呪われた少年の暗殺ライフ   作:楓/雪那

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第7話:支配者の時間

クソみたいな集会が終わって数日後…

 

 

「「「「「さて、始めましょうか」」」」」

 

 

30体くらいに分身した殺せんせーがそう言った。

 

 

…何を?

 

 

「学校の中間テストが迫って来ました。」

「そうそう。」

「そんなわけでこの時間は」

「高速強化テスト勉強を行います。」

「先生の分身か一つずつマンツーマンで」

「それぞれの苦手科目を徹底して復習します。」

 

 

 

最高速度マッハ20だから出来る所業だな。ありがたい限りだ。

 

 

「下らね…ご丁寧に教科別にハチマキとか」

 

 

そう言う寺坂を担当する殺せんせーは某忍者漫画の木の葉マークのハチマキをしてる。

 

「何で俺だけNARUTOなんだよ‼︎」

「寺坂君は特別コースです。苦手科目が複数ありますからねぇ」

 

「じゃあ殺せんせー、何で俺は漁師スタイルのハチマキなの?」

「漣君はこの学校でのテストのデータがありませんので、大漁(・・)得点の祈願ですよぉ」

「「…うっわ、寒っ」」

「ニュヤッ⁉︎漣君どころかカルマ君まで⁉︎」

 

文章じゃなきゃ分かりにくい親父ギャグやめてくれない?

 

 

そして特別授業が始まる。

国語6人、数学8人、社会3人、理科4人、英語4人、NARUTO1人、漁師1人。

ちょっと前まで3人くらいが限度だったらしいが、今はクラス全員分にまで増えてる。

殺せんせーが進化し続ける…この事実はなかなか厄介だけど、テスト前には心強い存在だな。

 

 

その時、殺せんせーの顔がいきなりCの形に変化した。

何事かと思い横を見ると、カルマが対先生ナイフで殺せんせーの顔を狙っていた。

 

「急に暗殺しないでください、カルマ君‼︎」

「それ避けると残像が全部乱れるんです‼︎」

「意外と繊細なんだ、この分身‼︎」

「へぇー、それはいいこと聞いちゃったなー」

「ニュヤッ!?漣君も!?やめてください‼︎」

「いやいや」「こんなに面白いのが目の前にあって」「やめるわけないでしょ?」「ねぇ、先生?」

 

 

 

((((漣がカルマに近づいてきている‼︎))))

 

 

 

「ところで先生、こんなに分身して体力もつの?」

「ご心配なく。1体外で休憩させてますから。」

「必要か、その分身⁉︎」

 

 

…この教師は少し力の使い方を履き違えている気がする。

 

 

 

 

 

放課後

 

 

 

「君が漣奏君、だね?」

「…あなたは…」

 

分身しても変わらない分かりやすさだったな、なんてことを考えて帰っていた時、急にその人は現れた。

 

 

「浅野理事長…」

「こうして会うのは初めてだね。君のことは聞いているよ。」

「…聞いているってどこまでですか。」

「別に大したことじゃないさ、君のお父上が言ってたことくらいだよ。」

「そうですか…」

 

父さんが話したってなると、経歴くらいか。

 

 

椚ヶ丘学園理事長 浅野學峯

創立10年でこの学園を全国指折りの優秀校にした敏腕経営者。

 

 

実際に会ってみると、最初の人が良さそうなイメージは結構変わる。表情は穏やかだが内面は黒い。まぁそうでもなきゃ「E組」なんて制度作らないわな。

 

 

「…用があるのは担任の方ですよね?たかがE組の一生徒に関わる必要なんてないでしょ?」

「確かにそうだが、君と話をしない必要もないよ」

「…どういう意味ですか?」

「ただの興味だよ。新しい編入生に呪術師というのがどういうものか聞きたくてね」

「白々しいですね。貴方みたいな人が呪術師になんて興味持たないでしょう?合理的じゃない。」

「ははは、これまた随分嫌われているようだね。」

「そりゃあ、あんな差別活動見せつけられたらね。貴方のやり方は経営者としては素晴らしいが、人としては納得いかないので。それじゃ」

 

 

そう言い捨てて、俺は去っていく。…理事長相手になかなかマズいことしちゃったなぁ、後悔はしてないけどさ。

 

 

百々目鬼(とどめき)

 

 

俺は術式を唱え、単眼のオタマジャクシみたいな呪霊を呼び出す。

この術式は最大40体くらいまで同じような姿形の呪霊を介して、の視覚と聴覚を共有することができる、偵察や探知などに使うものだ。数を絞れば微力だが呪力を飛ばすことができる。

 

 

今回は1体だけ出して、理事長に憑けさせる。殺せんせーとの話の内容が気になるからだ。

 

 

 

しばらくして理事長と殺せんせーの対談が始まった。ちなみにあのタコは理事長のことを知らなかったらしい。今全力でもてなして、機嫌をとって給料を上げて貰おうとしている。殺せんせー、しっかり給料もらっていたのね。

 

「貴方の説明は防衛省やこの烏間さんから聞いていますよ。まぁ私には…全て理解できる程の学は無いのですが」

 

ほんと白々しいな。決して本校舎の生徒みたいに嫌な人って訳じゃなく、基本善人なのが余計に気に食わない。

 

 

 

「なんとも悲しい生物(おかた)ですね。世界を救う救世主となるつもりが、世界を滅ぼす巨悪と成り果ててしまうとは。」

 

 

 

…今なんて言った?殺せんせーが救世主?

 

 

 

「…いや、ここでそれをどうこう言う気はありません。私ごときがどう足掻こうが地球の危機は救えませんし。よほどのことが無い限り私は暗殺にはノータッチです。」

 

…今その意味を考えても仕方ない。保留だ。

 

「…しかしだ。この学園の長である私が考えなくてはならないのは…地球が来年以降も生き延びる場合、つまり仮に誰かが貴方を殺せた(・・・)場合の学園の未来です。率直に言えば、E組はこのまま(・・・・)でなくては困ります。」

 

「…このままと言いますと、成績も待遇も最低辺という今の状態を?」

「…はい。働き蟻の法則を知っていますか?どんな集団でも20%は怠け、20%は働き、残り60%は平均的になる法則。私が目指すのは5%の怠け者と、95%の働き者がいる集団です。」

 

…いや無理だろそれは。仮に出来るとしたら教育改革くらいしないと不可能じゃないのか?…いや、だからE組なのか。

 

「『E組のようにはなりたくない』、『E組にだけは行きたくない』、95%の生徒がそう強く思う事で、この理想的な比率は達成できる。」

「…なるほど、合理的です。それで5%のE組は弱く惨めでなくては困ると。」

「今日D組の担任から苦情が来まして、『うちの生徒がE組の生徒からすごい目で睨まれた』、『殺すぞ』と脅されたとも。」

 

…もしかしてあれか?渚の(あの)事言ってるのか?だとしたら捏造もいいところじゃないか?

 

「暗殺をしてるのだから、そんな目つきも身に付くでしょう。それはそれで結構。問題は成績底辺の生徒が一般生徒に逆らう事。それは私の方針では許されない。以後厳しく慎むよう伝えて下さい。」

 

そう言った理事長は出口に向かいながら、ポケットから知恵の輪を取り出し殺せんせーに向かって投げ渡す。

 

「殺せんせー、1秒以内に解いて下さいっ」

「えっ、いきなり…」

 

 

1秒後

 

 

全身の触手に知恵の輪が絡まった殺せんせーがいた。どうしたらそうなる。

 

「…噂通りスピードはすごいですね。確かにこれなら…どんな暗殺だってかわせそうだ。でもね殺せんせー、この世の中には…スピードで解決できない問題もあるんですよ。」

 

そう言い理事長は今度こそ職員室から出て行った。

 

 

その後理事長は覗いてた渚に「中間テスト、頑張りなさい。」と言ったが、とても乾いていた言葉だった。

 

 

そして殺せんせーは…どこか燃え上がっていた。




何気初術式 百々目鬼

詳細は後にまとめます。
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