NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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NARUTO~113

 

 side うちはサスケ

 

 木の葉の里に暁の奴が攻めてきた。自来也を殺した奴だって話だが、ナルトを……正しくは九尾を探しているらしい。

 ナルトが出てこなければ木の葉の里を壊し続けると。ナルトを隠すならば女子供も構わず殺すと。それを言われてナルトの事を話すような奴が、ナルトに普段の居場所を教えられているはずがない。特に今はこんな状況だ。木の葉の里が嫌いなナルトなら、木の葉の里が更地になるまでは出てこないだろう。それこそ、俺達を含めた全員が死体になったとしても。

 だが、それでいい。それでもいい。ナルトには大きすぎる恩がある。返しきれないほどの借りがある。俺だけでなく、ヒナタもそうだろう。あいつは偏屈だが、気に入った相手のためになら多少骨を折るくらいの事はしてくれる。それもこっちが頼む前にこっちで起こるだろうことを予想して必要な物を集めてくれる形でだ。

 俺はイタチの真実を伝えられた。イタチにそれを確認する機会を与えられた。両親を取り戻してくれた。力を与えてくれた。

 だから俺は今、ナルトを守るために戦える。

 

 須佐能乎を纏い、剣を振り、天照で焼き、加具土命で黒炎を操る。ペインのうちの三体、身体を妙な武器にする奴、術を吸収する奴、引力と斥力を使う奴らを俺が相手して、残りの三体、口寄せしてくる奴、死んだ奴を治す奴、掴んだ相手から魂を引き抜く奴らをヒナタとサクラが相手している。だが正直なところじり貧だ。特に術を無効化してチャクラを奪っていく奴を相手にするのが辛い。ただでさえ須佐能乎のチャクラ消費は凄まじいと言うのに、更に奪われて回復に当てられてしまうばかりか天照の黒炎までも吸い取られてしまう。

 それに、口寄せの獣が厄介だ。本体の方はヒナタとサクラに止められているが、口寄せの方はかなり自由に動かれてしまっている。初動が遅れたせいもあって大体の忍は殺されてしまった。今ここにいないと言う事は、五代目の婆さんも危ういだろう。

 

 だが、援軍は来ない。来たとしても精々数人が限度。期待はできない。運が良ければ―――ナルトの両親が出てくる可能性もある。俺の両親もだ。しかしこいつらは強い。勝てるか勝てないかで言えば、勝てはするだろうが厄介すぎる。一対一で戦いたくないのは間違いなく引き寄せと反発の奴。多数の時に一番に仕留めなければいけないのは直す奴。だがその隙は作れそうにない。チャクラ糸を仕込んでもあいつらの目はそれを見て取るようだし、全員の死角から攻撃を叩き込もうにもそうさせないように立ち回りをするのが上手い。俺の万華鏡は幻術には向いていないせいかこいつらに対してはかかりが悪いし、はっきり言って決め手がない。

 まずはあの直す奴だ。あいつが動き続ける限り倒したとしても復活させられる。何か、何か不意を打つ一手は無いか? あいつだけは即座に決めておかなければ勝ち目がない。

 ヒナタの白眼と柔拳は、どうもあまり効果がない。サクラの純粋な力による攻撃は通るようだが、一撃で決めるとなると大振りになるし溜めがいる。こいつらは本当にどうなってやがる? 正直なところ負ける気はしないが勝てる気もしない。戦い続けるだけならできるだろうが攻め切れない。殺せば殺せるし壊せば壊せるが後から後から直され追加される。あと一人。あと一人欲しい。あと一人、ナルトほどとは言わないし俺たちくらいとも言わない。サクラと同等くらいでいい。そのくらいの奴が居てくれれば―――

 

「到着……僕でいいかい? サスケ君」

「十分だ!」

 

 四代目火影は現れた瞬間に一人を連れて即座にこの場を離れた。一番厄介だった引力と斥力の奴だ。そしてどこに置いて行ったかはわからないが即座に戻ってきて術を吸収する奴の相手を始めた。

 その少しの間に俺は身体を武器に変える奴を殺し、焼き尽くす。一人が相手だったら俺もヒナタもサクラも負けるわけがない。そして術を吸収する奴の対策は思いついた。だが、それをやるなら俺や四代目よりも適任がいる。俺はサクラとヒナタが戦っている所に乱入し、口寄せを使う女を縦に分割する。

 

「ヒナタ!あそこで四代目と戦っている奴はチャクラを奪う!仙術チャクラを食わせてやれ!」

「!わかった。じゃあここはお願い!」

「任せろ!」

 

 サクラが相手をしているのは直す奴。そして俺は魂を掴んで引き抜く奴を相手にする。チャクラを抜かれないのがここまで戦いやすいとは思わなかった。

 だが、本物葉意無椅……本物はいない。つまり、こいつら以外に本体がどこかに……

 

 衝撃。

 暗転。

 




Q.サスケとヒナタがいて滅ぶの? マジで?
A.普通に考えて六道の術は初見殺しも甚だしいので……。

Q.最後どうなってんの?
A.最大出力の神羅天生で一瞬意識が消し飛びました。

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