ぶく茶がエンリ? 作:嵐山
村の方からまだ悲鳴が聞こえるが。これは、兵士があげてる悲鳴だ。
しばらくすると、悲鳴も聞こえなくなってきている。
あれからすでに1時間は過ぎたはず。
(モモンガさんはなにしているんだろう?)
噂をすれば。二人がこちらに向かって来ていた。
「待たせたようだな」
「こんな下等生物のために、アインズ様が出向くなどあってはならない事です」
「まぁ~話もあったしいいじゃないか、アルベド下がっていろ」
「畏まりました。下等生物失礼が無いようにしなさい」
アルベドはこんなにきつい性格だった?あの時は各々自分の制作に忙しく
ほかのNPCまではわからなかった。
「アインズさん。二人だけでお話しできませんか?」
「こちらも話したいことがある」
二人は少し離れた場所に向かった。それを見ていたアルベドは睨んでいた。
「アインズさん出来れば、周りを遮断出来る結界をお願いしたいのです」
「ハァ~~なぜだ!お前の言う事を聞くつもりはないぞ!調子に乗るなよ人間!」
「では、別な方向から話しますね。『モモンガさん』」
「何!!お前は誰だ!!」
「その為に、結界をお願いしたいな~アルベドにも聞かれないようにお願いね」
しぶしぶ警戒しながら結界を張ってくれた。
「嫉妬マスクは取ってもいいよ、気にならないからね、でもネムの前では慣れるまで
嫉妬マスクしてもらえたらうれしいかな」
モモンガはマスクを取り、警戒しながら慎重に話しかけてきた。
「お前は我々の事を、どこで知った?なぜモモンガと呼ぶ?名乗った覚えはないぞ」
「私にとってのアインズ・ウール・ゴウンはギルド名で、そのギルド長が
モモンガさんだと記憶してますよ」
「何だと!!貴様は何者だ!!」
「そんなに興奮しないでください。モモンガさん私は‥‥」
『フハハハハ!我が名を知るが良い。我こそがかぜっちよ♪』
モモンガが名乗った時と同じ、アクション付きで真似してみた。
(私は声優、成りきるのは負けないよ!でもダメージが帰ってきた)
「はあ~ん?!!えー!!‥‥ぶくぶく茶釜さん??」
驚きの後は、うろたえている。カッコイイと思っていたアレを真似されたんだ。
ダメージも受けるだろう。骸骨の表情と結界に助けられたようだ。
「うん、そうだよ。ユグドラシルの最終日、円卓の間に行ったんだけど誰も居なくてさ
移動したのかなと思って、王座の間を目指していたらPCが落ちた。急いで入りなおしたら、なぜかわからないけど、この子になっていたのよ」
この後、今までの事、今の状況でわかっている事をお互いに話し合った。
他のメンバーは今の所誰もいない。NPCは個々に自我が芽生え、考えて行動出来る事
一番大事な、NPCはギルメン41人に今も絶対忠誠である事。
アルベドに聞かれたくなかったのは、NPCがどうなっているか分からない、
短気すぎ用心で結界を張ってもらっていた。
問題ない事がわかりモモンガは結界を解いた。
モモンガはアルベドに向かいこちらに来るように合図をしている。
「アルベド、お前にとって至高の41人はどんな存在だ?」
「至高の御方は、ナザリックの者達が使える最高の方々達です。41人の中でも
アインズ様は特に‥‥その私の愛するたった一人の方です!!」
「アインズさん‥‥これは何ですか??そんな設定あった?」
「う・うん・・アルベドお前の忠義はよくわかった。だがナザリック外部でそのような事は言ってはならんぞ!」
「ほ~ほ~あとで詳しくおしえてくださいね」
(これは何かしたね、さすが我が弟の親友)
「この下等生物が!!アインズ様に対してなんて口の利き方を!!殺す!!」
アルベドは武器を振りかぶった。
「アルベド!!待て!待て!武器をおろせ!!」
「畏まりました」
軽いデジャブ、自我を持つと怖いアルベド。
「アルベド、よく聞け、この人は至高の41人ぶくぶく茶釜さんだぞ!!」
「!!お隠れになる前と、お姿が全然違いますけど??」
「ま~我々は種族や姿などどうにでも変えられる。お前たちを作ったのが
誰か忘れたわけでもあるまい」
(モモンガさん、言い訳がうまいよ)
アルベドは片膝をつき、エンリに向かい非礼を詫びる。
「ぶくぶく茶釜様、今までの数々のご無礼お許しください。首を撥ねてお詫びいたします」
「な!何言ってるのよ!そんなことしなくても許すって」
「私になんと慈悲深いお言葉ありがとうございます。これからも誠心誠意尽力して参ります」
(なによこれ?やっぱりモモンガさんが何かしたね?)
モモンガを『じぃーと』見ると目線を外された。
「アルベド至急、アウラとマーレに連絡を取り、ここに来るように伝えるのだ」
「畏まりました」
アウラとマーレに会える。どんな感じかな楽しみ。
「モモンガさん、ネムは私の妹一緒に暮らします、ナザリックNPCからの安全確保を
約束してもらえませんか?」
「もちろんかまわないですよ。約束しようギルド長として責任は持ちます。
それに茶釜さんが言うだけでも、問題はないと思いますけど?」
「モモンガさん、ありがとう。でもすぐにNPCに会おうとか、ナザリックに行こうとか思ってないの、数年も行っていない場所なのだし、少し怖いの‥‥今はまだ知らせないでほしい」
「わかりました。でも安全のためアウラとマーレは茶釜さんの護衛につけます・・・アルベド聞いたな?他言無用だいいな」
アルベドは何も言わず、一礼をした。
4人で村に戻る。途中村人や兵士の血塗れの屍が、所々にある。
血の匂いやリアルにグロい屍、吐ける物がないほど吐いていた。ネムも同じ。
これに気が付いたアルベド、デスナイトを使い見えない所、そう町の外の一ヶ所に集めて見えないようにしてくれていた 血の匂いはきつい。
人の死とはすぐ隣にあるもの。人の運命は最後には絶対の死がある。
遅いか早いかのささやかな差しかない。それを必死に抗うのが人間の性だ。
今回の報酬を村長と相談、と言う事にしてモモンガは近辺の情報取集をする。
初めの接触者としてエンリ姉妹も参加することになった。