身体を激しく打ち付ける豪雨。
遠ざかる飛行機。
・・・・って簡単に死ねるかぁぁあああああ!
ドライグ! エクスカリバーを――――
『お前、バーの天井に突き刺したままだろ』
あああっ! そうだったぁぁあああ!
ええい! こういう時の立体起動装置――――も故障してるしエクスカリバーがないかならアンカーが射出出来ないんだ!
・・・! これだよ。
ドライグ! 前に精神世界で使ったあれ。出来るか!?
『・・・それは完全に運まかせだな』
ってことは出来るんだな!
『ああ、しかし成功するとは限らん』
そうかい!
パン! 俺は右手と左手を合わせ細く、それでいて丈夫な赤いワイヤーを形成していく。
赤いワイヤーを形成したと同時にバー目がけて籠手から射出する。
ガチ! ワイヤーがなんかにしっかりと引っ掛かる。
「頼むぜ!
《
籠手からそのような音声が発せられると同時にワイヤーが勢いよく巻き取られる。
途中、ワイヤーが切れないか冷や冷やしながらも順調に巻き取られていくワイヤー。
このままなら・・・!
と思った瞬間。
激しい轟音と爆風に身体を揉まれる。
目を凝らしてみると4つあったエンジンの2つが破壊されている。
おいおい・・・嘘だろ・・・。
これはエンジンが2つ破壊されたことについて言っているわけじゃない。
ワイヤーがぷつりという情けない音を出して切れたのだ。
眼前にまで迫った穴から自ずと遠ざかっていく。
俺は・・・結局、自分だけじゃ何もできないのか。
再び、暗闇にのまれかけ瞑目した時だ。
がしっ!
俺が最後の抵抗にと伸ばした右腕を力強く誰かが掴んだ。
目を見開く。
「***!」
キンジの奴がなにか言ってる。
・・・へ。
お前に言われなくても・・・!
「分かってるんだよ!」
俺はキンジの腕を支点にそのまま穴に戻る。
///
「し、死ぬかと思った・・・というより死にかけた・・・」
俺は両膝をつき呼吸を整える。
するとキンジが俺の元に歩み寄り言い放つ。
「良太郎、俺に何か言う事無いか?」
「ありがとな。あれはマジで助かった」
「よろしい」
こいつ。殴っていいか?
「それよりも、エンジン2つやられたぜ? 大丈夫なのか・・・?」
俺の命の次に心配だったことを聞く。
「・・・・俺に聞くな」
ですよね~。
「とりあえず、操縦席に行くか」
「そうだな」
さりげなくキンジに促され俺はあいつの背中を追う。
///
「遅い!」
「「いや、遅くない」」
操縦桿を握るアリアと俺とキンジの会話はスルーしてほしい。
キンジが素早く副操縦席に座る。
「お前、飛行機操縦できるのか?」
その間にアリアに質問する俺。
「セスナならね。こんなジャンボジェットなんて飛ばしたこと無いわよ」
飛行機操縦できるのかよ!
そんなツッコミは置いといてキンジから衛星電話を奪い取りとある電話番号に電話する。
プルルル・・・・
『誰だ。今忙しんだ』
久しく聞く男気ある声だ。
「もしもーし、光太郎。俺だよ。俺俺」
まるでオレオレ詐欺の様に言う俺。
『良太郎か!?』
「あたり」
電話越しに二ヤリと笑う。
『今大変なことになってるのは知ってるだろ?』
「ああ。ハイジャックだろ?」
『
さすが通称『武偵のたまり場』こんな時ですら機能するんだな。
『ハイジャック犯はどうした?』
「逃げられた」
というより逃がした。と言うのが正しいな。
『・・・まぁ、この悪天候の中で逃げれるものなら逃げてみろ。というものだな』
それが逃げてるんですよねー。結構大胆に。
「まぁ茶番はこれぐらいにしておいて。なんか内側エンジン2つがぶっ壊れてな・・・」
『そんなことか。大丈夫だ。お前らの乗っている飛行機は最新鋭の技術の結晶だ。早々に墜落などしない』
というよりしてたまるか。
「んで、俺達はどーすればいい?」
『・・・ちょっと待て。良太郎。破壊されたエンジンは内側のだな?』
「そうだが・・・それが何かあったか?」
『燃料のメーターを教えろ』
えーっと・・・・・。
たくさんの時計見たいのがあってどれがエンジンのだか分りません!
「540・・・今535になった」
キンジが俺に言う。なんだよ、聞こえてるのか。
「らしい」
『ちぃ・・・盛大に出てるな』
・・・はい?
つまり・・・・・。
「ね、燃料漏れとか言うなよ?」
『言いたくないがお前の言ったとこが正解だ』
なら言うなよ! というより聞くたくなかったよ!
「止める方法は無いか!?」
『ない』
即答ですか! こいつが即答するほどなら燃料漏れは止めれないのか・・・。
「どれぐらいもつ?」
『・・・もって15分だ』
「さしが最新鋭機だな」
「それな」
愚痴るキンジに反応する俺。
『良太郎。どうやらその飛行機は相模湾上空をぐるぐる回っていたらしい。現在は浦賀水道上空だ。羽田に引き返すんだ。もうそこかしか距離的には飛べない』
「もとからそのつもりよ」
・・・こいつも聞いてたのかよ。というより聞こえてるのかい!
『操縦はどうしている? 絶対に自動操縦はきるな?』
「そんなものがあるならアリアは苦労してないぜ」
苦笑いをこぼしながら言う俺。
『・・・用意周到なハイジャック犯だ』
その用意周到なハイジャック犯は峰なんだけどな。
「そういう事で、緊急着陸の方法を教えてほしいだが・・・」
『やめておけ。素人がちょっとやそっとで出来るものじゃない』
「案ずるな。光太郎。ここには現在Sランクの神崎・H・アリアと元Sランクの遠山キンジ。更には・・・Sランクになり損ねた俺が居るからな」
『・・・・どれも強襲科だろ』
・・・痛いところをつかれた。
折角かっこいいセリフ言ったのに! 台無しじゃないか!
「そんなことはどうでもいいから光太郎。時間がないから近接する航空機との全ての通信を開いてほしいんだが・・・出来るか?」
『一度にだと・・・?』
「ああ」
『・・・了解だ』
しばらくの沈黙の後に了解の声が聞こえたと思うとわーわーといろんな声が入り混じった聞こえる。
・・・全く意味不明です。
とふと右を見るとそこには戦闘機が張り付いていた。
それを確認すると同時に衛星電話から割り込むように
『こちら防衛省。航空管理課だ』
防衛省? なにそれ?
思わず目をぱちくりさせる俺。
そう思うと同時に衝撃的な言葉が飛んでくる。
『羽田空港の使用は許可しない。羽田は現在閉鎖中だ』
『ざけんじゃねーぞ!』
俺の言葉を代弁するように友情に忠実な男の声が聞こえた。
『誰だ? 君は?』
『俺は武偵のトール・ポルドウィン! 狙撃科兼強襲科のエリートだ!』
・・・自分からエリートといってどうする。
『良太郎たちが乗ってる飛行機は燃料漏れを起こしてんだよ! 距離的に、時間的にも羽田しか緊急着陸するとこはねぇーんだよ!』
トッポの言葉は届くはずもなく・・・。
『トール武偵。これは防衛大臣が決めたことだ。一武偵がなにをしようと変わらない』
・・・むかつくやろうだな。
『良太郎! こいつらの言葉に耳貸すんじゃね―ぞ! そうじゃないと―――――――』
いきなりトッポとの通信が切られ防衛省の通信のみとなる。
『君たちの飛行機の左右に居るのは誘導機だ。誘導に従い千葉へ向かえ。安全な着陸場所を提供する』
その言葉を聞いたアリアが操縦桿を傾けようとしたとき。
「「やめとけ。絶対に嘘だ」」
と俺とキンジが同時に止めに入る。
まず羽田ぐらいまでしか持たないのにわざわざ千葉へ向かう必要があるか?
多分・・・海へでたら撃墜される。
俺は防衛省との通信を切る。
そして、微かに残る希望を胸に秘めアリアに地上を飛ばせる。
もう。何からも逃げたりはしない。絶対にだ。
トッポ「えーい! こんちくしょうめ! 何が一武偵が何をしようと変わらないだ!」
影虎「さて・・・でっかい花火でも打ち上げに行くか?」
ランスロット「お~、いいね~。俺も暇つぶしにバズーカ砲ででっかい打ち上げ花火が見たかったんだよ」
光太郎「・・・お前達。あのF15を撃ち落とす気だろ?」
影虎・ランスロット「「そだけど? なにか?」」
アリス「うう・・・先輩。無事で何よりでしたぁ・・・」
バン!←扉開く音
武藤「お前ら! ちょっっっと来い!」
みんな「「「打ち上げ花火をしに?」」」
武藤「・・・違う! とらいあず、車輌科にあるでっかいライト系のを全部根こそぎ持ってこい!」
ユウ「さっきの間は一体何だ?」
武藤「(実はさっきの打ち上げ花火というのも悪くないと思ったからな)」
影虎「とりあえず、片っぱしから持って行けばいいんだな?」
武藤「そういう事だ!」
光太郎「それなら行こうか。武偵憲章一条を全うしに行こうか」
みんな「「「おうけぇい!!」」」
ユウ「次回。#16 ご都合主義な奴にアリアは渡さない」
みんな「「「次回を御期待下さい!!」」」