宇田川家の長男はいつも大変   作:深き森のペンギン

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第25話 モカとお出かけ

今日は日曜日。

休日である。

今日はのんびりお菓子でも作ってボーッとしよう。

そう思っていた。

 

朝布団の中にアイツが入り込んでいるのを発見するまでは。

 

夏の少し涼しげな朝の気持ち良い気温のはずなのだが、なんだか暑い。

その謎の暑さに俺は目を覚ました。

 

俺の上に何かがいる。

布団が盛り上がっている。

誰だ?そう思うことはなかった。

代わりに、何だ、またか。ということを思ってしまう。

 

「あ、優磨~、おはよ~」

 

「ったく、お前はいっつも俺にくっついて飽きないのか?」

 

「全然飽きないよ~?だって優磨のこと大好きだからね~」

 

「それはどうも、モカ、日曜日の朝まで俺の布団に入ってくるってことは何か用事あるんだろ?」

 

「それなんだけどさ~、これってどういう事かな~?」

 

モカが持っているのは俺とリサが二人で写っている写真だった。

リサの奴、知っててやってるだろ。

どうりでやけにニヤニヤしてると思ったわ。

このためだったのか。

暴走機関車(モカ)を俺に突撃させるため、そのために写真取りやがった。

 

「ああ、これは昨日遊びに行った時に撮られた奴だ」

 

「へぇ~、じゃあ今日はあたしと遊びに行こ~?」

 

「別にいいけどよ、どこ行くんだ?」

 

「今年用の水着買いに行こ~!」

 

「お前もかよ……」

 

どうして皆水着を買いに行くのに俺をつれていくのだろう。

そんなに水着コーナーに入ってキョドる俺が見たいか?

キョドる俺を見て何が面白いんだよ。

 

「とりあえず、準備するから先に行っててくれ」

 

「わかった~」

 

モカはそう言って俺の部屋を出ていった。

さてと、俺も準備しますか。

 

俺は昨日紗夜に選んで貰った服を着る。

なにげにこの服気に入ってるんだよなぁ~。

そしてすぐに玄関に向かう。

モカは玄関で立っていて、俺が玄関にやって来ると、表情を明るくする。

 

「優磨~、早かったね~?」

 

「ああ、待たせたら悪いだろ?」

 

「さっすが優磨~、気が利くねぇ~」

 

こうして俺達はショッピングモールに向かう。

駅前がなぜか騒がしい。

厳密にはいつも騒がしいのだが、いつもとは違う騒がしさだ。

 

「何だか騒がしくねぇか?いつもより」

 

「あれはハロハピだね~」

 

「ハロハピ?」

 

「うん。ハロー、ハッピーワールド!っていうバンドで、たまにこうやって路上ライブしてるんだ~」

 

「へぇ~、面白いバンドもいるもんだなぁ~」

 

俺はそのハロハピのメンバーを見ると、知り合いが数人と、見覚えのあるキャラクターがいた。

というか何でミッシェルいるの?

とりあえずこのバンドはやべー、直感的にそう思った。

 

とりあえず俺達は電車に乗り込んだ。

電車の中は日曜日だからか満員で、俺達の体が密着する感じになった。

なんだろう、変に意識しちまってドキドキする。

 

「優磨~、照れてるの?可愛いね~」

 

「て、照れてねぇし?」

 

「じゃあ、そういうことにしといてあげよう~」

 

かなり恥ずかしかったが、なんとか電車は駅に到着した。

ショッピングモールには、人が昨日よりたくさんいる。

 

そして俺達は水着コーナーに到着した。

やっぱりカップルだらけだな。

見てて砂糖吐きそうだ。

あ~、あそこのカップル、キスしちゃってるよ人前で。

 

「優磨~、どっちの方が好き~?」

 

その質問で俺は思わず吹き出してしまった。

だってどっちの水着が良いか、じゃなくてどっちの水着が好みかって聞かれたらそりゃあ健全な男子高校生は吹き出してしまうだろう。

 

「う~ん、それじゃあ右に持ってる方が俺的には好きかなぁ~」

 

「分かった~、じゃあ会計してくるね~!」

 

「おう」

 

ふぅ~、ビックリした。

心臓が過労死しそうなレベルでバックバク言ってるなぁ。

何ドキドキしてんだろ、俺。

モカの発言っていっつもあんなんだろ?

平常心だ、俺。

 

「だーれだ~?」

 

急に後ろから目を塞がれる。

手がひんやりしてて気持ちいい、じゃなくてだな!

モカに決まってるだろ。

 

「モカ」

 

「ざんね~ん、超絶美少女のモカちゃんでした~」

 

「正解じゃねえか」

 

「えへへ~」

 

うん、可愛い。じゃなくてだな!

次どこ行くんだよ。

まずそれを聞こう。

 

「ところでモカ、次どうするんだ?」

 

「う~ん、お昼にしようかな~」

 

「オーケー、じゃあフードコート行くか」

 

こうして俺達はフードコートに向かった。

フードコートではなんとか一席空いていたものの、やっぱり混んでいる。

モカが大量のハンバーガーを積んで、カウンターから戻ってきた。

 

「モカ、いつも通り良く食べるな」

 

「優磨には勝てないけどね~」

 

確かに俺もかなり食べる方だが、そんなには食べられない。

ガチれば行けるかも、だが。

 

俺が注文したのは、ホットドッグだ。

俺は山のようなホットドッグを積んで、席に戻ってきた。

 

「優磨ってやっぱり一杯食べるよね~」

 

「まあな。これくらい食べないと力出ないだろ。俺朝何も食べてないし」

 

俺達は二人共かなりの量の昼食を食べた。

途中ハンバーガーとホットドッグを数個交換したが。

 

「ふぅ~、美味しかったね~」

 

「そうだな。あそこのホットドッグは絶品だったぜ。また来よう」

 

「ハンバーガーもなかなか美味しかったよね~」

 

「確かに、ハンバーガーもなかなかの味だったな」

 

「でしょ~?あたしも良く来るんだ~。いっつもパン代はかなり浮いてるし」

 

「俺のお陰でな」

 

モカの奴、俺の金だけじゃなく自分の金でもパンを食い漁ってやがるのか。

パンで毎月いくらなんだろうな。

 

「さて、次はどうする?」

 

「屋上の遊園地行こ~!」

 

「いいぜ。俺あそこの遊園地久しぶりなんだ」

 

「あたしも~」

 

こうして、俺達は屋上の遊園地に到着した。

遊園地は子供連れが沢山いた。

そういえば小さい頃、家族で良く来たなぁ~、と懐かしい記憶が甦る。

 

「モカ、最初何乗るんだ?」

 

「やっぱりジェットコースターでしょ~」

 

「そ、そうか。ジェットコースターだよな~」

 

マジで!?

高所は別に大丈夫なのだがジェットコースター特有の浮遊感が苦手だ。

内臓が口から出てきそうだ。

 

「いぇ~い!」

 

何でモカはあんなに楽しめるんだ!

俺は吐き気押さえるのに精一杯だと言うのに。

 

「オェェェェェェェェ」

 

俺はトイレで思いっきり吐いた。

ふう、ホットドッグがリバースしていく。

 

「優磨~、大丈夫?」

 

「大丈夫、めちゃくちゃ元気だぜ?」

 

「じゃあ今度はあれ乗ろうか~」

 

こうして色々なアトラクションに乗って、気づけば夕方。

次のアトラクションで最後だろう、と言った感じだ。

 

「最後に観覧車乗ろう~」

 

「おう、いいぜ」

 

最後は観覧車となった。

並ぶこと数分、俺達は観覧車に乗った。

観覧車から見える夕焼けがとても綺麗だ。

その光がモカの横顔に反射している様子に思わず見惚れてしまった。

するとモカがこっちを向いた。

そして近づいて来て、俺に口付けした。

 

「大好きだよ、優磨~」

 

その後のことはあまり覚えておらず、気づけば観覧車は終了していた。

電車の中でもさっきの光景がフラッシュバックしてどこか上の空だ。

そして電車は駅に到着した。

 

「優磨~、楽しかった?」

 

「ああ、スゲー楽しかったぜ。結構いい1日だったな」

 

「えへへ~、じゃあね~、優磨~」

 

「おう、また明日、モカ」

 

なぜか最近自分の様子がおかしい。

俺は旅行の時から抱えるこの感情について、まだわからないままだった。




モカ回ってなぜか筆がめちゃくちゃ乗るんですよね。
他の回よりも文字数多めで時間も短めっていう。
どうしてでしょうね。
それと感想どんどんください。モチベーションがかなり上がります。
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