Fate/GrandOrder ホーリー・グレイル・ウォー・ターミナル 作:アレア
今回はバトル無しの日常パートです、特異点行ってる時点で日常じゃない!ってツッコミは無しでお願いしますw
ある晴れた日の昼間。
私はバイトをしていた。
いつものお店、いつもの店長。
そしていつもの休憩時間。
いつもと変わらない毎日。
退屈だけど不満はない、そんな毎日。
休憩時間になった私は携帯を取り出しアプリを起動する。
「ふぅ……ようやくFGO出来る……」
配信されているストーリーに追いつく為に進めなきゃ、と思ってアプリ起動したけどお知らせに見覚えのない赤文字を見つけタップした。
少しのロードの後、アプリが勝手にインストールされてそのまま切り替わった。
「ちょっ何これ……バグ?」
開かれたアプリはFGOにそっくりだけどボイス付きで文章が読まれた時点で別物だと私は実感した。
「あれアプリ閉じれないじゃん……嫌いな言峰出てきてるから消したいのに……」
文章が言峰綺礼のボイスで読み終わったと同時に画面が切り替わりサーヴァントが現れた。
私が歌が好きなのと見た目が可愛いという理由だけでお気に入りに選んでいたエリザベート・バートリー。
他に選んでいる理由は特に無かったりするけど。
彼女が出てきたと思ったら私を子ジカと呼び、レイシフトがどーたらとかよく分からない事を言い始めた。
「何言ってんのこの子……」
「あんたの為に言ってんのよ子ジカ!」
レイシフトってゲームの話でしょ、というかまだバイトあるから飛ばされたり寝かされたりすると困るんですけど。
流石にお店で何時間も爆睡はダメでしょ。
「まぁ体は残らないから大丈夫じゃない?」
「それいろんな意味でダメな気がする……」
「それより子ジカ、あたしをここから出してくれない?」
「出すってどうやんの?」
この後のバイトは半分諦めて返事する。
やばい格好(主に胸周辺と角と尻尾)した女の子が私といるの見られるのも嫌だけどここは更衣室だし今は誰も居ないからいいかな。
「この端末を掲げてあたしを目立たせればいいわ」
「意味わからん」
「とりあえずやりなさいよっ!」
「はいはい」
エリザベートに言われた通りスマホを掲げると画面から光が指し目の前に光る輪が3本現れた。
サーヴァントを召喚する時のエフェクトに似てる。気がする。
「ふぅ……やっと広いとこに出れたわ……ありがと!子ジカ!」
「この更衣室そこまで広くもないけど、どういたしまして」
「それじゃ簡単にこの後のスケジュールを説明するわ、よく聞いていてね?」
スケジュールって……アイドルかよ。
「それで……これからレイシフトして……」
エリザベートが五分くらいひたすら喋ってたけどそんな複雑な長い話、ちゃんと聞いても全然理解出来ない、レイシフトとか、まぁエリザベートが真横にいる時点でもうなんでもアリな気がしてきてはいるけど。
「子ジカ、そろそろレイシフトの時間よ」
「えっもう?」
「スケジュールは詰まってるんだから急ぐわよ!」
エリザベートの声が反響しつつ遠くなっていく。
そのすぐ後に周りが暗闇に包まれて青白い渦に吸い込まれるような感覚になった。
レイシフトってこんな感じなんだ。
あれ、コフィンとか要らないの……?
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夢のような何かを見た。
私が私の体から離れてた。
幽体離脱ってやつ?
「子ジカ〜起きなさ〜い!子ジカ〜」
歌のような普通に喋ってるような、よく分からない喋り方のエリザベートの声が聞こえた。
「レイシフト終わった?私生きてる?身体ある?」
「生きてるわよ、子ジカもあたしも、ちゃーんと二人共身体もあるわ」
「はー怖かった、マスターって毎回こんなんなりながらイベント行きまくってんの……やば」
さっき見たビジョンはなんだったんだろ。
まぁ無事だしいいか。
周りの状況を見渡す。
いや、どこよここ。
屋上?
「エリザベート、ここどこ?」
「オオサカ」
「えっ私東京に居たんだけど?というか暗くない?」
「どこにレイシフトするかはアタシ達サーヴァントでも分からないのよ……時間も現実とは違うし」
「じゃあ大阪のどこ?」
「大阪城の近くの雑居ビルってやつの屋上かしら」
「なるほど、そこらへんね……ってなんで屋上……」
「っ子ジカ、近くにサーヴァントの反応があるわ、気を付けて」
「えっレイシフトして早速バトルなの?帰りたいんだけど……」
「降りるわよ、子ジカ」
エリザベートが屋上から降りる階段の扉を開ける。
「はいはい、降りるから」
屋上の時点でなんとなく察してたけど五階建てとはいえ全部階段なのはしんどかったわ。
家じゃなさそうだけど机とか5階に持って上がるの大変そう……とか思いつつ正面玄関を出る。
出てすぐに右を向いたエリザベートが目の前の人影に指を指す。
「いたわ」
目の前にいたのは高校生くらい?の青年だった。
制服着てないけど、見た目年齢……。
とか考えていると相手の方から話しかけてきた。
「やぁおねえさん」
「誰あんた」
「あっ……えっと……」
階段を駆け下りた疲れでふと、思った事をすっと言っちゃったけどめっちゃ落ち込んでるじゃんこの子……。
「えっと、僕は……」
さっきの余裕そうな顔はどこへやら、わたわたしつつ自己紹介しようとする青年。
さてはコミュ症だな?
とか思ってみたりしてたけど。
「私はランサー、エリザベート・バートリー!貴方達の目的は知らないけど、アタシのマスターの前に立ったからには容赦しないわ!!」
唐突にエリザベートが名乗りを上げる。
実はずっと青年の隣にいた清姫ちゃん、の周りに炎いっぱい浮いてる……怖い……。
「うーん……こっちに戦う意思は無いんですけど……戦う気満々です?あ、清姫、君は炎出さないでね」
青年がギリギリ聞こえる程度の小声でつぶやく。
私はとりあえず元の世界?に帰りたいです。
「戦うも何も今レイシフト?って奴やったばっかだしエリザベートの説明イマイチ理解してないから戦う気は無いよ、エリザベートも武器下ろして下がってて」
「分かったわ、いいの?子ジカ」
「うん」
エリザベートを下がらせ青年の話を聞く。
エリザベートが下がった事で清姫ちゃんの炎も少なくなった。
無くならない……のね。
「そうですか、それじゃ一緒に来ます?」
「はい?」
「僕と、僕らと一緒に戦わないですか?って事です、えっと、つまり……」
僕ら?この子以外にもマスターが居るの?それとも清姫ちゃん以外にもサーヴァントが?
「……まぁ正直、仲間といえるかまだ分かんない人ですけどね」
「ん〜、このまま何もせずに倒されるよりはいいかなぁ……いいよ私が役に立つか分からないけど仲間になってあげる」
「ありがとうございます、あ、僕はカケル、Xと書いてカケルです、後こっちはサーヴァントの」
「清姫ちゃんでしょ、可愛いから知ってる」
「うちの子ジカ……マスターは可愛い物に目がないのよ、あたしもこの可愛さで選ばれたんだから」
「はいはい、エリザベートは歌うとうるさいから黙ってて」
「ちょっとぉ!」
あ、私、自己紹介してないや。
「こっちの自己紹介がまだね、私はユリカ」
「ユリカさん、ですね、よろしくお願いします!」
「アンタ達、これから2人で戦うならフレンド登録しておけば?」
フレンド?
「あぁ、フレンドになれば通話して連絡も取れるんですよね」
「えっごめん、それは聞いてない」
「まだ言ってないもの、これから詳しく教えるわ」
私達はすぐ近くにあったカフェに入って
エリザベートと清姫は魔力温存の為に携帯の中に戻ってもらってる。
てかX君に進められて頼んだけどココア甘っ。
「で、X君はこれからどうするの?」
「僕はこれからさっき助けてくれた知り合いと会おうかと思ってます、ピンチだったんでまだフレンドになれてないので連絡取れないんですけどね……あはは」
手を後頭部に置きながらX君が笑う。
「そっか、じゃあ私も特に目的も無いし、ついていこっと、エリザベート、もし戦いになったらX君、助けてあげてね」
「分かったわ、子ジカの頼みなら子イヌ1人くらい守るわ」
「来たばっかだけど時間的にそろそろカフェも閉店ですし行きますか」
「そうね、ココア美味しかったわ、勧めてくれてありがと」
エリザベートの話はあんまり入ってこなかったけどこの世界のお店はスマホに入ってる令呪を掲げればこの空間にいるマスター以外にはお金を払ったという記憶に書き換えられて全部タダらしいから食べ過ぎないようにしなきゃ。
てか紋章?を見せて人を操る……みたいな行為してるしギアスみたいね。
我に従え!なんちって。
「で、その人がいる場所の心当たりはあるの?」
目的地が無いのもなんだから聞いてみる。
「ん〜……分からないですね、大阪城で会って、そのまま別れたんですけど」
「そっか、けどま、サーヴァント3人もいて君を逃がせるって事はそれなりに強いだろうし気長に探しても大丈夫じゃない?」
「えっ……まぁそうですね、マスターは弱そうな見た目してるけどグランドキャスターとバーサーカーがいますしなんとかなりそう……かな」
ぐらんどきゃすたーの方はだいたい察しがつくけどバーサーカーって誰なの、なんでクラス名で言ったのこの子。
まぁそんな事は置いといて、正直言うと休憩時間のお弁当食べてないからお腹空いてたりして。
「大丈夫そうならご飯行かない?カツ丼食べたい!」
「えっ夜中にカツ丼ですか?」
あれ、引かれたかな。
「でも実際の時間だと昼でしょ?多分」
「ま、まぁそうですね、カツ丼屋さん探しましょうか」
というかこの時間に開いてるお店あるのかな、とか思いつつ、ご飯と宿を求め、私達は商店街の奥地へと向かった……。
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しばらく歩いた。
やっぱり閉まってるお店が多いな。
「なかなか無いですね、カツ丼あるとこ」
「うん……もうなんでも良くなってきたかも……」
とりあえずお腹空きすぎて何か入れたい。
「あっ」
「えっ何、敵??」
「あぁ、いえ、この近くにカツ丼あるチェーン店があるの思い出して……チェーン店なら空いてるかと」
ビックリさせないでよ。
「それじゃそこに行きましょ、場所分かる?」
「カツ丼屋だね、分かるとも!……すみません」
「エルキ……じゃなくてえっと…忘れた!もういいや、とりあえずお腹空いたから行こ、腹が減っては戦は出来ぬって言うしね」
「そうですね、行きましょう」
そこからは特に話す事もなく、FGOの話でもしようって事になった。
私はまだ1部クリアしたところだけどX君は1.5部を含めた2部1章までクリアしてるらしい、ツヨイ。
「そういえば美遊当たった?」
「あ〜実はガチャやってないんですよ、欲しいんですけど……そういうサーヴァントに限って出ないんでガチャ禁続行中です」
「ガチャ禁する人と初めて知り合ったかも……私も貯まったら回す派だし」
「あ、僕も貯まった時欲しいサーヴァントいたら回します、すり抜けばっかで本命来ないですけど……」
これから殺し合いするとは思えないくらい2人でのんびり話した。
そしてようやく丼屋のチェーン店に着いた。
「やっと着いた……お腹ぺこぺこ……」
「そうですね、僕もお腹空きました」
「ちゃっちゃと入ってご飯食べて寝床探さなきゃね……」
チェーン店のドアが開くと共にチャイムが鳴る。
特異点にしては再現度高いなぁ。
「カツ丼ください!」
お腹ぺこぺこ過ぎて入って早々注文しちゃった。
「あ、僕もカツ丼、うどんとサラダセットで」
「その見た目でよく食べるのね……」
「あ〜よく言われます……」
X君の体はカツ丼1杯でおなかいっぱいになりそうな見た目だけどほんとに食べ切れるのかな。
なんて考えながらX君と話してるとすぐにカツ丼が出てきた。
さすがチェーン店、早い。
「いただきます」
「いただきまーす」
お腹が空き過ぎてX君より先にお箸をカツ丼に潜り込ませた。
トロトロの卵にお箸が当たり、そのまま突き抜ける。
上に乗ったカツと共に卵から顔を見せたご飯を持ち上げ口に運ぶと、カツを包んでいる卵が舌に触れ、出汁の香りと甘さが口の中に広がった。
「ん〜」
私はその美味しさに思わず唸った。
そしてそのままカツを噛み締める。
カツの中に詰まっていた脂が甘い出汁と合わさって更に美味しい……。
チェーン店舐めてたわ。
「美味し……」
「めちゃくちゃ美味しそうに食べますね……」
「思ったより美味しくてね」
「チェーン店でも最近は侮れないですからね……」
お腹すいてたのもあってお箸が進み、10分くらいでほとんど食べてしまった。
「最後の一口……」
「よく食べるなぁって言ったら怒られるかな……」
Xくんが小声で呟く。
「君の方が食べてるでしょ」
「あ、聞こえてました?まぁ確かにそうですね、これからは食べなきゃやってけなさそうなんで!」
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夜ご飯(昼ご飯?)を食べた私たちはチェーン店をあとにしてまた歩いた。
「さてと、そんなに眠たくは無いけど泊まるとこ探さなきゃね、この世界を探索しようにも夜だと不便だし」
「そう、ですね、ホテルか何か探しましょうか」
こうしてホテル探しの旅が始まるのであった……完。
いや、おわらせないでね。
龍竜かよ、と自分で突っ込んでおく。
さて、ホテルか……大阪久々だからなぁ……。
「X君は近くのホテルは心当たりないの?」
「普段行かないので無いですね、県外ならまだしも」
「まぁそうなるよね……んー」
「あ、そういえばこの近くに1つあったはずです!」
「ほんと?どこどこ」
X君の記憶を頼りに道を進む。
しばらく歩くと、有名なホテルが見えてきた。
「あーここか、入ってみよっか」
「はい」
青く光る看板を見つけた私達はそのビジネスホテルに入った。
けど満室だったので出てきたのであった……完。
いやだからまだ序盤だって。
「なんで日曜日にビジネスホテルがいっぱいなの?何事?」
「さ、さぁ……」
「どーしよ、野宿?」
「僕はいいとしてもユリカさんがダメでしょ、せめてシャワー浴びれるとこじゃないと」
「デスヨネー……確かにシャワーは浴びときたいかも……この世界で運命の出会いとかあるかもしれないしね!」
適当な事言ってみる。
「ん、シャワー……ネカフェとかどうです?」
「ネカフェ?泊まれるの?」
「僕県外に遊びに行った時とかよく泊まってます、深夜だとちょっとだけ安いですしシャワーもあるんで」
「なるほど、盲点だった……ネカフェならホテルより見つけやすいかもね」
作戦変更、ネカフェを探そう……の巻。
とりあえず巻、付けとけばいいやと思っただけです、はい。
「ネカフェならすぐ裏にあったはずです」
「ここなんでもあるのね」
「都会ですからね、東京には負けますけど」
「ネカフェか、ネットで他のマスターがなんか投稿してたりしないかな」
「それはありえますね、まぁ有力な情報があるかは分かりませんけど」
前略、ネカフェに着きました。
「今日、日曜日なのでちょっとお客様がいっぱいでお部屋がひとつしか空いてないですね」
前略、お部屋が足りません。
「どうします?」
「……」
「ほか探しましょうか」
「いや、ここでいいや、同じ部屋の方が何かと楽でしょ、空いてる部屋フルフラットなら二人共座れるだろうし」
「ゆ、ユリカさんがそれでいいなら僕は大丈夫です」
「それではご案内します」
ま、最悪エリザベートも清姫ちゃんもいるしX君いい子そうだから大丈夫でしょ。
店員さんに着いていき49番の部屋に入る。
ふむ、4あわせが9る部屋ですかぁ。
「さて、それじゃまずは……」
「あ、僕ジュース取ってきますね、何飲みます?」
「あー……んー……烏龍茶でいいや」
「了解です」
インターネットを起動し検索する。
検索……なんて検索すれば出るの?
とりあえず聖杯戦争って打ってみよ。
「あ、出た、あれ?Fateの情報が1つもない……」
「ごめんなさい、開けてもらっていいですか」
「あ、うん、ありがと」
「何か情報ありそうです?」
「んーあるにはあるけど無いにはない」
「どゆことですか……」
「いや、聖杯戦争で検索したら出てきたんだけど、この聖杯戦争の事と昔の話だけでFateの事は何も情報が出てこないのよ、あんな全世界で知られてるゲームの情報消せるわけないしほんとに別の世界って事なのかな」
「何も無い……となるとそうなりますね」
Fateが存在しない世界で聖杯戦争してるって事は、この世界に住んでる人がもし普通の人だった場合、ほんとに序盤の衛宮士郎みたいな立ち位置になるって事よね……。
「じゃあ聖杯戦争に巻き込まれたのは僕達マスターだけじゃなく僕達とは別の世界のここの住人もって事ですね……」
「エリザベート、ちなみに一般人からの魔力供給って出来るの?」
「えっそれって」
「えぇ、ルールには載ってないけど事実上可能よ、アタシはマスターが令呪でも使わない限りやる気は無いけど」
「私もそのつもりはない、けどマスターによってはやりかねないって事……」
「アニメとかでも見てられないのにそんな事……させられない」
「そうね、そんな事してるマスターが居たらとっちめてやりましょ!」
「はい!」
ご飯いっぱい食べた後に頭使ったからちょっと眠くなってきた……。
「ごめん、私ちょっと仮眠取るね」
「了解です、おやすみなさい……あ、僕は何もしないので安心してください」
「あ、うん、信じてる」
その会話の後は覚えてない。
多分寝落ちたんだと思う。
明日からは戦いになるかもしれないし気合い入れなきゃ!
END
という事で特にストーリーが進まない2話でした〜←ww
最後に特異点関連のネタ出たけどね
特異点とか世界観の設定はちょこちょこ出していけたらいいなとは思ってたり
地の文で心の声を喋らせてるので目線を別のキャラに変えてみましたw次回はX君に戻ります
3話は正直何も考えてない!5話の方が進んでる!(なんで?)ので更新は遅めかと……
あ、今回は忘れてた……じゃなくて風邪引いて休んでるのでジャガ村アナは出てきません←