俺は放課後、和人と一緒にファストフード店に向かっている。
理由は単純、ただ小腹が空いたからだ。
二人で色々とふざけながらファストフード店に到着した。
店内に入ると、カウンターが二つあって片方のカウンターに大行列が出来ていた。
そしてもう片方には見覚えのある奴がいた。
「優磨、あれって氷川だよな?何やってんだろな」
「多分あそこの店員が友達だったりとか?」
「まあそうだろうな」
俺達はもう一度日菜の方を見ると、どうやらカウンターの女の子を弄っているようにしか見えない。
店員の子はなんかめちゃくちゃ混乱している。
日菜は俺達に気づくと手を振ってきた。
俺達はとりあえず手を振り返す事にした。
「優磨君~!こっちこっち!」
どうやら呼ばれているみたいだ。
俺達はとりあえず日菜のところに向かった。
「日菜、どうしたんだ?」
「優磨君がいたから?かな」
「どういうことだよ、というか早く注文しろよ。隣大行列だぞ」
「優磨君がそういうなら、分かった」
日菜は渋々注文して席に向かった。
ついでに俺達も注文して、日菜の所に向かった。
「日菜、さっきは何してたんだ?」
「彩ちゃん弄ってたんだ~」
「彩ちゃん?」
「ああ、彩ちゃんはパスパレのメンバーなんだ!」
「そういえばお前アイドルだったな」
「麻弥ちゃんもパスパレのメンバーなんだ~」
「麻弥って言ったら和人の彼女か」
「ああ、そうだぜ。麻弥より可愛いアイドルはこの世界には存在しない!」
和人の彼女自慢がまた始まった。
和人が最近めちゃくちゃ楽しそうだ。部活でもインターハイ出れるみたいだし。
「分かった、後でいくらでも聞いてやるよ」
「本当か!?優磨お前最高だぜ!」
「くっつくな気持ち悪い」
かなり話が脇道に逸れたみたいだが、本題に戻そう。
彩って人の話だったよな?
「で、話を戻そうか。日菜、彩って人がここで働いてるのか」
「そうだよ~、まさか優磨君、彩ちゃん狙ってるの?」
「んなわけねぇだろ、あと日菜、どんだけポテト食べるんだよ」
「え?別に普通だよ?」
姉妹揃って好みが同じか。
似てないようで結構似てるんだよなぁ、あの二人。
「普通じゃねえだろ……」
「普通だろ?」
横にもいました。
和人もポテトをトレーに山盛りに乗せている。
普通なのは俺だけか!
良くそんなにポテトが食べられるなぁ、こっちは見てるだけで胸焼けするぜ。
さて、俺もハンバーガー食べますか。
うん、ダブルチーズバーガー美味い。
ここのダブルチーズバーガーはチーズが濃厚でかなり美味い。
チーズの味がかなり濃い。癖になる味だ。
「日菜ちゃん!バイト終わったよ」
「彩ちゃん、お疲れ様!」
どうやら彩がきたらしい。
近くで見ると結構可愛いな。
「あれ、日菜ちゃん、そこの人達は?」
「友達だよ~」
「どうも、宇田川優磨だ。呼び方は優磨でいいぜ」
「宇田川って巴ちゃんのお兄さん!?」
「正解だ。妹がいつもお世話になってるな」
「それにしても優磨君って巴ちゃんに似てるよね」
そうか?顔はあまり似ていないけど、どこがにているのだろうか?
「顔はあんまり似てないぞ?」
「顔、って言うよりは雰囲気かなぁ」
「そうなのか?」
「うん」
俺の自己紹介を終えて次は和人の番だ。
「俺は東雲和人!気軽に和人って呼んでくれよ。よろしく」
「よろしくね、和人君」
「ああ、よろしく」
今度は彩の番だ。
「じゃあ今度は私の番だね。丸山彩だよ、よろしくね!」
「おう、よろしく」
「ああ、よろしく!」
こうして、俺達はファストフード店で他愛ない話や、学校の事などを話していた。
突然俺の携帯に電話が掛かってきた。
ひまりからだ。
どうしたんだ?
「あ、兄さんか?」
「巴、携帯でも忘れたのか?」
「ああ、さっすが兄さん、話が早くて助かるぜ!てことで家から携帯持ってきてくれないかな?」
「つぐみの家でいいか?」
「ああ、じゃあ頼んだ、兄さん」
「任せろ」
こうして、電話が切れた。
「優磨君、どうしたの?」
「悪い、俺帰るわ。用事できた」
「また明日な、優磨!」
「おう」
俺はファストフード店を出てそのまま家までノンストップで走る。
ほとんど時間が掛からなかった。
俺は玄関に置いてあった巴の携帯を持って羽沢珈琲店に向かってダッシュする。
俺の全力ダッシュだと羽沢珈琲店までは1分ほどしか掛からない。
こうして、羽沢珈琲店に到着した。
俺がドアを開けると、店内は結構空いている時間帯で、ほぼ知り合いしか居なかった。
「あ、兄さん!持ってきてくれたのか?」
「おう。持ってきたぜ」
「やっぱシスコンダッシュは速いね~」
「おいモカ、シスコンダッシュってなんだよ」
「説明しよ~、シスコンダッシュとは優磨が妹のために走ると超絶速くなるダッシュのことである~」
俺のダッシュになぜかシスコンダッシュと名付けられてしまった。
解せぬ。
後ろから誰かが近づいてくる足音がした。
あ、嫌な予感。
「ユウマさん!ハグハグハグ~!」
羽沢珈琲店のハグモンスターこと、若宮イヴがこっちに向かって来る。
すごい勢いで飛び付いて来るものだから、受け止めるのに精一杯だ。
密着しているからか、イヴの大きめのものがガッツリ当たってる。
ちょっとヤバい。精神衛生上ヤバい。
「当ててんのよ?」
「なんで疑問形なんだよ」
「ヒナさんから、ユウマさんはこうすると喜ぶって教えて貰ったのでやってみたのですが、どうだったでしょうか?」
「またあいつが変なこと教えたのか……」
それにしてもイヴ、素直過ぎるだろ。
めっちゃいい子やん。
可愛いなぁ。
「イヴ、とりあえず一旦離れてくれ」
「はい、ユウマさん、一つお願いなのですが、頭を撫でてくれませんか?」
「ああ、いいぜ。それくらいならお安い御用だ」
「ありがとうございます!ハグ~」
「だから離れろって……」
とりあえず俺はイヴの頭を撫でる事にした。
俺が頭を撫でると、イヴは気持ちいいのか頬が緩んでいる。
可愛い。
妹にしたい。
「ユウマさんの手、大きくて気持ちよかったです!」
「そうか、喜んで貰えて何よりだよ」
「優磨~、あたしも撫でて~?」
「おう、いいぜ」
モカが俺の膝の上に乗ってきた。
モカの頭を撫でると、モカもイヴと同じように気持ちよさそうにしている。
そんなに良いのかなぁ~?
まあ俺には良くわからないな。
でも本人が楽しそうならそれでいいや。
その後俺はミルクティーを飲みながら皆と話して、巴と一緒に帰った。