宇田川家の長男はいつも大変   作:深き森のペンギン

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第12話 妹と異変

どうやら最近あこの様子がおかしい。

いつもは俺がバイトから帰ってきたら家にいるのに最近は居ない。

 

突然俺の携帯が震え始める。

電話か?そう思って携帯を取り出す。

 

あこからの電話だった。

 

『お兄ちゃん、今日外で食べてくるからあこの分要らないってお母さんに言っといて!』

 

外で食べてくるってあこの奴、彼氏でもできたのか?

なんか嬉しいけど複雑な気分だ。

 

「わかった。母さんに言っておくから、楽しんでこいよ。」

 

『また後でね!お兄ちゃん。』

 

「また後で。」

 

通話の切れる音が耳元でなる。

今日は俺と母さんの二人か~。

 

久しぶりだな。

 

「母さん、あこは外で食べてくるって。」

 

「わかったよ。今日は二人分だけでいいね。」

 

「ああ。」

 

部屋でゲームをして夕飯までの時間を潰す。

 

「優磨~。ご飯出来たぞ!」

 

「わかった。すぐいく。」

 

俺はリビングに向かった。

テーブルには簡素な物だけが並べられていて母さんもたまには楽したいんだろう、という意志が伝わってくる。

 

「「いただきます。」」

 

俺達は夕飯を食べ始めた。

今日のメニューはパスタだ。

 

確かに楽だな。

 

「優磨、最近学校どう?」

 

「ああ、楽しいよ。」

 

「彼女は出来た?」

 

「居ないけど。」

 

「よかった~。アンタにはモカちゃんが居るからね。浮気してなくてよかった。」

 

「浮気ってどういうことだよ母さん!」

 

「だって優磨ってモカちゃんと結婚するんでしょ?」

 

「わかんねえよ!」

 

「否定しないってことは、そうなのか。」

 

「そうなのかってどういうことだよ!」

 

俺最近いじられまくってるきがする。

なんか腹立つ。

 

さてと、勉強でもするか。

俺は部屋に向かった。

 

少しするとまた携帯がなり始めた。

 

誰だ?

そう思って携帯を見るとそこには

『かわいい日菜ちゃん』

 

と表示されていた。

この名前で設定したのは日菜だ。

 

俺はやってない。

 

「もしもし、どうしたんだ?日菜。」

 

「さっきアイドルのオーディション受けたんだけど合格だって!」

 

日菜がアイドルか~。

確かに容姿だけはアイドルって言われてもおかしくないな。

 

「それはよかったな。でもどうしてアイドルのオーディションなんて受けようと思ったんだ?」

 

「なんとなく~?」

 

なんとなくでオーディション受けて合格する日菜が怖い。

やっぱり天才ってスゲー。

 

「なんとなくで受かるってスゲーな、日菜は。」

 

「でしょ~。もっと誉めて!」

 

「あ~すごいすごい。」

 

「もう!もっと心を込めて!」

 

「あ~すごいな~。やっぱり日菜は最高だなぁ。まあ日菜はかわいいし?合格にしない方が失礼だろ。」

 

「そこまで言わなくていいじゃん//。」

 

めんどくさいなぁ。

 

「もう切るぞ~?」

 

「待って優磨く---」

 

通話の切れる音が耳元で鳴る。

日菜と話すのは疲れる。

 

コーラでも飲むか。

そう思ってリビングに向かうと、あこが帰ってきていた。

 

「お帰り、あこ。どこ行ってたんだ?」

 

「あ、お兄ちゃん!ついに友希那さんのバンドに入ることが出来たんだ!」

 

「そうなのか。ということはここ最近どこか行ってたのって湊の所行ってたのか。」

 

「そうだよ~。前から思ってたんだけど、友希那さんと知り合い?」

 

「ああ、友達だ。」

 

「そうだったの!知らなかった。お兄ちゃん、NFOしよ?」

 

「いいぜ。今日はどのクエスト行く?」

 

「今日は装備の素材取りに行こーよ。」

 

「そうだな。俺も新しい盾欲しかったんだ。」

 

俺は最近NFOを始めた。

職業はクルセイダーで、前衛タンクだ。

 

俺が引き付けてあこと燐子さんが総攻撃を仕掛ける、というスタイルだ。

よって俺のスキル構成は防御系が主で、少しの物理攻撃だ。

 

物理攻撃は魔法が効かない敵を倒すためで基本的には使わない。

 

こうして俺達は遅くまでNFOを楽しんだ。

 

そして翌日。

 

「優磨~。起きて~。起きなかったらモカちゃんがキスするぞ~。」

 

朝から何言ってんだ?こいつ。めんどくさいので起きることにした。

するといきなりキスされた。

 

「優磨。最近かまってくれなかったよね?寂しかったんだよ~?」

 

「モカは俺に構って欲しいのか?」

 

「うん。モカちゃんは優磨に構ってもらえないと死んじゃうんだよ~?」

 

「お前はウサギか。」

 

モカの頭を軽くチョップする。

 

「痛いよ~。優磨。お仕置きのキス~。」

 

俺は迫ってくるモカの顔をなんとか押し返す。

それにしてもモカって意外と力強いんだな。

 

とりあえずモカを俺の上からどかして起きる。

 

「モカ、着替えるから出ててくれないか?」

 

「確かに~優磨だけ脱ぐと不公平だね~。じゃああたしも脱ぐ~。」

 

そう言ってモカは制服を脱ぎ始める。

 

「おい!やめろ!だから脱ぐなって!」

 

「あ~、優磨が脱がせたかった~?もう~、欲しがりさんだなぁ~。」

 

「だから違うって!」

 

いろいろあったがモカを部屋から追い出し、着替えを済ませた。

 

「朝ごはんどうする?モカも食べるか?」

 

どうやら昨日遅く寝たせいで少し起きるのが遅かったらしく、もう巴もあこも学校にいってしまったらしい。

 

ただし時間には余裕があるようなので、あまり慌てていない。

 

「食べる~。」

 

こうして俺達は朝食を食べた。

そして今は玄関にいる。

 

「じゃあ、行くか。モカ。」

 

「そうだね~。やまぶきベーカリーよっていい?」

 

「いいぜ。昼飯買うんだろ?」

 

「うん。優磨の奢りだけどね~。」

 

「俺が奢るのかよ。」

 

俺達は少し歩いてやまぶきベーカリーに到着した。

俺達が中に入ると沙綾が居た。

 

「優磨君、朝から夫婦揃ってきたの?仲いいね。」

 

「えへへ~、そうでしょ~。」

 

「ちげーよ。まだ結婚してない。」

 

「まだってことは、するつもりなんだ~。よかったね。モカ。」

 

「えへへ~。」

 

モカは顔を赤くしてニヤニヤしている。

俺は朝から沙綾に弄られてめちゃくちゃ疲れている。

 

あ~。ミルクティーが飲みたい。

俺は高額の会計を済ませてモカと一緒に学校へ向かう。

 

「モカ。ちょっと自販機よっていいか?」

 

「ミルクティー買うの?」

 

「よくわかってるじゃないか。その通りだよ。」

 

「優磨のことは何でも知ってるよ~。」

 

「何でもって……。」

 

なんか怖い。

最近めちゃくちゃ怖いって言ってる気がする。

 

「何でもは知らないけどね~。知ってることだけ~。」

 

どこかで聞いたことのあるフレーズだな。

それ。

 

ミルクティー旨いから許す。

ミルクティーって何でこんなに旨いんだろう。

 

ミルクティーはやっぱり最高だな。

 

「優磨ってミルクティーかモカちゃん、どっちが好き~?」

 

決まってるだろう。

 

「ミルクティー。」

 

「そこはあたしっていうところじゃ無いの~?」

 

「お前は俺の彼女か!」

 

「もしあたしが今優磨のこと好きって言ったら彼女にしてくれる~?」

 

即断るわけでは無いが、迷うな。

正直最近あのモカの胸を揉んだ一件から、モカのことをどこか意識している自分がいる。

 

結論は保留。

 

「わかんねーよ。その時にならなきゃ。」

 

「ふーん、そうなんだ~。」

 

こうしているうちに学校に到着した。

結局考えが纏まらないまま、教室に向かった。

 

「優磨君、おはよう!」

 

「おはよう、日菜。」

 

こうして、また新しい1日が始まるのだった。




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