加賀見を戦妹とやらにしてから数日が立ったある日のことだ。
男子寮を出ると雨が降っていた。
「雨かよ・・・」
俺は常備している折り畳み傘を取り出して傘をさしながらバス停まで行く。
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「うへぇー、ひでぇな。こりゃ」
と漏らしてしまった。
なぜなら一台のバスに乗るのにおしくらまんじゅう状態です。
どうしよ、乗ろうかな? それとも、光太郎に送ってもらおうかな?
「・・・・」
よし。決めた。光太郎に送ってもらおう!
と決断した瞬間にバスは行ってしまった。
「お~い! 待ってくれー!」
と情けない声を出しながら走ってくるのは隣の部屋に住んでいる遠山キンジだ。
「おー、キンジ。遅刻する気か?」
嫌味を含めた笑みをキンジに向ける俺。
「なっ! お前こそ! このバスが最後のバスだってこと知ってるんだろ?」
「ああ。もちろん」
「ならどうするんだよ」
「光太郎に送ってもらう」
「よし、俺も一緒に頼む」
さりげなく自分も乗せてくれって・・・。
という事で一つ提案した。
「コバンザメみたいに車の下に張り付いてくるなら考えてやる」
「こいつ! 乗せない気だ! しかもコバンザメかよ!」
「あー、面倒だな。そろそろ呼びますか」
と携帯を散りだし光太郎にかけようとしたら。
PIPIPIPIPIPI!
あ、電話だ。
と表示された画面を見るとアリアからだった。
「あー、もしもし。なんだ? 用がないなら切るぞ?」
『まだ何も用件は行ってないわ! それよりも! あんた、今どこにいるの!?』
うへぇー、アリアさまは朝から機嫌が悪いこって。
「バス停」
と短く返すと怒り狂ったような言葉が返ってきた。
『あー! なんでそんなところにいるのよ! 訳分からない!』
いや、訳分からない。こっちのセリフだけど。
『とりあえず! 強襲科の屋上に来なさい! いいわね!』
と言うと一方的に切られた。
・・・・なんだ、こいつ。朝から何があったんだよ。まったく騒々しい。
と思った瞬間にキンジの電話が鳴る。
そしてキンジが出ると再びあの奇声がこんにちは。
俺は面倒なので雨の中、傘もささず強襲科の屋上目指して走っていった。
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―――――バラバラバラバラ
「・・・おい、アリア」
「なに? 今忙しいの。後にして」
「俺に言う事はないか?」
「ないわ」
「てめぇー! 勝手に人呼んで挙句の果てにバスジャックの事件を一緒に解決しろぉ!? ふざけんなぁぁああああああ!」
ごッつい装備――――通称C装備を着込んでいる俺の叫が現在のり込んでいるヘリコプター内部に響く。
「仕方ないでしょ! 手ごろなのがあんたらぐらいしかないのが悪いのよ!」
同じくC装備のアリアが銃の最終チェックをしている。
いや、手ごろなのって何!? 俺みたいな人間に毛が生えた程度の武偵なんかよりもっといいのがゴロゴロいるだろ!
ユウとか、ランスロットとか! 探せばいっぱいいるじゃん! なのになんで俺をチョイスしたんだよ!
ん、まてよ・・・ってことはだ。こういう系統は大体増援が来る。
そのどさくさに紛れて退散すればいいか!
と、淡い考えを抱いていた俺だったが。
「とりあえず、今はバスジャック事件を解決することだけに集中して。あたしたちで武偵高の生徒を護るのよ!」
あの・・・ってことは増援なしですか?
俺の淡い考えは読んで字のごとく所詮、淡い考えだった。
「ちくしょー・・・なんで最初の事件がこれなんだ・・・? ついてねー」
とヘリのはじっこでひたすらぶつぶつと呟くキンジ。
こいつも俺と同じ被害者だ。
俺と同様、ごッついC装備をしている。
そのとなりには。
「・・・・・・」
無言のままあの短いスカートで体育座りしている彼女は・・・えーっと・・・。
「レキです」
あ、そうそう! 名字なしで狙撃科Sランクのレキ!
それにしても、何か心を見透かされたような気がしたんだが・・・気のせいではないだろう。
するとアリアが窓に立ち双眼鏡を手にバスを捜している。
「ほら! あんた達も探す!」
乱暴に投げて来た双眼鏡をどうにか受け取りジャックされたバスを捜す。
えーっと・・・バスバスバスっと・・・。
「ホテル日光を右折しているバスです。 窓に武偵高の生徒達が見えています」
レキが淡々と告げる。
ん? ホテル日光? えーっと・・・どこだよ! ほとんど同じ造りしてるからどれがホテル日光だか分からないだろ!
「あ、あれね」
「ああ。あれのようだな」
アリアとキンジは見つけたようだ。
ちくしょー! どこなんだ!
「それと、レキ」
「なんでしょうか」
「あんた視力いくつよ?」
「左右ともに6.0です」
「「「・・・・・」」」
アフリカの先住民か原始人みたいな視力してやがる! だからスナイパーやってれるのか!
「ちなみに、爆弾はおそらくバスの外側かと思われます」
レキが淡々と告げる。
「なんでよ?」
ごもっともです。
「バスの内側でみなさん、爆弾を捜していますが爆弾らしきものが見当たらない所を見るとおそらくバスの外側――――――バスの下の部分かと思われます」
おお。理にかなっている。ただ、無感情。無表情ってのがたまに傷だな。
「じゃあ、あたしが爆弾の解体を受けもつからキンジは周囲の警戒。良太郎は車内の状況確認。いいわね?」
爆弾の解体って・・・。ま、まぁ、俺の仕事はあくまでバス車内の状況確認だ。これ以上のことはない!
「じゃあ、いくわよ!」
アリアの掛け声とともに俺達は雨が降る中パラシュートで降下していった。
良太郎「ちくしょー! なんで俺までキンジの道ずれなんだ!」
キンジ「クソッ! なんで最初の事件がこんな大事件なんだ!」
アリア「つべこべ言わない! 今は事件解決が最優先!」
良・キ「「はいはい」」
アリア「『はい』は一回!」
良・キ「「り、了解であります! (ちっ! 俺達完全に尻に引かれてやがる!)」」
キンジ「次回!」
良太郎「#9 《MAXIMUM!》」
アリア「読まないと風穴ものね!」