個性把握テストを受けた次の日から、普通の授業が始まる。午前は必修科目の英語等の授業がある。英語の担当はプレゼントマイクだ。
「んじゃ次の英文のうち間違っているのは?おらエヴィバディヘンズアップ、盛り上がれ――!!」
授業自体はとても普通である。生徒の大半は普通だ……と考えたことだろう。頼光は欠伸をしながらもノートに書き写していた。昼は大食堂で一流の料理を安価でいただくことが出来る。頼光はコンビニで買ったサンドイッチを食べ適当に済ませていた。
そして昼からの授業。大半の皆が待ちに待ったヒーロー基礎学の時間。担当の先生は
「わーたーしーがー!!普通にドアから来た!!!」
高笑いとともに教室の扉を開けるオールマイト。オールマイトの登場に皆が盛り上がる。
「オールマイトだ!!すげえや本当に先生やっているんだな…!!!」
「しかもあのコスチューム銀時代のだ!!」
「画風が違いすぎて鳥肌が……!」
意気揚々と教壇に立ったオールマイトは力を溜めるポーズを取りながら
「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地をつくる為様々な訓練を行う科目で単位数が最も多いぞ!!」
今日の課題が書かれたプレートを力強く突き出す。そこには『BATTLE』と書いてあった。
「早速だが、今日はコレ!戦闘訓練!!」
「戦闘……訓練……!」
「そしてそいつに伴って……こちら!入学前に送ってもらった『個性届け』と『要望』に沿ってあつらえた…戦闘服コスチューム!!」
『おおお!!!!』
「着替えたら順次グランド・βに集まるんだ!! 」
『はーい!!!』
そして各自が自分達の戦闘服に着替える。そしてグランドに集結する。
「格好から入る事も大事だぜ、少年少女!自覚するんだ、今日から君達はヒーローだと!」
頼光の戦闘服は黄色と黒を基調としたぴったりとした上着とズボンを着用し、肩にはストールを纏って穴の空いた手袋をつけている。
「要望通りのやつだな」
戦闘服を気に入ったのか楽しそうに呟く。ふと後ろを見ると緑谷が走ってきた。その戦闘服を見て頼光は口元を抑える
「ぷっ……分かりやすいぞ出久」
「わ、笑うこと無いじゃないか。」
「わりぃわりぃ。でも似合ってるぜ」
フゥと息を吐き出久の戦闘服を褒める。出久はありがとうと言う。
「あ、デクくん!?かっこいいね!!地に足がついた感じで」
「麗日さ……うおお……!!」
そこにはSFチックな戦闘服を来てバイザーが着いたヘルメットを被っている麗日が居た。
「えーと、麗日だっけ?すげー戦闘服だな」
「えーと確か、ビリビリ君だよね!」
「ビリビリって……確かに飯田が言ってけど、俺は豊穣頼光だ、出久と勝己…爆豪と同じ中学出身だ、よろしくな。」
「よろしくなー。それにしても豊穣君の戦闘服って凄い軽装やね」
「それ僕も思ったよ、豊穣君の個性は電気系と増強系の複合のはず。服装からそれをサポートする装備があるとは思えないし、でも見ただけではわからない何かが……」
ブツブツと一人で考察を立てていく。頼光は肩を落とし麗日は少し驚く
「出久いつもの癖が出てるぞ。考察もいいが、そろそろ説明とか始まると思うから聞いとけよ」
「あ、ごめん」
「うんうん、良いじゃないか!全員カッコいいぜ!」
「先生!ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか!?」
ロボットみたいな戦闘服に身を包んだ飯田が先生に質問する。
「いいや、もう二歩先に踏み込み屋内の対人訓練さ!!敵退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内の方が凶悪敵の出現率は高いんだ。監禁・軟禁・裏商売……真に賢しい敵は屋内にひそむ!!君らには『敵組』と『ヒーロー組』に別れて二対二の屋内戦を行ってもらう!!」
「勝敗のシステムはどうなっているのでしょうか?」
「ぶっ飛ばしても良いんすか?」
「また相澤先生みたいな除籍とかは‥‥?」
「別れ方とはどのように決めるのでしょうか?」
「んんん〜〜〜聖徳太子ィィ!!」
オールマイトはポケットから紙を取り出しそれを見る
「状況の設定だが、『敵』が『核兵器』を隠していて『ヒーロー』はそれを処理しようとしている!『ヒーロー』は制限時間内に『敵』を捕まえるか『核兵器』を回収する事。『敵』は制限時間まで『核兵器』を守るか『ヒーロー』を捕まえる事」
そう説明しどこからともなく箱を取り出し
「コンビ及び対戦相手はクジだ」
「適当なのですか!?」
飯田がツッコミを入れるが
「プロは他事務所ヒーローと急造チームアップすることが多いし、そういうことじゃないかな?」
と考えられることを言う。それを聞いた飯田は
「そうか!先を見据えた計らい…失礼しました!」
オールマイトは笑いながら左拳を突き上げ
「いいよ!!早くやろう!!」
そして、クラス全員がクジを引く。頼光は『I』というクジを引いて尾白猿夫という生徒とコンビになった。そして第一戦目はヒーロー側は緑谷出久と麗日お茶子に対してヴィラン側は爆豪勝己と飯田天哉となった。頼光はその組み合わせに眉をひそめた。クジによる組み合わせで決まったため運なのだが、早速あの二人がぶつかると思うと頭が痛いものだ。
「(まじかよ、いきなり何でもあの組み合わせかよ。勝己の事だから、あんなに無個性とバカにしてた出久が実は個性がありました、なんて思えば、見下してたと解釈しかねぇよな) 」
大きくため息をつき頭を横に振る。いざ訓練が始まると。派手で危険なものとなった。怪我を恐れるなとオールマイトは言っていた。言っていたが爆豪の緑谷を殺さんとする勢いで攻撃し建物の一角を吹き飛ばすほどの爆破をも使って緑谷を追い詰めたが。緑谷と麗日は機転を利かせて、緑谷が下から拳を突き上げその衝撃でう麗日のいる所まで衝撃を貫通させ、麗日が瓦礫を柱で打ち、飯田が怯んでいるスキに核兵器に回収タッチする事に成功。緑谷・麗日チームの勝利となった。
そして第2戦はヒーロー側は轟焦凍と障子目蔵に対してヴィラン側は豊穣頼光と尾白猿夫だ。訓練だが実践の気持ちでやるように言われた、が先程の訓練の様子を踏まえてやりすぎないようにと注意も促された。そして頼光は建物内へ入る。そこでコンビの尾白が話しかけてくる。
「よろしくな、豊穣。俺の個性は見ての通り『尻尾』だ、あとは武術に心得がある。前衛は任せてくれ。豊穣の個性はなんだ?上鳴と似た個性と言うのは分かるんだが……」
「俺の個性は『トール』北欧の神様と同じ名前の個性だな。簡単に言えば、雷と力自慢だぜ」
「複合個性か!それにしても神と同じ名前の個性って強個性じゃないか!」
頼光の個性を聞いて驚く尾白。それよりも、と言い言葉を続ける
「対戦相手だが、轟と障子だったよな。取り敢えず、やる事は各個撃破だ、俺達はコンビとなってるが、そこまで互いを知ってるわけじゃねぇからな。轟の個性は昨日のやつを見る限り、分かるよな?」
「ああ、氷とそれを溶かしていたから熱もあると考えた方がいいな、障子は腕を増やして握力測定500kg出てたよな」
頼光は尾白の言葉に「うん?」と?を浮かべる
「待ってくれ尾白。轟が氷を溶かしていたのか?」
「見てなかったのか?左手で溶かしていたぞ?」
頼光はそれを聞き面白いことを聞いたと言う表情を浮かべる。
「轟は氷も使えて溶かせるのか、熱関連の個性か?……ヒーローチームに核を回収されないようにしないとな……核……。尾白!初手の氷には気をつけろ!氷なら核に特にダメージなく俺たちを無力化できるはずだ!」
「わ、分かった!」
面白がっていた表情は消え、真剣な表情で尾白に危険を伝える。尾白もそれを分かったと言う。その直後建物が凍る