ガチ勢でしたが、転生したのでこれを機にエンジョイします。 作:大賢者こんすけ
今回からはポケモンの物語も書いていこうかなって思っています。諸注意ですが、この作品ポケスペとは全く無関係で書かせていただきます。さらに、タグの通り、主はエンジョイ勢なので、ガチ勢の方、または廃人の方が読むと面白くない作品になると思います。さらにさらに、この作品も例に漏れず、カオスの道を、辿っていくと思います。それなりにプロットなども真面目に書かせていただきますが、カオスが駄目な方はこの小説を読んで精神に異常をきたしても自己責任でおなしゃす。
では、お楽しみください。
「勝者っ!しらたま選手ー!!!」
熱狂していた会場に実況者のマイク越しの大声が響き渡る。
うぉぉぉぉぉぉおおお!!!!
それに答えるように観客席からも大歓声が上がる。
その声を聞き、喜ぶ者と悔しがる者が居た。
喜んでいるのは、勝った俺、しらたまだ。んで、悔しがっているのは俺の対戦者だったゴムベラさん。今更だが、ここは、超大規模なゲーム大会の会場で、今日はその決勝戦だった。つまり俺はこのゲーム大会で優勝したのだ。ん?なんのゲームか…だって?この大会のゲームはあの世界的有名ゲームのポケットモンスター、まぁ、いわゆるポケモンだ。
俺は厳選に厳選を重ねたポケモン達と共に決勝戦まで勝ち進んだ。厨ポケと言われる対戦などでよく使われるポケモンは一切使わず、敢えてマイナーなポケモンを使ったのも功を奏したのだろう。
「しらたまさん。良い闘いでした!」
対戦相手のゴムベラさんが握手を求めてくる。
「こちらこそ、ゴムベラさんのパルシェンの扱い方に圧倒されてしまいました」
もちろん、握手を返す。対戦者としての礼儀だ。
「いえいえ、そちらこそあんなに強いフライゴンは初めて見ましたよ(笑)」
そりゃそうだろう。あのフライゴンはこの大会の為に『打倒!ガブリアス!!』を掲げ作り上げた汗と涙の結晶なのだから……なんか、この言い方だと汚く思えるな………
「それではっ!!優勝したしらたま選手には優勝賞金として100万円が贈呈されます!!こちらへどうぞっ!!」
実況者が俺達にこちらに来るようにうながす。普通は主催者側がこちらに来るべきじゃないのか……?と、しょうもない疑問を浮かべながらも、紳士的な動きでゴムベラさんに誘導され、主催者と実況者が待つ対戦ステージから少し階段を降りたところにあるし実況スペースに向かう。
「しらたま選手!こちらへどうぞ!」
あまりにも俺の動きが鈍かったのか、痺れを切らしたように実況者が階段を登り俺を誘導してくる。
「あっ、すみません……」
俺は少しスピードを上げて階段を降りる。
「あっ………」
ドンッと背中に何かがぶつかってきて、フワッと宙に浮く様な感覚に襲われる。
「えっ……?」
後ろを振り向くと、バランスを崩したのであろう実況者が俺にもたれ掛かるような姿勢で倒れてきていた。
もう一度説明しておこう。ここは階段だ。周りには手摺なんてものはないくせに少し高めの階段だ。
「うっそだろ………」
実況者の後ろでゴムベラさんが目を見開き俺を見つめる。
落下して終わりだろうと思っていた。倒れ込んで痛えってなって笑い話で終わるんだろうと思っていた。
しかし、人生とはひょんなことから終わりを告げたりする。
(倒れても手を着けば………ッ!?)
手を出そうとしたときに気がついた。なんと着ていた服の手元のほつれが実況者のスーツのボタンに絡まっていたのである。
人間ってこういう時に悪運を使っていまうからどうかと思ってしまう。
そのまま、俺はどう動くこともできず、地面に顔面から着地してしまった。
「がぁっ!?」
しかもその瞬間、体の全体重が頭ではなく、それを支える首に集中してしまったため、首から「ゴキッ!!」と鈍い音が響き、そこからは俺の意識が無い。
〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇
目を覚ますとそこは知らない天井だった。ってこんなテンプレを吐きたくなってしまうほど知らない場所だった。
「あぁぁぁぁうぅぅぅぅ」
………あれ?喋れない。
「あぁぁぁうぅぅぅ」
あれ……?どれだけ喋っても「あー」と「うー」にしか変換されない………
「あぁ!カケルが喋ったぁー!!」
誰だよカケルって………と思いながら声のする方向を見ると、そこには短いながらも可愛らしいツインテールの女の子が立っていた。
「ママー!カケルがしゃべったよー!!」
見た感じからして4歳か5歳くらいだろうか……女の子は俺を見つめながら嬉しそうにはしゃぐ。
「はいはい、カケルもこんな大きな声出したらびっくりしちゃうわよ?」
いや、俺は今、この現状にびっくりしている。なにせ、ついさっきまでポケモン大会の決勝戦でゴムベラさんと戦っていたはずなのに、いつの間にか見覚えの無い女性と女の子に囲まれているのだから。
自分を取り囲む木の柵があって、そこから手を伸ばし、やたらと俺の頬をつつく女の子。この木の柵……なんか既視感が………ん?これってもしかして、ベビーベッド……?いやいやいや!なんで御歳34歳の賢者男性がベビーベッドに寝かされて幼女に頬をつつかれてるんだよ!どんな赤ちゃんプレイなんだよ!!
そう思ったのもつかの間、自分の手を視界に入れた瞬間、考えが186°ひっくり返った。
視界に入った俺の手は、成人男性と比べてと言うか、男性と比べて圧倒的に小さかったのだ。というか、これ赤ちゃんの手じゃね……?なんで…?手だけ特殊整形でもしたのか?
残っている記憶を辿ってみる。………確か、俺は大会で優勝して……その後、賞金を受け取る為に実況者に誘導されて………あっ!俺あの時(多分)死んだんだ!なるほどー!これで納得できたぞ!じゃあこれは転生したんだな!………………………………………転生っ!?!?!?
えっ!?転生したの!?どこに?やっぱりまた地球か?日本?この喋り方からして日本?
赤ちゃんの中身が34歳のおっさんだと気づいていないであろう女性と幼女は俺のことを愛おしそうに見つめる。やっ///やめろって///そんなに見つめても何も出ねぇんだからな?///っとしょうもないひとりコントを行いながら周りの声に耳をすませる。もしかしたら、個々がどこかわかるかもしれない。
「今日からメイもお姉ちゃんね」
「うんっ!!」
早速情報入手だ。あの女の子はメイちゃんって言うらしい………そういえば、見た目も少し似ているが、ポケモンBW2の女主人公の名前もメイだったな………もしかしてここってポケモンの世界……?いやいやいや!!そんな都合の良い話無いだろう。だって俺は悪運で首骨を折って死んだんだぜ?そしたら大好きなポケモン世界に転生とか話が良すぎるにも程があるだろう。
にしてもメイちゃんってほんとにBW2のメイに似てるな……なんかそのまま小さくなったみたいだ。俺もこんな彼女とか欲しかったなぁ……元の世界じゃポケモンではチャンピオン誇っていても会社じゃただの下っ端。給料も激安で、俺が安アパートに住んで食っていくのがやっとだった。そんなもので、休みの日は家に居るか大会会場に居るかだったから、嫁はおろか、彼女すら居ないそんな生活だった……なんか考えただけで涙が出てくる……
そんなこと考えていると、このカケルの体にも反映されたようで
「ママーッ!!カケルが涙ながしてるよっ!!どうしよ!」
メイちゃんが困ったように母親に意見を仰ぐ。すると、母親は……もう、しょうがないわねぇと言いながら、こう呟いた。
「ロズレイド、『アロマセラピー』よ」
その言葉に答えるように、ベビーベッドの下の方からカサカサと葉っぱが擦れ合うような音が聞え、よく知っているロズレイドが顔をだした。
「ロッズ!ローッ!」
その声と共に俺の(というか、カケルの)体を緑色の光が包む。
ポカポカした陽気のような暖かさが体を包み込み、花の蜜のような甘い香りが鼻孔をくすぐる。
へぇー……ロズレイドのアロマセラピーってこんな感覚なんだ……そもそもロズレイドもアロマセラピーも大会で使ったことなんて無いからな……新鮮な気分だ。
アロマセラピーの感覚に心地良さを感じていると、ふと気がついた。
今、俺が受けてるのは『ロズレイド』の『アロマセラピー』である。
ロズレイドってのは確か、第4世代でスボミーと共に登場したロゼリアの進化系だったはずだ。そして、アロマセラピーってのはくさタイプの技で、効果は全ての味方の状態異常を回復する……だったはず。………ゑ?ロズレイド?ロズレイドが居るの?ってことはポケモンの世界確定案件じゃね?ここが夢にまで見た
「あーーーうーーーー!(よっしゃぁぁぁぁぁあ!!!!!)」
周りからはあーうーとしか聞こえないが、心の中では大絶叫だった。マジで嬉しいんだが!これって夢オチとかじゃ無いよね?そんなタチの悪い夢だったらもう1回首骨折って死んでやる!よっしゃー!!
ってことは、やっぱりメイちゃんもBW2の女主人公確定じゃん!いや、でも……本編だったら主人公に弟なんていなかったんだよなぁ……………ま、良いか。こうして晴れてポケモンの世界に転生できたんだから、今度の人生は思いっきりこの世界をエンジョイしてやるぜ!
こうして始まったのは俺の2度目の人生。それは長い長いポケモン世界でのほんのひとつまみのお話。