side うちはサスケ
「……来たな、サスケ」
「ああ。……病気だと聞いた。大丈夫なのか?」
「 問題ない」
「今の一瞬の空白であまり大丈夫ではないとわかったよ。それと、話は聞いた。木の葉の上層部からの命令だったらしいな」
「……」
「知っている。聞いている。ダンゾウに命令されたと。うちはが木の葉にクーデターを起こそうとしていたことも、それを止めるために兄さんがうちはを滅ぼしたことも」
「……誰から聞いた?」
「ナルトだ。あいつも色々と命を狙われたらしくてな。報復ついでに色々探っていたらわかったそうだ」
兄さんは額を抑えて俯いた。気持ちはわからなくもない。本当ならずっと黙っておくつもりだったことが当たり前のようにバレていたと言うのは精神にクるものがある。俺もそういうものがある。まあナルトにぶちまけられた黒歴史の事とかな……なんであいつあんなことまで知ってんだ……?
あとサクラもだ。身長は見ればわかるし体重も持ち上げてみれば大体わかる。スリーサイズもあくまで外見の事だから見ればわかる奴もいるだろう。なんでサクラの昔の恥ずかしい事やら初めての赤飯の日やらを知っていたのか……カカシもカカシで初恋の相手の事だとか親友の事だとか色々と……全くあいつはいったい何をどうやってどこまでの事を知っているんだか……。
「話をしたい。いや、違うな……話をしよう、兄さん。俺達は分かれていた時間が長すぎた。色々話したいことが山ほどある」
「……いいだろう。しかし―――」
「ああ、それもわかってる」
覗きがいるのはわかっている。わかっているなら話し合いの場は一つしかない。俺の写輪眼にはイタチの月読のような幻術系の術は無いが、写輪眼そのものに十分すぎるほどその力がある。
……それにあれだな、俺はナルトにそっちの方も無理矢理に鍛え上げられた。失敗するとオカマ丸に掘られそうになったりカカシに掘られそうになったりする幻術返しをされるから必死になった。ああ、本当に必死になった。あそこまで必死になったのは初めて須佐能乎を使えるようになって調子に乗りナルトと戦った時にデコピン一発で須佐能乎の全身を消し飛ばされてからいつもの無表情のまま『仕置きの時間だ。殺す技を当てるが死ぬなよ』と言われて追い掛け回された時くらいだろう。なおその後死んだ。そして蘇った。あいつはあれだな、絶対に戦争映画に出しちゃいけない類の奴だ。主人公の友人が『あの人を返せ!』と泣いて喚いている所にひょっこり現れて『返せばいいのか? わかったちょい待て。……ほい出来た』と本当に返してしまう。もうこの時点でシリアスが完全に死ぬよな? 空気と一緒に何もかもが崩壊するだろ? 絶対にやってはいけない。まるで物語を無理矢理にハッピーエンドに導こうとする機械仕掛けの神のようだ。
まあ、あいつの場合自分にとって幸せに終わらせるためなら他のあらゆるものを地獄に叩き落とすくらいの事はするだろうが。
さあ幻術の掛け合いだ。幻術の世界の中ならば、俺とイタチは誰憚ることなく会話ができる。だがまずは確認だ。
「兄さんの初めてのキスの相手がうちはシスイだったってマジか?」
「 」
お、白目剥いた。マジらしい。そしてちゃんと兄さんが幻術にかかっていることもわかった。だが瞳術で俺にかけられた幻術の世界が消えてしまった。これでは会話ができそうにない。
……しかしナルトはいったいどうやってこのことを知ったんだか。当時を知っているのはまだたくさんいるとは言ってもほとんどは既に死んだうちはの一族ばかりだろうし、父さんや母さんなら知っていてもおかしくないがそれをナルトに伝えるかと言われれば微妙だし、そもそもそのことを確認してみたら誰かから聞いたと言われたからまず間違いなく俺の両親からではない。前々から思ってはいたが一体どんな情報網が……?
「……サスケ」
「なんだ、兄さん」
「忘れてくれ。頼む。できれば俺も忘れたいんだ。二度と話題に出さないでくれ」
「わかった。じゃあ代わりにこれからの話し合いはしっかりしてもらうぞ」
「ああ、わかっている」
「もし嘘をついたりはぐらかしたりしたら変化して木の葉に天照するからな」
「止めるんだサスケ。嘘はつかないしはぐらかしもしないから」
よし、これで大丈夫だろう。会話の主導権の握り方がナルト式になったがまあ問題ないはずだ。
Q.なんかサスケがナルチカに似てきてない?
A.まあ付き合いも長いですし影響を受けていたとしてもおかしくはないでしょう。いえ、行動と頭がおかしいんですが。
Q.薄い本が厚くなるような展開はありますか?
A.すみませんねお客さん、ここ全年齢対象なんですよ。