奏「じゃあビッチ先生の回、やる必要あった?」
…一理ある。
ビッチ「ちょっと!」
ビッチ先生が馴染んできて数日、俺たちは本来昼休みであるこの時間に山下りをしてた。
「急げ、遅れたら今度はどんなひどいペナルティがあるか、分からないぞ。」
「この前は本校舎の花壇の掃除だったね。」
「あれえぐかったな〜…そもそも広すぎるんだよ。」
「
「というか…なんで私達がこんな目に合わないといけないの〜〜〜‼︎」
岡野さんの叫びが響く。俺も同感。
こうなった理由は全校集会にある。
「でもなんで昼過ぎに集会なんかやるかね?朝にやった方が効率よくない?」
「俺たちの差別待遇を行うためだよ。」
「自分が見下せる存在がいて、かつE組に落ちたらこうなるっていう見せしめ。」
「…なるほど、ペナルティってのは?」
「E組は他のクラスより先に整列をしてないといけないの。」
結局ここでも例の合理的で「腐った」制度ってわけね…
「…にしても漣君、全然疲れ見せないね。」
「な。なーんか慣れてる感じするよな。」
「そうか?日々トレーニングしてるからかな?」
「あ、そっか。確か武道やってるんだっけ。」
「そーだよ。けどみんなも日々暗殺訓練してるじゃん。」
「確かにそうだけど…」
「なんか漣君からはこう…達人みたいな感じがするんだよね。」
「そう!どんだけ動いても疲れなさそう!」
「いや、さすがに疲れはするよ?」
けど彼女…不破さん、達人とかなかなか観察眼あるな。(自負するわけじゃないけどさ) ちょっと気をつけておこ。
そんなことを考えながら進むと、倉橋さんが痛そうに足を抑えてた。
「どったの倉橋さん、足挫いた?」
「うん…けどだいじょ痛っ!」
「大丈夫じゃないから、このまま歩くと悪化するから。集会は欠席して治療した方がいいよ。」
「けど私だけじゃなくてナミ君にもペナルティが…。」
「はぁ?いくらなんでも怪我とか病気なら休んでもいいだろ?」
「あいつらにはそんなの関係ないんだよ。」
「…マジか。」
どうやら腐ってるのは制度だけど、向こうの人間は腐ってるなんてレベルじゃないみたいだな。
しかしそうなってくると話は変わる。ペナルティを受けるのが俺だけならまだしも倉橋さん…強いてはクラス全体がペナルティを負うのは納得いかない。戻って応急処置する時間すら無いし、反転術式使うのもバレるからアウト。
「…仕方ないな。倉橋さん、乗って?」
「ふぇ?」
「あんま時間ないから、本校舎で応急処置してもらう。俺が負ぶってくから。」
「…で、でも。」
「烏間先生はすでにビッチ先生背負ってるし、他のみんなは焦ってるし。それにペナルティ受けたくないんでしょ?」
「う、うん。分かった。…じゃあお願い、します…。」
「はい、任された。あ、結構スピード上げてくから舌噛まないようにね。」
「え?舌噛まないってひゃああぁぁぁぁ‼︎?」
「じゃみんな、先行ってるから。」
そう言い残して俺は倉橋さんを背負って走っていく。
「…ナチュラルに倉橋おんぶしてったな、漣」
「躊躇いが無かったな」
「てか、女子1人背負ってダッシュで山下りっておかしいだろ。」
「動きがSASUKEばりだったな。」
「…武道やってたらあんなになるのか。」
「いや、あれは特殊でしょ。」
「前原、あんたも漢気見せたら?」
「おい⁉︎」
「倉橋さん、保健室ってこっちで合ってる?」
「…う、うん。そっちで…合ってる…よ。」
本校舎に着いた俺らは倉橋さんのガイドをもとに保健室に行く。
…が誰もいない。まぁ集会あるから当然…いや、保健医って基本集会出るのか?
「保健医の先生いないな…しゃーない、俺が応急処置するけどいいか?」
「うん…よろしく…」
息も絶え絶えな感じの返事を聞き応急処置を始める。ジェットコースターみたいな勢いで下ったからな、仕方ない。
「結構…上手いんだね」
「まぁ結構使う機会があるからね。」
「そんなに怪我するの?」
「ハードな特訓する時はね、っと完成。」
「あ、ありがとう」
「別にいーよ。けどあくまで応急だから、集会中は誰かに支えてもらった方が良いね。片岡さんとかに頼むわ。」
「うん…その、ごめんなさい。」
「え?なんで謝る?」
「それは…ナミ君に色々やってもらって…」
「別に気にするようなことじゃないでしょ、友達なんだし。」
「けど…」
「悪いって思ってるんなら、そうやって謝るのヤメテ。俺は謝罪より感謝の方が嬉しい。」
「…!うん、ありがとう!」
「っし!じゃあ集会行きますかね。」
体育館に行きE組の列に並び、片岡さんに頼んで倉橋さんを支えてもらった。爽やかな顔で引き受けてくれましたよ、めちゃくちゃ良い人っすね(再確認)
それに比べて本校舎のやつらは…
「渚く〜ん、おつかれ〜。」
「わざわざ山の上から
どいつもこいつもこんな感じ。
五条先生的に言えば腐ったミカンのバーゲンセールだ。
さらに集会が始まるが…
「…要するに、君達は全国から選りすぐられたエリートです。この校長が保証します。…が、慢心は大敵です。油断してると…どうしようもない誰かさん達みたいになっちゃいますよ。」
信じられます?これが進学校の校長のスピーチですよ?E組は教師からも匙を投げられてるって聞いたが、こんなにひどいとは思わなんだ。選りすぐられたのは性格の悪さだろう?
ああもう、コイツら全員1週間くらい悪夢を見続ける呪いでもかけてやろうか?
あ、ちなみにカルマはサボりです。正直俺もその手を使いたかったけど、この学校の実態が見たかったので出ることにしました。今?スッゲー後悔してるよ。
次の生徒会の発表の前に、烏間先生が到着した。
表向きの担任だからこの場を借りて挨拶しに来た、とのことらしいが…倉橋さんと中村さんがデコったナイフケース見せようとしたのを止めたり(そもそもデコるものなのか、アレ)、急遽来たビッチ先生が渚の顔を自分の胸に押し付けるのを見て叱ったり…あの人、苦労が絶えないな。
「…はいっ、今皆さんに配ったプリントが生徒会行事の詳細です。」
「え…何?俺らの分は?」
「…すいません。E組の分まだなんですが。」
「え 無い?おかしーな…ごめんなさーい、3-Eの分忘れたみたい。すいませんけど全部記憶して帰って下さーい。ホラE組の人達は記憶力も鍛えた方が良いと思うし。」
何言ってるんだあのメガネ?ワザと印刷して来なかったんだろ?それをわざわざこんな陰湿な言い方でやりやがって…マジで虫唾が走るな、何人か生き地獄見せてやりたいが…
と悩んでたその時、
「磯貝君、問題無いようですねぇ。
「…はい。あ、プリントあるんで続けてくださーい」
「え?あ…うそ、なんで?誰だよ笑いどころ潰したやつ!あ…いや、ゴホン では続けます。」
大丈夫、笑いどころは今だから。ザマァミロ。
ただそれよりも…おいそこの
「…あれ…さっきまであんな先生いたか?」
「妙にデカイし関節が曖昧だぞ。」
「しかも隣の先生にちょっかい出されてる。」
「なんか刺してねーか?」
「…女の先生が連れてかれた。」
「…わけわからん。」
「…がっつり疑われてるね、殺せんせー。」
「どうしたらあれで変装になってるって思えるんだろう」
「…やめてやれよ、これ以上烏間先生に心労かけるのは。」
「あはは…」
俺の前後にいる倉橋さんと渚と片岡さんとそんな話をしながら、集会を終えた。
「倉橋さん、飲み物買ってきたいからちょっと待っててもらっていい?」
「うん、いいけど…もしかして帰りも?」
「その足で山登りはさせないよ?」
「う〜…分かりました…。」
「ん、じゃあ悪いけどちょっと行ってくる。」
自販機に行くと、渚がいかにも三下感溢れる二人の男子に絡まれてた。多分アイツら…というよりは本校舎のやつら皆、E組が集会中笑ってたのが気にくわないんだろうな。
「E組はE組らしく下向いてろよ。」
「どうせもう人生詰んでるんだからよ。」
…アイツら、俺が今いつでもチェックメイト仕掛けられるって状況に気づいてないね。そう思って渚を助けてやろうとした時、
「なんとか言えよE組‼︎殺すぞ!」
「…殺す?殺そうとした事なんて無いくせに。」
渚がそう言うとアイツらはビビって去って行った。
「…あ、漣君!」
「…おう、悪い。少し来るのが遅かったみたいだ。」
「ううん、大丈夫だよ。」
…へぇ、良い人、あるいは個性の集まりくらいだと思ってたけど
なかなか面白い個性持ちがけっこういるね
楽しませてくれる。
お姫様抱っこでもよかったかな〜(暗黒微笑)