ぶく茶がエンリ?   作:嵐山

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8話

監視という名の散歩から、ルプスレギナは鼻歌交じりに戻った。

ネムとアウラ、マーレは水汲みに行っているので今はいない。

レイリンは、少し遅めの朝食の用意をして並べ始めていた。

 

 

「ルプスレギナは朝食どうなのよ?食べる?」

「少しカチンと来たけど!!食べるっすよ!」

 

 

上機嫌だったのが、急に機嫌が悪くなったルプスレギナ。

 

あれ?私何か気に障ったことした??食べるのか聞いただけだよね?今までナザリックのNPCと初めて会うと、怒ってたり、攻撃されたり!!なんなのよ・・・

 

 

「何か気に障った?」

「障りまくりっすよ!メイドだからとレイリンを気軽に!仲間が従うのはアインズ様だけっす!それに下等な生き物に呼び捨てにもされたっすよ!」

「それが理由ですか‥‥モモ、いやアインズからは何て言われてきたの?」

「アインズ様も呼び捨てだと‥‥もう我慢できないっすよ!死にな!」

 

 

プルプル震えだしたルプスレギナ、大きな武器を取り出し構えたと同じく。

レイリンがエンリの前に出て構えた。

ルプスレギナの低い声が、聞こえてくる。

 

 

「レイちゃん、それは何の真似っすか?そこどいてくれないっすかね?どいてくれないならすぐにヒール掛けるから当たったらごめんねっすよ」

「それは出来ない相談ですわ」

「‥‥‥ルプスレギナの方こそ何の真似?返答次第ではアタシも怒るよ、それに姉貴にはルプスレギナじゃ勝てないよ」

「ぼ、僕も、怒りますー!悪いけどルプスレギナには痛い目にあってもらいます」

 

 

二人もエンリの前に出て、ルプスレギナに向かい合う。

なぜこうなるのか?ルプスレギナは混乱している、アウラもマーレも本来ならこちら側の仲間なのだから。

 

アウラもマーレも様子を見ていたのね・・・早めに出てきてくれていれば、こんな面倒にはならなかったと思うんだけどな・・・

 

 

「アウラ様も、マーレ様も何言ってるっすか!そいつは事もあろうか、アインズ様を呼び捨てにしたっすよ、下等な生き物の分際なのにっすよ!」

「だから何??それでアインズ様が、ぶく‥‥エンリ様の敵になるならアタシたち3姉弟はあなた達の敵になるよ」

「アウラその辺でおやめなさい、エンリ様にもご迷惑が掛かるわ‥‥ルプスレギナ最後にはっきり言います!これ以上エンリ様に無礼を続けるならあなたを全力で排除します」

「・・・・何なんすか!!アインズ様に対しての裏切りっすか!!」

 

 

急ぎルプスレギナはメッセージを使い連絡を取った。

数秒後ゲートが現れ、中から2名が現れた。

 

 

「シャルティアはナザリックに戻っていなさい。用が終わったらまたお願い」

「了解でありんす」

 

 

シャルティアはただの連絡だと思ったのだろう、何事も無くゲートに消えた。

 

1人残ったのはアルベド、その行動を見て焦ったのはルプスレギナ。

アインズが今留守にしている状況、ナザリックの全指揮を任せられている守護者統括。

そのアルベドがエンリに対して、片膝をつき忠誠の位を示しているのだ。

 

 

「エンリ様、ルプスレギナが大変ご迷惑をおかけしました、ナザリックの全指揮を任されてる今、私の責任でございます。なにとぞ寛大な処置をお願い申し上げます」

「‥‥アルベド様、何を言って‥この者は人間の分際でアインズ様を侮辱したんです」

「アインズ様を呼び捨て?その事は私達シモベが立ち入れる物事ではないわ。3姉弟を見てわからない?アインズ様より大切な存在、ルプスレギナにもいるはずよ」

「‥‥3姉弟の‥‥創造主‥‥至高の41人‥‥ぶくぶく茶釜様‥‥」

「ル、ルプスレギナさん、武器を・・・ぼ、僕の魔法が発動しますよ‥」

 

 

ルプスレギナは急ぎ武器をおろし、忠誠の姿勢を見せる。

 

 

「ぶくぶく茶釜様…大変なご無礼を振るい…『あ~別にいいわよ気にしないで』ですが」

「それと、今はエンリだから間違えないでね」

「畏まりました」

「アルベドも大事にしないでよね?いい?私から頼むとき以外は、ナザリックから来る者はもう増やさないでほしいな?シャルティアもだめよ」

「ハッ、畏まりました」

 

 

アルベドは、メッセージでシャルティアに連絡を取り、ゲートで戻っていった。

残ったルプスレギナは不問とされ、安心したのかアウラ達と普通に話をしている。

 

今度エンリ様に武器を向けたら、アウラは問答無用で消すとか言ってる。

ルプスレギナは一般メイドのレイリンが、なぜ戦闘メイドよりなんで強いの?

マーレが僕の大きいお姉ちゃんなんだから、強いんですとか・・・

 

ルプスレギナに、私の事はプレアデス姉妹にも言ってはいけないと、強く言い聞かせ、先ほどの罰としてこのカルネ村を守るよう言い渡した。

 

 

二日後、王国戦士長ガゼフが部下とともに王都リ・エスティーゼに向かい帰って行った。

情報も程よく聞き出せていた。

 

・リ・エスティーゼ王国ではガゼフ・ストロノーフが近隣諸国最強の戦士である

・リ・エスティーゼ王国でのマジックキャスターは重要視はされていない

・バハルス帝国にはマジックキャスターで高名なフールーダ・パラダインがいる

・リ・エスティーゼ王国とバハルス帝国の戦力は互角

・スレイン法国では六大神が崇められている宗教国家で不明な点が多い

・武技と言うものがあり、才能次第で戦闘力強化できる

 

王国と帝国は現時点では脅威なものは無いと思う。注意すべきことはフールーダなる者。

法国の情報はよくわからなかった。六大神ってなんだろう?

ニグンの情報がそのうち聞けると思うし、来なければ大したことはないはず。

 

武技の才能は私にあるのかな??今はただの村娘・・・スケルトンやゴブリンにも勝てないよ・・・

スキルも魔法も腕力さえも無い、ただの村娘、リアルの私よりも若いし胸があり、スタイルもいい!!

ん??あれ??リアルではもちろんスキルも魔法もない。完全に負けてるじん・・・・へこむなぁ~~

 

 

 

町の復興はルプスレギナとデス・ナイトに任せる、ネムの事は特に、私の妹だからと伝えた。

エンリ達は予定通り明日バハルス帝国に向かうことになる。

 

道中、モンスターとの戦闘も行いつつ向かっている。カッツェ平野と呼ばれるアンデットが多発すると言う場所を通り抜けよう。

 

ユグドラシルでの経験上、アンデットを相手にする方が楽だと思ったから、ゴブリンなど少しでも知性があれば、予測できない行動を取られることがおきるため避けることにした。

それに・・・・血がドバドバーーはグロ過ぎて難易度が高すぎる・・・つい最近までこんな事とは無縁の世界で暮らしてきたんだ!!いきなり出来るわけがない!

 

カッツェ平野で4日戦って分かった事がある‥‥ほぼ逃げ回っていたんですけど‥‥

『ギャーキャーウギャー』祭りだった。

ユグドラシルのように経験値が溜まってレベルアップ!!課金でレベルアップ!!こんなものは無いから!!

経験値が溜まり、レベルアップの音が鳴り‥‥HPが10あがりました~とか無いから‥‥

 

スポーツと同じ‥‥日々の練習で力をつけていく‥‥本当にリアルだよ。

逃げ回ったおかげで持久力が上がった気がします。腕力も剣を振り回したのであがったかも?

 

エンリ達は結構な日数をかけて、ようやくバハルス帝国についた。

バハルス帝国は凄いのか、どうなのかもよくわからないエンリ、カルネ村しか知らないから比べ様もない、村と比べればどんな街もすごい事になるだろう。

 

 


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