呪われた少年の暗殺ライフ   作:楓/雪那

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第41話:終業の時間

期末の後はほどなく一学期の終業式。

 

今回も俺らはわざわざ下山して本校舎に行くのだが、前回より皆の足取りが軽い。まぁ当然だな。

 

俺らの側を浅野達が通り過ぎる時に、代表してなのかは知らないが寺坂が呼び止める。

 

「おお〜、やっと来たぜ、生徒会長サマがよ。」

「何か用かな?式の準備でE組に構う暇なんて無いけど。」

「おーう、待て待て。何か忘れてんじゃねーのか?」

「浅野、賭けてたよな、5教科を多く取ったクラスが1つ要求できるって。要求はさっきメールで送信したけど、あれで構わないな?」

「5教科の賭けを持ち出したのはてめーらだ。まさか今さら冗談とか言わねーよな。何ならよ、5教科の中に家庭科とか入れてもいいぜ?それでも勝つけどな、ヘッヘッヘッ。」

 

浅野達の屈辱そうな顔に対して寺坂組はものすんごいイキイキしている。家庭科でそこまで威張れるのはむしろ尊敬するわ。

ま、本校舎の生徒たちの前でA組の恥さらしを拝めたから俺も楽しいけど。

 

 

その後の終業式もつつがなく進む。が、いつものE組いじりもウケが悪い。一方でそのE組は誇らしげに立っている。

 

ただ心配が1つだけある…理事長の事だ。

あの合理主義者が「E組(エンド)」が「底辺(エンド)」でないことを許すはずが無いだろう。次の中間、早ければ夏休み明けから何か仕掛けてくるに違いない。

 

「…かーくん、どーしたの?顔少し怖いよ?」

「…ん〜、あの校長さっさとハゲ散らかせばいいのにって思っただけ。」

 

ひーちゃんに気づかれかけた気がしたが、すぐに表情を変える。

理事長の事もあるが、それは今考えても多分何もできない。まずは目の前の暗殺からだ。

 

 

===============

 

 

 

教室に戻って来ると、殺せんせーがバカでかい冊子を渡してきた。

 

「…何なん、あれ?」

「殺せんせー特製過剰しおり。」

「アコーディオンみたいだよね…」

「これでも足りないくらいです!夏の誘惑は枚挙にいとまがありませんから。」

 

うわぁ、クソ重い。修学旅行の時の三倍くらいあるぞ。

 

「さて、これより夏休みに入るわけですが皆さんにはメインイベントがありますねぇ。」

「ああ、賭けで奪ったコレ(・・)のことね。」

「本来は成績優秀クラス、つまりA組に与えられるはずだった特典ですが、今回の期末はトップ50のほとんどをA組とE組で独占している。君達にだってもらう資格は充分あります。」

 

俺らが賭けで得た賞品、それはこの中学で特別夏期講習として行われる沖縄離島リゾート二泊三日というもの。

ちなみに提案者は学校のパンフを見てた殺せんせーであるが、結果自分で自分の首を絞めることになったな。

 

「君達の希望だと触手を破壊する権利は教室では使わず、この離島の合宿中に行使するという事でしたね。触手15本の大ハンデでも満足せず、四方を先生の苦手な水で囲まれたこの島も使い、万全に貪欲に命を狙う。正直に認めましょう。君達は侮れない生徒になった。親御さんに見せる通知表は先程渡しました。これは標的(せんせい)から暗殺者(あなたたち)への通知表です。」

 

そう言い殺せんせーは素早く紙の束に何か書き、教室にばらまく。そこには二重丸が書いてあった。暗殺者(おれら)としては何より嬉しい評価だ。

 

「一学期で培った基礎を存分に活かし、夏休みも沢山遊び沢山学び、そして沢山遊びましょう‼︎暗殺教室、基礎の一学期、これにて終業‼︎」

 

殺せんせーが屋上で見守る中、俺らは嬉しそうに教室を後にした。

 

 

…………因みに栞は皆置いてった。

 

 

 

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駅近くのファストフード店にて陽菜乃と小夜は真剣な顔で向かい合っていた。

 

「…それじゃあ遅くなってもうたけど、ウチらも始めまひょか。」

「うん。まずお互い100点のものがあるから一対一だよね。」

「そうやな。じゃあまずは数学からにしまひょ。」

「「せーの!」」

 

数学

陽菜乃 70点

小夜 78点

 

「ふふん、まずはウチが一点先取どすな。」

「うう…数学はやっぱり苦手…。じゃあ次は英語ね!」

「「せーの!」」

 

英語

陽菜乃 86点

小夜 74点

 

「やった!これで2−2‼︎」

「うーん…やっぱり英語で勝ち越すのは難しいなぁ…」

「小夜ちゃん、英語苦手なんだ…」

「せやなぁ…かたかな語も結構苦手やし…まあそれは置いときまひょ。最後は社会やな。」

「「せーの‼︎」」

 

 

 

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奏宅

 

 

「…ん、ひーちゃんから電話?もしもし?」

『あ、かーくん!今日一緒に帰れなくてゴメンね?』

「あー、気にしなくてもいいよ。それより小夜さんと用事あったんじゃないの?」

『うん、ちょっとお話ししてて。…それで一緒に帰れなかった代わりってわけじゃないけど…今日かーくん家に夜ご飯食べに行っていい?』

「随分急だね…俺はいいけど、親御さんはいいって?」

『うん、なんだったら泊まってきてもいいって‼︎』

「それは流石に急過ぎるわ。送るからちゃんと帰りなさい。」

『うー…ケチ。じゃあこれからお家行くね‼︎』

「うん、待ってるよ。」

 

 

 

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「あーあ、負けてもうた。自信あったんやけどなぁ……愛の力、なんて思うと……悔しいなぁ。」

 

 

社会

陽菜乃 85点

小夜 84点

 

 

ファストフード店に1人残った小夜はボーッと外を眺めながら独り言ちた。




期末テストはこんな感じ
倉橋陽菜乃 英語 86点 (盛り ビッチ先生から強化講習を受けた)
国語 78点(原作通り)
数学 70点(原作通り)
理科 100点(盛り)
社会 85点(原作通り)
総合 419点(30位)(盛り)

泡沫小夜 英語 74点(70位)
国語 100点(1位)
数学 78点(34位)
理科 80点(26位)
社会 84点(26位)
総合 412点(33位)



一学期編終了です!

次回から夏休み編、その予告を少しだけ。

「抜かるなんて絶対にしたくない。手伝ってくれ、皆。」

奏、秘密(?)のトレーニング!

「ウチも少しばかり、カッコつけたくなってきたわ。」

小夜、(本編でやっとの)初陣!

「このまま後ろ姿を眺めてるだけなんて、私はイヤなの。」

陽菜乃、心境の変化⁉︎




そして現れる恐怖……

「ヤッホー、奏。お姉ちゃんだよ。」
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