新たな戦い
ヴィラン襲撃の翌日、学校は臨時休校と成った。頼光はあのあとリカバリーガールの治癒を受けて、一人で歩くのが困難なレベルまで疲弊した、その後、耳郎に入口まで支えてもらい、タクシーで帰った。その日と臨時休校の日は1日寝ていた。そしてさらに翌日にはスッキリ起きれたので朝ごはんを済ませ、学校に登校する。
「よう、出久おはよう」
「あ!豊穣君!身体大丈夫なの!?」
「ああ、リカバリーガールに治癒してもらって昨日一日寝てたからバッチリだ。完全復活ってやつだ」
「もう心配したんだよ!?ヴィランと戦いたいとか言い出すし!何考えているんだよ!?」
緑谷と遭遇し挨拶を交わしたら怒られる始末だった。それに関しては当日しっかりと耳郎に言われたので頼光は、緑谷の言葉を適当にあしらいながら、宥めて席につかせる。
「(流石に耳郎に言ったことを出久に言ったら……まぁ十中八九怒られるか何かはあるだろうな。うおぉぉ想像したくねぇ)」
嫌そうな顔をしながら席に座り、頬杖をつきながら外を眺める。
「皆ーーーーー!!朝のHRが始まる席につけーーー!!」
飯田が前に立ち皆に向かって言うが皆は席に座っている。そう、立っているのは飯田だけである。
「ついてるよ。ついてねーのおめーだけだ」
飯田は渋々席に着いた。頼光はそんなやりとりをしているのを気にもとめず外を見ていた。一昨日の経験を頭で何度も反芻していた。そして教室のドアが開けられ、まるでミイラ見たいに包帯がぐるぐる巻にされた相澤先生が入ってくる。
「おはよう」
《相澤先生復帰早ぇぇえ!!!》
「先生無事だったのですね!!」
飯田がそういうが、どう見たって無事のそれじゃない。よろよろと歩いているし、無事とは程遠いものである。そのまま相澤は教壇に立ち
「まだ戦いは終わってねぇ」
「戦い?」
「まさか……」
「またヴィランが!!?」
そして相澤先生から告げられた次の戦いとは
「雄英体育祭が迫っている!」
《クソ学校ぽいの来たァああ!!》
「待って待って!ヴィランに侵入されたばっかなのに大丈夫なんですか!?」
「逆に開催することで雄英の危機管理体制が盤石だと示す…って考えらしい警備は例年の五倍に強化するそうだ。何より雄英の体育祭は……最大のチャンス、ヴィラン如きで中止していい催しじゃねぇ」
そのあとも説明が続き、雄英高校の体育祭は日本のビックイベント一つでそれは、過去のオリンピックがスポーツの祭典であったように、規模と人口も縮小して形骸化したが、日本においてかつてのオリンピックに代わったのが雄英体育祭となる。プロのヒーローも観るのだ目的はスカウトが主だ。
「時間は有限プロに見込まれれば、その場で将来が拓けるわけだ。年に一回……計三回だけのチャンス、ヒーロー志すなら絶対に外せないイベントだ!」
そして時間が流れて、教室内は盛り上がっていた。
「なんだかんだテンション上がるなオイ!!」
「活躍して目立ちゃプロへのどでけぇ一歩を踏み出せる!」
教室の後ろの方では、切島達が盛り上がっていた。
「皆すごいノリノリだ……」
「君は違うのか?ヒーローになる為在籍しているのだから燃えるのは当然だろう!?」
そう言う飯田は独特な燃え方をしている。そして麗日はキャラがおかしくなるくらいに燃え上がっていた。
「皆!!私!!頑張る!」
「おお!!けどどうした、キャラがフワフワしてんぞ!」
その後更に、放課後まで流れて。教室の周りには、A組以外の生徒が押しかけて出られない状況になっていた。
「何ごとだあ!!!!?」
「出れねーじゃん!何しに来たんだよ」
「敵情視察だろザコ。ヴィランの襲撃を耐え抜いた連中だもんな体育祭前に見ておきてえんだろ」
爆豪は制服のポケットに手を突っ込みながら歩く。峰田は爆豪を指差し震えていた。緑谷はそれに対し「あれがニュートラルなの」と説明する。
「偵察なんて意味ねぇからどけ」
爆豪は睨みながら、どけと言う。すると人混みの奥から声が聞こえる
「どんなもんかと見に来たが随分偉そうだなぁ。ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい?」
「ああ!?」
その言葉に緑谷と飯田ほかメンバーは全力で首を横に振る。そして人ごみを押し退け、気だるげな顔つきの生徒が前に出た。
「こう言うの見ちゃうと幻滅するな。普通科にはヒーロー科落ちたから入ったって奴が結構多いんだ。知ってた?そんな俺らにも学校側がチャンスを残してくれてる。体育祭のリザルトによっちゃ、俺達のヒーロー科への移籍、あんたらにはその逆があり得る。敵情視察?少なくとも俺は、いくらヒーロー科とは言え調子に乗ってると足元ごっそり掬っちゃうぞって宣戦布告に来たんだけど」
堂々と宣戦布告をした普通科の少年、それを見てA組のメンバーは大胆不敵だなと思っただろう。そして、さらに人混みの中から
「隣のB組のモンだけどよぅ!!敵と戦ったっつうから話聞こうと思っていたんだがよ!!エラく調子づいちゃってんなオイ!!!本番で恥ずかしい事んなっぞ!!」
B組の少年も現れて大きい声で勢いよく言う。頼光が爆豪の隣から出て
「宣戦布告も良いけどよぉ、ヒーロー目指してる奴らが、教室前に集まって下校の邪魔してる時点で考えろよ、それはヒーローを目指してる奴らのする事かどうかくらいよ」
大きくため息をつき、髪をかきあげながら、けだるそうにいう。
「んじゃ、俺は保健室に用があるんでな、悪ぃけど退いてくれないか?」
その言葉を聞いた生徒達は、ぞろぞろと道を開ける。
「ありがと」
短く礼を言いながら、頼光は堂々と保健室に向かう。その途中に
「昼休みに訓練室の使用許可は取ったし、あいつも呼んでおかないとな」
知り合いに連絡を送り、連絡端末をポケットに仕舞い、保健室に行く。
「チューー」
リカバリーガールに腕を治癒してもらい完治はした。頼光は腕の感触を試し
「バッチリだ、ありがとなリカバリーガール。おかげでバッチリだ」
「私は保健室の先生だからね、これくらいなんてことないよ。だけど、あまり無理して体は壊すもんじゃないよ」
「わかってますよーっと。失礼します」
立ち上がり、礼を言い頼光は保健室から出ていき許可を取った、練習室に向かう。扉を開けると少年が居た
「よ!ちゃんと来たみたいだな……出久」
「うん、大事な話があるってLI〇Eに送られてきたからね、何だろうかと思って、しかも体操服でって言ってたし」
その少年は緑谷出久だった。頼光が指定した通り体操服で居た。頼光はうんうんと頷き
「話は簡単だ出久、お前まだ個性扱い切れてないよな?」
「う、うん。まだ使う時、調整できなくて」
「でだ、体育祭までのあいだ、俺が手伝ってやる。もちろんただ手伝うなんて俺にメリットはないから、軽く組手をしながらだけどな!」
そう言いながら、頼光は制服を脱ぎ、体操服の姿になる。緑谷は驚いて
「ちょちょ!!待ってよ!豊穣くん!!」
「時間とヴィランは待ってくれないぞ!そら!行くぞ!!」
雷を拳に纏い緑谷との特訓が始まる。