Fate/GrandOrder スマホウォーズ   作:アレア

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前回は主人公を変えるスタイルをやってみましたが今回は戻ってX(カケル)君です!
この小説ではちょこちょこ主人公が変わります、というか主要キャラみんな主人公のつもりなのです☆

今回はとりあえずカケルの服が不遇です、ダジャレじゃなくマジで



『女の子と買い物とか実質デートでは?』

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レイシフト初日、今日は7月8日、ネカフェのパソコンで確認したから確かだ。

朝の6時か、早く目が覚めてしまった。

ユリカさんは相変わらず横で仮眠中だ。

 

「今なら二の腕くらい触ってみてもバレ……」

 

いやいや、何考えてる、バレるバレないの話じゃない、ダメだ。

 

「の、喉乾いたしジュース取ってこよう……」

 

とか言い訳言いつつ、この気まずい状況を抜け出すために部屋の外に出た。

自業自得だけど。

 

「あれ、前の部屋空いてる……誰か出たのか」

 

時間に縛られないネカフェあるあるだ。

一応1人で部屋を移るかも考えたがいきなり居なくなるとユリカさんに迷惑かもしれないと思いながら、そのままジュースサーバーまで歩いた。

さて、今後どうしようか、とりあえずユリカさんと僕で2人……いや、あと1人くらいは仲間が欲しいな。

メロンソーダのボタンを押しながら考える。

 

「あ、入れ過ぎた」

 

ボタンを長押しし過ぎて溢れそうになったメロンソーダのグラスを持ちながら部屋へ向かう。

マジでこぼしそう、飲むか。

 

「すっぺ」

 

炭酸って酸っぱくないのになんですっぱいって言ってしまうんだろ……僕だけ……?

まだこぼしそうで怖いからもう一口……。

 

「うわった!」

 

突然背中に違和感を覚え、変な声が出た。

一瞬理解出来なかったけど何かがぶつかったみたいだ。

 

「メロンソーダが服にかかっちまった……」

「すまない……」

 

声がして後ろに振り向く。

にしてもジークフリートにしては小柄だなぁ……。

てかパーカーのフードを被ってるしネッグウォーマー、それに長ズボン……暑くないのか……僕、上着を脱いだ上、元々着てた長袖1枚を腕まくって着てるくらいだぞ。

 

「すまない……」

「あっちょ待っ」

 

どこかへ走っていってしまった……。

というか室内は走っちゃダメだぞ。

またぶつからないといいけど。

 

「流石にネカフェで服は売ってないよな」

 

メロンソーダがかかった服を見ながら呟く。

 

「暑いけど上着羽織って買いに行くしか無いか……ユリカさんにメモだけ書いとこ」

 

49番の部屋のパソコン前にメモを置いて僕はネカフェを出た。

流石に同じネカフェにマスターが居たとしてもこんなとこで戦闘を仕掛けたりはしないだろうしユリカさん1人残しても大丈夫だろう。

 

「さて、と」

 

ネカフェを出たのはいい、けど僕は服に興味が無いから買いに行くことが滅多に無い。

つまりお店の場所がわからないのだ。

 

「どーすっかな……街の人に聞く……のはコミュ症にはキツイ……」

 

外は太陽さんさん、僕は季節外れの上着を着ている。

この状況は誰かに話しかけるより恥ずかしい。

まぁ独創的な緑色の服よりは暑さ我慢した方がマシか。

 

「ん、そういえば清姫は魔力回復したかな」

『えぇ、ばっちり元気満タンですわ』

「そ、そうか」

 

清姫の口から元気満タンとか聞く日が来るとは思わなかった。

ん?そもそも元気満タンってなんだ?元気ってチャージ式だっけ?とかどうでもいい事を考えてみる。

 

「あ、てか、地図も開けたよなこれ」

『これですわね』

 

清姫が端末内から操作して地図を出してくれた。

中からでも操作出来るとか便利かよ。

アニメとかでたまに見るけどこういうの『ハイテク』って感じで好きだ。

未来ずら〜。

 

「ここからだと……近くに2店舗くらいあるな……よし、右の店に行こっか、清姫」

『れっつごーですわ』

「レッツゴー!」

 

清姫の反応に慣れてきてる自分がいる。

僕は地図を見ながら赤い背景に白文字の看板の有名な服屋さんへ向けて歩いた。

 

『ますたぁ、そこを右ですわ』

「ありがと」

 

清姫ボイスのカーナビみたいでこれはこれでいいな……車じゃないけど。

 

『もうすぐ着きます』

「意外と近かったな」

『安珍様!』

 

清姫が叫ぶと共に端末から僕の目の前に飛び出してきた。

「というか僕は安珍じゃなくてXだ」とツッコミを入れる暇は無さそうだ。

 

「どした清姫、敵か?」

「えぇ、前方に魔力反応ですわ……」

 

まだ7時になっていないから人通りもまばらだな。

もしこのまま戦闘になっても前にいるなら奇襲される事はないだろう。

そう思っていた。

 

「デュフフ」

 

ふと、背後に違和感を感じ、咄嗟に前に出た。

 

「ますたぁ、服が」

「うぇ?!冷たっ!」

 

鉤爪のような物が引っ掛かり僕の服が裂ける。

服買いに来たとことはいえ買ってない時に服破れるのはダメでしょ?!

 

「この笑い声……黒髭か?」

「デュフ、正解でござる」

「惜しかったなぁティーチ、あと少しで仕留められたのに」

 

振り返ると目の前に居たのは長い髭にどこかで見たような女の子が描かれたアニメシャツを着た英霊、エドワードティーチ、とそのマスターらしき人物。

というかなんでアニメシャツ着てんだよ、現世謳歌しすぎだろ。

 

「ますたぁ、下がってくださいまし」

「あぁ……」

 

女の子の後ろに隠れるのは気が引けるが清姫の後ろに回り様子を見る。

あ、待って、空気が入る隙間なくて汗だくだった背中が少し涼しい……ありがとう黒髭。

 

「ティーチ、バレちまったから仕方ない、サーヴァントの方を先にやれ!」

 

黒髭のマスターが指示を出す。

マスターの方はぽっちゃり系でチェックの服を腰に巻きメガネを光らせている、所謂オタクファッションてやつだ、多分。

 

「デュフフ、了解でござるよ、竜の娘とか個人的に興味はあるけどマスターの命令だからな、ちゃんと仕事してくるぜ……」

「清姫、来るぞ!」

 

この時僕のスキル、直感B(そんな物はない)が発動し、黒髭が本気モードになったのを感じ取った。

にしても普段の黒髭、見た目と違ってマスターよりもオタクしてんな……。

 

「デュフフ、海賊らしくお宝を頂くぜぇ!」

 

どこかの宇宙海賊が言ってそうなセリフを吐きながら黒髭が清姫に肉薄する。

 

「清姫!かわしてかえんほうしゃだ!」

 

言ってる事が完全に某ポケットのモンスターのセリフだな。

 

「分かりましたわ!ますたぁ……!」

 

あ、ほんとに口から火噴けるんでしたね。

 

「あちちっ」

「何普通に食らってんだ黒髭!」

「この距離でどう避けろっつーんだ……ってお気にのシャツぅ!」

 

清姫の口から吐かれた炎が黒髭のアニメシャツを燃やす。

僕もアニメシャツは買わんがオタクだから分かるが高かったろうに。

 

「いいぞ清姫、その調子だ」

「はい、ますたぁ♡」

 

多分今の僕絶対すごいゲス顔。

多分絶対に。

 

「マスター……すまねぇ、俺はもう戦えない……」

「は?何言ってんだ敵は目の前なんだぞ?」

「お気にのシャツを燃やされて戦えるのか!てめぇは!?」

「……あーうん無理だな、撤退するか」

「デュフ、さすが同志、そうと決まればさらばでござる、龍の娘とそのマスター」

「えっ」

 

いや、何、えっなんだったの今の。

 

「つまりどう言うことだってばよ……」

「戦術的撤退ってやつだ……」

 

メガネをキランと光らせながら黒髭のマスターが答える。

 

「ま、そゆことだから、じゃな!」

「デュフフ、また会うことがあれば本気で殺すからよろ、さてマスター、薄い本でも買いに行くでござるよ」

 

ほんとに何しにきたんだこいつら。

というか自分から仕掛けて来たのにアニメシャツ着てるのは控えめに言って馬鹿なのでは?着替えてから来い。

 

「ほんとにどっか行った……これ僕、服破られた意味あった?」

「お疲れ様です、ますたぁ」

「お、おう、さんきゅ、さて、と服買うか……」

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

清姫と共に服屋に入った。

あんまり来ない店だけどやっぱり系列店が多いだけあってデカイな。

 

「さてと、なんかいい服ないかな、ってもオシャレとか分からんから適当でいいか」

「ますたぁはどんな服がお好みなのですか?」

 

僕が好きな服……わからん。

 

「正直分からんな、清姫がこれだ!と思うの選んでみてくれないか?」

 

今更だけどマスターじゃない一般人もこの世界には存在しているが清姫の角についてはどう思ってるんだろうか、面白い形のカチューシャだなって思ってくれてたらいいな、うん。

 

「私の好みでよろしいのですか?」

「うん」

「分かりましたわ!ますたぁの為に一肌も二肌も脱ぎますわ!」

「うん、頼む、そして着物を脱ごうとするその手を止めろ、その言葉そういう意味では無いから」

 

着物の帯を外そうとする清姫を止めながら服が並べられている棚に視線を戻す。

 

「ますたぁに似合いそうな服……ですか」

「別になければ適当でいいよ」

「こんなのどうでしょうか?」

 

清姫が差し出してきた服は胸の辺りにこれでもかとデカく蛇が描かれたシャツだった。

うーん、蛇で選んだなこいつ。

 

「却下、恥ずかしい」

「まぁ……ますたぁならお似合いだと思うのですが……」

「似合わないと思うな」

「ここの蛇の目の部分のビーズが」

「チェンジで」

「……ちぇ……分かりましたわ」

 

ようやく聞き入れてくれた清姫がまた棚の方に向かう。

舌打ちのような音が聞こえたのは気の所為にしておく。

 

「自分でも適当に見てみるか」

 

この世界ではマスターは基本タダでなんでも買えるらしいし予備も買っておいていいかもしれんな。

 

「ちょっとドクロが派手だがこの黒地にピンクの文字が書いてるの可愛いな、これ買おう」

「ますたぁ」

「いいのあったか?」

「はい!」

 

次に戻ってきた清姫が持ってきた服は龍が描かれていた。

やっぱり自分に関連した動物?の服ばっか持ってくるなこの子。

 

「ま、まぁ龍ならいいかな、ありがと」

「はい!喜んでいただけて清姫ちゃん大勝利!です!」

「某沖田総司に怒られるぞ」

 

ランサーの時公式で言ってるのを完全に忘れて思わずつっこむ。

 

「よし、何着か自分の分買えたし帰るか」

「魔力の反応はありませんわ、無事に服を破られず帰れますね!」

「お、おう、フラグを立てるんじゃあない」

 

もう破られるのは勘弁。

 

「あ、ユリカさんって着替え持ってるのかな、一応無難に無地の服でも買ってくか」

 

適当に近くにあった無地のグレーのシャツをついでに買う。

センスは無い自信があるから無地で許してください。

 

「ところでサーヴァントって着替え出来ないの?戦闘時にパッと着替えれるアレ」

「可能ですわ、元々私の部屋にバスターシャツなら入ってますし」

「運営のセンス……」

 

清姫の宝具がバスターだからバスターなのかな。

清姫はドレス似合うから着て欲しいけど普段ドレス着てる人ってなんだよって感じだしな。

 

「私の部屋、ってスマホの中に部屋があるのか」

「そうです、私専用なのでマスターは入れませんわ、ふふっ触りたくなれば私がそちらへ行けばいい話なので問題は無いですが」

 

ベタベタ触るんでしょ!エロ同人みたいに!

って言ってみたかったから心の中で言ったけど多分ベタベタでは無いな、清姫は。

 

「って何の話だよ、清姫の服も着替えられるならそれも探そうか」

「わーい」

「たまに子どもっぽくなるよな、子供だったか、そうだった」

 

清姫に似合いそうな(センス無いなりに)選んだワンピースを自分の服とユリカさんの服と一緒にレジに持っていく。

多分ここでこんだけ買ったら1万は飛ぶだろうなぁ……恐ろしや。

オタグッズやプラモには金を使えるのに服とかには使えないオタクあるある。

 

「さて、今度こそ帰るぞ清姫」

「はい、ますたぁ」

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

前略、ネカフェに戻ってきました。

時間は8時前になっていた。

 

「あ、おかえり、カケル君」

「ただいまです、起きてたんですねユリカさん」

「うん、結構前にね」

「あっそういえば結構部屋空いてましたけど僕別の部屋行った方がいいですか?」

「え?あー……別にいいよこのままで、もうすぐ出る予定だし」

「どこか行くところあるんですか?」

「んーや、特に、エリザベート達と相談して決めるかな」

「それじゃ、朝ごはんでも頼んで食べながら考えますか」

「そうね、お腹空いたし」

「言っちゃ悪いですけどその体型でよく食べますね……」

「んーなんかすぐお腹空くんだ」

 

しれっとカツ丼を頼みながらユリカさんが答える。

ほんとよく食うな、てか昨日もカツ丼食ってなかったっけ?。

 

「朝から重くないんですか?」

「んー大丈夫!夜食べたから朝食べても問題無いのよ、多分」

 

知らんけど、と言いたそうな顔をしないでください。

 

「さてと、今後どうするか考えますか」

「そうね、エリザベート、どうする?」

『どうすると言われても、あたしは戦う為に呼ばれてるわけだし他のサーヴァントと戦うって選択肢しか浮かばないんだけど』

「そうよね、聖杯戦争しに来てる訳だし、無理矢理とはいえ」

 

話はすぐに纏まった。

 

「あ、そうそう、さっき服買いに行った時黒髭と戦ったんですよ、すぐ撤退しましたけど」

「え、その情報言うの遅くない?」

「すみません、ほかの話してたら楽しくて忘れちゃってて……」

「まぁいいわ、清姫ちゃんは無事なの?」

『はい、わたくしはこのとおり』

 

スマホの中にいる清姫が着物をヒラヒラさせながらニッコリと笑う。

いちいち動きが可愛いからなぁこいつ。

 

「そ、ならいいや」

「黒髭とマーリンのマスター、どちらかともう一度接触して仲間になってくれないか聞けたらいいんですがねぇ」

 

届いたカツ丼とランチセットを受け取りつつ話を続ける。

 

「まだ可能性はあるのはマーリンのマスター、ユースケさん、彼は一応僕の知り合いですからね、会う事さえ叶えば可能性は高いかと」

「黒髭のマスターは初対面の人だったの?」

「そうですね、見覚えも無ければ名前も分かりません、唯一分かるのは戦う気あるのか分からないって事が分かりました」

「それ分かってるの?分かってないの?」

 

ランチセットの食パンをかじる。

やっぱり朝だと誰でもタダのやつだと味気ないな、どうせ令呪でタダだしもっと贅沢すればよかったと後悔した。

 

「ただユースケさんも大阪城にいるとは限らないですからね……」

「そうねぇ、信長と総司にやられてる可能性も無いとは言えないし……ま、とりあえず行ってみましょ、居なければほかの場所探せばいいし!」

「そうですね」

 

朝ごはんを済ませた僕らはネカフェを出て大阪城へ向かった。

 

END

 




どしてここで終わる!?ユースケは?黒髭は!とお思いの貴方、私もそう思います、ジャガ村アナです。
次回!ユースケを探せ!で続きを見られるよ、多分!作者の気分で違うマスターの話をするかもしれないけどな……というか私の出番まだぁ??
あっ、風邪は士ろu……マスターのおかげで治ったぜぃ。

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