「あ"あ"ぁ〜〜いやだよぅ、ブッ飛ばすトコロ見たかったのによぅ」
「あんた大丈夫か?」
柄にもなく膝を地面に着けながら号泣していると、泣いているのが心配になったのか誰かが話しかけてきた。
「うぇ‼︎?あ、はぃすみっ…すみませんでしたぁ」
「ああ…大丈夫そうならいいんだけどさ、でも本当にどうしたんだ?」
会場でいきなり泣き始めたヤバい俺に近づいて来たのは知っているキャラだった。このオレンジ色の髪をサイドテールにまとめた女子は確か拳藤 一佳さんだっけ?あらまぁ…えれぇべっぴんさんだなぁ…。
「はっ…はい、それっ…それが友達と会場別れちゃって…いっ一緒に受ける予定だったんですけど(大嘘)」
「それだけであんなに……? まぁ同じ中学のヤツとは協力出来ないみたいだしさ仕方ないって」
「そっそうですよね、おさっ…お騒がせしてすみませんでした」
「私は別にいーよ、じゃお互い頑張ろうな!」
そう言って彼女は俺から離れていった。やさすぃのぉ流石はB組の姉貴分と言われるだけはある。どう考えても関わっちゃいけない俺にまで手を差し伸べてくれるとは…。それにしてもさっきの俺滅茶苦茶吃りまくってたけど引かれてないかな?
……
うんっ!!気にすんな、きっと大丈夫だ‼︎
やっぱり天羽は‼︎100人乗っても‼︎ダイジョーブ!!!(死にます)
あ、変な事考えてる場合じゃなかった。たしかプレゼントマイクからいきなりスタートの合図を言われるんだったよな、いつ走り出してもいい様にストレッチでもしておこう。
それから数十秒後、なんの脈略もなく響いたスタートの合図を耳に俺は足裏からある程度の高さまで飛び上がるぐらいの空気を出してそこから一気にジェット移動で仮想ヴィランをぶっ倒しに向かった。
「目標発見!ブッコロッ‼︎…」
ドガンッ‼︎という音と共に仮想ヴィランの胴体にジェットナックルを叩きつける。はいはいブッコロスブッコロスコロ助ナリ〜、もうこれで何体目だよ…一々数えるのも面倒くさくなって暴れ回っていたけど、彼等はどんだけ人間の事嫌いなの?機械の反逆か…なんだかDETROITでBECOMEでHUMANって感じ。こいつらにもこいつらなりの戦う理由があるんだろうか…?
だがツブす!!!こっちだって誰かに配慮してる暇はねぇんだ。過去の自分のお茶目な行動によって今回ばかりは絶対に受からなければいけないのだ‼︎へけっ‼︎
確かこの試験で見ているのは直ぐさま状況を把握できる「情報力」
瞬時に現場に駆け付けられる「機動力」
混乱した状況でも落ち着いて冷静でいられる「判断力」
そして説明いらずの「戦闘力」
これらを主に見ていたはずだ、その点俺は個性上機動力は申し分ないし?いつもクールでナイスガイだし?技の考案を先走ってやっちゃうぐらいには戦闘力あるし?情報力は言わずもがな、原作知識と空からの偵察で文句なしだ。
と、余裕をかましていたところ突如地面が大きく揺れ巨大な何かがズシンと足音を立てた。
そう0Pヴィランだ。
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こんなの…敵うわけないっ‼︎
ビルより巨大なロボットを見て拳藤一佳は彼我の力関係を悟った。あれがドッスン?笑わせる、随分可愛い表現をしたものだ。それより今すぐ逃げないと…。
「うっうぅ…だっ誰か」
「‼︎?」
とその時、0Pヴィランが現れた衝撃で瓦礫に挟まったのか、一人の女の子が動けなくなっていた。
「だっ大丈夫‼︎?今助けるから!」
もともと、人が泣いていたり困っていると助けたくなってしまう…つい話しかけてしまう…拳藤一佳はそういう人間だった。
「おいっ!誰でも良い‼︎手伝ってくれ‼︎」
「ふざけんなっ!なんで俺が‼︎他の奴に言えよ!」
「ぐっ…なぁ‼︎あんた!コッチ来て瓦礫をどかしてくれ!」
「嫌よ!何でそんなメリットのない事しなくちゃいけないの‼︎」
だがそんな彼女一人の力だけでは瓦礫を取り除く事は出来ず、周りに助けを呼んでも皆自分が逃げる事に精一杯なのか誰も聞く耳を持たなかった。
助けても自分には何の得もない、1Pにもならないと分かっているからだ…。
それがヒーローなのか?いや違う、少なくとも自分の目指すヒーローとは困っている人を前にして自分だけ逃げ出すような存在ではなかった筈だ。どうやらこの試験では人を助けてもポイントにはならないみたいだが…。
「誰か………誰か…………助けてくれ…」
そんな受験生にも学校にも絶望した思いでいるところ…
「わかった、今助けるよ」
ヒーローが来た。
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「え?………あんたさっきの」
「あぁさっきはありがとうね、遅くなってごめん次は俺が助ける番だ」
どうやら少しだけ泣いていたようで彼女の目元に涙が滲んでいた。彼女はそれに気づくと腕で目を拭いこちらに笑いかけた。
「こっちこそありがと、あそうだ瓦礫どかすの手伝ってくれる?」
「う〜ん…滅茶苦茶カッコつけて登場したばっかりで申し訳ないんだけど、もう時間ないみたい。」
そう言って俺は自分の背後に指を向ける。
「え?時間って……あっ」
「うん来てるね、0Pヴィラン」
「どどどっどうしよう‼︎拙いって!」
クマの○ーさんに出てくるピ○レットみたいに吃る彼女に、少し可笑しくなった。始めに会った頃吃ってたのは俺なのに立場が逆転している。
「拙くない、あいつ倒しに行ってくるよ」
「あいつって…0Pヴィラン!?あんなデカいのに勝てるわけないって‼︎」
「そんなこと無い、それにここ以外にも瓦礫に挟まって動けない人がいるかもだし」
「それは…そうだけど…」
「じゃ行ってくる」
「あ……」
そう言って俺はすぐに向かうべく、現段階最速の両足裏と両手の平からジェットをだすアイ○ンマンスタイルで0Pヴィランへ向かった。
「さぁ〜てと待たせたなぁドッスン君よぉっ‼︎」
0Pヴィランの前に飛び出し周りに人が居ない場所があるかを確認する。やはり他にも動けなくなっている人がいたが、人が居ない空いた空間を見つけた。
「一撃で決めるから覚悟しとけよ‼︎」
スターは持ってないがこいつは俺でも倒せる。思えば緑谷君がこいつをぶっ飛ばす所を見たくて推薦の面接試験を途中でバックれた、みたいな所もあるんだよな…まぁ結局違う会場になっちゃって見れなかったんだけど…。
………
そう考えると許せんっっ!!!!
俺が面接ビビって帰ったのも‼︎それで先生に怒られたのも‼︎全部全部お前のせいじゃねぇかあああっっっ!!!!!!!!!(責任転嫁)
「ジェットレイジッッッッ!!!!」
両足からジェットを使いスピードに乗りながら八つ当たり100%で放った「ツインショット」は新たな技へと昇華し見事0Pヴィランをぶっ飛ばしたのだった。
面接にはビビるが困ってる人にはビビらない主人公‼︎
次回‼︎審査員査定‼︎相澤先生の考えやいかにっ!?お楽しみに‼︎