「っ・・・はぁ、はぁ、はぁ」
《
体中に疲労と言い難い何かが押し寄せる。
俺は膝をつき、肩で息をしている。
身体の中にある体力、精神力、魔力を死ぬ寸前まで用いて絶対的な破壊力のある一撃を放つ。
開発して以降、一時的に封印しておいた技。
でも、使った。あれほどドライグに使うなと言われたのに。
何で使ったんだろう・・・。
そんなことを考える間もなく視界が霞み、ぼやけてきた。
「・・・・・ちく、しょう・・・」
雨が降りしきる屋根にばたりと倒れた。
///
うっすらと見える景色。
『まずい! 心音が弱まりつつある!』
『くそぉー! 死ぬんじゃねーぞ!』
『なんでこんな時に限って
『口を動かす暇があるなら手を動かせ! 心臓マッサージ、それとラッツオの注射が優先だ!』
うるさいなぁ・・・少し寝かせてくれ。
「良太郎! てめぇ、一人だけで三途の川を渡らせないからな!」
「クソッ・・・! 俺が不甲斐ないばかりに・・・っ!」
・・・・なぁ、ドライグ。
『・・・・・』
ん? 反応があるのにダンマリ?
『この馬鹿やろぉぉぉおおおおおおおおお!』
ッッッッ! うるっさ!
『何がうるさいだ! あれだけ使うなといったのに・・・・まぁ、俺にも罪はあるが・・・。約束、覚えているか?』
おお、そのへんは罪悪感あるんですねぇ、伝説のドラゴンでも。
約束・・・? ああ。あれだろ。
これを使うのは、自分の信念を貫き通すときだけ。だっけ?
『ああ。あの技を使ったと言う事は、曲げられない信念があっての行動だろう?』
もちろん・・・・でも、忘れちまった。
『はぁ・・・呆れた奴だ。まったく』
ははは・・・。笑えねぇや。
『とりあえず、今は眠れ。事を起こすのはそれからだ』
その通りだな。
毎夜のようにドライグと修業の休憩時間に、武偵殺しの犯人について馬鹿な頭を振りしぼっていた。
そして、昨晩。話に話しあった末、犯人らしき奴は特定できたが、そいつだと決定づける証拠が無い。
だから今日。改めてそいつの行動を追おうと思ってたが、これだからなぁ・・・。
そこで、意識という名の糸がぷっつりと切れた。
///
「・・・・」
パチクリ。
目を開ける。そこは見慣れない部屋だった。
部屋というより、病室だよ。ここ。
ズキっ。頭に鈍い痛みが走る。くそぅ。まだダメ―ジが残ってやがる。
それを頭を左右に振り忘れさせて辺りを見回すとそこにはアルカディアと武偵手帳となぜかエクスカリバーと携帯が置いてある。
はぁー、窓から差し込む夕日。綺麗だなぁ・・・・。
「ん? 夕日?」
反射的に右手に語りかける。
ドライグ! ドライグゥゥゥウウウウウウウ!
『うるさいぞ。相棒。そんな大声を出さなくても聞こえている』
何で起こしてくれなかったんだよ! もう夕方じゃないか!
『相棒。悪い事と凄い悪い事。それと微妙なこと。どれから聞きたい?』
いきなり何を言い出すんだ。しかもいいことないのかよ!
じ、じゃあ。まずは微妙な奴。
『微妙なこと。まぁ、簡単に言えば神崎が自分の国に帰るそうだ』
ふーん・・・・。
・・・・なにで?
『次! 悪いこと! お前が無理をしたせいで
俺に質問する暇与えずしゃべりだした。
ん。ちょいまてぇぇえええええ! 神器が動かない!? 精神世界じゃ《BURST》だけだったのに! ちくしょー!やっぱり《MAXIMUMBREAK》じゃなくてレッド・バレットにしときゃーよかった!
『やはりあれは封印しておこう』
全くだ。あれは危なすぎる。
で、最後の凄い悪い話って?
『あの事件からすでに3日経っている』
・・・・・・・・・はい?
あー、ドライグ。俺の耳がおかしかったかもしれない。もう一回言ってくれ。
『あの事件からすでに3日経っている』
うん。一字一句。間違えずによく言えましたって言ってる場合じゃなぁぁああああああい!
3日!? 3時間の間違いじゃないか!?
『俺はこういうのに関して嘘はつかん』
なら、まずいじゃねーか!
それと質問し損ねた奴。質問するぞ。
アリアは何で自国に帰るんだって?
『・・・・ジャンボジェット』
アウトぉぉぉぉおおおおおおおお! 3アウトチェンジ!
と思わず叫ぶ。
俺は急いで武偵高の制服に着替えアルカディアを装備する。
まずいじゃないか! これじゃあ、武偵殺しのシナリオどおりじゃないか!
「ちぃ!」
俺は病室を出て携帯を乱暴に開きとある人物に電話をかける。
『良太郎、起きたのか?』
とある人物。それは真田影虎だ。
「ああ。影虎。今どこにいる?」
『ちょうど武偵病院の前だが』
「そのまま動くなよ! それと、例のあれ。あるか?」
『ああ。それを届ける意味合いで武偵病院に来たんだが・・・』
よし! ついてる!
「それと、アリアが今どこにいるか知ってるか?」
『ああ。なんでも羽田の最新鋭機の飛行機に乗るって聞いたな』
そうか・・・。頼むから間に合ってくれよ!
俺は急いで階段を駆け下り病院の自動ドアをくぐると紙袋を抱えた影虎がいた。
「よぉ、良太郎。ケガは大丈夫なのか? 頭に包帯巻いてるからてっきりまだ病人だと・・・」
「俺のケガはもう治ってるさ! それよりも、早く出せ!」
「まぁそうあわてるな。逃げてくモノじゃないから」
「時間は逃げて行くもんなんだよ!」
物凄い剣幕で言う俺。
「ちょっとまてって・・・じゃっじゃーん! 相手が空を飛んでいる? そんな時の為の電動式立体起動装置~」
紙袋から出したのは。
ベルトの両サイドにアンカー射出口がついており、腰の後ろ側には排機構がとりつけられている。
俺はばっ! と影虎から電動式立体起動装置を奪い取り素人目で不備が無いか確認する。
よし、ない! (多分!)
「練習通りすればなんとか扱えるさ」
「サンキュウな! いろいろと!」
俺は急いで電動式立体起動装置を取り付けてエクスカリバーを変形させ立体機動装置の操作装置を兼ねる二対の剣を形成する。
俺はすぐさまトリガーを引き立体起動装置を起動させる。
ビルの壁に突き刺さりトリガーを引くことでワイヤーが高速に巻き取られその空気エネルギーを排出することで高速にかく3次元的な移動が可能になる。
俺はトリガーを引きワイヤーを建物の壁に突き刺してはすぐに巻き取ることを繰り返す。
クソッ! 間に合ってくれよっ!
緋色に光る夕日に向かって吠える。
「待ってろよぉおおおおお! アリアぁぁああああああ!」
///
「どーするの? あいつ。ここに向かってるけど?」
「んー。じゃ、りょーちんの相手をよろ!」
「・・・いいよ! りこりんのためならなんでもしちゃう!」
「でも、殺さない程度にねぇー」
「りょーかい!」
「くふふ、りょーちんはこれで終わりかな?」
良太郎「ちくしょー! こんなときに故障!? ありえねぇー!」
ユウ「お、良太郎じゃないか。どうしたんだ? そんなビルの壁にワイヤー何か突き刺して」
良太郎「・・・(なんで空飛んでんだよ)頼む。羽田まで」
ユウ「そうだな・・・なら今度、ストレインでオムライスを奢ってもらおうか」
良太郎「いいだろう!」
ユウ「よし、いいだろう」
良太郎「次回! ♯11 こんなときに限って・・・!」
ユウ「次回もお楽しみに!」
良太郎「(うわぁー典型的な次回予告の終わりのあれだよ・・・)」