この素晴らしいホグワーツに爆焔を!   作:里江勇二

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 遅めの更新(三ヶ月ぶり)。
 いやほんと、すみません。そしてコロナのせいで忙しかったという言い訳もできないという。おのれコロナ。

 というか更新サボってる間にこのすば完結しちゃったんですけど。何あれ。何あれ!いや面白かったけど!面白かったけどさ!なんで終わっちゃうの!あああああ!

 騒がしくしてすみませんでした。それではどうぞ。例によってちょっと長めかもです。



このスリザリンとのクィディッチに騒動を!

 ドビーとの邂逅から三日。色々と忙しくて秘密の部屋関連の整理もまだできていない私は今、グリフィンドールのユニフォームを着てクィディッチ競技場を舞っていた。

 

 そんな私の足元を、十一月の下旬の冷たい風が吹き抜ける。生徒や教師たちで埋まる観客席が囲む中央で、私たち──クィディッチ・グリフィンドールチームは、宙を飛び交い試合前のアップをしていた。

 

 スリザリンチームがコートの隅の空中でこちらを見ながらミーティングをし、その更に後ろで各寮の生徒たちが友達と話したりポップコーンを頬張ったり思い思いのことをしながらこちらに視線を向けている。

 そう、今日はクィディッチ杯の開幕日。開幕戦は私のデビュー戦となるグリフィンドール対スリザリンだ。

 

「めぐみん、緊張してない?大丈夫?」

「何かあったら言ってね」

 

 そんな私にとって記念すべき試合となるこのゲームの始まる直前、私がコートを飛び回りコンディションを確認していると、アンジェリーナとアリシアが声をかけてきた。

 

「そんなまさか。輝かしい栄光の道の第一歩を踏み出すのにナーバスになる人間が、どこにいるというのですか?」

「ふふ、それくらい言えるなら大丈夫ね」

 

 私の言葉に、小さく笑いながらそう言ってくるアンジェリーナと横で同じく笑うアリシア。

 

「二人こそ、気合い入れてくださいよ?私はこの試合、チェイサーだけで160点差をつけるつもりなんです。今年はぶっちぎりますよ!クィディッチがシーカーだけのスポーツではないと証明するんです!」

「お、言うわね。いいわ、その意気で行きましょうか」

「めぐみんもアンジェリーナも、無理しないでよ?でもその気持ちは大事よね。頑張ろっか!」

 

 そうしていると、ホイッスルの音が聞こえてきた。そろそろ試合開始、入場準備の合図だ。私たちは一旦スタジアムの内部へと入っていった。

 

 入場に備えて一列に並ぶと、客席の熱気が伝わってきた。否応なしに高まる高揚感。何かを言おうとしているオリバーを無視し、私は列の前に出て声を張った。

 

「スリザ「さてみなさん!とうとうこの時がやってきました!クィディッチ杯開幕!相手はさっそくスリザリンです。ニンバス2001が何ですか!私たちの実力を以ってすれば箒の差など些事!蹴散らしてやりましょう!」

「「「おー!!!」」」

「なあめぐみん、言いたいことはだいたい同じなんだが、俺のセリフを取るのはやめてくれないか?」

 

 だって試合前にオリバーの長ったらしい演説聞きたくないですし。

 

「さあオリバー、それより入場ですよ!先頭へゴーです」

「あとで俺に対する態度で話があるからな、めぐみん!」

 

 そんなことを言いながら、オリバーはグリフィンドールチームの一番前へと向かった。

 

『両チーム、入場!』

 

 そうこうするうちに、場内アナウンスが響いた。

 

『さあ、今年もやってきましたこの季節!ホグワーツクィディッチ杯、今年も開始です!開幕戦はグリフィンドール対スリザリン!グリフィンドールには是非スリザリンをボコボコにしていただきたいというのが、スリザリンを除く三寮の共通の思いであるのは周知の事実でありますが』

『ジョーダン!』

『おっと失礼』

 

 去年と変わりませんね、リーの実況。場内に響く声にそう思いながら箒に乗って入場すると、途端に巨大な歓声が耳に入ってきた。

 

 おお……選手側から聞くとこんなにすごかったんですね。これはいいですよ。非常にいいです。否が応にも活躍してしまいそうな熱気ですよこれは、ええ。

 

『鳴り響くホイッスル!試合開始だ!』

 

 高まる高揚感の中、審判がホイッスルを高々と吹いた。放り投げられるクァッフル。私は、全速力でそのボールを追い始めた。

 

 

 

 

 

 

 1992年ホグワーツクィディッチ杯。その開幕戦は、グリフィンドール優勢で進んでいた。

 

『決まったー!これでアンジェリーナ、今日六本目!グリフィンドール、90対70とスリザリンに一歩リードです!』

 

「ナイスですアンジェリーナ!今日はいいですね」

「めぐみん、まだまだよ。どんどん点入れていくんだからね!」

 

 ゴール後に一瞬だけ言葉を交わし、またコートへと散っていく私たち。ブラッジャーに気を付けながらスリザリンスタートのボールを追いかけて行く。しばらく動きを見ていたが、ブラッジャーは正常のようだ。ドビーはちゃんと魔法を解除して帰って行ったようですね。そのことに少しホッとしながら、私は意識をコートに戻しながらスリザリンチームの箒を追った。

 

『さあスリザリンボールでゲーム再開です!しかし今日デビューのめぐみんですが、予想以上の活躍ですね。極めて高い性能を誇るニンバス2001を持つスリザリンを相手に、未だゴールはないものの6アシスト!驚異の得点貢献度です……おっと!ここでアリシアがパスカット!すぐさま攻撃に転じます』

 

 スリザリンのパスを鮮やかに横取りしたアリシアからクァッフルを受けつつ、私はそんな実況の声にテンションを上げる。そうでしょう、そうでしょう。私は天才ですからね!

 

『そしてスリザリンのマークを掻い潜りつつ前線へ出るめぐみん!フェイントを交え、強く相手選手とぶつかりながらもアリシアへ再びボールを戻しました。溢れたボールを拾う・体格差に負けずにボール保持・強引にゴールに迫らず味方にパスなど、普段からは想像もつかないチームプレイや泥臭いプレーを見せています、紅魔めぐみん!』

「誰が空気の読めない子ですか!というか私のプレーは華麗ですし!泥臭くないですし!」

「めぐみん、実況に反応しないの!」

 

 思わず言うと、アリシアが言ってきた。おっと失礼。ついやってしまいました。早くプレーに戻らなければ。

 

 少し注意が逸れていた私はパチンと軽く頬を叩き、アリシアとアンジェリーナと一緒に上がっていく。アリシアから短いパスをもらった私は、全速力でゴールへと向かった。小回りを利かせてスリザリンの選手たちを躱して上昇し、高さを利用して一気にゴール間近へ。

 

『おおっと、これはめぐみん選手、綺麗な箒さばきで相手選手を躱していく!これは初ゴールなるか!?』

 

「ふははは、見るがいい!これが私の栄光の第──」

 

 私がそう言いながらクァッフルを投げようとすると、急に右から巨体が迫ってきた。スリザリンのフリントだ。

 

 明らかに違反プレーのタックル。私は咄嗟に避けようとしたが、ニンバス2001を使うスリザリンの単純なスピードには対抗できず、私はまともにフリントのタックルを食らった。

 

「ぐへっ」

 

 そんな潰れた声を出して、私は箒から落下した。

 

 目に入るのはフリントのヤベェとでも言いたげな顔と、私のこぼしたクァッフル、目を大きく見開いたチームメイト。そして耳から息を飲むような音と球場を包み込むああっ!という驚きの声や怒号が聞こえてくるなか、私は仰向けに落ちていった。

 

『ああっと、スリザリンのラフプレーだ!めぐみんは箒から落下!審判団や先生方が追うが間に合うか!?クソが、○ねやこのド腐れフリント!』

 

 リーの声が通る球場の中を、私はかなりのスピードで落ちて行く。ぎゃあああああ!!!死ぬ死ぬ!これ死んじゃうやつじゃないですか!誰か助け──

 

「めぐみん!」

 

 っと。

 

 私が心の中で悲鳴を上げていると、アンジェリーナが全速力で私の方に向かい、そしてお姫様抱っこの姿勢でキャッチした。

 

「めぐみん!?大丈夫!?」

 

 私の顔を覗き込みながらそう聞いてくるアンジェリーナ。どうやら助かったらしい。

 

 地面に衝突でのデッドエンド回避に一安心とホッとしていると、アンジェリーナが私を揺すぶりながら叫ぶようにして言ってきた。

 

「めぐみん!返事ができないの!?けっこうな速度のまま落ちちゃったしどこか痛むの!?」

 

 どうやら何も言わないのを心配させてしまっているらしい。しかしかっこいいですね、アンジェリーナ。チームメイトを颯爽と救い(しかもお姫様抱っこ)、本気で心配する。イケメンですね。

 

 ふむ。

 

「アンジェリーナ」

「何!?」

「結婚してください」

「は?」

 

 おっと。

 

「んんっ。いえ、大丈夫です。タックルの衝撃で頭を打ったりとかはしてないんで、そんな心配そうな顔しないでください」

「えっと、これはどっちかと言うと困惑顔なんだけど……まあ大丈夫ならいいわ。箒拾って戻りましょう」

 

 アンジェリーナは私を何か変なものを見るような目で眺めながら、地上へと降り立った。

 

「おいめぐみん、大丈夫か!」

「けっこうなスピードで落ちたけど、気分が悪かったりしないか?」

 

 そんな私たちの周りに、グリフィンドールチームの面々が声をかけながら降りてきた。

 

「いえ、特に問題はありません。それより早く戻りましょう。あまり試合を長く中断させたくありません」

「めぐみん、ウッドが移ってない?大丈夫?」

 

 ウッドが移るってなんだろう。いや、何となくは分かりますけど。

 

 そんなことを思いながらフィールドに戻ると、クァッフルを持ったフーチ先生が近寄ってきた。

 

「ミス紅魔、大丈夫でしたか?かなり激しくミスターフリントと衝突していたように見えましたが」

「全然大丈夫です。さすがに死んだかと思いましたが、アンジェリーナが助けてくれましたので」

「そうですか。それはよかった。ではこれ、ペナルティゴールです。指定の位置から投げてください」

 

 フーチ先生はそう言ってクァッフルを渡し、審判としての所定の位置に戻っていった。え?

 

 ふと周りを見回すと、選手の面々はペナルティゴールの配置についていなかった。そしてシュートの位置に人影はなく、どう考えても私がシュートするような流れになっていた。

 

 なるほど。

 

 どうやら私の初ゴールはペナルティゴールの産物になると。

 

 いやあああああ!嫌だ!嫌すぎる!全然華々しくない!よりにもよってペナルティゴールが初とか!まだ泥臭いゴールの方がマシです。今から誰か代わってくれませんかね……?

 

 そう思うも、球場全体はスリザリンの席以外がスリザリンへのブーイングと私への声援で満たされている。この状況でそれをするのはちょっと、紅魔の血がストップをかけるというか、その、ね?分かるでしょう?もちろんわざと外すのもなしですし。

 

 どうしようもないじゃないですか……。少し落ち込みながら私はペナルティゴールの位置に移動し、シュートを放った。ボールは正確にリングへと向かい、吸い込まれていった。

 

『ゴール!先ほどのラフプレーに動揺することなく冷静にシュートを決めましためぐみん!レジェンドオブゴミのフリントのプレーによる影響もないようで安心ですね』

『ジョーダン、気持ちは分かりますが口を慎みなさい』

 

 リーの実況を聴きながら私はグリフィンドール側のフィールドに戻っていった。マクゴナガル先生はそういうことを言っていいのだろうか。まあ教師としてもさっきの危険なプレーは見過ごせなかったんでしょう。

 

「めぐみん、ナイスシュート!何はともあれ、初ゴールおめでとう」

「ナイスゴールめぐみん、おめでとう!さあ、ここからどんどん決めていこう!」

 

 そう思う私に、アンジェリーナとアリシアがそう言って近寄ってきた。

 

「ありがとうございます、二人とも。そうですね、頑張っていきましょう」

 

 二人の言葉にそう答える私。二人の祝福は嬉しいが、それでも私の美しい人生初ゴールが邪魔されたことか消えたわけじゃない。ちょっとスリザリンには嫌がらせしてやろう。

 

「ねえアリシア、めぐみんが初ゴールを決めたのに頭がおかしくなってないんだけど。何かおかしくない?」

「おかしくなってないのがおかしいっていうあなたの言葉もおかしいけど、確かにおかしいわね。何かおかしなこと考えてなきゃいいけど」

「アリシア、あなたの語彙にはおかしいの類義語はないの?おかしいがゲシュタルト崩壊を起こしそうなんだけど」

 

 そんなことを考える私のそばで、二人はそんなことを話していた。

 

『さあプレー再開。スリザリンボールからスタートです。この試合パスカットをされることが少し多いスリザリンチーム、警戒しながら慎重に上がっていきます』

 

 そうしてフィールドをゆっくり動いていると、プレーが再開してスリザリンチームがボールを数人の間で回しながらゆっくりとフィールドを上がってきた。私がマークに動こうとしたその時、パスが回ってきたフリントが急にグリフィンドール陣地に攻め込んできた。近くにいた私が追うが、なかなか追いつけない。

 

『ここでボールを持ったフリント急激に前進!グリフィンドールからはめぐみんが着いていきますが単純な直線飛行たと残念ながらフリントに軍配か』

 

 そんなフリントに、私は苦し紛れに叫んだ。

 

「私の初めてを台無しにしたこと、絶対に許しませんからね!」

 

 フリントはボールを落とした。

 

『おおっとフリント、ここでまさかの落球!ロリコンという罪の重さに気づいたようだ!』

「黙れジョーダン!俺はロリコンじゃねえ!」

 

 フリントが律儀に実況に突っ込みを入れている間に、私はフリントの落としたクァッフルを拾った。

 

「クソ、待ちやがれ!正々堂々とか()えのかテメェは!」

 

 そんな私を追ってくるフリント。あなたに言われたくないんですが。というかまさかあれだけで動揺して落球するとか思いませんし。そう思いながら、私は叫んだ。

 

「ロリコンに迫られてます!助けてください!」

 

 球場がドッと沸いた。

 

「めぐみん、ロリコンに追いつかれる前にパスよ!」

「こっちよめぐみん!ロリコンがすぐ後ろまで来てる!」

「ヘイブラッジャー、どうせならあのロリコンを狙ってくれよっと」

「ロリコンは引っ込んでろ!」

「うちの紅魔を汚すんじゃねえ!」

「YESロリータNOタッチの原則すら守れないとは、ロリコンの面汚しよ」

「テメェら後で覚えておけよクソがあああ!」

 

 私の言葉を面白がったのか、コートの内外からロリコンロリコンと聞こえてきた。なんか一人ロリコン目線の人がいたけど。なんだろう、たまにこの学校からロリコンの気配を感じる。

 

 そう思いながら、私たちはフリントを中心に精彩を欠くスリザリンをパスを中心に翻弄して得点を重ねた。

 

『決まったー!めぐみん、今日二つ目のゴールでスリザリンに50点差!チャンスメイクにポイントゲット、初試合にして見事に役割を果たしていますめぐみん!対して動きにキレがないスリザリンはなんなのでしょうか。めぐみんに翻弄されまくっています。もうスリザリンじゃなくてロリザリンでいいんじゃないですかね』

『ジョーダン、少しは口を慎みなさい!』

 

 私が得点を決めると、リーがそんな実況をしていた。マクゴナガル先生がたしなめるも時すでに遅く、会場全体に「ロリザリン!ロリザリン!我らがピエロ、ロリザリン!」のコールが鳴り響いていた。

 

「おいロリコン、お前のせいで俺たちまでロリコン扱いされてるんだが」

「どうしてくれるんだロリコン、俺彼女いるのに」

「もう俺の妹に近づくなよロリコン」

「お前らまでロリコン言うなや!ぶっ飛ばすぞ!」

 

 スリザリンチーム内でもロリコン呼ばわりされるフリント。なんか少しだけ不憫になってきた気もしますが、私の初ゴールを邪魔したことを考えれば当然のことですね。

 

「おっとロリコンさん、身の危険を感じるので近づかないでくれませんか?」

「テメェ!クソ、この野郎○ねや!」

 

 そう思いながら私がボールを受け取ると、フリントが普段の数倍の迫力で迫ってきた。とりあえず煽ると、フリントはさらにキレて向かってきた。

 

「野郎って何ですか。私は女です。それにいまさら私を男扱いしても、ロリコンの名は消えませんよ」

「黙れやこのチビが!」

「はあ!?チビとはなんですかこのウスノロ!そっちこそ図体しか取り柄がないとか恥ずかしくないんですか?」

「今度こそぶっ○す!」

 

 どうやらガチギレした様子のフリント。うまくパスを出せる位置にいなかった私がコート内を逃げ回っていると、不意にホイッスルが鳴った。フリントへの注意かと思って振り返ると、そこではハリーがスニッチを片手に微妙な表情をしていた。

 

『逃げろ逃げろめぐみん、どうせならそのまま交番まで行っちま……と、ここでホイッスル?ええっと、ああ!グリフィンドールがスニッチをゲットしたようだ!ごめんよハリー、見てなかった。何はともあれ試合終了!270対70、勝者はグリフィンドールだあああ!』

 

 そうして、私の初の公式戦は無事勝利で終わった。

 

 

 

「なんだろう、この徒労感。スニッチを掴んで試合決めたのは僕なのに、全然達成感とかないや。歓声も浴びなかったし、僕自身乾いた笑いしか出なかったし」

 

 その日の夜、私はハリー、ロン、ハーマイオニーと遅めの夕食からの帰り道を歩いていた。

 

「あー、うん。あれは仕方ないよ。めぐみんの最初の試合だぜ?分かってたことじゃないか」

「それもそうだね。流石に次はあれほどめちゃくちゃにはならないだろうし、切り替えていくよ」

「ロン、私の最初の試合だからとはどういう意味ですか」

「あー、違うんだ。別にそういう意味じゃなくてね。だから杖を片手ににじり寄らないでほしいんだけど」

 

 私がロンを杖で小突いていると、ハーマイオニーが言った。

 

「ま、とにかくデビュー戦勝利と初ゴールおめでとう、めぐみん。今日の試合、あなたらしくて見てて楽しかったわ」

「今日の派手さのないプレーが私らしいとは納得いきませんが、ありがとうございます。本当はチェイサーで160点差付けてシーカーなしで勝ってやるつもりだったんですが」

「そんなこと考えてたの?ただでさえ今日の試合は(シーカー)の影が薄かったのに。というか無理があると思う」

「しょうがないよ、めぐみんはいつも頭のおかしなこと考え……あの、ほんと、悪かったと思ってる。ごめんよ。めぐみんは頭がおかしくなんかイタッ」

 

 再び何やら私のことを言ってきたロンの頭を私は軽く小突いた。全く、ロンは学ぶ気がないんでしょうか。出会った時から同じことを繰り返しているような気がするんですが。

 

 そう思いながら、私は言った。

 

「というかハリーは別に一試合くらい影薄くてもいいでしょう。女子生徒の中には一定数試合関係なしに見てる人いますし、もう固定ファンなんかもいます。コリンとか今夜あたり『写真撮りました〜』とか言って駆け寄ってくるんじゃないですか?」

「あー、確かに今日明日あたりあるかもしれないわね。まあでも、固定ファンならめぐみんにも付いてると思うわよ。この学校の人たちは基本お祭り好きだし」

 

 私が言うと、ハーマイオニーがフォローするように言ってきた。ほう。確かに先学期の最後なんかファンレターももらいましたし、名前も売れてる頃でしょう。そろそろサインをせがまれてもいい頃ですね。

 

「あー、確かにめぐみんにもファン多いかもね。見てて面白いし、ちょっとした芸人みた」

「自分はアイドル人気だからって調子に乗ってますか?調子に乗ってますね?顔の傷痕増やしてあげてもいいんですよ?」

「ごめんごめん。というかよくそんなズケズケと気にしてるところ抉れるね……」

 

 ハリーが何か言ってますがスルーしましょう。人のことを芸人とか言うから悪いんです。女子の人気を喩えるのに芸人はないでしょう。

 

 そうしていると、ロンが言った。

 

「それより早く寮に戻ろうぜ。初戦でスリザリンに大勝ちしたってので、談話室でちょっとしたパーティーやるってさ」

「おお、それはいいですね。早く行きましょう」

 

 談話室に着くとパーティーはもう始まっていたようで、すでに喧騒に包まれていた。今日の主役たる私を差し置いて先に楽しむとは何事か。そう思った私は一瞬でテンションを上げ、みんなに向かって突撃していった。

 

 そのままみんなでワイワイ騒いで、だから私は忘れていた。

 

 翌日、コリンが石になって発見された。

 

 

 

 

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