宇田川家の長男はいつも大変   作:深き森のペンギン

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まだまだモカのターン!


第9話 幼馴染み達と休日

今日は朝からモカがいるなんて事はなく、平和な朝を迎えた。

俺は顔を洗い、歯を磨き、シャワーを浴びてリビングに向かう。

 

「おはよう、巴。」

 

「あ、兄さんおはよう。今日は早かったな。」

 

「なんだか昨日はグッスリ眠れたんだ。」

 

「そうなのか、ならよかった。今日は予定ある?」

 

今日も家でだらだらする予定だ。

引きこもり?いや、違うな。

 

休む日である休日をマックスまで有効活用するまでだ。

 

「ある。」

 

「だらだらする予定だろ?」

 

なぜわかった!

 

「兄さんって休日は基本だらだらしてるからな。それか気づいたらどっか行ってるか。」

 

「よくわかってるじゃあないか。流石に長い間俺の妹やって来ただけはあるな。」

 

「兄さんが分かりやすいんだよ。」

 

俺ってこんなに分かりやすいのか……

 

今日は母さんは集まりでいないし、父さんは休日出勤、あこは燐子さんの家、巴は服装を見るに遊びに行くんだろう。

 

今日はのんびりとお菓子でも作って過ごすか。

そう思って部屋に向かおうとリビングを後にしようとしたとき、巴に肩を掴まれた。

 

「兄さん、どこ行くんだ?」

 

「どこって、部屋だけど?」

 

「兄さんも行くんだぞ?」

 

何故だ!

マジかよ、妹の頼みは断れない。

行くしか無いのか!

 

「どこ行くんだ?」

 

「色々。」

 

「オーケー、着替えてくる。」

 

こうして俺は部屋に戻って服を着替えた。

 

そして玄関に向かう。

 

すると巴が靴を履いて待っていた。

 

「待たせたな、巴。」

 

「いや、全然待ってないぞ。じゃあ行こうか、兄さん。」

 

俺達は待ち合わせ場所の羽沢珈琲店に向かった。

途中他愛ない会話をしながら、商店街を歩いていく。

 

やはり、妹は正義。

 

少しすると、羽沢珈琲店にたどり着く。

俺達は羽沢珈琲店のドアを開けると、カランカランという心地よい効果音と共に、Afterglowの皆が集まっていた。

 

「優磨~、来てくれたんだ~。」

 

すかさずモカが正面から抱きつく。

 

「モカ、ちょっと離れてくれないか?」

 

「嫌~。優磨も喜んでる癖に~。」

 

いや、喜んで……ってちょっと喜んでるわ。

だってモカだって黙ってればだが超絶美少女だぞ?

 

美少女に抱きつかれて嬉しくない奴はこの世界でもごく一部だ。

それこそ俺のような典型的な男子高校生ならばなおさらだ。

 

嬉しくない訳がない。

 

「まさか兄さん、図星か?」

 

「よかったね、モカ。優磨喜んでるみたいだよ?」

 

「そうだね~。じゃあもっとサービスしてあげる~。」

 

モカは抱きつく力を強めた。

モカ、シャンプー変えたか?

匂いが昨日と違う。

 

「モカ、シャンプー変えたか?」

 

「えへへ~。優磨、気づいてくれたの?」

 

「優磨君、今のは女子的にもポイント高いよ!」

 

「優磨って女の子のことわかってないようでわかってるように見せかけてあんまりわかってないからね。」

 

「蘭!結局落としてから上げて落とすって流石に酷すぎるって!」

 

これはあんまりだろう。

下げてから上げて、その後下げる。

このミルフィーユはよろしくないな~。

 

「優磨君、ミルクティー持ってきたよ。」

 

「ありがとう、つぐみ。俺はここのミルクティーが一番好きだなぁ。」

 

「モカちゃんよりも~?」

 

「人と飲み物は比べられn」

 

最後まで言い切ることは無かった。

何故なら、モカに唇を塞がれたからだ。

 

「確かに、ミルクティーも美味しいね~。特に優磨のミルクティーは~。」

 

この様子を皆がガッツリ見ていた。

 

「モカ、お前……」

 

「モカ……」

 

「モカちゃん……凄いね。」

 

皆驚いている。

もちろん当事者の俺が一番驚いている。

 

「モカ、悪戯にしてもそれは流石に……。」

 

「優磨は嫌だった~?」

 

「嫌じゃないけど、好きでもない男にやってもいいのか?ってことだよ。」

 

「「「「「はぁ~。」」」」」

 

急に皆がため息をつく。

どうしたんだ?いったい。

 

「どうしたんだ?急にため息なんてついて。」

 

「いや、兄さんはやっぱり兄さんだなぁって思っただけだ。」

 

「優磨君って相変わらずだね!」

 

「優磨、あんた凄いよ。むしろ凄い。」

 

「優磨君……今のは無いよ。」

 

何…だと……。

このコメントの中でも一番つぐみが辛辣、だと。

きっと俺は夢を見ているんだ。

 

これは悪い夢なんだ。

 

「夢じゃ無いよ~?」

 

モカ、心を読むんじゃない。

 

「分かった~。」

 

それを心を読んでるってことなんだろ?

 

「というか今からどこ行くんだ?」

 

「ゲーセンだぞ?」

 

「そうなのか。知らなかった。」

 

「言って無いからな。」

 

そういえばゲーセンって1年の時に和人と行ったのが最後な気がする。

腕は落ちて無いだろうか。

それが心配だ。

 

「じゃ、行こうか。えいえいおー!」

 

シーンとした空気が広がった。

 

「ちょっと皆乗ってよぉ!」

 

「「「「「アハハハハ」」」」」

 

こうして笑いが巻き起こる。

俺達は羽沢珈琲店を後にしてゲーセンに向かった。

 

途中でひまりが雑貨屋の窓から気に入ったものを発見して、それを買いに行くなど寄り道はしたが、無事にゲーセンにたどり着いた。

 

「ゲーセンも久しぶりだな。」

 

「そうなのか?兄さん。」

 

「ああ。前に来たのも数ヶ月前だしな。」

 

「兄さんってゲーセン好きじゃないの?」

 

「いや、むしろ好きなほうだ。バイトとかで忙しかっただけで。」

 

「そうなのか。」

 

こうして話していると、モカがクレーンゲームの筐体をジーっと見ているのを見てしまった。

 

その先にあったのは、パンの形のペンケース。

あれが欲しいのだろうか。

 

どれ、一つ俺の特技を見せてやろうじゃないか。

 

「モカ、あれが欲しいんだろ?とってやるよ。」

 

俺は100円玉を2枚入れて1プレイを始める。

アームをタグの隙間に引っかけてペンケースを取る。

 

「モカ、取ったぞ。」

 

「優磨、ありがとー。えへへ~。優磨からのプレゼントだ~。」

 

モカが俺に抱きつく。

勢いよく飛び込んでくるので、受け止めるのに精一杯だ。

 

「よかったね、モカ。優磨からプレゼント貰えて。」

 

「うん。優磨からのプレゼント嬉しい~。」

 

どうやら喜んでもらえたみたいで、よかったよかった。

あれ?さっきから巴とひまりが居ないぞ?

どこ行ったんだ?

 

「そういえば、巴とひまりは?」

 

「あの二人ならさっきあっちの方行ったよ?」

 

つぐみがゲームの筐体が並んでいるコーナーを指差す。

その方向には怖いと噂のホラーゲームがあった。

 

「まさか、あいつらあのゲームやってないよな?」

 

すると少しして涙目のひまりがフラフラの巴を支えてやって来た。

 

「あのゲーム怖かったよ~!」

 

「そんなに怖かったのか。巴もよく腰抜けなかったな。」

 

前のホラーゲームの件について弄ってみる。

 

「あの事は忘れてくれ!」

 

「あの事って何のこと~?優磨~、教えて?」

 

「いいぜ。」

 

「ダメーー!」

 

とっさに巴に後ろから口を塞がれた。

あの巴、かわいかったのにな~。

 

俺達だけの秘密にして欲しいってか。かわいい奴め。

 

さて、家でもからかってやろ~っと。

 

「マ○カーしようよ!マ○カー!」

 

やけにつぐみのテンションが凄いな。

 

俺達は6人でマ○カーをすることになった。

 

「行くぜ行くぜ行くぜー!」

 

巴のテンションもヤバい。

 

「フフフフフ、アーハッハッハ!」

 

お前本当につぐみか?

ヤバい、つぐみハンドル握ったら変わるタイプの人間だ。

 

結局順位はこの二人がぶっちぎり、俺は3位。

 

音ゲーではひまりがなかなかすごかったり、メンバー皆が楽しめていたみたいでよかった。

もちろん俺も楽しんだ。




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