本当に励みになります!
思い立ったらすぐに行動するというのが友希那さんのモットーらしい。
次の日の日曜日。
朝早くにインターフォンが鳴ったと思ったら、大きなトートバックとギターを背負った友希那さんがドアの前にいた。
「おはよう、浩紀くん」
いつものクールな表情でぺこりとお辞儀をする。
重そうなギターを背負っているのでなんだか危なっかしい。
「今日も猫を見に来た……わけではなさそうだね」
「ええ。昨日言ったでしょ。今日は音楽を演りに来たわ」
そう言いながら、もはや自宅のようにすたすたと家の中に入ってくる。
ピアノの部屋へ一直線だ。
「あ。それと」
ぴたりと立ち止まり、振り返る。
「猫ちゃんは後で見るわ」
見るんかい。
「おや、昨日の」
新聞を読んでいた親父がパジャマ姿でリビングから顔を出す。
「お邪魔しています」
昨日と同じように律義に友希那さんが頭を下げる。
「これからほぼ毎日お邪魔すると思います」
おいっ。
僕の都合は無視かよ。
いや、別にいいけどさ。
「は、春が来た……」
なんか感慨深げにつぶやいている親父の足を踏んでおいて、急いで友希那さんの後を追いかけた。
ピアノ部屋に入ると、トートバックとギターを床に置く友希那さん。
トートバックは、シックな黒色なんだけど右下のほうに小さく花の刺繍がしてある。
そういうちょっとしたところが女の子らしくて僕はドキッとしてしまう。
「昨日、ロックはあまり聴かないから自信がないと言っていたけれど」
トートバックから、一枚のCDを取り出して友希那さんが僕に手渡してきた。
「このバンドを聴いてみてほしいわ」
受け取る僕。
女の子の持ち物を手渡されるなんて生まれて初めてだ。
なんかこう、むずっとした気分になる。
「?? どうしたの?」
僕の反応を怪訝に思った友希那さんが無垢な表情で問いかける。
い、いかんいかん。
変な奴だと思われてしまうぞ。
気を取り直して、CDのジャケットを見ると。
4人編成のロックバンドなんだけど、真ん中に大きなグランドピアノが写っていた。
グランドピアノの前に立つ男を中心に、ギターを持った男、ベースを持った男、そして後方にドラムスティックを肩にあてた男が立っている。
「ピアノが中心になってる」
僕がつぶやくと、友希那さんが心なしか興奮した声で解説してくれた。
「そう。中央のピアニストがメインのロックバンドなの。キーボードではなく、ちゃんとグランドピアノを弾くのよ。もともとはジャズをやっていた人らしいわ。キース・ジャレットに影響を受けているの。縦横無尽のタッチで弾くから、エレキギターの音にも全く負けていない。それでいて調和も取れているの」
キース・ジャレット。
独創的な奏法で有名なジャズ・ミュージシャンだ。
こんなロックバンドもあるのか。
「このバンドなら参考になると思うわ。聴いてみてほしい。この部屋にプレイヤーはあるかしら?」
「あ、ごめん。CDプレイヤーはリビングにしかないんだ」
「そう。かまわないわ。私の携帯にも入れてあるから」
そう言って、携帯電話を取り出す。
イヤホンコードを接続して、僕に差し出してきた。
「聴いてみて」
手に取ってから、はたと気が付いた。
こ、これって、普段友希那さんが使っているイヤホンだよな。
ぼ、僕の耳に入れちゃっていいのかな?
「早く聴いてほしいわ」
待ちきれないという表情の友希那さん。
ま、まぁ、本人が気にしていないのだから、気にしないでおこうか。
「……こういうのもあるんだ」
イヤホンから流れ出した音楽を聴いて、僕は思わずつぶやいた。
楽曲は確かにロック調なんだけど、グランドピアノの音がしっかりと活躍している。
イントロを流麗に奏で、ビートの屋台骨を左手でしっかりと支える。
ボーカルのブレスの隙間を縫うように縦横無尽に駆ける様子は確かにジャズ的だ。
これは……確かに、僕の中のロックに対する認識が変わったかもしれない。
「どうかしら?」
ちょっと心配した面持ちで友希那さんが問いかけてくる。
自分が勧めた音楽が相手に気に入ってもらえるかどうかってすごく気になるもんな。
「友希那さん、これ……」
僕はサムズアップした。
「すごく良いよ! こういうロックがあるなんて知らなかった」
僕の言葉に、友希那さんが嬉しそうにうなづく。
「そう。そうなの。ロックなのに、ちゃんとジャズのテイストが活かされていて。これなら、浩紀くんも参考にしやすいでしょ?」
「うん。特に、ブリッジの直後に入ってくるピアノの音がすごくモーダルな感じでカッコよかったよ」
「ブリッジの後ということは……」
友希那さんが携帯を操作して、その部分を再生。
片方のイヤホンを再び耳に挿した僕は頷く。
「そうそう、この部分」
「ふふ。私もここが好きよ」
友希那さんが不意に僕の真横に。
イヤホンのもう片方を手に取ると、自分の耳に挿した。
肩と肩が触れ合う。
イヤホンのコードの長さのせいなんだけど。
仕方ないんだけど。
さ、さらさらの髪が僕の肩にかかってるんですけどっ。
「~~~♪」
音楽に合わせて可愛らしくハミングする友希那さんに、僕は緊張しっぱなしだった。
* * *
友希那さんセレクトの“ピアノが活躍するロックの曲”をいくつか聴いてロックの雰囲気をつかんだ後は、いよいよセッションが始まった。
友希那さんが持ってきた、定番的なブルースの楽譜を譜面台にセット。
「ロックの基本になっているのはやはりブルースだから。こういう曲から練習を始めるのがいいと思う」
それはきっと僕への配慮でもあるのだろう。
ブルースの曲調なら、ジャズとの距離感は意外に近い。
そもそも、ジャズもブルースも黒人が得意とするものだ。
ジャズメンがアルバムの中でロックを取り上げることは少なくても、ブルースを取り上げることは非常に多い。
また、ロッカーがブルースを弾くのも定番。
その意味ではブルースは、ジャズとロックの積集合といえるのかも。
ジャズ畑を歩んできた僕と、ロック畑を歩んできた友希那さんが、互いの呼吸を合わせるのに最適の選曲だ。
「いくわよ」
ギターを手に、友希那さんが目くばせする。
僕は頷いた。
鍵盤に、指を触れる。
音が生まれる。
僕が生み出した音に、友希那さんが弾くギターの音が混じる。
「!!」
なんだ、これ。
驚くほどドライブするぞ。
指が勝手に動くみたいだ。
メインのテーマが終わると、アドリブを入れたくなる。
コード進行に沿って、どんどんと音を紡いでいく。
まるで呼吸を合わせるかのように友希那さんも、ギターのフレーズを入れてくる。
短いカッティング。
僕のピアノの音と会話をしているみたいだ。
僕は思わず微笑んだ。
友希那さんの方を見る。
彼女もにやりと笑う。
「もっと。もっとよ」
その言葉に、僕はさらに指を動かす。
無我夢中だ。
どんどんと音が広がっていく。
その場の思い付きのアドリブだというのに、友希那さんはきっちりとついてくる。
小節が終わった瞬間。
友希那さんが、歌いだした。
展開が終わり、元のメロディーに戻ったのだ。
とはいえ、濃厚に絶妙に音程をフェイクさせている。
う、上手い。
昨日初めて聴いた時も思ったけれど。
なんて美しく、力強い歌声なんだろう。
* * *
「…………まるで、会話をしているようだったわ」
弾き終えた後。
友希那さんが呆然とつぶやいた。
額を汗が伝っている。
その汗をぬぐいもせず、僕を見つめる。
「浩紀くん。私、弾いている間、まるであなたと会話をしているみたいだった。こんなこと、生まれて初めてよ」
そう言いながらぐんぐんと歩み寄ってくる。
ち、近い、近いってば!
至近距離で見ると、滴る汗がなんかセクシーで……すげー綺麗だ。
僕は思わず目をそらしてしまう。
するとその動作を拒否だと勘違いしたみたいで。
友希那さんの声から急に元気がなくなってしまった。
「ち、違ったかしら……」
あぁぁぁぁ。
めっちゃシュンとしちゃってる。
違うんだ、友希那さん。
僕も同じこと思ってたんだよ。
ただ、顔が近すぎて恥ずかしくなっただけで。
「友希那さんっ」
慌てて僕は彼女を見つめなおす。
「なに?」
今度は友希那さんがぷいっと目を逸らす。
「い、いいのよ。慰めなんて。私の独りよがりの感想だから」
あ。
なんかすねてる。
若干だけど、頬もぷくっと膨らんでるような。
こういう表情もするんだな。
って、感心してる場合じゃないぞ。
誤解を解かなきゃ。
「全く同じだから!」
僕はすねちゃった友希那さんの横顔に向かっていった。
「僕も同じこと考えてた。音と音で会話してるみたいだって。弾いていてすごく気持ちよかったよ」
「本当?」
ちらっと僕を見る友希那さん。
こくこくと僕は頷く。
すると、ようやく信用してくれたようで。
「……そう。それは良かったわ」
さも当然と言わんばかりに颯爽と髪をなびかせた。
でも……。
クールぶってるけど、口元がちょっとぴくぴくしてる。
笑顔になっちゃいそうだけど恥ずかしいから我慢してるのか。
* * *
数曲セッションを重ねた後、休憩タイムに入った。
お互いに感じたことを意見交換する。
「シングルトーンで弾いた時。弾いている弦以外をミュートしようとしたのに、少し失敗してしまったわ」
「ソロの部分のこと? ほとんど気が付かなかったな」
「駄目よ。こんなことでは」
友希那さんは自分に厳しい人だ。
悔しそうに首を振る。
「ギターは本当にまだまだダメ。もっと練習しなきゃ」
「友希那さんは、どちらかといえば歌の方がメインなんだよね?」
僕の問いかけに肯首する。
「ええ。本当は歌に専念したい。けれど、一人で歌っていた時、やはりギターが必要になることもあったから。編曲とか作曲の上でも楽器は知っておいた方がいいし……」
それで合点がいった。
駐輪場のそばのスタジオでギターの練習をしていた理由が。
そこでふと思い出す。
あの夜、友希那さんは僕に“今は一人”だと言った。
「今井さんとバンドをやってたんだよね?」
僕の問いかけに、少し寂し気に首を振る。
「別に。バンドといえるほどのものではないわ。二人でスタジオに入ったりもしたけど。中学生2年生の頃までの話よ」
そうか。
今井さんがベースを辞めてしまったのは数年前のことなのか。
それからずっと友希那さんは一人で練習とライブを繰り返してきたのかな。
なんだか、会話が途切れてしまった。
暗い雰囲気になりそうだったので、話題を変えることにする。
「そういえばさっき、作曲って言ったよね。友希那さん、オリジナル曲はあるの?」
「そ、それは……」
ん?
何やら、友希那さんがわずかに顔を赤らめたぞ。
いつになく、そわそわとした様子でトートバックをチラチラと見ている。
「ま、まぁ、その。なくはないわ……」
……絶対そのバックに入ってるな。
僕がトートバックに視線をやると。
「!!」
しゅばっと音が聞こえそうな勢いでトートバックを抱え込む友希那さん。
「人の荷物をじろじろと見るのは感心しない態度ね」
そう来るか。
持ってきておいて、結局見せてくれないってパターンか。
逆に見たくなるぞ。
「そこに入ってるよね、楽譜」
僕が指摘すると。
「そんなことはないわ」
ふしゃーっと警戒する猫のように僕をにらみつける。
なんか、膨らんだ尻尾の幻影が見えそうだ。
「友希那さんの作った曲、見たいんだけど」
「今日は忘れたわ」
「それじゃトートバック、開けて見せてよ」
「いやよ」
「どうして?」
「いやなの」
会話が成り立っていない。
しょうがないな、奥の手だ。
「あっ! 猫が部屋に入ってきた!」
「猫ちゃん!!? ど、どこかしら!?」
目を輝かせて友希那さんが僕の指さす方向を振り向いた瞬間。
「ていっ」
トートバックを奪う。
「あぁっ!」
友希那さんは涙目だ。
「ね、猫ちゃんがいないわ。騙したのね!」
怒るところそこかよ。
「か、返して。私のトートバック」
うっ。
うるんだ目で言われると弱いなぁ。
というか、よくよく考えると、女子のカバンを勝手に開けるのはさすがにマズいか。
いや、常識的に考えて絶対にダメだろ。
しまった。
友希那さんのオリジナル曲が見たいあまりに理性を失っていた。
「ご、ごめん……」
謝ってバッグを返却。
「もう……。変なことはしないで頂戴」
怒っている……というよりはあきれた表情で友希那さんがため息をついた。
じっとトートバックを見つめて、つぶやく。
「覚悟を、決めたわ」
トートバッグから手書きの楽譜を取り出した。
「はい」
それを僕に手渡してくれた。
いかにも友希那さんらしい、丁寧で几帳面な筆致で描かれた楽譜。
目を通すと、音が僕の脳裏に浮かんでくる。
しっかりとした構成だし、おかしな部分は何もなさそうだけど。
「あの」
友希那さんが、顔を赤らめて僕に問いかける。
「や、やはり、恥ずかしいわ」
「どうして? すごくちゃんとした譜面だと思うんだけど」
「だって、その。さっきまでブルースの名曲を弾いていたのよ。そのあとに比べることがおこがましいわ」
そういうことか。
僕はようやく、友希那さんが恥ずかしがっている理由を理解した。
それは彼女のストイックさ故なんだ。
プロが作った曲を相手に、自分の曲の物足りなさを恥じているわけだ。
でも……。
僕は、友希那さんの楽譜をピアノの譜面台に置く。
そして、メロディを弾き始めた。
それは流れが美しく。
友希那さんらしい繊細さにあふれたメロディだった。
なんとなく哀愁があるのも、孤高の美少女な友希那さんのイメージにぴったり。
曲って、作曲者に似るんだろうか?
弾き終えて、僕はつぶやいた。
「これ、すごく良い曲だ。美しくて淋しげで、それでいて力強さもあって。まるで友希那さんみたいだ」
「えっ、……」
「ん?」
ぼふっと音を立てそうな勢いで、友希那さんの頭上から湯気が上がったような。
「な、なな、ななな……」
クールな友希那さんのイメージからかけ離れた変な声をあげる。
うわっ。
熱があるんじゃないかってぐらいに顔が真っ赤だぞ。
「ゆ、友希那さん?」
僕が恐る恐る名前を呼ぶと。
ハッと我に返った友希那さんが、僕をにらみつけてきた。
「へ、変なことを言わないでっ」
褒めたのに、なぜ怒ってるんだ!?
別に変なことを言ったつもりはないんだけど。
普通に曲を褒めただけだし。
素直な感想だし。
「変なことなんて言った覚えはないよ。僕の素直な気持ちだから」
「す、素直な、気持ち!?」
なんかまたおかしな反応。
あたふたと狼狽えているぞ。
ぼ、僕、そんなにおかしなことを言っただろうか?
えっと……僕は、友希那さんが作った曲が、美しくて淋しげで力強くて。
まるで友希那さんみたいだって……。
って、ちょっと待て。
これじゃまるで友希那さんが美しい言ってるみたいじゃないか。
いや、友希那さんは事実、美少女なんだけど。
でも確かにこんなこと言われたら誰でも恥ずかしいだろう。
そ、そういうことかっ。
「あ、あぁぁ、いや、違うんだよ。その」
今度は、慌てるのは僕の番だった。
「きょ、曲。曲だから。あくまで、曲に対する感想。他意はないから」
「そ、そう?」
「う、うん」
「そ、それなら良かったわ」
冷静さを取り戻す友希那さん。
こほん、と咳払いをして。
「あなたが気に入ってくれたことは素直に嬉しいわ。今から、そのオリジナル曲も練習しましょう」
そう宣言して、ギターを抱える。
相変わらずストイックだなぁ。
誤解が解けてすっかり調子を取り戻した友希那さんだけど。
僕の方はまだ恥ずかしさが残っていて、単純なミスを繰り返してしまうのだった。
友希那さんに叱られたのは言うまでもない。
* * *
そんな感じでセッションを繰り返しているとあっという間に夕方になってしまった。
そろそろ帰らないと、友希那さんの親が心配するだろう。
「友希那さん。もうこんな時間だよ。そろそろ終わりにしようか?」
「まだ大丈夫。もう一曲、もう一曲だけ演りたいわ」
「でも、あまり遅いと家で怒られちゃうよ? 練習はまた明日もできるし」
僕の言葉に、友希那さんが時計を見る。
ため息を一つ。
「わかったわ。続きは明日にしましょう」
どうやら納得してくれたみたいだ。
ギターをケースにしまい、楽譜もトートに戻して、帰り支度。
廊下を歩いていると、不意に友希那さんが立ち止まった。
「あいてっ」
後ろを歩いていた僕は背中のギターケースに鼻をぶつけてしまう。
「ど、どうしたの?」
「浩紀くん」
深刻な顔をして友希那さんが振り返る。
「やっぱり私、まだ帰りたくない」
え?
え?
どういうこと?
すごく真剣な瞳で、友希那さんが僕を見つめてくる。
「だって……」
だって?
「まだ……」
ま、まだ?
「猫ちゃんに触ってないのだもの」
思わずコケそうになった。
そういえばそうだった。
練習に夢中で忘れてた。
「ちょっとだけでも触ってから帰るわ。そうしないと今夜眠れない」
鼻息を荒くして友希那さんが僕に懇願する。
び、美少女なのに……。
「しょ、しょうがないな。あいつらどこに行ったかな」
だが。
猫とは往々にして、探しているとき出でてこないのだ。
15分ほど探したけど、どこにもいない。
「今日は諦めようよ。今はたぶんどっかに隠れて寝ているんだと思う。夜のご飯の時間にならないと出てこないよ」
「そ、そんな……」
うわっ、めっちゃ悔しそう。
「夜。夜になると出てくるのね?」
「う、うん。でも、この時間に寝ているなら、かなり遅くならないと出てこないと思うけど」
「わかったわ」
友希那さんが携帯を取り出す。
「な、なにをする気?」
「今夜は浩紀くんの家に泊まると父に連絡するの」
「や、やややめろー!」
殺されるってば、僕が。
慌てて友希那さんの携帯を奪おうとするが。
「させないっ」
楽譜の時の騒動で僕の動きを読んでいるのか、上手くかわされてしまう。
くそっ。
こんな時にもセンスを発揮しやがって。
「友希那さん、携帯を閉じて」
「ダメよ。もう決めたもの。猫ちゃんが出てくるまでここにいるわ」
こうなるとテコでも動きそうにない。
ど、どうすれば……。
んん?
友希那さんの後ろに、いま何かいたような。
あの三毛模様の生物は……。
……チビだ!
うるさくしゃべっていたから起きたのか!
「友希那さんっ! 後ろ、後ろ!」
「もうダマされないわ。浩紀くんのやることはすべてお見通しよ」
「違う違う、本当だって」
「そんなわかりきった嘘……ひゃぁんっ!」
友希那さんがビクッとはねた。
「な、なに?」
振り返ると……。
「チビ!」
チビが、友希那さんの足をなめていた。
「ふふふ、くすぐったい♫」
満面の笑みでしゃがみ込む友希那さん。
これでお泊まりは回避されたようだ。
僕はほっと胸をなでおろす。
「た、助かったぁ……」
ちょっとだけ残念とか、思ってないぞ。
(続く)
如何でしょうか?
音楽を文字で書くのは難しいです。
キャラクターや描写なども、違和感などございましたら、お気軽にご指摘ください。
次話はライブハウスのお話にしたいです。