて歩きます。
本来ならば手を繋いで歩くのですが、ミカゲの身長は小学校低学年程度しかありません。レイナーレの身長は164センチ。手をつなごうとするならばレイナーレがしゃがまなければなりません。
食堂に着いた2人。そこには見知らぬ青髪の女性と金髪の女性がいました。
「はじめましてッスねウチはミッテルトッスよ!!これからよろしくっス!!」
華やかな笑顔で自己紹介をするミッテルトです。これからお姉ちゃんになるから張り切っているのでしょう。しかし、ミカゲには逆効果なようで大声を上げたことによりミカゲの目は一気に覚め、レイナーレの腕から抜け出して直ぐに後ろに隠れてしまいます。
「……あり……?」
まさかこうなるとは思っていなかったミッテルト。
「……ミッテルト。こういう時はだな」
次はカラワーナがやるようです。
スッっと立ち上がってミカゲに近づきます。レイナーレの後ろに隠れているミカゲの方をジッ……っと見つめます。
「あ……あ……」
ミカゲを見つめるその目はさながら野獣の眼光。今のミカゲは蛇に睨まれた蛙状態です。ミッテルトの時よりも怯えています。
「……あれ……?」
そんな反応をされるとは思わなかったのかカラワーナもタジタジです。
「ちょっと二人とも怯えさせてどうするの!?」
レイナーレが言います。この子は過去に酷い目にあったと思わせる節があると。
極端なまでに他人におびえ、生気もない表情。尋常ではありません。素人目から見てもそう思わざるを得ません。
「さ……さぁ、ご飯食べるッスよ!!」
ミッテルトはこの空間に耐えきれず、強引に話題を変えます。
確かに4人は腹ぺこの状態。昨日買ってきた米を光の武器の応用で炎を作って炊いたためおにぎりを作った用です。でも調節が出来なくて黒焦げの状態です。
「「「いただきます」」」
3人はおにぎりを食べますが、やはり黒焦げのためかコゲの味しかせず、壮絶な苦味が3人を襲います。が、お茶で何とか流し込みます。
「……?」
「食べないんスか?」
ミカゲは3人の顔色を伺うようにおにぎりと3人を交互に見ます。
「これは私たち4人のご飯よ。口に合わない自信があるけど……」
レイナーレは自信なさげに申し訳なさそうにミカゲに言います。
ミカゲは顔をフルフルと横に振り、ひと口食べます。
「……!!」
ミカゲの口の中を壮絶な苦味が襲いました。3人は慌ててお茶を差し出しますが、何とか飲み込みます。そしてミカゲはツゥ……と両目から涙が流れました。
「だ……だいじょうぶか?」
恐る恐るカラワーナが訪ねます。
「……おいしくない……でも……おいしい……」
ミカゲはバツの悪そうな顔をして視線を下に向けます。
しかし、口にはうっすらと笑みを浮かべていたのをレイナーレは見逃しませんでした。
そこから1ヶ月、掃除を終わらせ、4人はここを改めて拠点として、家として住むことにしたのです。
プロローグ〜完〜
ここから日常を数話挟んだ後に原作行きたいと思います
後半ガチで急ぎまあし