Fate/GrandOrder ホーリー・グレイル・ウォー・ターミナル   作:アレア

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ほかの小説ほっぽいて書いちゃいました!

FGOがベースなのはサーヴァントの多さとレイシフトくらいしか要素無いかもですけどよかったら見てください!

清姫は可愛い(可愛い)

あ、タイトルの読み方はフェイト/グランドオーダー ホーリーグレイルウォーフォーターミナルです!長い!!


『聖杯戦争を始めようではないか』

FGO、Fate Grand Order(フェイトグランドオーダー)

日本のみならず世界でも人気のソーシャルゲームだ、原作はエロゲーらしいけど。

このゲームはコマンドを選びサーヴァントと呼ばれる使い魔を使い敵を倒していくノベルタイプのゲームだ。

慣れるまで敵が強く感じるけどサポート、他のプレイヤーのサーヴァントに任せつつ慣れればこっちのもんだ。

元々の設定では7人のマスターと呼ばれてる魔術師とその魔術師が召喚した7人の使い魔、通称サーヴァントを、聖杯と呼ばれる願望器を巡り、戦わせてるものだ。

けどFGOは7基どころかほぼ全てのサーヴァントを仲間に出来る。

しかも原作や外伝以外にもFGOから登場したサーヴァントもめちゃくちゃ存在するから200以上のキャラ数になっている。

ソシャゲならではである。

ゲームの簡単な説明も終わったしそろそろ今の状況を語ろう。

僕はある有名なカフェでココアを飲みながらFGOをしていた。

カフェなのにコーヒーじゃねぇのかって言われるかもだが僕はコーヒーが苦手な甘党だ。

そのカフェでいつものように種火周回をしているとFGOのアプリが落ちた。

 

「容量ほんと重いなこのアプリ……」

 

種火周回を再開する為にもう一度FGOのアプリを起動する。

タイトル画面からロードしお知らせのポップがいつものように開く。

そこで僕はあることに気付いた。

 

「ここの色変わってた事あったか……?」

 

本来藍色の背景に白文字だったお知らせが赤い文字で表示されていた。

僕は思わずその赤い文字をタッチする。

しばらくロードが続き、1分経つか経たないかくらいでスマホに自動的に別のアプリがインストールされ、何も触っていないのにアプリがFGOからインストールされた方に切り替わった。

インストールされたアプリはFGOにそっくりな画面でFGOイベント時のサーヴァントが喋っているかのような字幕を言峰綺礼が何故かボイス付きで喋っていた。

 

『私は言峰綺礼、知っているマスターも居れば初めましてのマスターもいるかね?まぁ私の事を知っていようがいまいが今は関係無い、私がこうして話しているのは選ばれたカルデアのマスターのみ、そう、喜べ選ばれしマスター諸君、君たちに聖杯戦争をする機会が訪れた、さぁ……本物の聖杯戦争を始めようではないか』

 

締めくくられた言葉、『本物の聖杯戦争』

これの意味する事を僕らはすぐに気付かされた。

言峰綺礼のボイス読み上げを終わると同時に「ますたぁ!」と聞き覚えのある声が聞こえた。

聞き覚えはあるが実際に会った事は無い、何故ならその声の主はスマホの中にいたのだから……。

 

「ますたぁ、(ワタクシ)です、いつも一緒にレイシフトしてる清姫です!」

「えっと……えっ……いや清姫は清姫だけど……えっ」

「はい!ますたぁの清姫です!」

 

確かにFGOで絆レベル15にしてお気に入りにずっと登録してるほど好きな清姫だ、けどなんで喋ってるんだ?しかも会話出来てる……?

 

「ほんとに清姫?どうやって喋ってんの?中の人と話してる感じ?」

「中の人……?ますたぁは何を仰っているのですか?私は私ですわ!」

 

何がどうなってるんだか……

 

「で、清姫、君が本物なのは分かった……事にしておこう、どう喋ってるかわからんけど……それで、これから何をするんだ?」

 

僕がスマホの中にいる清姫に尋ねる。

 

「ますたぁは聖杯戦争の参加者に選ばれたマスターですわ、これから私と共に他のサーヴァントと戦うのですよ」

「ごめん、やっぱ理解が追いつかない、えっ何、いくら金掛けてんのこれ……」

「あっますたぁ、そろそ……」

「ん?清姫?どうした?」

 

清姫の口は動いている、だが声が聞こえない。

清姫の声だけじゃない、車の音や人の声、さっき目の前を通り過ぎたばかりのパトカーのサイレンすら聞こえない。

 

「どうなって……」

 

呟いた瞬間目の前が真っ暗になった。

と思ったら青い光が渦を巻き目の前に現れる。

僕はそれに吸い込まれるように先が見えない暗闇へと飛ばされていった。

この時は理解出来なかったが、この光景を僕は何度も見ていた。

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

アレから何分経ったんだろうか、もしかしたら1秒も過ぎてないかもしれないし100年経ってるかもしれない、そんな感覚に何故か、なった。

 

「……ぁ」

 

声のような音で目が覚めた。

 

「……たぁ……ま……た……ますたぁ!」

 

なんだ清姫の声か。

 

「って清姫!?夢じゃなかったのか……!」

「はい!ますたぁ!貴方様の清姫です!」

 

なんだかゲームの清姫より元気な気がするが、確か13歳だよな、このくらい無邪気なもんなのかな、本来は。

元気過ぎる気もするけど……

 

「清姫、無事か?……ってスマホの中にいるから関係ないか……スマホ壊れて……ないな、よし」

「あの……ますたぁ、その事なのですが」

「ん?あ、そういや清姫さっきなんか言いかけて」

「はいっ!そろそろレイシフトが開始されるので、ますたぁをお守りする為にここから出していただきたかったのです!」

 

僕が喋ってる上から清姫が喋り出す。

というかレイシフト?ここから出る?

 

「ここからって、スマホから出てくるって事か……?」

「えぇ、そうでないと私はますたぁの為に戦えませんので」

「そういうシステムか、すげぇな……ってレイシフト!?」

 

僕はバカだから人の話は聞いてても理解するのに数秒かかる、今回もそれが原因でレイシフトというリアルで聞くと凄いパワーワードに反応が遅れたのだ。

 

「レイシフトって……えっ、えっ、レイシフト??」

 

思わずオタクみたいな喋り方になった、オタクやけど。

だが言われてみればあの空間はレイシフトの時の背景画像に似ていた。

既視感の正体が判明し少しスッキリした。

 

「じゃあここってどこだ?いつの時代なんだ!?」

「ますたぁ、落ち着いてくださいまし、場所は変わっていますが時代はほとんど変わっていません」

「えっ2019年……?仮面○イダージ○ウやってる?」

「かめんなんとかは分かりませんが、2018年ですわね……ちなみにここは大阪城の中です!」

 

3秒くらい思考が止まった。

去年にレイシフトしてる……のか、

レイシフトですら意味がわからないのになんで大阪城の中にいるの?清姫は和歌山の寺だから全く関係ないよね??

 

「というか外暗くない?さっき昼間だったよね?そんな時間経ったの?夏みたいに暑いし……」

「レイシフトして特異点に来てるからですわ、7月ですし……それよりますたぁ、私を召喚してくださいまし!」

「えっ半年前なの……てか召喚?もう清姫は僕のカルデアにいるだろ?オルレアン攻略後の報酬で」

「そうではありませんわ、ここから出てますたぁのお傍へ行きたいのです」

「えっあっさっき言ってたヤツ?ごめんそっちか、忘れて……分かった……そんなのどうやんの?」

「私が入っている端末を手前に差し出して私の名前を呼ぶと出来ます、クラス名でも可能ですわ」

 

スマホから出なきゃ戦えないって言ってたもんな、やってみるか。

 

「サーヴァント召喚、来い!清姫!」

 

スマホが青白く光る。

そして目の前の空間にガチャでサーヴァントを召喚した時のような三本の青白い線が現れた。

そしてすぐにその線は消え、人影が姿を現す。

 

「ますたぁ!」

 

さっきよりも大きく清姫の声が聞こえる。

シルエットしか見えなかった清姫の姿を見ようとした時、何故か僕の体は倒れかけていた。

体は倒れ、謎の重さと柔らかさが僕を襲った。

何が起きたか全く理解出来ない。

ただ目の前の柔らかい物が触り心地が良いのだけは分かった。

 

「ま、ますたぁ……」

 

清姫の声で我に帰る。

だが清姫はいない。

目の前にあるのは緑色の布?

布?を避けようと胸の上で布を抑えていた手を伸ばす。

布にしては重い、いやこれは……着物か、それに緑色の髪……角……。

 

「き、清姫だ……!本物……!」

「はい、私は清姫です!」

 

そういえば今指で触ってる感触は着物だったのか。

着物の上なら胸触ってもセーフだよな?え?アウト?豚箱?

 

「え、えと清姫……なんかゴメン」

「大丈夫ですよ、ますたぁ」

「と、とりあえず降りてくれるかな?」

 

清姫は僕の上に乗っていた。

僕が倒れてる事から察するに召喚と同時に飛びついてきたんだと思う。

召喚の時、手を前に出してたから飛び付いてきた清姫に当たっただけで故意では無いからな!?

 

「ますたぁ……」

「なんだ?」

「私……場所はどこでもいいですわよ?」

「キミハナニヲイッテイルンダイ?」

「ですから……っ!」

 

清姫が喋りながら僕に再び?襲いかかろうとしたがすぐさま辺りを確認し、飛び起きる。

清姫が避けた事で立てるようになった僕は立ち上がり周りを見渡す。

多分僕ら以外周り人いないと思いますよ?清姫さん。

まぁそういう問題じゃないんですがね!

 

「っますたぁ!伏せて!」

「えっ」

 

さっきから「えっ」しか言ってないがほんとに何もわからないんだ。

とりあえずしゃがんでおいた。

 

「どなたですか……私とますたぁの愛を邪魔するイケないお方は……?」

 

清姫さんブチ切れてるじゃないですか。

というか後ろの柱も切れてる気がするんですけど。

……あれ、これもしかして僕の首飛んでた?

 

「外しましたか……」

「まっ!沖田の事だから是非もないよネっ!」

「ノッブは黙ってください!というか援護射撃してください!」

「えぇ〜……めんどい」

「ノッブ!」

 

えっ僕今、沖田総司に首切られかけたの??

というかノッブまで一緒って何この胸熱展開!!

 

「いけね、ついテンション上がってしまった……」

「ますたぁ下がってくださいまし!」

 

清姫が僕の前に出る。

 

「バーサーカーのマスターさん、すみませんが……私のマスターの為に死んでいただけますか?」

「おぉ、沖田お前意外と怖いとこあるんじゃな!」

 

場の空気を壊すノッブ……ノッブらしいなぁ。

 

「だからそんなん関係ねぇ!清姫!逃げるぞ!」

 

自分の心の声にツッコミを入れつつ、清姫の手を引っ張り沖田さんとノッブとは反対側に向けて走りだす。

 

「はぁ……めんどうじゃが仕事するかの」

 

後ろでノッブが呟くと同時に微かに頬が熱くなった。

頬から血が流れる。

織田信長の火縄銃が頬を掠めたのだ。

 

「これ……マジで死ぬくね?」

 

20歳で死ぬとか絶対嫌だ。

なんとしても逃げ切ってやる。

 

「どうするか……あっ清姫、宝具って撃てるのか?」

「はい、ますたぁの魔力を少しいただけますか?」

「魔力?そんなもん持って無いよ!どうすればいいの!?」

「私に力を渡すよう考えていただくだけで結構ですわ……」

「ね、念じればいいんだな!」

 

清姫の宝具でなんとかなるかもしれない、そんな浅い考えしかこの状況では思いつかないのだ。

なんたって本家FGOではうちのカルデアの切り札だからネッ!

絆礼装延焼やけどコンビは強いヨッ!

 

「ますたぁ……受け取りましたわ、貴方の愛……!」

 

目がハートになってる清姫が僕の手を離し立ち止まる。

 

「愛はあげてな」

『転身火生三昧!』

 

ツッコミを入れる前に宝具を発動してしまった。

後、タイミングを逃したので心の中で「やっちゃえバーサーカー!」と言っておいた。

清姫が持っている扇子を掲げ扇ぐと同時に青い炎が渦を巻きながら現れた。

やがてその炎は龍のような見た目になり沖田さんとノッブの元へ向かって行った。

モーションが古い方だな。

 

「綺麗だな……」

 

青色と火属性が好きな僕に取っては宝具も清姫の物が1番好きなのだ。

 

「おろ?ここ本能寺じゃったか?」

「ノッブ!ふざけてないでさっさと出ますよ!」

 

2人の声が炎の向こうから聞こえた。

 

「ますたぁ、私達も外へ」

「あ、うん、暑いしね」

 

大阪城が清姫の宝具で燃やされる日が来るとは思わなかった。

まぁ日本刀で切り殺されかけたり火縄銃で撃ち殺されそうになる日が来るとももちろん思わなかったが。

というか二人とも頭狙い過ぎだろ。

そんな事を考えながら階段を下る。

元の世界へ無事に帰れたらゆっくり大阪城の中入ってみるか、入れるのかな、大阪に住んでるのに知らねぇや。

1つ下の階に降りた。

 

「おっここの窓から外が見えるぞ、清姫」

「えぇ、ますたぁ、もうすぐです」

「貴方達は外へは出られませんよ」

「なっ」

「ますたぁ!」

 

何が起こったか分からなかった。

僕の真横に何か、水色の物が見えた。

水色、袴、沖田総司か。

その後は。

 

「いってぇ!」

 

物凄い音と共に壁に背中を打った。

そしてそのまま壁が崩壊する。

……明るい、外か。

 

「落ちてる気がするんだが……」

 

気の所為ではなかったようでまたも衝撃が僕の体を襲った。

ここは……地面……えっ城から落ちたのか僕。

石段含めたら2階くらいあるんですが……。

 

「いたた……清姫、無事か?」

 

返事はない。

どうやら僕だけ城の外に蹴り飛ばされたようだ。

貴方達は外に出れないって言ってたのに追い出されたのはスルーしておこう、うん。

 

「清姫は、どこだ?」

 

城の方へ目を向ける。

だが清姫の姿も沖田さんの姿も無い。

だが1人、僕の隣に気配を感じた。

 

「動くな、動けば撃つぞ?」

「動けるもんなら動いてますよ……いてて」

 

二階建ての建物から落ちたようなもんだ、身体は動くはずはない。

というか火縄銃を頭に突きつけられてるのにどうして僕は冷静なんだ?

正直嫌いになりそうなレベルでいつの間にか横にいたノッブが怖いが。

 

「ネタキャラにされてるしそのイメージ強いけど、あの織田信長だもんな……」

「おぬし、次喋っても撃つぞ?」

「黙ります」

 

あれ?てかなんで撃たないんだ?何かを待ってる?

 

「ノッブ」

「なんじゃ?」

「なんか待ってたりします?」

「喋ると撃つとワシは言ったんじゃが?」

「申し訳ありませんでした」

 

2分ほど経った。

銃を突きつけられてる側からしたらもう何十分と経った気分だが。

 

「はぁ?こやつは殺すな?……良かったな、バーサーカーのマスター」

 

何?許されたの?

というか殺すなってマスターの命令か?

てかいつになったら銃、頭からよけてくれるの?もう殺す必要ないからよけていいよね?

 

「清姫無事かな……」

「沖田はセイバー、お主のサーヴァントは遠距離型バーサーカー、懐に入れば沖田の勝利は間違いなしじゃ、諦めるんじゃなっ!」

「確かにな……でも清姫なら……なんかいける気がする!清姫!沖田総司なんてやっちまえ!」

 

最優のクラスと呼ばれるほどのセイバーである沖田さんに清姫は勝てるか分からない。

でも僕は清姫を信じる、必ず帰ってくると。

 

「清姫!」

「うるさいぞお主、マスターの命令と関係なくほんとに撃つぞ」

 

ノッブに怯えつつも、燃え盛る大阪城を見ながら叫ぶ。

その声に答えるかのように大阪城の1部が爆発した。

瓦礫が降ってくるがなんとか当たらずに済んだ。

 

「ますたぁ!」

「清姫!」

 

瓦礫と共に大阪城の上の方から清姫が降って来る。

あれ、履いてな

 

「ギャフ」

 

降ってきた清姫が僕の顔に墜落した。

女の子とはいえ成長した人間だ、顔面に落ちればそれなりにダメージは来る。

 

「は、鼻血……」

「ますたぁ、申し訳ありません……」

 

あとを追うように沖田さんも飛び降りる。

ちなみに沖田さんはノッブの横に華麗に着地した。

 

「まさかノッブとか沖田さんだけじゃなく清姫にも踏み殺されそうになるとは思わなかった……」

「沖田!なんでバーサーカーを倒してないんじゃ!?」

「うるさいノッブ!私も必死にやっ……コフッ」

「あーなるほど、そういう事じゃったか……」

 

ノッブと沖田さんがまた夫婦漫才のような会話を再開した。

沖田さんはまた血を吐いてたから清姫を倒しきれなかったのか……なんか沖田さんには悪いが助かった。

 

「あ、てか清姫、無事か?」

「えぇ、ますたぁ、ますたぁの方こそ無事ですか……?」

「良かった……僕は大丈夫だ、色々やばいけど大丈夫……」

 

清姫は顔や腕に切り傷があった。

セイバーとやり合ったんだ、仕方ないのかもしれない、聖杯戦争なら。

怪我してないのに胸が痛む……よくこんなの耐えてたな、士郎達は。

 

「さて、使えない沖田は置いておいて次はわしの番じゃな」

「ノッブサボってたじゃないですか……私もまだ戦えますし」

「好きにするんじゃな」

 

ノッブが僕の頭に付けていた火縄銃を避けて少し離れる。

結果的にまた2対1になった。

 

「バーサーカーとそのマスター、覚悟じゃ!」

「僕は殺さないんじゃ……まぁいい、清姫!なんとか凌いでくれ!」

「えぇますたぁ、私はますたぁの愛があれば戦えますわ!」

「っあーもうなんでもいい!愛でもなんでもくれてやる!早くノッブと沖田さんなんとかして!?」

「わかってますわ、ますたぁ、でもサーヴァント2体を1人で止めるのは……きゃっ」

 

ノッブの火縄銃が清姫を掠める。

 

「大丈夫か!?清姫!僕に出来ることは……あ、令呪、確かスマホに令呪のマークがあったはず!」

 

今まで存在すら忘れていたスマホをポケットから取り出す。

あれだけ吹き飛ばされてよくポケットから出てこなかったなとちょっと思ったりした。

そして起動しているアプリから令呪の項目を選ぶ。

なんとも分かりやすいなこれ。

 

「こんな時にチュートリアル出すな」

「ますたぁ?」

「清姫……令呪をもって」

『そこまでだ!』

「誰じゃ!?」

「おやおや?2対1とは卑怯じゃないかな?」

「ジーク君にマーリン!……後マスター?っぽい人の横にいるのは茶々か?」

「ご名答、清姫のマスター君」

「マーリン喋り過ぎだ、俺にもちょっとは喋らせろ」

「はいはい、マスター少しだけだよ、敵の前なんだからね」

 

あのマスター、ガリガリで弱そうなのにサーヴァントを3体も……

敵なら確実に終わりだこれ。

 

「久しぶりだな、覚えてなければ覚えてないでいいけど加勢に来たぜ、偶然通りかかっただけだが……」

「えっ……ユースケさん……?」

「覚えてたか、それは話が早い、茶々はノッブ、マーリンとジークは沖田総司だ」

「了解だよマスター、少しは頑張るとしようか」

「分かった」

「伯母上覚悟するのじゃ!」

「茶々じゃと!?」

 

あ、ノッブがコハエース顔になった。

気がする。

 

「ツナグ、こっちであの二人を抑えるから早く逃げな」

「ありがと!清姫、行くよ」

「はいっ!ますたぁ!」

 

僕らは全速力で逃げた。

正直さっきのダメージが残ってるから全速力と言っても足を引ずるレベルだが。

エミヤみたいにお姫様抱っこしてもらった方が早い気もするがいくらサーヴァントといえ13歳くらいの女の子にお姫様抱っこされる20歳は見た目が悪い。

という事で全身筋肉痛みたいな状態の僕はゼェゼェ言いながら走った。

背中の痛みを感じながら爆走した。

ていうか僕の名前ツナグじゃねぇ……。

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

辺りを見回しながら走っていたがここは間違いなく現代の日本だ。

ここら辺は久々に来るが何も変わってない。

 

「公園を抜けたか……」

 

大阪城公園を抜け街に出た。

 

「人通りがある方がいいかもしれないな……清姫、ノッブ達はついて来てるか?」

「いいえ、反応はありませんわ、ますたぁ」

「ユースケさんが上手くやってくれてるか……」

 

ユースケさんは僕の知り合いだ。

まぁ実際には最近趣味のプラモ仲間の集まりって事でネットで知り合った人達と集まった時に初めて会ったんだが。

にしてもなんでレイシフトした直後にサーヴァントを2体持ってるマスターと3体持ってるマスターがいるんだ?

チートかなんかか?

 

「清姫、サーヴァントを増やす事って可能なのか?」

「えぇ、それなら……」

「清姫?おい、清姫!」

 

清姫がしゃがみこむ。

 

「大丈夫ですわ、ますたぁ……少し魔力が足りなくなっただけですから」

「ま、魔力?あ、そうか宝具も使ってるもんな、てか供給する方法あるのか?」

「あるにはありますわ…例えばますたぁと接吻……とか」

「……へ?」

「ですから、キス、ですわ」

 

うーん。

これは。

していいものなのか?

 

「一応聞いていいか?清姫」

「はい、なんでしょう」

「……他に方法無い?」

「ありますけれど……接吻が1番魔力供給量が多いですわよ?」

 

なかなか引いてくれないなこの子……

 

「一応言っておくが絆レベル15とはいえ僕と清姫は実質今日会ったばっかなんだよ?それでいきなりは……その……心の準備というものが……」

「……はぁ、わかりましたわ、では私をその端末内に戻してくださいまし」

「端末に戻す……?」

「えぇ、サーヴァントの名前と共に戻るように念じていただければそれだけで結構ですわ」

 

ポケ○モンみたいだな。

とりあえずやってみるか。

 

「清姫、戻れ!」

 

つい声に出てしまった。

僕の声と共に清姫が霊体化と同じように光となって消えていく。

スマホに入れると霊体化とほぼ同じ状態になるって事かな。

 

『ますたぁ』

「おぉ、もう戻ったのか」

 

スマホに清姫が戻り、画面に表示されていた。

 

「戦闘中以外は基本スマホの中で待機って感じか?」

「そうですわね、端末の中で魔力供給も出来ますしサーヴァントの気配も薄く出来ますわ」

 

なるほど、気配を隠せば敵の目の前で奇襲とかも出来るかもな。

 

「もしかしてアサシンは気配消すの得意だったりする?」

「えぇ、気配遮断のスキルを持っているアサシンは特に」

 

これアサシン持ちのマスターとすれ違ったらほぼ確実に死ぬじゃん。

 

「というかこんな街中で立ち止まって独り言、言ってるのもなかなかヤバいやつだしどっか隠れられる場所探すか、まだこの"ゲーム"の進め方とかわかんないし」

 

清姫をスマホに戻す事に成功した僕は隠れ場所を探す事にした。

戦うための清姫なんだろうけど今の僕には清姫に的確な指示を出せる余裕はない。

歩きながらも周りの警戒はしておく、何人のマスターが選ばれているか分からないからだ。

 

「サーヴァント全員分だったらヤバイよな……200人近くだろ……」

 

自分で言っておいてゾクッとした。

 

1度家に帰ろうとも思ったが歩いて行くには遠いしそもそも元の世界と完全に同じかは分からないわけだから家が存在してるかすら分からないのだ。

 

「僕の家、駐車場とかだったらヤダなぁ……」

 

しばらく清姫とも喋りつつ歩いていると堺筋本町駅に着いた。

だいぶ体の痛みはマシになってきている。

元の世界に居た時より回復が早いのは気のせいか?

なんて考えつつ、歩きながらアプリ内で出来ることを調べてみたが令呪の他に地図、このアプリ内でのみフレンドになったマスターとの通話機能と思われるもの、メッセージ機能などが搭載されていた。

現状アプリを閉じる事すら出来なくなってるから地図は助かる。

20年大阪に住んでるくせに地理の弱さから普段移動に使う道以外全くと言っていいほど知らないからだ。

 

「さて、色々分からないことだらけだがどこに行くべきかねぇ……」

『ますたぁ、サーヴァントの反応ですわ』

「な、なんだってぇー!?」

 

調子に乗ってる場合じゃないか、また戦いになるかもしれないしな。

 

「清姫、魔力は?」

『まだ少し足りませんが……戦えますわ』

「そうか」

 

ん、でもまずは仲間にならないか交渉してみるか、仲間がいた方が何かと楽だし僕はゲームとかでも仲間と一緒に戦うゲームの方が好きだし。

ヤンキーとかじゃなければいいなぁ……。

 

「清姫、出てこい」

「はい!貴方の清姫、参上です!」

「相変わらずテンションが高いな……いつもか……」

「ますたぁ、来ましたわ」

「……女の人か、コミュ症発動しませんようにっ!」

 

目の前のビルから女の人とサーヴァントが現れ、こちらへ向けて歩いてくる。

 

「エリザベートバートリーか……」

「ますたぁ下がって」

「いや、交渉してみる、清姫はもしもの為に動けるようにしておいてくれ」

「ますたぁ?危険ですわ……」

「大丈夫だ、なんとかする」

 

こちらも女マスターとエリちゃんへ向けて歩く。

 

「やぁお姉さん、いい天気ですね」

「あんた誰」

 

▼僕は心に深い傷を負った!

 

END……




さぁ、始まりました、始まっちゃいました!

本物の聖杯戦争!!

心に深い傷を負った主人公はどうなってしまうのか!?
主人公の本当の名前はなんなのか!?
エリザベートバートリーのマスターはどんな人物なのか?!
答えは2話で分かります……!多分……

以上ジャガ村アナでした〜
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