ガチ勢でしたが、転生したのでこれを機にエンジョイします。 作:大賢者こんすけ
世界観を後書きに載せておくので、それも踏まえた上でお楽しみください。
あれから大体7~8年くらい経った。
赤ちゃんの頃は、中と外の年齢ギャップもあってか、授乳を嫌がり、注射を嫌がらない珍しい子供だって言われたが、今じゃそれなりにご近所さんからも信頼される年頃の男子として真面目に生き、真面目に成長した。
予想していた通り、ここはBW2のはじまりの町ヒオウギシティ。BW2をしていた人にはわかると思うが、ヒオウギジムもあるし、ポケモンセンターもあるし展望台もある。
「母さん!遊びに行ってくる!!」
家から出て、隣の家に居るおじいさんの家に行く。
いつもこの時間帯に鍵を開けてくれているドアを開き、中に入る。
「じーちゃん!今日もポケモンとの喋り方教えて!!」
「よぉ、カケル。お主も物好きじゃの」
「ベム……(みちくちはき、ケタギク……)」
俺の家の隣には、本編では居なかったが、元サイキッカーだったおじいさんが住んでいた。まだ4,5歳の頃はいつもポケモンと喋ってる怖いおじいさんだったんだが、よくよく考えたら俺が後々に旅に出るとして、ポケモンと喋れたら楽しいんじゃね?…と考えて、思い切っておじいさんにポケモンとの会話術を習うことにした。
ちなみに、この意味分かんねぇこと言ってるのが、おじいさんのパートナーのオーベムで、おじいさんが言うには「オーベムはわしらより一つ先の世界の住人じゃからの……」だとよ、それでもおじいさんはオーベムの言葉をわかってるんだから凄いと思う。
「オーベム……ほんと何喋ってんの?」
「ベムーベー……(かみおぎるきうすにうきり、をきあのおあぢら……)」
うん、全く何言ってるかわかんねぇ………
「じーちゃん、オーベム何言ってんの?」
「それが分かるようになるまでが修行じゃよ……わしなんてオーベムがリグレーの時から一緒じゃからの、おのずと分かってくるものじゃよ」
「ベーム……(かろ、かみおくりうぢ…)」
「ふぉっふぉっふぉっ……そう照れるなよオーベム」
このじいさんほんとにオーベムと会話出来てんのか?今のは照れてないって俺でも分かったぞ?
そして毎日昼から夕方までオーベムとおじいさんと会話して、日が暮れる頃に家に帰る。
「ほれ、そろそろ日が暮れるぞ」
「ベムべ……(ひゆけきおろ、ケタギク…)」
気がつくと、窓からオレンジ色の光が部屋に差し込んでいた。
「うん、じゃーな。じーちゃん」
おじいさんの家を出て、今日の晩飯はなんじゃろなとか、考えながら家に向かっていた。すると、俺の家の前にある池から騒がしい声が聞こえてきた。
「マラカッチ!!すぐ助け呼んでくるからっ!!」
「マラッ!(そんなことよりお前は逃げろっ!)」
池を見ると、マラカッチが溺れていて、それを助けようとしている(恐らくマラカッチのトレーナーであろう)少年が泣きながらマラカッチに声を掛けていた。
「なっ!?ちっ!しゃあねぇ!」
俺は迷わず池の目の前まで走っていって、池に飛び込んだ。
この池は小さい頃から夏の暑い日によく水中のポケモン探しをしていたので泳ぎ慣れていた。ここは、水深がかなり深いため、大人が柵を取り付けるべきだと言っていた場所だ。
クロールでマラカッチの居るところまで泳ぎ、溺れているマラカッチを支える。
「おい!ガキンチョ!!誰でもいいから大人呼んでこい!!」
俺は目の前で泣いている少年に大声で大人を呼びに行かせ、それを聞いた少年は泣きながらも頷き、トレーナーズスクールの方に走っていった。
「大丈夫か!マラカッチ?」
「マラッチ…(すまねぇ、足に変な蔓が絡まってるんだ…)」
蔓?なんで?と思いながらも、マラカッチを支えながら水中に顔だけ潜ってみると、
「オムスゥ!!………(イイオトコォ!!)」
オムスター(♂)が、マラカッチの足に触手を伸ばして、掴んでいた!
「ぷはっ!マラカッチ大丈夫か!?」
「マラッ……(こりゃやばいぜ)」
くそっ、このマラカッチを助けるためにはまず、あのオムスターをどうにかしなけりゃいけねぇ……
俺は、とりあえず潜り、オムスターと交渉することにした。
「ごばば……、オ゛ム゛ス゛タ゛ーばなじでやっでぐで!(オムスター離してやってくれ!)」
「オムゥゥ!!!(わしゃあいつのケツの穴にわしの■■■を■■■して■■■してやるのじゃっ!!)」
ちっ、一筋縄ではいかねぇか……ってか、このままだとマラカッチの貞操がやべぇ、あのオムスターは完全に野獣の目をしてやがるぞっ!
しかし、この池にはオムスターなんていなかったはずだ。俺が知ってる限りで、この池のボスは年老いたシザリガーだったはず、そのシザリガーも会話して、仲良くなったからどこかに見えてもおかしくないはずなんだが……
取り敢えず、もう一度交渉するしかねぇな。
「ごばば……ぼび!シ゛サ゛リ゛カ゛ー゛ばどごびっだんだびょ!(おい!シザリガーはどこ行ったんだよ!)」
「オムッ!!(あんな老いぼれジジイ殺したに決まってるじゃろ!!)」
なっ!?くっそ、あのオムスター……シザリガーのこと殺してやがったのか!しかも、お前もそれなりにジジイじゃねぇか!俺はシザリガーの昔話好きだったんだぞ!
こうしている間にも刻一刻とマラカッチの体力は削られていっており、急速な対処が必要になってきている。しかし、あの少年はまだトレーナーズスクールから戻ってきていない。
確か、この奥にあのわざマシンがあったはず……
クロールで対岸まで泳ぎ、お目当ての品を見つける。
「マラカッチ!このわざマシン使えるか……?」
「ッ…!マラッ……!(ッ…!これなら……!)」
急速でマラカッチに技を覚えさせる。
「マラカッチ、チャンスは1回だろう。俺が気を引くから撃ち込めよ!」
「マラッ!(まかせろっ!)」
俺はマラカッチから手を離し、オムスターの手前まで潜る。
「オ゛ム゛ス゛タ゛ー!ごっぢをびろ!(オムスター!こっちを見ろ!)」
「オムゥッ!(なんじゃとクソガキ!)」
俺の方へ振り返ったオムスターに大きな隙が出来る。
「い゛ま゛だっ゛!!『 エナジーボール』ッ!!」
タイミングを見計らっていたマラカッチから緑色のエネルギー弾がオムスターに撃ち込まれ、そのエネルギー弾はオムスターの殻にクリティカルヒットする。
「オ゛厶゛ゥゥゥ!?(痛っぁぁぁああ!?)」
オムスターが怯んでいる隙にマラカッチの元まで戻り、オムスターが足を離しているのを確認して、岸辺まで泳ぐ。
「マラカッチ!あと少しだからなっ!」
「マッチィ…(すまねぇな…)」
なんとか、岸辺まで辿り着き、応急処置のため、近くに生えていた野草で傷口を押さえる。
応急処置をしていると…
「キミっ!大丈夫かっ?」
トレーナーズスクールからさっきの少年とチェレンさんが走ってきた。
「……なんとか……でも、マラカッチがかなり衰弱していて早くポケモンセンターへ……」
俺はちゃちゃっと現状を伝え、少年にマラカッチをポケモンセンターに連れていくよう促す。
「取り敢えず話はあとだ。まずはマラカッチをポケモンセンターに連れていくんだっ!」
「は、はいっ…!大丈夫か…マラカッチ?」
「マラ……(なんとかな……)」
少年はマラカッチを支えながらポケモンセンターに歩いていった……
「出てこいっ!カエンジシ!」
チェレンさんはカエンジシを出し、俺を暖めようとしてくれた。
「すまない、遅れてしまって…」
「大丈夫ですよ。でも、なんでマラカッチは溺れてたんですか?」
チェレンさんが言うには………
少年はジム戦でチェレンさんに負けてしまった。それで、勝つ為にはどうすれば…と考えていると、トレーナーズスクールの先輩がこう言ったらしい「チェレン先生に勝つには、あの池の奥にあるわざマシンを使えばいい」と。それで、少年はマラカッチの制止を振り切って池に入り、案の定溺れてしまった。それを助けるためにマラカッチが身代わりになった……とのことらしい。
「つまり、あの少年はチェレンさんに勝つために……」
「あぁ、このことは後々トレーナーズスクールでも話して、重々注意しているつもりだ」
そうするのが良いだろう。ってか、そうしてもらわないと困る。俺の家の前でしかもオムスターが居るから、ここは危険だと、しっかり忠告してもらうのがいちばんだろう。
「うぅ………ひっくちっ!寒っ………」
寒いな……そう言えば今は冬だっけ?マラカッチ救うのに必死だったけど、終わってみたらくっそ寒いじゃねぇか……
「とりあえずキミを家まで送ろう」
「いや、大丈夫です。家、そこなんで」
そう言いながら目の前の家を指さすと、チェレンさんは驚いた様な表情を浮かべる。
「…ということはキミはメイちゃんの弟さん…?」
「え?あっ、はい。そうですけど…?」
え?姉ちゃんはトレーナーズスクールなんて通ってなかったけど…?
「姉がどうかしたんですか?」
「あ、いや……キミのお姉さんが今日は僕とのジム戦に勝って、旅に出たよ…?」
ゑ?
世界観
この世界はほぼほぼ原作のBW2と同じだが、生態系の変化や、密猟者などの増加により、原作では見られなかったカロスのポケモンなども存在しているイッシュ地方の物語。そのため、ジムリーダーの手持ちなども多少原作と異なるところがある。