side うずまきナルト
オカマ丸が殺され、予備の身体に逃げざるを得ない状態まで追い込まれたそうだ。せっかく育て上げたサルケの身体を破棄して逃げるのは悔しかっただろうな。まあ予備の身体ってのも同じ程度まで育て上げた状態のサルケの身体だからそこまで困りはしないだろうが。
そして今回オカマ丸を殺した相手の名は、トビと言うらしい。右目を中心とした渦を巻いたような面を付けた写輪眼を持つ男だったそうな。
流石にまだ切り札となる穢土転生達を出すようなことはしなかったそうだが、攻撃透過やら時空間忍術やら物体透過やらを繰り返されて負けてきたらしい。まああの術を初見攻略はきついわな。わかるわかる。ちなみに俺だと空間ごと殴り割って通す。多分通せる。
まあオカマ丸は死にはしたがこうして生きている。それは問題ないんだが、かつて暁として行動していた頃に持っていた指輪、玉の指輪を奪われたそうだ。何やってんだよこのアホンダラ。
まあ恐らくだがこれで暁にトビが正式加入したと考えて良いだろう。かーちゃんの直接的な死因を作った相手だが、それはまだいいとしてもその時俺を殺そうとしたんだよな。次顔を見せたら殺そう。
さてそれはそれとして、エロ蝦蟇仙人がちょっと出かけてくるらしい。心変わりの確認のために死んだら蘇らせた方がいいかと聞いてみたが、首を横に振られてしまった。なんでまともな奴ほど生き返ったり若返ったりってのを拒否するんだろうな。不思議だ。逆に腐ってる奴ほど生に執着する。お前が生きていたところでこっちに何の得もないだろと言いたくなるが、言ったところで変わらないから言わないでおく。死ねと言って死ぬならいくらでも言うが、死ねと言っても死なないから言わないのと似ているな。まあ俺の場合殺そうとすれば見ただけで殺せなくもないんだが、三代目の爺さん曰く木の葉に必要な人材らしい。あー殺したい。
だが今はまだ駄目だ。もっとちゃんと殺せるときが来るまでは。しっかりと殺しきれるその時までは。殺したところで誰一人文句を言わないその状況までは。文句を言って来た相手もまとめて殺しつくしてそれでも大丈夫な時までは。木の葉が滅んだんだったらそれに紛れて殺すがな。
そう言えば、ナメクジ女はバクラの師匠だ。サルケは俺とエロ蝦蟇仙人の弟子のようなもので、対外的にはエロ蝦蟇仙人の弟子だろう。しかし俺はと言うと、オカマ丸に龍地洞に連れていかれて蛇の口寄せを教えられたりもしたが弟子と言う訳ではないし、エロ蝦蟇仙人にもそこそこ術やらを教えてもらったがエロ蝦蟇仙人の弟子と言う訳ではない。ナメクジ女なんて殆ど会うこともない。俺は師匠らしい師匠なんていないことになるよな。ある意味じゃあ原作が俺の師匠と言う事になるんだろうか。よくわからんが。
きっとこれでエロ蝦蟇仙人は死ぬだろう。六道の目を持つものを相手にするのはなかなか面倒だ。俺も普段は使っていないが使うとなると便利すぎるからな、あれ。チャクラを吸収することによってあらゆる忍術を無効化する。引力と斥力を操ることでほぼあらゆる術を無効化し、敵を封印することができる。数多くの口寄せを行うことで陽動や攻撃などを行うことができる。接触した相手の記憶を読み、さらに魂を引き抜くことができる。質問することで相手がそれに対して嘘を言うと相手を殺すことができ、さらに壊れた仲間たちの修理を行うことができる。チャクラを使った近未来兵器を身体に宿し、使いこなすことができる。それに加えて文字通りの死者蘇生か。知らないと絶対的に不利すぎる。まともな奴じゃあ敵わない。仙人だろうが何だろうが種を知っていない限りは延々と戦い続けることになる。そして種を知ったからと言って必ず勝てる相手と言う訳でもない。中々面倒な相手だ。
俺の重しはどんどんと外れていく。三代目の爺さん。エロ蝦蟇仙人。大きな二つの重しが外れてしまった。もしかしたら、木の葉が滅ぶのと世界が滅ぶのはほぼ同時になるかもしれないな。知らんが。
結局俺は何をしようか。世界の敵? そんなことをしてまで欲しい世界ではない。木の葉の英雄? あんなクソ共を守る人形になんてだれがなるものか。
……ああ、そうだな。どうせなら、滅んだ木の葉の里を眺めて酒でも飲むか。この世界ではこの年で酒を飲むことは推奨されていないが、在って無いような決まりだ。まともな親のいる家庭ではちょくちょく父親に少しだけ飲んでみるかと聞かれ、少しだけ飲んでみる子供が見られると聞くしな。俺にはわからんが。
Q.なんでオカマ丸が狙われたの?
A.ナルチカが指輪を奪ってったせいですね。
Q.オカマ丸は平気?
A.今現在死んでいない事を平気と言うなら平気です。