今日もバンドの練習を終えて巴が帰ってきた。
そこまではいつも通りだった。
人数が多いのだ。
Afterglowのメンバーが全員うちに来たのである。
「ただいま、兄さん。今日ウチでお泊まり会やるから、みんな一緒に来たんだ。」
「そうなのか。母さんに許可取ったのか?」
「当たり前だろ?さっき電話したぞ。」
そういえばさっき母さんがニコニコしながら電話していたので相手は父さんかと思ったら巴だったのか。
「みんな、いらっしゃい。さ、上がって上がって!」
母さんがえらくご機嫌である。
そういえばさっきまで寂しそうだったのに急に元気になったな。
さっきまであこ大丈夫かな。ってずっと言ってたのに。
ちなみに今あこは修学旅行に行っている。
行き先は京都らしい。
「「「「お邪魔します。」」」」
皆が家に上がってきた。
すぐにモカが俺を見つけると俊敏な動きで背中にまわってきた。
そして俺の背中に抱きついた。
「モカは相変わらず兄さんの背中大好きだなぁ。」
「優磨の背中はモカちゃんの特等席なので~す。」
「勝手に特等席にするなよモカ。」
何か勝手に特等席にされてるんだが。
誰か助けて…
「本当にモカちゃんは優磨が好きなんだな~。これで優磨の嫁には困らないな。」
いや何言ってんの母さん!
のんきなこと言ってないで助けて!
しかもよりいっそう抱きつく力強められてるんだけど。
このまま強められたら俺の背中がヤバい。
こうしているうちに皆荷物を置き、リビングにやって来た。
モカは渋々荷物を置きに行った。
ようやく俺の背中が解放された。
「じゃあ、今から母さん友達の家行ってくるから。今晩は帰ってこれないから、優磨ご飯作ってあげて。」
「分かったよ。行ってらっしゃい。」
母さんが出掛けて、家には俺とAfterglowメンバーのみ。
5人が楽しそうに会話しているので、俺は部屋でゲームでもしようと思う。
こうして俺が部屋でゲームをすること3時間。
外は急に天気が変わり、雨が凄く降っている。
すると、轟音が鳴り響く。
雷が結構近くに落ちたらしい。
つぐみの奴、大丈夫かなぁ。
つぐみは雷が苦手で今頃皆に心配されてるだろう。と勝手な推測をしている。
そういえばそろそろご飯作った方がいいかな。
時間もちょうどいいし。
俺はリビングに降りて、そのままキッチンに向かう。
すると、案の定巴に抱きついているつぐみがいた。
「優磨~。もうご飯?」
モカが俺に抱きつきながら聞いてくる。
「ああ、そうだぞ。何が食べたい?」
「う~ん、優磨が作ったものならなんでもいいよ~。」
なんでも良いが一番困る返答なんだよなぁ。
「お前らは何が食べたい?」
「優磨君の作ったものならなんでもいいよ!」
「別に、優磨の作ったものならなんでも良い。」
「兄さんの作ったものならなんでもいいぜ。」
「優磨君の作ったものならなんでもってヒャア!」
また雷が落ちた。
さて、何を作ろう。
人数多いしやっぱりカレーかな。
材料あったかな?
俺は冷蔵庫を開けて中身を確認する。
カレーの材料は、少し野菜が足りないか。
買いに行くにもこんな天気じゃなぁ。
他の野菜ないかな?
すると、いろいろな野菜がすこしずつあった。
それだ!
いろいろな野菜を使った野菜カレーなら余った食材を使うことができるし、アクセントにもなってちょうど良い。
「優磨~、手伝うよ?」
「ありがとな、モカ。そうしてくれると助かる。」
「何からすれば良い?」
「じゃあ、野菜切っててくれ。包丁そこにあるから。」
「ラジャ~。」
この二人の作業を遠くから見ている少女達がいた。
「モカ、優磨君と一緒で凄く嬉しそう。やっぱりモカって優磨君のこと好きなのかな~?」
「多分、というか絶対そうだろうな。優磨といるとき表情が常にニコニコしてて動きもいつもとは考えられないレベルで俊敏だし。」
「モカが優磨のこと好きなんて、みんな知ってたでしょ。まさかひまり、分かんなかったの?」
「そうなの?私が最初に気づいたと思ったのに…」
「まぁまぁ、ひまり。元気出せよ。」
この会話に参加する、という思いよりも雷への恐怖が勝るつぐみはずっと巴にしがみついていた。
こうして、優磨とモカがカレーを完成させた。
「皆、お待たせ。野菜カレーだ。たくさんあるから、いくらでも食えよ。」
「分かった、兄さん。」
「このカレー、凄く美味しい。優磨君ってやっぱり料理上手いよね!」
「ありがとな、そう言ってもらえて光栄だよ。ひまり。」
夕飯を、皆で話しながら食べ終えた。
外の雨は一旦上がっていて、つぐみが怖がらなくてよくなった。
俺はまた部屋で勉強することにした。
それから数時間。
俺の部屋のドアがノックされた。
ドアを開けると、つぐみが疲れきった顔で立っていた。
「どうした、つぐみ。疲れきってるけど。」
「それが、皆の様子がおかしいんだけど…」
「何があった?」
「巴ちゃんが、冷蔵庫でチョコレートを発見して皆で食べようってなったんだけど、そのチョコレートを食べたら皆が急におかしくなって。」
察しはついた。
多分母さんの酒の入ったチョコレートだろう。
それを興味本位で食べた皆が、酔っ払ったって訳か。
面倒なことになったな。
とりあえず、下行って様子を見てくるか。
リビングにつくと、すぐにモカが背中に抱きついてきた。
「ゆうまぁ~。どうひたの~?まさかモカちゃんにあいにきてくれたの~?えへへ~。」
舌が回ってない。
しかも俺の背中で気持ち良さそうに眠っている。
俺はモカを寝かせて、次に向かう。
今度は、巴だった。
顔がめちゃくちゃ赤くなってる。かわいい。
「あ、おにぃちゃんだ~。あそぼ~。」
おにぃちゃん呼びかわいすぎかよ。
クソッ一瞬意識を奪われかけた。
一瞬意識を奪われた時に、巴に押し倒された。
そのまま巴も眠ってしまったが。
畜生、携帯持ってくれば良かった。
そうすれば天使以上にかわいい巴を記録することができたのに。
すると、後ろからまた抱きつかれた。
モカか?
そう思って後ろを向くと、ひまりだった。
服装が完全にアウトだった。
服がかなりはだけていて、ほぼ直に近い感じで柔らかいものが二つ背中に当たっている。
理性が一瞬飛びかけたが、鋼の意思でなんとか耐える。
ひまりも先ほどからの例に漏れず、すぐに気持ち良さそうに眠っている。
なんとか助かった。
後残っているのは蘭だけだ。
蘭は急に立ち上がり、俺の姿を視認すると、近づいて来た。
「ゆうまぁ、あたしにも構ってよ~。」
めんどくさいタイプだわ、これ。
適当にあしらうか。
「ゆうまぁ、聞いてる?聞いてないよね?」
「いや、聞いてるから。ちゃんと聞いてるから。」
「ゆうまぁ、ぎゅ~ってして?」
「え?」
「もういい、ゆうまから来ないならあたしから行く!」
蘭が抱きついてきた。
もう何回目だ?これ。
何かもうなれてきた。
そのまま眠った蘭をどかして部屋に戻る。
外を見るとまた雨が降っている。
雷はならないだろう、そう思って部屋に戻って俺も寝ることにした。
そのときだった。
つぐみも一緒に部屋にやって来た。
「優磨君、雷なったら怖いから一緒に寝ても、いいかな?」
「つぐみがいいなら。寝るならつぐみがベッド使ってくれ。」
「いやいや、その…一緒のベッドで寝よ?」
「それはさすがにマズイだろ。」
「優磨君なら、変なことしないよね?別に、優磨君にならされてもいいけど。」
「俺は何もしないように頑張るよ。もし我慢出来なかったら、ってことも承知の上だろ?なら別にいいけど。」
こうして、俺達は同じベッドで夜を明かした。
翌朝、モカがやけに不機嫌だったり、蘭が目を合わせてくれなかったりということがあったのは言うまでも無いだろう。
今回マジでやり過ぎました。
すみません。
次回は猫回。それだけ言っておきます。