NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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エイプリルフール企画でなんか作っとけばよかった……明日でいいか。
そう言う訳で明日はエイプリルフール企画ですよー。


NARUTO~116

 

 side うずまきナルト

 

 移動は静かに。ヒナタとサルケ、バクラ、親父、そしてイルカ先生の死体を綺麗に並べる。

 

「うずまきナルトか。俺と来てもらうぞ」

「死にたいなら後で殺してやるから黙ってろ」

 

 手を打ち鳴らす。練らないようにしているチャクラを意識して練り始める。たったそれだけでこの場にいた全てのペインが彼方に吹き飛ばされた。畜生道の一体が本体のいる場所の近くに口寄せで他のペイン達を引き寄せたようだが、そうしなければ動かせないのだろう。俺も同じだからわかっている。

 俺のチャクラで陽遁と陰遁を使って全員の身体を修復し、生きているのと変わらない状態まで戻す。死んでいたこいつらはどう頑張っても半日程度は目を覚まさないだろう。組む印は目が教えてくれる。チャクラを励起させながら俺は輪廻眼の術を使う。

 外道・輪廻天生。死んだばかりの奴ならばこれで生き返らせることができる。輪廻眼を開眼したのはあっちが先かもしれないが、俺のは十尾の輪廻写輪眼。瞳力には天地ほどの差があるし、ついでに言えばチャクラ任せでかなりの無理を押し通して道理にしてしまうことができる。

 そして、蘇った里の人間が意識を取り戻さないうちに俺のチャクラで包み込み、思兼で俺の記憶を全て根こそぎ焼き払ってチャクラに変える。他人の記憶を集めてから焼き払うのは難しいが、他人の記憶を思兼で焼き払ってから出来上がったチャクラを集めるのは難しい事じゃない。

 

「……あんた……」

「ん? ……ああ、なるほど。暴走に備えて勝手に思兼が発動したら目覚めるようにしていたのか。相変わらずしっかりしてんな」

「……ごめん、誰だかはわかるけど名前が思い出せないの。焼いちゃったから」

「だろうな。無茶したな、お前さん」

「必要だったのよ。……何の……いえ、誰の記憶を消しているの?」

「……本当に鋭い奴だな。お前さんの予想の通り、俺の記憶だよ」

「……わかってる。貴方は木の葉の里に苦しめられてきた。でも、サスケ君と彼女の記憶だけは消さないであげて」

 

 ……まあ、俺が記憶を消すのはもう木の葉の里に関わり合いになりたくないからだが、ヒナタとサルケならそのあたりの事を織り込んで行動してくれるだろう。記憶は若干焼き始めてて灰にこそなっていないが炭にはなっている。多分だが、俺の事を一時的に思い出せなくはなっているだろうな。何かがあったら思い出すだろうが。

 ああ、そうだ。サルケとヒナタのこれから向かうべき道を書いた本とか、バクラに渡す超幻術の書とかも渡しておくか。こいつなら悪いようには使わないだろう。

 

「今回、自分の記憶を失うことに対して何か思うことはあったか?」

「……ええ。怖いわ。自分が今まで積み上げてきたものがすべて消えてしまうような感覚。自分と言う器の中から突然ある場所だけがぽっかりと消えてしまう虚無感。けれど私の中にある私には多すぎるくらいのチャクラが、私がどれだけの物を失ったのかを明確に見せつけてくる」

「……」

「でも、私はまたこの術を使うわ。使わなくていいなら使いたくないけど、使ってなんとかなるなら……」

「……まあ十分だな。ほれ」

 

 俺はバクラに時空輪廻の術と名付けた幻術の書を渡す。覚えるのにそれなりの時間が必要だろうが、こいつなら使えるようになるだろう。それに合わせてサルケ宛の指南書と根腐れ男の居場所を。ヒナタには仙豆の壷と仙豆栽培に必要な手順書と道具、それに加えてサスケと同じように指南書を。それぞれに渡しておいてくれと手渡した。

 

「俺以外には思兼を使えるお前くらいにしか使えないだろうから、この幻術の書はやる。使いどころを間違えるな」

「……名前」

「ん? ああ、そうか。そうだったな。焼いたんだっけか。俺はうずまきナルトだ。……暫くはお前以外は起きないだろうから、後を頼んだ。できればここを守ったのはサスケってことにしといてくれや」

「……ナルト、ね。うん、わかった。でも、ナルトがサスケ君の名前をちゃんと呼ぶところって初めて聞いた気がするんだけど」

「実際そうだな。その術を教えた時にも同じ説明をしたから省くぞ」

「やっぱり、ナルトなんだ。この術を私に教えてくれたの」

「さっきの巻物の幻術も合わせて超級の禁術だからな。誰にも知られんなよ? ……時間切れだ。じゃあな」

 

 俺は木の葉の里の跡地を後にする。ほぼ全員が命は無事で、しかし里自体は壊滅状態。これから向かうは完全に敵地。まったく、面倒だが……妙に清々しい感情がある。

 たった一度。恐らくこの生涯で一度きりの、愛の言葉。なんてのはクサすぎるかね。まあ、それはそうとして。

 

 さようなら。愛して(憎んで)いたよ。木の葉隠れ。

 




Q.サクラはどのくらい忘れてる?
A.人の名前は殆ど。一部は存在すら忘れてる。木の葉の里の道とか位置も結構忘れてる。

Q.陽遁と陰遁って……イザナギ?
A.を、チャクラコントロールと性質変化のみで完全再現したものです。

Q.この流れでエイプリルフール企画とか正気かよ……?
A.正気でこんな作品が作れるとでも?

Q.ちなみにどういう内容に?
A.夢オチ。



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