宇田川家の長男はいつも大変   作:深き森のペンギン

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第11話 ライブハウスと歌姫

今は湊と一緒に前回訪れた猫カフェに居る。

 

そうなった経緯は、朝起きてすぐに湊から電話がかかってきて誘われたからだ。

 

そして今なぜか俺になついているモカっぽい猫が俺の膝の上で気持ち良さそうに眠っている。

 

「その子、やけに貴方になついているのね。どうしてかしら?」

 

「俺もよく分かんないんだ。でもこの猫、モカに似てるなぁ。」

 

「モカ?」

 

「ああ、モカは俺の妹の友達のことな。モカもなぜか俺になついてるんだ。」

 

「そうなのね。それにしても貴方ってよくなつかれるのね。」

 

「どうしてだろうな。」

 

「少しわかる気がするわ。だって貴方って優しそうなオーラがするから。きっとその子も安心してるのよ。」

 

「そうかもな。」

 

それにしてもこの猫カフェ、ミルクティーが旨い。

何か毎回ミルクティーについて話している気がするけど、気のせいだろう。

 

「貴方ってよくミルクティーを飲んでいるわよね?」

 

「そうだけど、よく知ってるな。クラスも違うのに。」

 

「自販機の前でよく見るわ。」

 

「そうなのか。まああそこの自販機でしかミルクティー置いてないしな。」

 

「私、バンドのメンバーを集めているの。」

 

「そうなんだ。どれだけ集まってるんだ?」

 

「今はギターだけなら居るわ。」

 

「そうなのか。メンバー集め、頑張れよ。」

 

「ええ。もちろんそのつもりよ。」

 

一区切りついたので、店主にこの猫の名前を尋ねることにした。

 

「この猫の名前、何て言うんですか?」

 

「ああ、その子はモカって言うのよ。それにしてもモカがなついてるなんて、坊や、やるじゃない。」

 

店主は癖が強い人で、こんな話し方だが元軍人かってレベルでガタイがいいダンディーな男性だ。

 

それにしてもこの猫、モカって言うのか。

凄い偶然だな。

 

なぜ猫にしろ人間にしろ、モカになつかれるのか。

しかもこの猫、人間の方に凄く似ている。

 

よく寝ている所とか、エサの時間になると元気になる所とか。

あと隙あらば俺の所に来る所とか。

 

でもかわいいな。

別に人間の方のモカも嫌いな訳ではない。

というかむしろ好きな部類に入る。

 

世話の焼ける妹のような感じだ。

 

「モカってそんなに人になつかないんですか?」

 

「そうよ。アタシ以外で人になついたのは坊やが初めてよ。アタシも嬉しくなってきたから、ミルクティーサービスするわね。」

 

「いいんですか?」

 

「人の厚意は受け取っとくものよ。それに、ハンサムな坊やはアタシのタイプだからね?」

 

「あ…ありがとうございます?」

 

「隣の美人のお嬢さんもアタシのタイプよ?アタシ、どっちもイケるのよ。」

 

「そうなんですか。でもどうして猫カフェを始めようと思ったんですか?」

 

「最初は猫カフェにするつもりは無かったんだけどね?モカが子猫の時に雨のなかで捨てられてたから拾ってあげたのが始まりなのよ。それからたくさん猫ちゃんを拾っていたら猫カフェになっちゃったってわけ。」

 

「いい話ですね。」

 

「そうでしょ~。アタシって困ってる人とか動物を見ると放って置けないのよ。」

 

「それ、何か分かります。俺も困ってる人を見たら放って置けないタイプで。」

 

この店主凄くいい人だな。

正直な話、いかつい人に限って案外いい人が多い気がする。

 

人って見た目じゃないんだなぁって思った。

 

「確かに、貴方はお人好しね。こうしてここに来たのだって私のわがままに付き合ってくれたわけだし。」

 

「よく言われるんだよ。何でだろうな。この前も妹に兄さんはお人好し過ぎるって言われたな。」

 

「そうなの、貴方今度ライブハウスに来る気は無い?」

 

「ライブでもするのか?」

 

「ええ。今度の休日にライブをするわ。」

 

「湊の歌聞いたこと無いしな~。楽しみだ。俺も行くよ。」

 

「ありがとう。是非私の歌を聴いてほしいわ。」

 

俺達は会計を終えて猫カフェを後にした。

そして数日がたち、湊のライブの日がやって来た。

 

「さてと、着替えて行くか。あこもどこか行くのか?」

 

「うん!友希那さんのライブに行くんだ。お兄ちゃんはどこ行くの?」

 

「俺もライブに行くんだけど、どこのライブハウスだ?」

 

「CiRCLEだよ。お兄ちゃんは?」

 

「俺もCiRCLEだ。一緒に行くか?」

 

「うん。りんりんも一緒にいくけどいい?」

 

「いいぜ。さて、燐子さん待たせ無いようにもう行くか。」

 

「うん!」

 

こうして俺達は燐子さんの家に向かった。

あこがチャイムをならすと、すぐに燐子さんが出てきた。

 

「あこちゃん、お待たせ。って優磨さん!」

 

「こんにちは、燐子さん。俺もちょうどライブ行くから、一緒に来たんだ。俺が一緒じゃ嫌だったか?」

 

「い、いえ。別に……大丈夫ですけど。」

 

「ならよかった。」

 

「お兄ちゃん、りんりん!早く行こーよ!」

 

「そうだな。行くか。」

 

俺達はライブハウスに向かった。

 

「ひ…人が…たくさん…。」

 

「大丈夫だよ、りんりん。あこもお兄ちゃんも居るから。」

 

「安心しろよ。もし辛くなったらすぐに言ってくれ。」

 

「ありがとう…ございます。」

 

「いいっていいって。」

 

ライブが始まる。

ライブハウスにはしょっちゅう来るが、いつもいつもよく盛り上がるな。

ライブって奴は。

 

最後になってようやく湊の番がやって来た。

 

湊の歌う魂のルフランに観客の熱気は最高潮に達している。

俺も一緒になって盛り上がっていると、隣であこがなにやら燐子さんに話していた。

 

「ねえねえりんりん!友希那さんの歌って凄いよね!」

 

「そう…だね。」

 

湊の魂のルフランが終わって、ライブが終了する。

 

「すごかったな。ライブ。」

 

「うん、友希那さんの歌はやっぱり最高だね!お兄ちゃん。」

 

「ライブ…始めてきたんですけど、楽しかった…です。」

 

「りんりんも楽しんでくれて、よかったよ!」

 

「俺、用があるから。じゃあな。」

 

「バイバイお兄ちゃん!」

 

「優磨さん、さようなら。」

 

俺は湊のもとへ向かった。

 

「湊、ライブ凄かったな。これからもライブ行くから、よろしく。」

 

「楽しんでくれて嬉しいわ。これからも宜しくね。」

 

それから、湊と少し雑談をして、もう遅い時間になっていたので家に帰ることになった。




ようやくRoseliaが結成できそうです。
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