僕、湊天多の朝は早い。
両親は朝早くに仕事に行く為、朝の家事はほとんど僕と綾乃でやることになっている。
当番は日替わりで、今日は僕の番だ。
「おーい、綾乃!朝だぞー!」
家事もそうなのだが、僕の役目のひとつに妹を起こすというのがある。
僕は朝が強い方なのでいつも同じ時間に起きれるのだが、綾乃はそうはいかない。
だから基本的ないつも起こしている。
「兄さん……あとちょっと……」
「はぁ……」
相変わらず朝弱いな、我が妹よ……
「綾乃さーん?起きないと朝ごはんの時間ないぞー?」
お、ようやく起きた
「うぅ……おはよう兄さん…」
「うんおはよう、顔洗っておいで、そしたら朝食にしよ」
「うん………」
朝はだいたい綾乃と英斗の三人で登校している。
だが、だいたい話すのは僕と英斗だけだ。
「もう2週間で期末試験か」
「もうそんなに経ったのか、勉強始めなきゃだね」
「兄さん達は、特に勉強しなくても上位取れるでしょ……」
綾乃が会話に入ってくるとは珍しい。
「まぁな」
英斗が得意げに笑う
「僕の目標は英斗に勝つことだよ」
「俺の目標も天多に勝つことだ」
「ホント…二人とも負けず嫌い…」
綾乃は成績はいい方だが上位という訳でもない。
全体の上位30%に入るぐらいだ。
そうこうしていると学校に着いたため、綾乃と別れようと思ったら。
「兄さん……英斗くんも、ちょっと話したいことがあるの……」
「ん?」
「どした?」
珍しいこともあるものだな。
「私……今日良くない夢を見た……なんか二人が心配で怖いの……」
なんだ、夢の話か。
「大丈夫だよ綾乃、夢なんて所詮夢さ」
「そうだぜ、それよりも綾乃ちゃんも気をつけろよ!」
「……何を?」
「綾乃ちゃん可愛いから、変な男寄ってこないか英斗お兄さんは心配なんだよぉ」
おいこら英斗、人様の妹に……
「……私、クラスにいても気づかれないから……」
ちょっと綾乃さん、朝から空気が重いんですが。
「………なんかごめん」
やめて英斗、謝らないで、僕が妹を見れなくなる……
「……っ、とりあえずじゃあね兄さん、英斗くん、また放課後」
流石は我が妹、色々と悟ってくれて感謝。
「おう、また放課後な!」
「じゃあね、綾乃」
教室に着いた僕らは自習から始める。
既に居るクラスメイト達はそれぞれ雑談していたり、スマホを触っていたり、僕らのように自習していたりしている。
「おっはよー!」
その声に、教室内に居る男子が皆扉の方を向いた。
委員長であり、クラスのアイドル、「村棚 香波(むらだな かなみ)」だ、容姿端麗、誰にでも好かれやすく優しい人物であり、リーダーシップもある非の打ち所のない人物だ。
でも僕はこのクラスメイトが苦手だったりする。
クラス内でも英斗ぐらいとしかまともに話すことのできない僕にとって、彼女は会話のハードルが高すぎるのだ。
なんか会話しようとすると後光まで見えて逃げちゃうんだけど……
「おっはよー!英斗くん!」
「おーっす村棚!今日も元気だなぁ」
英斗のこういう部分はホントに尊敬するよ。
「あははっ、今日のかに座は一位かだったからね!湊くんもおはよう!」
「あ、うん、おはよう、村棚さん……」
「相変わらず声小さいねぇー!」
うっ、言葉の矢に貫かれた。
嵐のような彼女は去っていった。
「天多、もう少しコミュニケーション取れるようにしないのか?」
「うーん、頑張ろうとは思うんだけど、やっぱり人を前にすると怖くて……」
英斗は僕を心配してくれている、なんてできた親友なのだろうか。
「あ、そろそろホームルーム始まるから席につこ」
「そうだな」
こうして、今日も一日が始まる。
と、思っていた。
ホームルーム開始の鐘から既に10分経った。あと10分で一限目が始まってしまう。
まぁ、一限は物理だから担任の佐伯先生がそのまま担当するから大丈夫だと思うけど。
そしてさらに10分経った。
クラス内はザワザワして落ち着きが全くない。
「ちょっと私、先生呼んでくるね!」
村棚が教室を飛び出した。
__________
「先生遅いなぁ」
私、村棚香波は佐伯先生を呼びに行くことにした。
クラス委員には色々な仕事がある。
授業を忘れている先生を、職員室まで行って呼びに行くのもひとつの仕事だ。
「うわ、なんか変な匂いする……」
廊下ってこんなに変な匂いしたっけ……?
早く職員室行かないと…
すると目の前に横たわる人影が見えた。
「えっ」
ただの人影だったらそこまで動揺しないのだが、横たわっていたのは探していた佐伯先生だったから私は驚いた。
さらに佐伯先生の頭から出ている赤い液体を見て腰を抜かした。
「え……これって……え、血……?」
鉄のような匂い、ケチャップとかじゃない、間違いなく血だ……
どうして……?
とりあえず先生を教室に連れてかないと…
すると数メートル先にに小柄な人影が見えた。
「だ、誰!?」
「ーーーーーー!」
何を言ったかは聞き取ることができなかった。
しかし、いきなり私の方向に直径二十センチ程の石が飛んできた。
咄嗟のことに反応できなかった。
石はそのまま私のおでこに直撃!
痛った……くない?
あれ?
打ってきた身長百五十センチ程の人もなんか凄い動揺しているみたいだ。
それから、彼は石とか泥とか私に沢山ぶつけてきたが、私は痛いどころか汚れすら付かなかった。
とりあえず先生を連れて教室へ戻らないと……
読んでいただきありがとうございます
週一ペース、できればもう少しって感じで更新できるように頑張ります……