この素晴らしいホグワーツに爆焔を!   作:里江勇二

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 今日から更新再開です。3〜4日に一度の投稿を目指して頑張るので、よろしくお願いします。


紅魔めぐみんと秘密の部屋
この二年目のホグワーツに再会を!


 ホグワーツの終業式から二ヶ月。家ではやっぱり変な言葉を覚えていたこめっこに色々言われたり、金持ちの彼氏はできたかとお母さんがしきりに聞いてきたり、ガラクタ発明品の説明を延々としてくるお父さんに辟易したりと色々なことがあったが、概ね楽しい夏休みを過ごしていた。そして今日、そんな長い休暇も終わり私はゆんゆんと一緒にキングズ・クロス駅に来ていた。

 

「あ、ハリーたちじゃないですか。久しぶりですね」

 

 駅構内を9と3/4番線に向かって歩いていると、同じく9と3/4番線ホームに向かっている集団を見つけた。ハリーとウィーズリー一家だ。

 

「ああ、めぐみんとゆんゆんか。久しぶり」

「おや、我らがイタズラ仲間のめぐみんじゃないか。ヘイ、夏休みはどうだった?と、そちらは初対面だな」

「おいフレッド、あの名乗りをやるチャンスじゃないか?」

「その通りだぜ兄弟」

 

 私が声をかけるとフレッドとジョージはこちらを振り向き、ゆんゆんを見てそう言いポーズを取り始めた。

 

「我らはフレッド&ジョージ」

「ウィーズリー家一この世界を楽しんでいるものにして」

「いずれ魔法界中を笑いで満たす者!」

「「よろしくな!」」

 

 その名乗りを見たゆんゆんはポカンとしていた。そして周りにいた人たちもポカンとしていた。

 

「え?なんで?なんでこの人たちが紅魔の名乗りを?」

「おうおう、混乱してるね」

「大成功だ」

 

 そんなゆんゆんを見て、フレッドとジョージはそう言い合ってハイタッチをした。そんな二人の頭に近くにいた女性が思いっ切りチョップを打ち込んだ。

 

「痛ッ!」

「何すんだ母さん」

「何をするはこちらのセリフです。全く大勢の前で大声を張り上げて、そちらの子なんて戸惑ってるじゃないの。ごめんなさいね、うちの子たちったら悪ガキで」

「え、えっとそんな、全然大丈夫です」

「あなた、うちのロンと同じ二年生よね。お名前は?」

「その、紅魔ゆんゆんと申します」

 

 どうやらその女性はフレッドたちのお母さんだったようで、二人を叱りつけた後にゆんゆんにそう声をかけた。そしてゆんゆんはしどろもどろになりながら答えていた。何というか、相変わらずですね。

 

「久しぶりだね、めぐみん。元気してた?」

「ええ、楽しい夏休みを満喫しましたよ。そちらはどうでしたか?」

「ま、元気ではあったかな」

「僕は今までで一番楽しい夏休みだったよ。何せ休みの後半はロンの家に泊まれたんだから」

「ほう、お泊まりですか」

 

 とりあえずゆんゆんは放っておいてハリーやロンと話していると、前を歩いていた大柄の男性が話しかけてきた。

 

「もしかして、君が紅魔めぐみんかい?」

「ええ、まあ。えっと、ロンのお父さんですよね。いつもロンを始めウィーズリー兄弟にはお世話になってます」

「おお、そうか。やっぱり君があのめぐみんか。ロンたちの父アーサーだ。君のことは息子たちから話は聞いているよ。成績が学年トップで、しかも『あの人』を前にして一歩も引かなかった『石』の死守の立役者なんだって?ハリーをヴォルデモートから逃がしたって聞いたよ」

 

 どうやらロンはけっこう深いところまで家族に話したらしい。ダンブルドア先生に口止めされてた気もするのだが、まあいい。そんなことを考えている間も、アーサーさんは言った。

 

「本当にすごい。私たち大人の中でもそんなことができるのはほんの僅かだというのに。ハリーは『石』を『あの人』から掠めた張本人だし、ハーマイオニーという子もとても優秀な子なんだろう?ロンも頑張らなくちゃな」

「分かってるよ。僕なりに頑張ってる」

「そうかそうか、期待してるぞ」

 

 それだけ言うと、アーサーさんはまた前を向いた。

 

「兄さんたちと比べられるだけでもウンザリなのに、同級生とも比べられるなんて。全く」

 

 そんなアーサーさんにロンは小さく悪態をついていた。

 

「あなたがめぐみんなのね!ロンの言った通りね、本当に小さい」

 

 そうしていると、後ろからそんな声が聞こえてきた。私はロンの首に手を伸ばした。

 

「ちょっとめぐみん、早いよ!まずは話し合おう、な?」

「そのセリフが出るということは自分が悪いことを自覚しているということです。さあ、表に出てもらおうか」

 

 私がそんなことを言ってロンに突っかかっていると、さっき私を小さいと言った女の子が慌てた様子で言ってきた。

 

「あの、気を悪くしたならごめんなさい。私が小さいっていうのは可愛いって意味で言っただけで、別に貶すつもりじゃなかったの」

「……年下にそう言われるのは少し複雑ですね。ですがありがとうございます。それと大丈夫ですよ、私がイラっときたのは私のことを小さいと伝えていたロンに対してだけなので」

「あら、そう。ならいいわ」

「よくないだろ!助けろよジニー!」

 

 どうやら女の子の名前はジニーと言うらしい。多分ロンの妹だろう。ウィーズリー家の特徴とも言える赤毛を長く伸ばした可愛らしい快活な子だ。将来はきっと美人になるだろう。

 

「あ、そうだ。私はジネブラ・ウィーズリー。ウィーズリー家の一番下の妹よ。みんなにはジニーって呼ばれてるわ。よろしくね」

「ジニーですか。こちらこそよろしくお願いします」

 

 私はロンを睨むのをやめ、ジニーにそう言った。するとジニーは私の後ろを見て「あっ!」と短く声を上げ、視線を下に逸らした。そんなジニーに何があったのかと後ろを振り向きてみると、そこには困った顔のハリーが立っていた。両者を交互に見ているうちに、私は悟った。

 

「ハリー。あなたも男の子ですから、そのような感情を抱くなとは言いません。でもさすがにその歳でいたいけな少女にセクハラはちょっと……」

「違うよ!何でそうなるのさ」

 

 私の言葉にハリーはそう言った。

 

「違うのですか?」

「あ、うん、えっと、その……」

 

 私がジニーにそう聞くと、ジニーはしどろもどろになりながら何とか答えようとした。しかしハリーの顔を見るとやはり視線を下に向け、何か意味を成すような言葉が彼女の口から出てくることはなかった。

 

「これはまさしく性犯罪を受けた女性の反応ですね。というわけでハリー、大人しく自首を」

「だから違うって!ロンも何か言ってくれよ」

「あー、うん。めぐみん、ハリーはジニーに何もしてないよ。ジニーはハリーに憧れててさ、シャイになってるだけなんだ。というかハリーが何かしてたら兄の僕が黙ってるわけないだろ」

「そうなんですか?」

 

 ロンの言葉に、私はジニーにそう問いかけた。するとジニーは顔を赤くしたまま黙ってうなずいた。

 

「なるほど、どうやら私の誤解だったようですね。失礼しました」

「本当に失礼だったからね」

 

 そんなこんなで、私たちは9と3/4番線の入り口に辿り着いた。

 

「じゃ、頑張ってこいよ」

「くれぐれも問題は起こさないように」

 

 それを確認すると、ロンのお父さんとお母さんはそう言って来た道を戻って行った。

 

「じゃ、行きますか。二年目のホグワーツ、未知と危険に満ち溢れた古城へ!」

「ちょっとめぐみん、そういう言い方しないでよ。ちょうど今年は何もありませんようにって思ってたところなのに」

「おっとゆんゆん、青春真っ只中の学生がそんなこと言っちゃあいけないぜ?」

「学生時代に危険を楽しんでおかなきゃ、楽しい人生は送れない。ゆんゆん、『危ない』を楽しめ!」

「フレッドさんにジョージさんまで……」

 

 そんなことを言いつつ、私たちは周りの一般人たちに不審に思われないようにしながらホームへの壁へと入っていった。

 

 

 

「ハリーたち、遅いわね。何をしてるのかしら。あなたたちは二人と一緒に来たのよね?」

「ええ。ホームの入り口の壁まで一緒に来たのですぐ来ると思ったのですが」

 

 ホグワーツ特急のコンパートメントの中。私はホームで合流したハーマイオニーにそう答えた。もう私たちがあの壁を通ってから5分が経っている。元々時間に余裕があったわけでもないし、出発はもうすぐなのにホームを見回せど一向に二人が来る気配はない。

 

「心配ですね。少し見てきましょうか」

 

 私がそう言ったところで、汽笛が鳴り響いた。そしてドアが閉まる音がして、汽車はロンとハリーを置いてゆっくりと走り出した。

 

「……来なかったわね」

「来ませんでしたね」

「え、どうするの?ホグワーツ特急って今日しか出てないんでしょ?」

「大丈夫よ。ハリーはフクロウのヘドウィグを持ってるし、先生に手紙を送れば迎えに来てくれると思うわ」

「それもそうね」

「それよりも今年起きそうなことでも話しましょう。私はヴォルデモートの過去がホグワーツに攻めてくるに一票を投じます」

「縁起でもないこと言わないでよ……」

「流石に去年の今年でないと思うけど」

 

 そんなことを話していると、今まで黙っていたジニーが言った。

 

「ねえねえ、ハリーって学校ではどんな感じなの?そ、その、やっぱりモテてたり?あとは、好きな人とかいるのかしら?」

 

 そう言ったジニーの頬は少し赤みがかっていた。これを聞くかどうか少し迷っていたようだ。

 

「うーん、そうね……少なくともハリーが誰かに惹かれてるとかは聞かないけど。でもハリーを狙ってる子はそれなりにいそうなのよね」

「ええ。実際に私と同室のパーバティもそんな一人ですし。去年度に実績も積みましたし、今年はもっと増えるんじゃないでしょうか」

「え?パーバティってそうだったの?」

「あの、ハーマイオニー、あなたがいる時もそんな話をしてたと思うのですが」

 

 ハーマイオニーはどれだけ人の恋バナに興味がないのだろうか。

 

「レイブンクローだとそこまでではないわね。それでもやっぱり人気はあるみたい。私、あんまり色んな人と話さないから詳しくは知らないけど。……知らないけど」

「だからなんであなたは自分から傷付きに行くんですか」

 

 私たちに続いて、ゆんゆんもそんなことを話した。私はイマイチピンと来ませんが、ハリーは魔法界の英雄らしいですからね。人気なのも当然でしょう。

 

「そうなの。実は私、ハリーの前だと上がっちゃってロクに話せないの。どうすればいいと思う?」

 

 私たちの言葉に、ジニーはそう言った。そしてそんなジニーにゆんゆんが分かる分かると頷いていた。いや、あなたのは少し違うと思うのですが。

 

「そうね、それなら……」

 

 そんなジニーに、恋愛経験はないはずのハーマイオニーがアドバイスをし始めた。それを真剣に聞くジニーとゆんゆん。そんな三人を眺めながら、私はホグワーツへと向かった。

 

 

 

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