クソみたいな集会が終わって数日後…
「「「「「さて、始めましょうか」」」」」
30体くらいに分身した殺せんせーがそう言った。
…何を?
「学校の中間テストが迫って来ました。」
「そうそう。」
「そんなわけでこの時間は」
「高速強化テスト勉強を行います。」
「先生の分身か一つずつマンツーマンで」
「それぞれの苦手科目を徹底して復習します。」
最高速度マッハ20だから出来る所業だな。ありがたい限りだ。
「下らね…ご丁寧に教科別にハチマキとか」
そう言う寺坂を担当する殺せんせーは某忍者漫画の木の葉マークのハチマキをしてる。
「何で俺だけNARUTOなんだよ‼︎」
「寺坂君は特別コースです。苦手科目が複数ありますからねぇ」
「じゃあ殺せんせー、何で俺は漁師スタイルのハチマキなの?」
「漣君はこの学校でのテストのデータがありませんので、
「「…うっわ、寒っ」」
「ニュヤッ⁉︎漣君どころかカルマ君まで⁉︎」
文章じゃなきゃ分かりにくい親父ギャグやめてくれない?
そして特別授業が始まる。
国語6人、数学8人、社会3人、理科4人、英語4人、NARUTO1人、漁師1人。
ちょっと前まで3人くらいが限度だったらしいが、今はクラス全員分にまで増えてる。
殺せんせーが進化し続ける…この事実はなかなか厄介だけど、テスト前には心強い存在だな。
その時、殺せんせーの顔がいきなりCの形に変化した。
何事かと思い横を見ると、カルマが対先生ナイフで殺せんせーの顔を狙っていた。
「急に暗殺しないでください、カルマ君‼︎」
「それ避けると残像が全部乱れるんです‼︎」
「意外と繊細なんだ、この分身‼︎」
「へぇー、それはいいこと聞いちゃったなー」
「ニュヤッ!?漣君も!?やめてください‼︎」
「いやいや」「こんなに面白いのが目の前にあって」「やめるわけないでしょ?」「ねぇ、先生?」
((((漣がカルマに近づいてきている‼︎))))
「ところで先生、こんなに分身して体力もつの?」
「ご心配なく。1体外で休憩させてますから。」
「必要か、その分身⁉︎」
…この教師は少し力の使い方を履き違えている気がする。
放課後
「君が漣奏君、だね?」
「…あなたは…」
分身しても変わらない分かりやすさだったな、なんてことを考えて帰っていた時、急にその人は現れた。
「浅野理事長…」
「こうして会うのは初めてだね。君のことは聞いているよ。」
「…聞いているってどこまでですか。」
「別に大したことじゃないさ、君のお父上が言ってたことくらいだよ。」
「そうですか…」
父さんが話したってなると、経歴くらいか。
椚ヶ丘学園理事長 浅野學峯
創立10年でこの学園を全国指折りの優秀校にした敏腕経営者。
実際に会ってみると、最初の人が良さそうなイメージは結構変わる。表情は穏やかだが内面は黒い。まぁそうでもなきゃ「E組」なんて制度作らないわな。
「…用があるのは担任の方ですよね?たかがE組の一生徒に関わる必要なんてないでしょ?」
「確かにそうだが、君と話をしない必要もないよ」
「…どういう意味ですか?」
「ただの興味だよ。新しい編入生に呪術師というのがどういうものか聞きたくてね」
「白々しいですね。貴方みたいな人が呪術師になんて興味持たないでしょう?合理的じゃない。」
「ははは、これまた随分嫌われているようだね。」
「そりゃあ、あんな差別活動見せつけられたらね。貴方のやり方は経営者としては素晴らしいが、人としては納得いかないので。それじゃ」
そう言い捨てて、俺は去っていく。…理事長相手になかなかマズいことしちゃったなぁ、後悔はしてないけどさ。
『
俺は術式を唱え、単眼のオタマジャクシみたいな呪霊を呼び出す。
この術式は最大40体くらいまで同じような姿形の呪霊を介して、の視覚と聴覚を共有することができる、偵察や探知などに使うものだ。数を絞れば微力だが呪力を飛ばすことができる。
今回は1体だけ出して、理事長に憑けさせる。殺せんせーとの話の内容が気になるからだ。
しばらくして理事長と殺せんせーの対談が始まった。ちなみにあのタコは理事長のことを知らなかったらしい。今全力でもてなして、機嫌をとって給料を上げて貰おうとしている。殺せんせー、しっかり給料もらっていたのね。
「貴方の説明は防衛省やこの烏間さんから聞いていますよ。まぁ私には…全て理解できる程の学は無いのですが」
ほんと白々しいな。決して本校舎の生徒みたいに嫌な人って訳じゃなく、基本善人なのが余計に気に食わない。
「なんとも悲しい
…今なんて言った?殺せんせーが救世主?
「…いや、ここでそれをどうこう言う気はありません。私ごときがどう足掻こうが地球の危機は救えませんし。よほどのことが無い限り私は暗殺にはノータッチです。」
…今その意味を考えても仕方ない。保留だ。
「…しかしだ。この学園の長である私が考えなくてはならないのは…地球が来年以降も生き延びる場合、つまり仮に誰かが貴方を
「…このままと言いますと、成績も待遇も最低辺という今の状態を?」
「…はい。働き蟻の法則を知っていますか?どんな集団でも20%は怠け、20%は働き、残り60%は平均的になる法則。私が目指すのは5%の怠け者と、95%の働き者がいる集団です。」
…いや無理だろそれは。仮に出来るとしたら教育改革くらいしないと不可能じゃないのか?…いや、だからE組なのか。
「『E組のようにはなりたくない』、『E組にだけは行きたくない』、95%の生徒がそう強く思う事で、この理想的な比率は達成できる。」
「…なるほど、合理的です。それで5%のE組は弱く惨めでなくては困ると。」
「今日D組の担任から苦情が来まして、『うちの生徒がE組の生徒からすごい目で睨まれた』、『殺すぞ』と脅されたとも。」
…もしかしてあれか?
「暗殺をしてるのだから、そんな目つきも身に付くでしょう。それはそれで結構。問題は成績底辺の生徒が一般生徒に逆らう事。それは私の方針では許されない。以後厳しく慎むよう伝えて下さい。」
そう言った理事長は出口に向かいながら、ポケットから知恵の輪を取り出し殺せんせーに向かって投げ渡す。
「殺せんせー、1秒以内に解いて下さいっ」
「えっ、いきなり…」
1秒後
全身の触手に知恵の輪が絡まった殺せんせーがいた。どうしたらそうなる。
「…噂通りスピードはすごいですね。確かにこれなら…どんな暗殺だってかわせそうだ。でもね殺せんせー、この世の中には…スピードで解決できない問題もあるんですよ。」
そう言い理事長は今度こそ職員室から出て行った。
その後理事長は覗いてた渚に「中間テスト、頑張りなさい。」と言ったが、とても乾いていた言葉だった。
そして殺せんせーは…どこか燃え上がっていた。
何気初術式 百々目鬼
詳細は後にまとめます。