呪われた少年の暗殺ライフ   作:楓/雪那

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お待たせしました。執筆中のが一度消えてやる気が削がれてました。

それとUA10000突破しました!ありがとうございます!


番外編 ブラコン劇場②

数分後

三「……ハッ‼︎」
西「あ、起きた。」
三「悪夢を見てしまいました……奏に君に彼女が出来てしまった恐ろしい夢です…」
メ「現実だゾ。」
三「は?」 ハイライトオフ
西・加・真・メ((((怖っ))))
三「私の大切な奏君を誑かすなんて…どうしてくれましょう…」

真「ブラコン拗らせすぎでしょ、この子。色々手遅れじゃない?」
メ「シスコン(お前)がそれを言うカ。」
真「あ″?」
メ「何でもなイ。」

西「ちょっと加茂君、どうにかしてよこれ。」
加「無茶を言うな。私もあまり関わりたくない。」
東「ほう…奏の好みは小柄なゆるふわ、ショートヘアーの貧乳派ということか…」
三「」
西・加((ヤッベ、コイツ地雷踏み抜いたんじゃね?))

三「……」
↑割と長身、ロングヘア、基本スーツスタイル、そこそこ胸がある自覚あり

三「桃さん。」
西「(ビクッ!)な、何?」
三「ゆるふわ系の可愛いファッションを私に施して下さい。」ハイライトオフ


第30話:動物園の時間

ナンデ!?パンダナンデ!?

 

 

 

ひーちゃんと上野動物園にデートに来ていた俺は1人ものすごく混乱していた。

 

 

 

だって兄貴が文字通り見世物になってんだもの。

 

 

 

自分の親族が動物園の檻の中に見世物となっているのを見た人なんて、恐らく地球上で俺だけだろう。

まあ人外が兄弟って時点で相当稀有だけど。

 

 

 

けどマジでアイツは何やってんの!?

棘も棘だよ!何でお前は飼育係やってんの!?

よく見たらあの餌用バケツの中身カルパスじゃねーか‼︎

そりゃ奥の方に行くわ‼︎

 

「かーくんどうしたの?汗凄くない?」

「……大丈夫、何でもないから。」

「?」

 

無表情をなんとか保てているが、冷や汗がすごい。

本当になんなん、あれ?

 

 

あ、こっちに気づいた。

向こうも一気に汗をダラダラ流している。「何でいんの?」みたいな顔してるけど、それこっちの台詞だからな?

 

 

一旦棘が中に引いた。そのすぐ後にメールが来る。

短めの文とマップの写真が添付されていた。

 

『このルートに沿って来い。鍵は開けとく。』

 

 

えぇ、行きたくねぇ…。なんであんなことしてるかは知らんけど、大方潜入任務でしょ?それで俺呼び出したってことは絶対なんかしら巻き込んでくるじゃん。やだよ、デート中だぞ?

 

あ、パンダ(兄の方)も中に引いてった。いいのか、勝手に行って?

 

 

 

……しゃーないな。

 

「ひーちゃん。悪いんだけどちょっとここで待ってて。飲み物買って来る。」

「うん、分かった。」

 

 

 

 

=====================

 

 

 

 

「いやぁ、デート中に悪かったな。」

「本当だよ。後で1発ぶっ飛ばすから。それで何でここにいんの?」

 

俺はパンダ達に呼び出され、係員の休憩室に来た。

棘はいつもの真顔だが、パンダの顔はニヤついている。

殺せんせーのピンク顔と同じ感じがしてなんか腹立つ。

 

「潜入任務にしても、何であんなわけわからないことしてんのさ。」

「それがなぁ、元々こんなことになるはずじゃあ無かったんだよ。」

「しゃけ。」

「この近くに国立博物館があるだろ?あそこに保管してある呪物を回収してこいって言われたんだよ。けどさ…」

「無くなってたわけ?」

「そそ、しかもその残穢がこの動物園の周辺に残ってるんだよ。それで改めて回収する為に檻の中でパンダやってたってこと。」

「檻の中でパンダやるならもうちょい愛嬌振り撒いたらどうなんだよ。」

 

奥の方でそっぽ向きながらカルパス食ってるのをパンダ営業と言えるのだろうか。けど回収しなきゃいけない年代物を放置するのはマズイよなぁ。

 

「とりあえず事情は分かった。けど俺もオフだから積極的に探しには行かねーぞ。違和感感じたら報告する程度だからな。」

「おう、全然構わん。デートをしっかり楽しんで来い。そしてその話を後で聞かせろ。」

「おかか。」

「…それで盗まれた呪物って何?写真くらいあるだろ?」

「ああ、これこれ

 

 

 

 

特級呪物『両面宿儺の指』だ。」

 

 

 

 

=====================

 

 

 

三人称視点

 

 

「かーくん遅いなぁ…自販機そんな遠かったっけ?」

 

パンダ(ちゃんとした方)を眺めながら陽菜乃はぼんやり呟く。

 

「迷ったりは…流石にしてないよね…?」

 

初めて来たとはいえしっかりマップを見ていた奏に限ってそんなことは無いだろう。しかしだとしたら奏は何をしているのだろうか。

 

「少し移動しよ…」

 

だんだんパンダ舎が混んできたので、陽菜乃は抜け出してサル山の方に向かう。その途中に

 

 

「「きゃっ!?」」

 

 

陽菜乃は1人の銀髪の女性とぶつかってしまう。

相手の方はこけてしまい、手荷物を落として中身が散らばる。

 

「ご、ごめんなさい‼︎大丈夫ですか!?」

「あ…こちらこそすみません。不注意でした。」

 

女性は一度陽菜乃を見て謝った後、荷物の中身を拾い集める。陽菜乃もそれを手伝う。

 

「これで全部かな…ほんとにごめんなさい!」

「いえいえ、私も悪かったんですし。それより拾うの手伝ってくれてありがとうございます。お礼といってはなんですがこれを…」

「お守り…悪いですよ、こんな…」

「気にしないでください。私実家がお寺でこういったお守りを沢山持っているんですよ。是非受け取って下さい。」

「それじゃあ…ありがとうございます!」

「どういたしまして。…あ、因みにそれ、恋愛成就のお守りですよ。」

「ふぇっ!?///」

「ふふ、可愛い反応ですね。では私はこれで。」

 

悪戯っぽい笑みを浮かべながら女性は去っていく。

 

(なんだか不思議な感じの人だったなぁ…)

 

陽菜乃は女性の後ろ姿を見送りながらそんな事を思う。

入れ替わりに後ろから奏の呼ぶ声が聞こえてくる。

 

「ごめん、ひーちゃん。お待たせ〜……」

「あ、かーくん!遅かったね〜。」

 

 

振り向いて見えた奏の表情は硬直していた。

 

 

 

=====================

 

 

 

奏視点

 

 

 

さっきまで呪いの気配は感じなかった。

パンダに言われてから少し気を張ると、確かに少し変な感じはしたがどこにどれくらいのがいるかまで感じるほど濃いものでは無かった。

 

 

 

なのにひーちゃんの所に戻ったら、ひーちゃんの周りをいくつもの呪霊が囲んでいた。

 

 

なんで急に呪霊が現れた?

なんでひーちゃんの周りに発生した?

特級呪物を盗んだ奴が何かしたのか?

 

 

それらを考える前に既に体が動いていた。

 

 

『式瀾流呪闘術 伍の型・百合』

 

『禍促術式』を使いながら一体ずつ祓っていく。

『百合』は十二の型の中で威力が最も低い分、動作が短く素早く出せる。頭を狙って確実に一撃で祓っていく。

 

「わっ‼︎かーくんいつのまに後ろに回ったの?」

「…ひーちゃん、俺が離れている間に何か変なもの拾わなかった?」

「え?拾ってないけど…」

「それじゃあ変な人に絡まれたりは?」

「ん〜〜……変な人じゃないけど、女の人と一度ぶつかっちゃったんだよ。」

「それで?」

「その人の荷物拾うの手伝って…そしたらお礼にこのお守りもらったの。それだけだけど…かーくんどうしたの?」

 

ひーちゃんが見せたお守りは一般的に神社などで売られている奴と形状が違う。縦長で袋の中身が不自然に膨らんでいる。そのお守りからは嫌な気配を感じる。

 

「ひーちゃん、そのお守りは呪いを引き寄せている。」

「え?」

「俺に渡してくれ。でないと大変なことになる。」

「う…うん。はい…」

 

ひーちゃんがお守りを渡してくれた。

俺はそれを宙に投げる。すると呪霊がどこからともなく何体も現れ、お守りを取り込もうとする。

 

『累乖呪法・無天召地』

 

放り投げた餌に飛びかかった呪霊を纏めて祓う。

後から出てきたのも重力が強くなってることに気づかず祓い飛ばされる。

 

 

呪霊が湧かなくなったのを確認すると、俺はお守りを回収する。

袋を開けると、中にはパンダ達が探していた例の『指』が入っていた。

 

 

 

==================

 

 

「いやー、まさかあんな直ぐに見つけるなんてなぁ。」

「高菜。」

「呑気なこと言うな、クソ兄貴。あと少し遅かったらひーちゃん死んでたんだぞ?初デートで彼女死亡とかどんなトラウマだよ。」

 

 

今俺は2人に『指』を渡しに、さっきの休憩室に来ている。今度はひーちゃんも連れて。

ひーちゃんは完全に固まってる。そりゃそうだ。目の前に人語を話すパンダがいるんだもん。

 

「ひーちゃん、大丈夫か?意識はあるか?」

「…えっとさ、このパンダ?何?かーくんの知り合い?」

「…この際だから紹介しとくか。この2人は高専の俺の仲間。こっちの金髪が狗巻棘。術式の影響で語彙がおにぎりの具しかない。」

「こんぶ。」

「…なんて言ってるの?」

「『よろしく』だと。」

「……分かるんだ。」

「んでこっちがパンダ。俺の兄。」

「パンダだ。よろしく。」

「ごめん、ほんとによく分からないや。」

 

だろうね。俺もこの説明は雑過ぎると思ったわ。

 

「兄って言っても義理のだよ。父さんが作った呪力で動く人形なの。」

「そのお人形って…全部この子みたいに会話できるの?」

「いや、パンダは突然変異体でね。会話したり思考したりするのはこいつだけ。」

「メ○ーさんみたいだね。」

「奏と付き合ってるってのはこいつから聞いてるよ。過去の話も聞き出したってのもな。…まぁなんだ、これから奏をよろしく頼むよ。一人で色々抱え込む癖あるからなコイツ。」

「…うん!任せてよ!」

 

さっきまで硬直してたのに馴染むの早いな、ひーちゃん。素直に尊敬するわ。

 

「それでひーちゃん、このお守りを渡してきた女ってどんなやつだった?」

「えっと、銀髪で…ベージュのハンドバッグを持ってて…紫色のワンピース着てて…あ、後左目に眼帯をしてた!」

「銀髪で眼帯…これで結構探しやすくなったな。」

「えっとさ…そのお守りが呪いを惹きつけてるって言ってたけど…本当は何なの?」

「呪いの王って呼ばれてる『両面宿儺』って奴の指。強力な呪いを発していて、今までは魔除けの道具として働いていたんだよ。」

「ただ時間が経つにつれて、だんだん効果が悪化してってな。さっき言ったように呪いを引き寄せるアイテムに変わっちまったわけだ。」

「じゃああの女の人は…」

「ああ、十中八九呪詛師…悪い呪術師だな。」

「陽菜乃のお陰でだいぶ探しやすくなったわ。サンキュな。」

 

パンダがそう言うが俺は顔を顰める。またひーちゃんを呪いに巻き込んでしまったからだ。せっかくのデートだと言うのに、またひーちゃんを危険に晒してしまった自分が憎い。

 

 

パンダ達と別れた後俺たちは再び動物園を回るが、俺は最初のように楽しめなかった。

 

 

 

==================

 

 

 

「…今日はごめんね、ひーちゃん。」

「え?どうして?」

「俺が今日あの場所を選んでなかったら…ひーちゃんが危険な目に合う事はなかったんじゃないかって思ってね…」

「かーくん…」

 

ひーちゃんを家に送ってく途中、思ってた事を口にする。

 

「でも、助けてくれたでしょ?」

「それは当然だけどさ…」

 

そもそも巻き込んでしまわないようにするのは無理なのかな、と言いかけた時

 

「あら、陽菜。お帰り〜。」

 

向こうから誰かがひーちゃんを呼んでいた。

 

「お母さん!」

「あら〜、そっちの子が噂の彼氏〜?」

「あ…はじめまして。陽菜乃さんとお付き合いさせてもらってます、漣奏です。」

「はじめまして。陽菜の母です〜。」

 

なるほど、ひーちゃんのユルフワオーラはお母さん譲りなのか。雰囲気そっくり。

 

「そうだ。奏君、今晩うちでご飯食べてかない?」

「え…そんな、お昼は陽菜乃さんの手作り弁当もらってるのに…悪いですよ。」

「気にしないで〜。むしろ色々聞きたいことがあるから是非是非〜。」

「えっと…」

「諦めてかーくん。お母さん相当粘り強いの。」

「じゃあ…お言葉に甘えて。」

「はいはーい。」

 

 

 

漣奏、初デートの後に初めて彼女のお家に上がらせてもらいます。

こんなに早い流れが他にあるのか?

 

 

 

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