「敵ンン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるだろ!」
上鳴が思わず言う。確かにヒーローの学校に襲撃してくるのはどうかしているだろうが、そこが問題じゃない。侵入したというところが問題なのだ
「先生侵入者用センサーは!」
「もちろんありますが……!」
そう警報音が鳴らないのだ。平常ならこういう事態になれば警報音がなるはずなのだ。マスコミが流れこんできた時のように、だが今それが鳴らないという事はそれを妨害する個性を持つ人物が向こうにいるということだ。轟は広場の方を見ながら
「現れたのはここだけか学校全体か……何にせよセンサーが反応しねぇのなら、向こうにそういうことが出来る個性がいるってことだな」
「だよな、校舎と離れた隔離空間にそこに入るクラス。あいつらはバカだろうけど、ただのバカじゃねぇよな。目的を以て用意周到に来てんだろうからよ」
頼光も轟の読みに同意見と言いながら、敵を観察する。
「13号避難開始!学校に連絡試せ!センサー対策も頭にある敵だ電波系の個性が妨害している可能性がある。上鳴お前も個性で連絡試せ」
「っス!」
相澤先生は的確に指示を出して、階段の方に歩く。首にある捕縛武器に手をかける
「先生は!?一人で戦うんですか!?あの数じゃいくら個性を消すって言っても!!イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は……!!」
緑谷はヒーローの事をよくまとめている。それでイレイザーヘッドの戦闘スタイルも分かるんだ。だが相澤先生は
「一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号、生徒を任せたぞ」
そういうと相澤先生は階段を飛び降り、大勢の敵へと真っ直ぐに向かう。個性を消されて混乱している敵を捕縛武器で絡め取り、更に打撃を与えて次々に沈黙させていく。消せない異議型も素手と捕縛武器で黙らせていく。
「すごい…!多対一こそ先生の得意分野だったんだ」
「分析してる場合じゃない!早く避難を!」
「(あの武器と先生の個性……多対一が得意分野じゃねぇだろ。俺が考えるに……先生は正面切っての集団戦は好かない筈だ。生徒の俺達を安心させるためか、流石はプロヒーローだ)」
先生の考えを察したのか頼光は戦っている光景を見ていた。飯田に急き立てられ頼光は緑谷と並走しながら避難する。しかしその途中正面に黒いモヤが立ち塞がる
「初めまして。我々はヴィラン連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴、オールマイトに息絶えて頂きたいと思っての事でして」
敵連合と名乗るモヤが告げたのは衝撃的な事だった。オールマイトを殺しに来たというのだ。敵がここまで用意周到に襲撃してきたのだからその目的を達成させる算段をつけているはず、そう目的がオールマイトを殺すということであれば、それを出来るということにも繋がるのだ。
「まあ、それとは関係なく私の役目はこれ」
モヤが何かをしようとするが、その瞬間先手必勝とばかりに切島と爆豪が攻撃を仕掛ける。そこは13号の射線上でもある
「その前に俺たちにやられる事は考えてなかったか!?」
「ダメだ!どきなさい2人とも!」
「危ない危ない。そう、生徒といえど優秀な金の卵。散らして、嬲り、殺す」
二人の攻撃はまるで聞いている様子もなく、モヤは広がる。そしてそのモヤは生徒を飲み込む。
――USJ・山岳ゾーン――
黒いモヤにより頼光は移動させられた。そこは山岳ゾーンと言われる施設の一角だ。だが飛ばされたのは頼光以外にもいる
「なに……どうなったの?」
「ここは…?あ、豊穣さん!」
「あ、豊穣!お前もここにいたか!」
「耳郎に八百万それに上鳴もここに飛ばされたのか」
四人は合流を果たした。だが悠長に話している時間はない
「おっ? 来たぞ来たぞ!!」
「獲物の登場だ!」
敵に囲まれていた。頼光達にヴィラン達が周囲を囲んでいる完全包囲。完全に敵の策にはめられたようだ
「囲まれてんぞ!?」
「マズくない……?」
「えぇ。先程のヴィランの個性はワープの類だったのでしょう、罠に掛かってしまいました…」
「散らして殺すの意味はこういう事ね」
四人は死角を無くすために背中を合わせる。かなりの数を揃えるが仮に一人一人が弱かったとしてもかなりの数がいるから厄介、八百万は素早く個性で武器を精製し、自分と耳郎がそれを手に持った。
「ちょ!俺にもなんか武器を作ってくれ‼︎」
「そうしたいのは山々なのですが…」
「流石にもう隙がないよ」
「まじかよ!?俺いまジャミングしてて録に戦えねぇぞ!?」
そんなことを話していると、頼光は敵に歩み寄る。
「なんだ?怖くて頭がおかしくなったのかな?」
「関係ねえ、殺っちまうぞ!」
その声とともに敵二人が頼光に襲いかかる。
「お、おい豊穣!?」
「豊穣さん!?」
「豊穣!?」
三人が頼光の方を見る。頼光は口角を上げ。襲い来る二人の敵を蹴りで一蹴する。
「ぐあ!?」
「ぬああ!」
その蹴りは並の威力ではなく壁に激突しめり込む。敵はそれを見て固まる。三人もそうだった。当の本人は両手を広げ言う
「さぁ、始めようぜ敵。まどろっこしい事は言いっこなしだ。俺が一人でお前らの相手をしてやる」
自らの力を誇示する格好で言い放つ。その表情は楽しそうに笑っていた。敵もそこまで言われて黙ってるわけもなく
「やってやる、やるよ!この糞ガキ!」
「後悔して泣き叫んでも知らねぇからな!ぶっ殺してやる!」
一斉に襲いかかってくる。頼光は拳を握り、雷を纏い歩く。
「ああ、楽しませろよ敵ちゃん!」
敵の攻撃を最低限の動きで躱し、拳を叩き込んでいく。敵は剣みたいな武器を頼光に振り下ろすが、頼光の指先から出た溶断ブレードがそれを切断する
「なに!?」
「はっ!甘いぜ!」
その敵の手首を掴み、引っ張り寄せ殴り抜く。敵は頼光のスキのなさに標的を変えようとする
「俺らヤベェんじゃねぇか⁉︎」
「なら俺はそこにいる三人を!」
「おっと、させると思うか?」
右手のより溶断ブレードを出す。それは爆音が炸裂した。五指から伸びる溶断ブレードが、一気に二十メートル以上に伸長する。それだけで空気が膨張し、烈風のようなものが撒き散らされる。それを敵の目前めがけて振り下ろす。
「ヒィィィィィィィ!?!?逃げろ!!」
敵の声を皮切りに、その溶断ブレードから逃げるように回避する。その衝撃により敵は吹き飛ばされ、地面にたたき落とされる。追撃で三人に及ばないように雷を放ち、敵を気絶させる。
「す、すごいですわ」
「これが、豊穣の実力」
「本当に一人で片付けてしまったぞ、あいつ」
その惨状は、一つの嵐が過ぎ去ったかのように静まり返っていた。その中心で頼光は立っていた。
「片付いたな。よしみんなに合流しようぜ」
頼光は三人に声をかける。三人はハッとして
「え、ええ。皆さんと合流しましょう」
「そ、そうだな。他の奴らも心配だし」
「うん、他のところの救援する為にも行こう」
「それでは、一度広場に行くのはどうでしょうか?」
八百万の意見はこの施設の中心は広場なのだからだ。そこからだと、13号やほかの散らされたクラスのメンバーとの合流のできるかもしれないから、目指すべきというものだった。ほかの三人もその意見を聞き行くこととなった。広場近くに来た時有り得ないものを見た。
「なっ……!」
「ウソ……」
「相澤先生……」
「………」
そう、相澤先生が脳の剥き出しになった敵にやられていたのだ。
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