呪われた少年の暗殺ライフ   作:楓/雪那

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最近、デレマス・シャニマス 物とかポケモン物とかライダー物とか書きたい物が多過ぎて困ってます。

神無「文才ゴミな癖に多忙で投稿頻度低いのに何考えてんの⁉︎スケジュール管理下手くそなの⁉︎そんなこと考えている暇あるなら早くこの作品書いて!はよ私を出せ‼︎」

↑ガチ正論な。


第47話:決行の時間

一同は船内ディナーを終え、殺せんせーを今回の暗殺の会場へ案内した。

因みに殺せんせーは結局酔った。

 

「会場はこちら、このホテルの離れにある…水上パーティールーム。ここなら…逃げ場はありません。」

「さ…席につけよ、殺せんせー。」

「楽しい暗殺。まずは映画鑑賞から始めようぜ。」

「まずは三村が編集した動画を見て楽しんでもらい、その後テストで勝った10人が触手を破壊し、それを合図に皆で一斉に暗殺を始める。それでいいですね、殺せんせー?」

「ヌルフフフ、上等です。」

 

パーティールームは木製の小さな小屋となっており、周囲は海で囲まれている。殺せんせーなら小屋を破壊して脱出できない事もないが、壁や窓に対先生物質が仕込まれている可能性を考慮すると、室内で回避する方が賢明である。

 

渚が殺せんせーにボディチェックをしている間に、奏はアームウォーマーを取って三輪に預けた。先程までとは違い真剣な表情の奏を見て、三輪は何も言わずにそれを受け取る。

同じように小夜も真剣な表情になり、髪を縛る。

 

殺せんせーは既に席に着いていた。

 

「準備はいいですか?全力の暗殺を期待してます。君達の知恵と工夫と本気の努力、それを見るのが先生の何よりの楽しみですから。遠慮は無用、ドンと来なさい。」

「言われなくとも。上映(はじ)めるぜ、殺せんせー。」

 

岡島が照明を落とすと、動画が始まる。

タイトルは『3年E組が送るとある教師の生態』。

 

上映中、この後に触手を破壊できる10人を除いた生徒たちがしきりに後ろの唯一の出入り口を行ったり来たりしている。位置と人数を明確にさせない為だ。

 

(…しかし甘い。2人(・・)の匂いがここに無いのを分かっていますよ。四方が海のこの小屋ですが、ホテルに続く一方向だけは近くが陸だ。そちらの方向から…E組きっての狙撃者(スナイパー)、速水さんと千葉君の匂いがしてきますねぇ。)

 

このような苦手な環境であろうといつもの様に的確に状況を分析する。

その一方で殺せんせーは三村作の動画に見入っていた。

しかしその余裕を保てるのもここまでであった。

 

『…まずはご覧頂こう。我々の担任の恥ずべき姿を。』

「にゅやあああああ‼︎⁉︎」

 

突如画面に映されたのは、夏休みに岡島のエロ本トラップに虜になっていた時の殺せんせー。

さらには陽菜乃とエロ本の山の上で跳ねてるシーンまで乗せられている。

 

『お分かり頂けただろうか。最近のマイブームは熟女OL。全てこのタコが一人で集めたエロ本である。』

「違っ…ちょっ、岡島君達!皆に言うなとあれほど……ハッ⁉︎」

 

ニヤニヤ笑う皆に必死に言い訳をしようとする殺せんせーだが、ある一点に目がいってしまい顔色が一気に赤から青へ変わる。

殺せんせーが見たもの、それはすすり泣きをしている(嘘泣きだが)陽菜乃と、その陽菜乃を抱き寄せ零下273度にも及ぶであろう冷ややかな視線を送る奏である。

しかしこれだけでは終わらない。

 

『お次はこれだ。女子限定のケーキバイキングに並ぶ巨影、誰であろう、奴である。バレないはずがない。女装以前に人間じゃないとバレなかっただけ奇跡である。』

「クックック。あーあ、エロ本に女装に恥ずかしくないの、ど変態?」

 

狭間の追撃の言葉に顔を真っ赤に戻して俯く殺せんせー。

 

『給料日前の奴である。分身でティッシュ配りに行列を作り、そんなに取ってどうすんのと思いきや…なんと唐揚げにして食べだしたではないか。教師…いや、生物としての尊厳はあるのだろうか。こんなものでは終わらない。この教師の恥ずかしい映像を1時間たっぷりお見せしよう。』

(あと1時間も⁉︎)

 

こうして開始10分足らずで渚提案・提供の精神攻撃は見事に成功した。

 

 

===============

 

 

1時間後

 

 

「…死んだ…もう先生死にました…あんなの知られてもう生きていけません……」

 

殺せんせーはまるでアスファルトに投げ捨てられたタコのようになっていた。

だからこそ気づかなかった。触手がたっぷりと海水を吸っていたことに。

 

(…まさか、満潮か‼︎)

 

「俺らまだなんにもしてねぇぜ。誰かが小屋の支柱を短くでもしたんだろ。」

「船に酔って、恥ずかしい思いして、海水吸って、だいぶ動きが鈍ってきたよね。」

「さあ本番だ。約束だ、逃げんなよ。」

 

満点を取った10人がそれぞれ銃を構える。

それでいても殺せんせーは狙撃手のいる方向さえ警戒しとけばまだ何とかなると思っていた。

 

計15本の触手が破壊されるのと同時に小屋の壁が崩壊した。

代わりに出来たのはなんとフライボードによる水圧の檻。

 

殺せんせーが苦手とするのは、急激な環境変化。弱った触手を混乱させることで反応速度をさらに落とす作戦である。

檻の外では、渚と茅野がホースを使い、陽菜乃がイルカを指揮してフライボードの隙間を埋めていく。

 

檻の中では海から浮上した律の合図で一斉に射撃を開始している。

しかしこの射撃は「殺す」ためではなく、逃げ道を塞ぐために「囲う」もの。

そして、

 

「ニュッ…‼︎」

 

「権利を終えたら追加で貰っちゃダメとは言われてないよね?」

「当然、避けてもええよ。厳しいやろうけど。」

 

それぞれ愛刀を構えた奏と小夜による両サイドからの肉薄攻撃。

普通なら弾幕の中で近接戦など出来たものではないが、2人はどう動けばいいか熟知している。

 

(2人共厄介ですが…とにかく気をつけるのは奏君の手の動き!そこを第一に……えっ!?)

 

殺せんせーがテンパりつつも打開策を練ってる中、その策を1発で崩すかのように奏が消えた(・・・)

正確に言えば、下に落ちたのだ。

小屋に施した細工は全部で3つ。

1つ目は海水を入れるために低くした支柱。

2つ目は発砲と同時に壊れるようにした木製の壁。

そして3つ目は小屋の数カ所に仕込んだ、数回踏むと下の海に落ちる床。

 

奏の動きと狙撃手の位置を真っ先に警戒するだろうという予想から設置された仕掛けにまんまと引っかかって、殺せんせーは背後の小夜から触手をさらに一本取られる。

 

そしてここからが奏の本領である。

『氷淵』を使い空中にいくつもの氷の板を形成しては破壊するを繰り返す。

小夜の得意とする四次元殺法を可能にするためのサポートなのだが、それだけでなく弾幕として放たれた弾丸を「跳ね返し」、死角から撃ち込む。上の様子は『百々目鬼』で把握して、目まぐるしく動く舞台に常に最適な支援を送る。

 

そしてこれら全てのお膳立てを踏まえた上でトドメの2人、千葉と速水が奏と入れ替わりに水中から浮上する。

殺せんせーが嗅ぎつけていたのは2人が昼間着ていた服を着させたダミー。

発砲音も匂いも水が全てかき消してくれる。

 

((もらった‼︎))

 

2人は引き金を引く。

弾丸が顔に命中する直前、殺せんせーは飛んできた方を見た。

 

(よくぞ…ここまで‼︎)

 

 

そして次の瞬間、殺せんせーの全身が閃光と共に弾け飛んだ。

 

その衝撃で元から檻の外にいた渚、陽菜乃、茅野以外の全員が海中に吹き飛ばされる。

 

「殺ったか⁉︎」と誰かが叫ぶ。

今までとは明らかに違う手応えを皆感じていた。

 

ただ1人、奏だけを除いて。

彼もまた衝撃で吹き飛ばされたのだが、百々目鬼を介して殺せんせーの身体が一瞬縮んだのを見た。閃光でその後はどうなったかまでは分からなかったものの、あの状況で殺せんせーが何かをしたという事だけは分かった。

奏はすぐに海中に潜る。

ほんの少し遅れて烏間の指揮で片岡が中心となり水面を見張る。

 

やがて奏が浮上する。

 

「奏君、奴は‼︎」

 

烏間の質問に奏は複雑そうな顔をすると、無言でその両手に持っていたものを高く掲げる。

 

それは殺せんせーの顔が入った、透明とオレンジ色の球体であった。

 

((((何だあれ⁉︎))))

 

「これぞ先生の奥の手中の奥の手、完全防御形態‼︎外側の透明な部分は高濃度に凝縮されたエネルギーの結晶体です。肉体を思い切り小さく縮め、その余分になったエネルギーで…肉体の周囲をがっちり固める。この形態になった先生はまさに無敵‼︎水も対先生物質も、あらゆる攻撃を結晶の壁がはね返します。」

 

「しかし…それならずっとその形態でいたらいいのでは?」

 

ここまでの殺せんせーの説明を聞いていた三輪が当然の疑問を口にする。

 

「ところがそう上手くはいきません。このエネルギー結晶は…24時間程で自然崩壊します。その瞬間に先生は肉体を膨らませ、エネルギーを吸収して元の体に戻るわけです。」

 

「…ということは結晶が崩壊するまでの24時間、先生は全く身動きが取れないゆうことどすか?」

 

「ええ、そうです。これは様々なリスクを伴います。最も恐れるのは、その間に高速ロケットに詰め込まれ、はるか遠くの宇宙空間に捨てられる事ですが…その点は抜かりなく調べ済みです。24時間以内にそれが可能なロケットは今世界のどこにも無い。」

 

完敗

 

その二文字が皆の頭の中に浮かんだ。

自身の隠し技の欠点を計算した上で、殺せんせーは今回の暗殺に臨んだのだ。

 

「何が無敵だよ。何とかすりゃ壊さんだろ、こんなモン。」

 

寺坂がスパナを取り出して殺せんせーを叩くがまるで通用しない。

奏の氷剣や三輪の刀、小夜の短刀なども試してみたがことごとく効かない。

殺せんせーは「核爆弾でもキズ一つつかない」と余裕そうに言う。

 

しかしそれを聞いてカルマはニヤリと笑って、殺せんせーの自分の携帯を見せる。

画面には先程のカブトムシコスでエロ本を読む殺せんせーの画像。

 

「にゅやーーっ‼︎やめてーー‼︎手が無いから顔も覆えないんです‼︎」

 

「ごめんごめん。じゃ取り敢えず至近距離で固定してと…」

 

「全く聞いてない‼︎」

 

「そこで拾ったウミウシも引っ付けとくね。」

 

「ふんにゅああああっ‼︎」

 

「あと誰か不潔なオッさん見つけて来てー。これパンツの中にねじ込むから。」

 

「助けてーっ‼︎」

 

皆が改めてカルマの才能に恐れおののく。

そんなカルマから烏間は殺せんせーを取り上げて、ビニール袋に放り込む。

 

「……取り敢えず解散だ、皆。上層部とこいつの処分法を検討する。」

 

「ヌルフフ、対先生物質のプールの中にでも封じ込めますか?無駄ですよ。その場合はエネルギーの一部を爆散させて…さっきのように爆風で周囲を吹き飛ばしてしまいますから。」

 

「……‼︎」

 

「ですが皆さんは誇っていい。世界中の軍隊でも先生をここまで追い込めなかった。ひとえに皆さんの計画の素晴らしさです。」

 

殺せんせーは何時ものように皆を褒めるものの、渾身の一撃を外したことで皆の落胆は隠せなかった。

 

奏、小夜、千葉、速水の4人は特にだ。

 

律は完全防御形態の正確な情報が無いとはいえ、もしかしたら殺せていたと言う。

いかに練習を積んだと言えども、本番のプレッシャーに指先が硬直して引き金を引けなかった。練習と本番の違いを千葉と速水は改めて実感する。

 

そして奏と小夜も、皆で成功させるという覚悟に押し潰されていた。

絶対に決めると自分自身で誓ったからこそ、焦りが生まれて負けてしまった。

 

疲労感とショックを抱えて、一同はホテルに戻って行った。

 

 




釘崎いたらいつでも殺せた定期。

洞窟肝試し、奏のパートナーは誰?

  • ど安定の陽菜乃
  • 大穴狙いで小夜
  • あえての三輪
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