第1話:依頼の時間
2017年4月 東京都立呪術高等専門学校にて
俺、
(……おおかたあの件についてなんだろうなぁ…)
「それで学長、話って何です?これから新入生組でパーティする予定なんですけど」
「少し待て、奏。直にお客が来る。用件はその人からはなしてもらう。」
5分後、スーツ姿の2,30代の男女が4人やってきた。
その間、学長はやっぱり人形作りに励んでた。
手前にいた鋭い目つきの男が代表して話してくる。
「初めまして、漣奏君。防衛省の烏間という者だ。
今日は君に国家機密のある任務を頼みに来た。」
「あ、どうも初めまして(…国家機密…やっぱりね…)
…それで、依頼内容は『月蒸発』の件ですよね?」
1か月前、月が7割方蒸発した。
当然マスコミでは話題騒然、あらゆる書籍からバラエティ番組、ネットサイトで真相究明や推測が行われている。
何かの実験やまだ知られてなかった月本体の現象、宇宙人の仕業など色々言われているが、俺がいる呪術界では呪いが関係してると推測し、調査を進めている
日本国内での年間怪死者・行方不明者1万人超えのほとんどが、人間から流れ出た負の感情「呪い」による被害。 呪いは同じ呪いの力「呪力」を持つ者しか基本見えないため、呪い関連の事件は呪力を使って戦う「呪術師」が対応する。
(…っても月を7割消すって規格外過ぎるでしょ…どう考えても特級だよね…五条先生も出されるのかな…というか出されないとキツ過ぎる俺の死が確定する。)
「君の言うとおり依頼内容は月の件だ。
だが月を破壊した犯人は呪いではない、正体不明の生物だ。
これが我々の標的だ。」
烏間さんが取り出した写真には黄色いタコみたいな生き物がいた。
……予想外過ぎるわこのデザイン。
愛されやすそうな造形しやがって。
なんだか腹立つ顔してんな。
「この怪物は先日各国首脳の前に現れ、来年3月に地球を破壊するとの宣言、そして椚ヶ丘中学校3年E組の担任をやるとの提案をしてきた。各国政府は秘密裏に殺害を試みているが、この生物の最高速度はマッハ20、我々は手も足も出ないためやむなく承諾した。」
「…毎日教室に来るため監視が可能、生徒が至近距離で殺すチャンスがあるから、そのあたりが理由ですか。」
「その通りだ、狙いは分からんが生徒に危害を加えないという条件は飲んだし、生徒達にもすでに話はして各自暗殺に取り掛かってもらっている。俺自身も副担任として配属され、暗殺成功確率を上げるため体育を教えている。ここまでで質問はあるか?」
「いくつかツッコミたい点はありますけどまず一つ。呪いでもないのになんで呪術師の俺が?」
「そいつを特級呪物と呪術界で認定したからだ。非術師にも見えるが存在の危険度故にだ。ちなみにお前を任務に推薦したのは俺だ。理由は術師ではなく生徒として潜入させるため。」
俺の質問には烏間さんではなく学長が答えた。ご丁寧に二つ目に聞こうとしたことにも説明してくれた。
「…じゃあ次、これ呪いで祓えるんすか?何か一般兵器を使うんですか?」
「やつの暗殺には人体には無害で、やつには効く物質で作ったナイフと弾を使ってもらう。呪いが有効か否かはこれから君に試してもらう。」
後ろの部下らしき人たちが、そのナイフと弾、銃を出す。
……ゴム製ナイフにエアガン&BB弾、現実性ないなぁ。呪術師がそれ言うかって思われそうだけど。
「質問はもうないみたいだな。最後に二つ、重要事項だ。
一つは、暗殺が成功したら報酬として100億円支払われる。また暗殺に必要な費用は申請してくれば国が出す。
もう一つは、この内容は他言無用。事情を知ってるのはE組生徒と椚ヶ丘中学校の学長に防衛省、各国首脳に高専関係者のみだ。口外した場合、記憶消去の措置を取らせてもらう。いいな?」
「……当然ですよね。了解しました、この任務受けさせてもらいます。」
「…助かる。教科書や制服などはこちらですぐに用意する。君の登校は一週間後だ。ではまた。」
そう告げて烏間さん…いや烏間先生か?は去っていき、俺と学長が残された。
「学長…少し勝手過ぎません?俺高専通う気マンマンだったんですけど。」
「対して変わらんだろう。」
「いや変わるからね⁉︎高専と一般中学じゃ、初代仮面ライダーとアマゾンズ並に違うからね⁉︎もう俺受けるって言っちゃったけども!」
「それとお前一人暮らししてもらうから。高専じゃなくてここ住んでここから通え。」
「そもそも拒否権なかったんですね⁉︎だからさっきあんま口挟まなかったんですね⁉︎」
「家事能力は高いだろう?」
「いまは関係ねーよ!」
「話は以上だ。頼りにしてるぞ……息子よ。」
「無理矢理締めやがって…分かったよ父さん。」
呪術高専一年(ただし一年飛び級)漣奏。
高専ライフに胸を踊らせていたのにも関わらず、一か月経たずに椚ヶ丘中学校に(任務で)転向するのだった。
ちなみにパーティはめっちゃ楽しんだ。
奏君の術式などの設定はだいたい考えていますが、呪術本編と奇跡的に被っちゃったらどうしようかびびってます。
すでにヒロインも考えてます。暗殺教室から一人です。多分すぐわかる。